前回のユビキタス社会で重要なICタグについて検討しよう。 Tより ユビキタス社会とは、いつでも・どこでも・だれでもインターネッ ト・サービスが使える社会と言われている。しかしICタグもこの 中に入れている。2円程度になるというICタグの社会に対する影 響が大きいためであるが、このICタグはアンテナとスキャナーと PCが各所に必要になり、このPCでインターネットに接続される 構図だ。 このため、重要なインターネット・サービスの1つと言えることに なる。このスキャナー・アンテナ・PCの値段が安くないと普及速 度が鈍ることになるが、各社の競争は激しさを増しているので、だ んだん低価格になるでしょうね。特にスキャナーとPC価格の低下 が必要である。 パッシブ型の安いICタグの原理は、ICチップにリング状の導電 対を付けて、アンテナから出る強い磁界による起電力で電気を生み 出し、ICチップ内にある情報を読むことにより電流が変化する。 この変化を再度、アンテナで読む。この情報をPCに送りデータ処 理するという構造である。 このICタグを動かすのは高周波の電磁界ですので、鉄などの磁界 を遮断する物があると、ICタグは読めない。水も同様に電磁界を 通さない。このため、TVである大学教授が言っていた洗濯機の中 の洗っている物が分かると言うのは間違い。水は電磁界を通さない ので分からないはず。アンテナからICタグまでの距離が1.5m 程度と離れていてもOKであるが、人間の身体も水分が75%を占 めているため、ICタグを身体につけると読めない可能性がある。 ICタグ・カードにして架さしてもらえば、定期券や社員証でゲー ト開閉制御はできるので、そこを気をつけないといけない。 ICタグが安いので本に付けて、物流管理や書店の万引き防止に役 立てたいという新聞記事が出ている。それと家電製品にICタグを 付けて、物流管理・廃棄物管理にするという新聞記事もある。この ように物流管理やスイカような定期券・社員証からICタグは実用 化してくるのであろう。 ICタグが普及するためには、その限界点にも目を向けないと失敗 するように感じる。電磁界で動くということと、ICタグは安いが PCやスキャナーが高いため、その値段を低価格にする必要がある。 それと認識後、他の機器との接続をどう確保するかのインターフェ ースが重要である。現在、電気機器類は、会社ごとに違うインター フェースになっている。統一したインターフェースになっていない 。このためプロトコル変換が至る所に存在している。これが値段を 高くしているし、そのままでは繋がらない。 エコネットのように、家電全体で統一したというが、製品は出てこ ないし、世界的な標準と違い、他の家庭内電材機器との接続もでき にくくしている。ますます、ICタグなどの家電と違う電材品が出 てきて、どう接続するのであろうか日本の家電メーカ各社は再考し てほしいものである。 あるユーザ対応で我々が、標準インターフェースのサムソンの家電 製品を日本に持ち込むことも検討しているが、なるべくなら日本メ ーカで作って欲しいものだ。そうしないと日本だけユビキタス社会 構築でも遅れてしまうという危機感がある。 中国や韓国では既に標準インターフェースの家電が製品としてあり 、ICタグのゲートと家電が連携して動作するマンションも計画さ れている。ユビキタス社会構築には家電を含めた電気機器のインタ ーフェースの統一が絶対に必要なのである。