1241.北朝鮮の暴走



米朝中の3者会談の結果、北朝鮮は一層、暴走の度を増している。
これの検討。  Fより

4月19日のコラム「1234.北朝鮮について」で見通した通り
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/k5/150419.htm
になっている。この同じ日に「北朝鮮に譲歩するアメリカ」という
田中宇さんの記事が出ている。しかし、経緯として田中さんの記事
は正しいのですが、3者会談の結果としては大外れになっている。

田中さんの記事と比較されて、知人からたびたび注意されるのです
が、田中さんの記事と見解が相違した場合は、結果として国際戦略
コラムの方が正しい場合が多い。田中さんは米国、欧州の記事しか
見ていない。中国や東アジア諸国の現地の情報が少ないために外れ
るのだと思うし、米国では経済面でのフォローに問題点があると思
う。グリーンスパンを追っていない。

イラク戦争は田中さんは戦争しないと言っていたし、北朝鮮問題も
読み違えている。しかし、あちらは有名で、こちらは無名のまま。
どこが違うか言うと、元記者か個人業かの違いなのであろう。こち
らには出版依頼もないが、あちらには出版依頼が沢山あるようだ。
こちらは読者数5000で、あちらは数十万だそうです。また、横
に逸れた。

中国は、北朝鮮に脅しを掛けてこの3者会談をセットした。その場
で、北朝鮮が核保有を認めてしまった。テホドンは去年10月に、
エンジン試験中爆発を起こし、開発が中止状態になっていると韓国
や米国は見ている。ノドンミサイルは200基あり、核を持ってい
るというと、日本が核攻撃される可能性を示唆する。日本の安全保
障上大問題が起きていることになる。

1994年米朝の核開発凍結を定めたジュネーブ協定に合意して、
以後、北朝鮮は核開発はしないというになっていたが、2002年
のケリー特使訪朝より前に、核開発を開始していたことが判明した
ことになる。これは国際条約や国際的な取り決めを一切、北朝鮮は
守らないことを意味する。中国も朝鮮半島の非核化宣言をしている
ので、その中国の方針とも違う政策をしていることになる。

国際法上、ゆゆしき問題が発生している。日本は北朝鮮に味方する
勢力が今まで居て、北朝鮮を甘やかしていた。その結果がこれであ
る。神浦さんと同じ見解で、日本は北朝鮮に対し、核破棄合意まで
、送金停止を含めて一切の外交・通商・交流を止めて、北朝鮮の反
省を促すべきであると思う。小泉首相、ご決断を。

中国とは、中国が進める北朝鮮民主化運動を側面で助けるべきであ
ろう。韓国が独自で北朝鮮援助をするようであれば、日本との通商
で韓国も制裁するべきで、ここは日米で韓国を北朝鮮援助中止で説
得することが必要だと思う。

安全保障の方が発生すると、経済より優先度は高い。日本は安全は
タダと思っているが、今回は生存条件に絡み、平和憲法ではどうし
ようもない事態である。集団安保を認め、かつ自衛権を拡大する必
要があると思う。

しかし、予測する場合は、中国の出方に注意が必要であろう。金正
日の暗殺、クーデターなどが起こる確立が高い。米国・日本・ロシ
アと協同で何かのアクションが取られることになると思う。韓国は
参加しないと思う。
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北朝鮮、核保有を表明 「再処理」完了とも主張 (ASAHI)

 米政府高官は24日、北京で23日から開かれていた米朝中の3
者協議で、北朝鮮側が核兵器の保有を表明した際、使用済み核燃料
の再処理も完了したと米側に伝えたことを明らかにした。米主要メ
ディアが一斉に報じた。日本政府も米代表団からの連絡で核保有発
言を確認した。米政府は以前から北朝鮮の核保有は指摘してきたが
、再処理作業の着手については裏付ける事実を確認しておらず、
発言の内容や事実関係などを慎重に分析している。 

 北朝鮮政府代表が核兵器保有や再処理の実施を対外的に表明した
のは初めて。米国務省のバウチャー報道官は24日の記者会見で、
「北朝鮮の核保有について米政府はかねて指摘しており、発言があ
ったとしても驚かない」と表明。一方で「協議の場での相手側の発
言については具体的に確認しない」と述べ、正式の確認は避けた。 

 使用済み燃料の再処理について国務省当局者は朝日新聞記者に対
し「熱検知による分析などから見る限り、再処理は実施されていな
い」と述べ、北朝鮮の発言は「虚勢」の可能性もあるとの見方を示
した。しかし、こうした発言が米国の対北朝鮮強硬派を刺激するの
は確実で、米朝間の一層の緊迫は避けられない見通しだ。 

 米CNNなどによると、3者協議の初日の23日、北朝鮮代表の
李根(リ・グン)・外務省米州副局長が、米代表のケリー国務次官
補(東アジア・太平洋担当)に対し、「我が国は核兵器を複数保有
している。廃棄することはできない」と表明。そのうえで「(核の
保有を)物理的に立証するか、それら(核兵器や核技術)を国外に
持ち出すかは米国次第だ」と述べ、あいまいな表現で核実験の実施
や外国への輸出を示唆したという。 

 ワシントン・ポスト紙(電子版)によると、核保有について李根
氏は3者協議の公式会合の中ではなく、協議の合間に釣魚台国賓館
の廊下でケリー米国務次官補に語ったという。寧辺(ヨンビョン)
にある約8千本の使用済み核燃料棒の再処理については、協議の中
で「ほぼ完了した」と述べ、兵器用プルトニウムを抽出したことを
示唆した。 

 北朝鮮の核保有について米政府はこれまでも「90年代半ばまで
に北朝鮮が核兵器1、2個分のプルトニウム抽出に成功、核兵器を
製造した」との見方を示してきた。北朝鮮側の発言は、この「1、
2個」を指す可能性が高い。 

(04/25 12:06) 


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