1215.イラク侵攻について



件名:国際戦略コラムno.1206.戦争の掟  
Fさんの分析解説に対し、私は本当に同意の念を隠せません。

実際に侵攻攻撃が始まっても、攻撃同盟軍と言われる米英間でも色
々な面で、問題が噴出して来ています。

国際刑事裁判所への署名を事前に撤回していたアメリカでは、きっ
と無視しても全く問題ないとされている事なのでしょうが、現在、
英では、このイラク”戦争”(というより私は”侵攻”と呼ぶにふさ
わしい行為だと思っているだけでなく、英のメディアですら戦争と
言う言葉は使われず、”侵攻”と呼んでいる場合が多くありますが
...)の合法性を模索している状況です。

テレビやラジオに法律関係者が招かれ、英ジャーナリストの質問に
対し、”12年前の前回の湾岸戦争時からの国連決議を全て鑑みれば
、この戦争は合法的措置だ。”と言う法律家と、”いや、どう考え
ても国際法や国連決議1414等からは、この戦争は法的には正当性は
証明できないし、現在の国連決議に、過去の物を持って来て法的解
釈する正当性も見当たらない。” と言う意見とまさに、反戦・戦
争反対で国内が真っ二つに分かれた物と同じ形相を呈しています。

また、英国は米とは異なり、国際刑事裁判所の批准国でもあるため
、軍事行動の範疇における国際法の解釈のしかたについても、英・
米間の対応・認識が異なるため、英国では、これがかなり問題視さ
れています。

ある過激な報道では、”人間の楯”について、米軍はこれらの人々
は、自分の意思で敵地に留り、敵国を支持をして、敵の防衛に加担
しているのであり、これは、攻撃の対象としても、問題ないとして
いる。
とも聞かれ、”人間の楯”は民間人であり、これを攻撃の対象のみ
ならず、この人達の負傷を誘発させる攻撃もしてはならないとする
英の解釈とかなりかけ離れています。

また、攻撃対象とする軍事関連建造物の解釈についても、TV局は、
民間施設であり、これへの攻撃に対する正当性はなんら認められな
い。
とする英に対し、12年前も今回も、さっさと先制攻撃をしておいて
、TV局は、敵国のプロパガンダを流すれっきとした軍事関連施設で
あるとする米軍の解釈と一線を画しています。

この延長線上に、最終的な敵国指導者の捕獲後における対応・対処
についても、米からの見解が明らかにされず、英政府、英軍には、
これに対する不安の色は払拭される事がありません。

現在も欧州の首脳会議において、欧州独自の防衛軍組織に関する論
議は、今回の侵略戦争により英仏の距離の拡大が生じて、困難を極
めているような形相ですが、このような細かな事柄における英米間
の見解が必ずしも合意・一致しているとは限らないのが、現状だと
みられます。

また、12年前の湾岸戦争では、米軍による流れ弾で、多数の英兵が
犠牲になっていて、原因究明のための調査を米軍に依頼しても、米
軍人保護法案によって、米政府から足蹴にされた事もあるそうで、
今回もDU弾使用にも絡んで、まだまだ問題は山積みのようです。

さらに、本日3/22(GMT)、米政府が一番危惧していた(...と米が主張
している)事柄が現実になってしまいました。 トルコの地上軍が米
空軍に領空利用権を開放する引き換えに...といったようなトル
コの理由付けで、(米はこれに同意したわけではないと言っています
が...)北方イラクへ進軍を始めました。これによって、もしかす
るとトルコ軍と北イラクに陣取るクルド人との紛争に飛び火する事
を、米が誘発した事になり、この米政権によって無理矢理開始され
た侵略戦争は、更に国際紛争へ拡大する可能性がとても大きくなっ
てきました。
BBCテレビによると、英軍及び英政府はこの問題について、何のかか
わりも持っていないと報道していますが...??

私は、日本は一度米政府支持を表明したからには、もしかしたら
もう後戻り出来ない世界規模の混沌を同盟国としての米政府に対し
その暴走を内側から、軟化させる方法を、欧州各国又は英政府と協
力して行う必要があると思います。 その際は、アラブ・中東アジ
ア各国との強調も忘れてはならないと考えます。 日本人は欧米人
と異なり、他民族・他文化へのアプローチ力や理解力に優れている
と思いますので、その能力を利用し、世界の混沌を緩和させる絶好
の機会であると思うのですが・・・

草々
Tomconks
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件名:Re: 国際戦略コラムno.1209.読者の声  
私には、12年前の湾岸戦争以来のイラクを巡る流れにより、この第
2次湾岸戦争が誘発されてしまったようにも思います。

12年前、米はイラン・イラク戦争後、力を付け始めたイラクの軍事
力を懸念し、フセイン大統領にクエートを侵攻させるよう誘導して
イラク討伐の理由を明確にした後、第1次湾岸戦争をお越したが、
その後もイランの脅威に備えるため、サダムフセインをイラクへ残
したままにしていたはずです。

しかし、クエートを侵攻したと言う、悪い事をしたイラク・フセイ
ンを懲らしめるためその後も米英は、イラク国土の約3分の2を占め
る部分を非航空領域とし、何時でも好きなときに空爆できるように
すると同時に、米主導によるイラクへの徹底した経済制裁を以降12
年間続けていたと記憶しています。

しかし、イラクにも国民がいて、その生活がある。 民間レベルの
闇市や米経済制裁の網を潜って、商売をする国もあり、それが石油
についは、フランス、ロシア、中国、その他電子機器などについて
は、韓国、台湾などの国々であり、これによって、米による経済制
裁で倒れそうなイラクは、かろうじて形態を留めていたのではない
でしょうか?

しかし、自国内の経済状態が急降下し、情勢が苦しくなった現米政
権で、何とかこれを打開するため、中東の石油利権に目をつけたの
ではないかと私は思っています。 但し、最初のきっかけはブッシ
ュ一族の石油ビジネスから始まった物でしょうが、その後の政府内
のキリスト教団体の台頭や、軍事政権と呼ぶにふさわしい対外政策
と米ネオコン首脳陣の思惑が幾重にかかわり合う事によって、その
侵攻目的が微妙にその形をゆがめながら、この米政権主導の戦争一
辺倒な方向へなだれを打って行ったのだと思います。

昨年秋ごろから、何度と無く、イラクを攻撃すると言う米の主張に
対し、そのあいまいで、筋の通らない理由付けからも、国連や欧州
各国は嫌疑を抱いており、正当性が得られない侵攻を行うよりも少
しづつではあるが、効果を示してきた国連査察を継続するよう、強
く求めていたはずです。

この時点では、どの国もイラクの政権に問題があり、大量殺傷兵器
についての疑惑を感じており、これについて、対応しようとする点
は、同意があったと記憶しています。
その後、米は、査察から軍事行動へ移すための理由を模索し始め、
査察の期限を設定しようとしたり、国連事務の怠惰性や繁雑性など
を挙げ、査察の遂行を妨害しているようにも私には見えました。

また、このような米国の非協力的な態度を見て、フランス、ロシア
などから不満の声が上がり、米が戦争をしたがるのには、別に何か
理由がある(一国覇権主義による物なのでは?)という疑念から、少し
づつだが、確実にその効力を発揮しつつある査察を今打ち切ってま
で、正当性が認められない戦争を始める事は、許されない。と言う
主張をフランス、ロシア、中国などが続けていました。

更に、国内の選挙において、正当性の認められない侵攻戦争には加
担しない事を公約した独シュレーダー首相が当選する事により、ド
イツは完全に米の戦争に反対する立場を取り続けていましたと思い
ます。

フランスについては、自国に多くのイスラム教徒がいる事もあり、
そのイスラム社会に配慮している部分と、現米政府に対する懸念が
あの強固なまでの国連決議投票権拒否に繋がっていたとだと思いま
す。
仏、独、露の主張としては、各国の利権や思惑は別にして、単に戦
争反対と言うよりも、国連査察の有効性が見出されて来たこの期に
及んで、わざわざ中東の混乱を誘発するような、正当性の認められ
ない戦争は、必要ない。と主張していたと記憶しています。

恐らく各国とも石油利権や欧州通貨システムとの競い合いから派生
して米・欧州との対立が激化し、戦争・反戦で対立していると見ら
れていますが、米がまるで子供の喧嘩のように、仏を目の仇にして
いる事と異なり、仏としてはこれ以上米と対立しあっても何の利益
もなく、英ブレア首相に言われるまでも無く、米・欧州協調は重要
であると考えてはいるようです。
ですから、英米の要請があれば、援助の余地はある事を表示してい
るのでは無いでしょうか?

しかし、現在までも、あまりにも目に余る米による暴走に欧州諸国
は、どうしても懸念を隠す事が出来ずにいるのでしょう。
今後、英ブレア首相が何処まで米・欧州間の縺れた糸を修復できる
か、英に住む私にとってはとても気になるところです。

何分、英国民の世論がイラク侵攻前には、戦争反対70%が、侵攻が始
まり、メディアによる米英軍の快進撃を見るや否や戦争容認が56%に
跳ね上がり、米と同じような思考回路を露呈した現状をとても私は
危惧しているので、昨日の月例記者会見で、戦後のイラク復興は、
どうしても国連主導で行うべきだと主張するブレア首相に、とても
かすかではありますが、一筋の光明を見出している現状です。

草々
Tomconks
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件名:現米軍事政権  
恐らく、この侵略戦争の目的は、多角的な面を持っているでしょう。
米覇権主義、米通貨のユーロに対する保護・強化、更にそれによる
米政府巨大赤字の隠蔽、石油利権の暴力による奪取、そして、9/11
以降、アラブ諸国に対する無意味な逆恨み、パレスチナ人を現在位
置からイラクへ追い出す事による一方的な中東和平の強要等など、
様々な人が様々な観点で述べられているこの侵略に対する理由は、
全て誤りではないと私は考えています。

現在の米政権は、キリスト教原理主義の軍事政権で、基本的に今回
の共和党ブッシュ政権は、開始以来、米国民の信頼を全く受けてい
ない政権である上、特に大企業...もっと言えば、閣僚が所有す
る企業や高所得層支持者の利益を最優先させているため、国民の大
部分の不平や告発を避け、人々を押さえつけるためにも、軍部の力
が必要だったのではと、考えています。

中間選挙時は、集票マシーンとして、戦争時には、宗教国家米国の
世論を無理矢理納得させるため、キリスト教原理主義を利用し、
米大統領自らも、彼らによって、己は世界の救済者だと言う妄想を
煽られているようにも見えます。
ここでも、新兵器の実地実験としての戦争をしたくてしようがない
軍部との利害が一致しているのでしょう。

12年前、日本や米国ですばらしい戦果を挙げていると折りに触れて
発表された輝かしい米軍兵器は、実際には、ゴミ同様であったと言
う見解も出ています。 12年前の第1次湾岸戦争で、ニュースの度に
すばらしい成果を挙げたとされ、持ち上げに持ち上げられていたパ
トリオットミサイルは、実際には全く機能していなかったと言う米
軍関係者の意見があります。それによれば、あのパトリオットミサ
イルの迎撃精度は、”サダムフセインが国民の100%の信用を受けて
再選を果たした”と言うのと同じくらい信頼の無い物だと言うもの
です。

また、米国は第2次世界大戦後、人道的な非殺傷兵器の開発に力を
注いでいるとしていましたが、現在まさに米が開発を進めている、
市街戦での使用を目的とする新兵器、サーモバリック弾などは、民
間人も道連れに皆殺しが可能な非人道も甚だしい兵器以外の何物で
もないと私は考えています。 

軍備や兵器又はそれに準じる国家予算は、国家の機密事項として、
その支出、使用方法はいつも闇の中となり、米国における膨大な軍
事予算は、完全に闇献金や政治腐敗の温床になっていると言う指摘
はかなり前から米国内でも述べられ、問題視されている事です。

9/11の約1ヶ月後に起こった炭そ菌を使った殺人事件について、その
事件そのものが米国内で風化されようとしていますが、これに使用
された炭そ菌は米国由来の菌で、生物兵器並みの純度であった事が
判明しており、この”テロ?”騒動によって、米国内の生物兵器およ
びセキュリティーの名目で、使途不明となり得る関連軍事予算が増
額されたと言う事も考慮に入れておくべきだと思います。

2000年の米大統領選挙以降、政府と軍部の距離が急接近し、その利
害を最優先する政策が多く取られている事は、どうしても払拭され
得ない事なのではないでしょうか? 前政権で国際刑事裁判所への署
名をしておきながら、現政権でそれを撤回し、さらには、米軍人保
護法などによる自国の軍部を過剰なまでに擁護する姿勢が、これを
明らかに結び付けていると私は考えます。

12年前の湾岸戦争でも、米軍による誤射流れ弾で、多数の英兵が犠
牲になっており、原因究明のための調査を米軍に依頼しても、米軍
人保護法によって、米政府から足蹴にされたとの事が、英BBCニュー
ス等でも取り上げられているだけでなく、アフガニスタンでの一方
的な攻撃においても、拘束したタリバン兵を、多数コンテナ詰めに
し圧死、窒息死させたり、国際査察の手の届かないキューバはグア
ンタナモ基地へわざわざ送るような捕虜の扱いについても、米軍に
よるジュネーブ条約違反の疑惑や、事実を闇へ葬り去ろうとしてい
るようにすら見える行為からは、今回のイラク侵略についても、
人道的な視点を米軍が配慮していると言う見方は到底導き出されな
いでしょう。

昨日3/26日の英の月例記者会見上で、ブレア首相は、”イラクでは
、非人道的なサダム政権の所為で、この5年間で、10万人以上の子供
達が、栄養失調や白血病で亡くなっている。このような暴挙を許す
わけには行かない。”と、演説しましたが、良く考えれば、(石油に
よる外貨はサダム政権の私腹へ入ったとしても、)米英主導の12年間
に渡る対イラク経済制裁により、使用される医薬品や食料もろくに
手に入れる事ができず、更に、前回の湾岸戦争時に乱用されたDU弾
の放射能被爆により、一番影響を受けやすい子供達が白血病に犯さ
れている事実意外に説明が付かないとも私には思われます。

日本政府が何処まで配慮を持って、この侵略行為を支持しているか
、私には全く計り知れません。 
もしかしたらこれが、日本政府が国際刑事裁判所へ批准どころが
署名もしない要因なのかもしれません。

草々
Tomconks
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24日のF氏の戦略コラムを拝見しました私「kiyo4」なりの考えを
述べますので出来ればF氏のお考えをお願い。

私はF氏は如何なる方か?を出来れば知りたい物と毎度コラムを楽
しみにしています、
失礼ですが「右」かな「左」に近いか毎度のコラムで想像しており
ます私は少し奢れる者弱者を痛める者を敵視しています少し「左」
かな? 「第2次大戦参加した者77歳」     

 (24日のF氏のコメント)
米国はイラク戦争を開始してしまった。しかし、全体的な構図は正
しいでしょう。米国産業の主導権が民主党政権から共和党政権に代
わったことで変化した。金融・ハイテクIT業界主導の政治運営か
ら防衛・石油・宗教業界主導の政治運営になったため、その考える
視点が変化したように思うが。中間略最終コラム

冷戦時代はソ連がいたことにより、米国の兵器が市場主義経済諸国
に売れたが、冷戦後、この敵が居なくなって、米国のハイテク兵器
が売れないことになる。このため、自由資本主義諸国の敵を必要と
しているのです。このため、米国はイスラムを敵にした悪の諸国を
作り出したいため、イスラム・テロを誘ったように感じる。イラク
は特に、化学兵器を使用したことで、悪の国家としては一番、世界
的に支持を得ることが出来ると考えたと思う。

とのF氏のコラムを引用すれば失礼ですが私「kiyo4」が常に言って
いる米国の大量破壊兵器が容認されてイラクの物が駄目とのブッシ
ュの言動に怒りを覚えます。イラクは破壊兵器の中身が科学兵器と
か米国その他の国も大量破壊兵器は恐ろしい物で現に空爆で戦争に
関係ない子供女子がその犠牲になっている。米国は航空機船舶陸戦
等の兵器が溜まりすぎていて俗に整理の時期になり、どこかで使用
はないと、今後生産出来ない事になっている。此れはF氏の考えと
全く同じです。これまでに幾度と無く私も投稿で訴えてきましたが
、昨日の米国の捕虜の扱いは違反だとか其の前に米国がイラクの捕
虜をテレビで放映しているまったく傲慢すぎる昨日までの世界各国
での戦争反対の抗議デモはすざましい物がある米英は今月中には
バクダットに突入とか?
そんな優しいものではない私は4月10日でもバクダットには入れ
ないと思います「フセインのイラク」も必死の抵抗するでしょう。
日本始め米国寄りの国は直ぐにでもと考えているが戦争はそんな物
ではない日本は原爆に会い、ひとたまりも無く手を上げたが今日で
は原始爆弾はいかに、横暴な米英でも使えないと思う使えない。
もし米英が使ったらそれこそ私が言っている第3次世界大戦になり
その理由はおそらく「宗教」戦争となる事間違いなしイラク戦争で
の差し迫った今米英は心して対処する事を願う。

私kiyo4の提言を・ F氏にコメントお願いします。

  03.03.24.pm10.15. kiyo4
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(Fのコメント)
日本の古代を復活することを考えているので、自分では「右」と考
えている。座禅や寝ていると、いろいろな情景が見え、かつYSさ
んの情報と合わせると世界の動向がわかるため、それをこのコラム
で発表しているのです。今回のkiyo4の提言はその通り。

今後の見通しはイラクのフセインの「ジハード」の呼びかけが、
アラブ世界に共感を与える。このため、イスラム諸国からの義勇軍
とイスラム教の喜捨の金(各個人の全収入の7%をイスラム教に寄
付する:これの金は米国の軍事費と同程度に大きい。)の一部が武
器という形でイラクに提供される。

そして泥沼になって、第3次世界大戦に近づくことになると感じる
。ロシア・中国の米国対抗も裏に見える。いやな感じを受けるが
どうであろうか??
最悪の状態に推移する可能性がある。


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