1157.ユビキタス社会の構図2



前回のユビキタス社会で重要なICタグについて検討しよう。
                    Tより

ユビキタス社会とは、いつでも・どこでも・だれでもインターネッ
ト・サービスが使える社会と言われている。しかしICタグもこの
中に入れている。2円程度になるというICタグの社会に対する影
響が大きいためであるが、このICタグはアンテナとスキャナーと
PCが各所に必要になり、このPCでインターネットに接続される
構図だ。

このため、重要なインターネット・サービスの1つと言えることに
なる。このスキャナー・アンテナ・PCの値段が安くないと普及速
度が鈍ることになるが、各社の競争は激しさを増しているので、だ
んだん低価格になるでしょうね。特にスキャナーとPC価格の低下
が必要である。

パッシブ型の安いICタグの原理は、ICチップにリング状の導電
対を付けて、アンテナから出る強い磁界による起電力で電気を生み
出し、ICチップ内にある情報を読むことにより電流が変化する。
この変化を再度、アンテナで読む。この情報をPCに送りデータ処
理するという構造である。

このICタグを動かすのは高周波の電磁界ですので、鉄などの磁界
を遮断する物があると、ICタグは読めない。水も同様に電磁界を
通さない。このため、TVである大学教授が言っていた洗濯機の中
の洗っている物が分かると言うのは間違い。水は電磁界を通さない
ので分からないはず。アンテナからICタグまでの距離が1.5m
程度と離れていてもOKであるが、人間の身体も水分が75%を占
めているため、ICタグを身体につけると読めない可能性がある。
ICタグ・カードにして架さしてもらえば、定期券や社員証でゲー
ト開閉制御はできるので、そこを気をつけないといけない。

ICタグが安いので本に付けて、物流管理や書店の万引き防止に役
立てたいという新聞記事が出ている。それと家電製品にICタグを
付けて、物流管理・廃棄物管理にするという新聞記事もある。この
ように物流管理やスイカような定期券・社員証からICタグは実用
化してくるのであろう。

ICタグが普及するためには、その限界点にも目を向けないと失敗
するように感じる。電磁界で動くということと、ICタグは安いが
PCやスキャナーが高いため、その値段を低価格にする必要がある。

それと認識後、他の機器との接続をどう確保するかのインターフェ
ースが重要である。現在、電気機器類は、会社ごとに違うインター
フェースになっている。統一したインターフェースになっていない
。このためプロトコル変換が至る所に存在している。これが値段を
高くしているし、そのままでは繋がらない。

エコネットのように、家電全体で統一したというが、製品は出てこ
ないし、世界的な標準と違い、他の家庭内電材機器との接続もでき
にくくしている。ますます、ICタグなどの家電と違う電材品が出
てきて、どう接続するのであろうか日本の家電メーカ各社は再考し
てほしいものである。

あるユーザ対応で我々が、標準インターフェースのサムソンの家電
製品を日本に持ち込むことも検討しているが、なるべくなら日本メ
ーカで作って欲しいものだ。そうしないと日本だけユビキタス社会
構築でも遅れてしまうという危機感がある。

中国や韓国では既に標準インターフェースの家電が製品としてあり
、ICタグのゲートと家電が連携して動作するマンションも計画さ
れている。ユビキタス社会構築には家電を含めた電気機器のインタ
ーフェースの統一が絶対に必要なのである。


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