1210.持続可能な開発とは



得丸です。

僕の予測は、もっと下方にあります。

89億人が食べるだけの食糧は生産できないと思うためです。

経済発展を行うためには、これまで経済領域に入っていなかった場
所を経済領域に組み込む必要があるのではないでしょうか。

だから、これまでの人類の経済成長は人口増加と等価であり、
また、環境破壊はすべて経済成長と等価であった。だが、今や、新
たに開発する外部経済領域はない。只でゴミを捨てることのできる
外部不経済領域もない。(だからアングラでこっそり捨てることが
横行しているのは、もっと危険なことなのですが)

ローマクラブの「成長の限界」が予測したように、21世紀に人類
は大規模な人口減少を経験するような気がします。

今、世界は、成長が止まっています。これはジェットコースターの
スタートする直前じゃないかな。これから人類は大転換(落下)の
時代を経験するような気がする。

>世界人口予測(下方修正)
>
>途上国で出生率低下
>国連は二十六日、二〇五〇年時点の世界の総人口が八十九億人
>になるとの予測を発表した。この数字は二年前の予測よりも四億人
>少ない。
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NGOの皆様、皆様にとって「持続可能な開発のための地球サミット」
はいかがだったでしょうか。

私は、持続可能な開発とは何かを悩み、つたないながらも私なりに
考えた結果を皆様に提示してきたつもりですが、それは偏った考え
であったと一笑に付すべきものだったかもしれないと反省しており
ます。

持続可能な生活とは、一定の面積の収穫で養えるだけの人口にとど
めておく生活です。耕地面積を拡大すると、人口は増大しますが、
それはいつかは成長の限界に達します。

現実には、地球上から耕地面積が減少しはじめた1980年代後半
に、人類は成長の限界を迎えました。

その後の1987年に登場した「持続可能な開発」という概念を迎
えたのが、ブラックマンデー(株価大暴落)です。株価は正直です。

もしかすると、東西冷戦の終焉も、西側諸国の成長の限界の延命措
置だったのかもしれません。

だがしかし、中国が資本主義市場に入るときに、「10億人の市場
にどれだけの購買力があるだろうか」と期待した人々が、現在は
10億人の安くて良質の労働力の生産するものを買っています。
東西冷戦の終焉は、地球文明を一気に限界に至らしめたのかもしれ
ません。(ロシアにおける森林伐採の現実も、心が痛い問題です)

私の結論は、
1 持続可能な開発とは、概念矛盾であり、そんなものはありえない。
2 人類は、すでに成長の限界に達している。
3 だから、もはや景気回復はありえない。
4 人類は、まもなく大量の人口減少の時代を迎えるであろう。

というものです。この結論が正しいのかどうか、わかりません。
我々はどうしたらいいのかもわかりません。

たまたま言語学者の鈴木孝夫氏が9年前に上梓した「人にはどれだ
けの物が必要か」(飛鳥新社、あるいは中公文庫)という本に最近
出会いまして、その中にこんな表現がありましたので、ご紹介しま
す。言語学者だけに、鋭い表現だと感じいりました。

これまでいろいろな本を読み、自分なりに検討を続けて参りました
が、なんだこんなところに結論があったのかと、拍子抜けした思い
です。

もっと早く鈴木孝夫氏の本を読んでいれば、無駄な労力を使う必要
もなかったようにも思いますが、提言フォーラムという大徒労に
関与したからこそ、鈴木孝夫氏の言葉が胸に響いてきたのだともい
えます。

皆様にとって、どのように響くか、あるいは響かないか、興味深い
ところです。

以下引用

 近頃、「地球環境にやさしい経済発展」とか、「持続的安定成長
を目指す政策」といった表現を耳にすることがあるが、このような
ことは、別に深く考えてみるまでもなく、概念自体が矛盾する有り
得ない目標と言わなければならない。
 
 人類はこれまでの生産消費活動の全領域で、とっくに地球生態系
の安定的自己回復の能力を超えてしまっているのだから、どんなに
ひかえ目に表現しても、これからかなり長い期間、成長どころか、
経済活動のレベルを毎年下げ続けなければ、調和も安定も益々視界
から遠ざかる一方だ。」

引用終わり

得丸久文
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ペンネーム:アルディージャ(高2)です。

>しかしながら翌1987年には、ブルントランド委員会が、「持続
>可能な開発」という、
経済発展と地球環境を両方とも手に入れられるかのような怪しい概
念を持ち出してきた。
その延長に位置する2002年の「持続可能な開発のための地球サ
ミット」でも、人類はさらなる開発、さらなる豊かさを求めた。

 この文面に関してなんですが、「持続可能な開発」について誤解
しているようなのでメールを送るしだいです。
 この「持続可能な開発」とは、資源の分配やエネルギーの利用等
を適切に行って初めて達成できるものです。今の状態は持続不可能
な開発を行っています。
 現在、地球の富は北の先進諸国が大部分を独占している状況です
。そして、南の発展途上国はまさに急激に発展しています。このま
ま行けば、地球のエネルギーは枯渇してしまいます。しかし、発展
途上国に発展をやめろとは言えません。また、先進国に生活レベル
を落とせというのも難しいでしょう。そこで、「地球サミット」で
、エネルギー問題や貧困問題、経済格差等を話しあったのです。
このサミットは、決して、むやみやたらな開発・豊かさを求めるも
のではありません。会議のための会議となってしまった感は否めま
せんが、理念は決して怪しいものではなく、しっかりとしていると
いうことをお伝えします。

つたない文章ですみません。


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