1130.まとりさんと読者の声に



農業の近代化と、農政は、すぐれて重要な、国家の背骨に近い問題
であろう。食料問題の視点もあれば、地方と都市の産業間格差の問
題でもある。はたまた、国土の保全という観点もあるであろうし、
日本の精神的原風景に関わっていると主張する人もあるだろう。
共生社会や社会文化そのものへの影響も鑑みなければならない。

先の構造改革で、やや漸進した形態が認められたが、本格的な分析
はまだである。できれば、本コラムで取り上げてもらいたい。
まず、営農株式会社(土地を所有せずに、生産販売を請け負う)が
、農業分野にどんな影響を与えるか。<農地利用><農家収入>
<農業従事者数><農産品価格><農林地保全><地方経済>
それらについて、誰か専門家としての試算を行ってほしい。複雑す
ぎて、素人の手にはとてもおえないからだ。

また、食=農林水産の問題を、究極まで思考していった場合(例え
ば、世界規模での食料危機)必ず、水=真水のの問題にたどりつく
。この問題を真剣に討議されたことがおありだろうか?

エネルギーと水さえあれば、後は代替可能とすら思えてくる。
しかし、水の問題は、どこをひっくり返しても、解決の糸口が見つ
からない。ぜひ、このコラムで議論するべく取り上げてもらいたい。

                        まとり
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(Fのコメント)
農業は国の基本である。この農業を石油漬けにして、農協だけが儲
かる仕組みを作り、農家より農協職員が多いという体制に日本はな
っている。何かがおかしい。
これを、論理的に整合性がある産業にすれば、農業は国の補助がな
くても儲かる。この論理整合性の柱は農業を国民全員に開放するこ
とです。農業を民営化、会社化も可能にすることですよ。今の農業
は農協が全てを押さえて、農家のためにも国民のためにもなってい
ない。

その上で石油を使わない福岡さんの自然農法が定着すれば、農家ほ
どいい商売はないことになる。ほとんど働かないのに、収穫物はで
きるのですから。
水がおかしいのは、その後背地の森林がおかしいからです。森林伐
採をしたり、ゴルフ場などの農薬漬けの芝生であるとその下流の水
はおかしくない。皆人災なのです。環境破壊から国土の自然化に、
国の方針を変化させないと21世紀の日本はない。森林はCO2の
吸収源でもありますから、今後のCO2排出権市場でも中心的な位
置にあります。この森林の利用は国家としての今後の課題でしょう
ね。
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2003年のキーワードは「自立」になると思える。

ここ数年は、「共生」であり、2002年は「再生」であった。
これらの言葉は、日本の進むべき指針であると同時に、世界の動き
ともマッチしていた。
日本は、これから、3つの自立を達成しなければならない。

第一は、企業の自立である。
業界秩序に甘んじてきた企業が、真に国際社会で通用するように、
トップと組織を改変しなくては、生き残れないのである。(人件費
減らしのリストラなど、まるで正反対だ。)
単に調整型のトップでは、乗り切れなくなっていく。
もちろん、変な粉飾まがいの帳簿操作や、建前だけの話もやめたほ
うがいい。これからは、ありとあらゆる産業が、国境を越えて行く
ことを前提とすべきだ。

また、系列という名のもとにあった、中小企業も自立を求められる。
大企業まかせでは、もはや、利益確保と受注、企画調整能力に期待
できなくなってきたためだ。
中小企業は、得意な技術を持ちながら、このままでは、ミスマッチ
の谷間に沈んでしまう。他分野の中小企業同士が多数参加した、営業
、開発計画、情報収集を担当する、<フロント>を設け、受注に積
極的に参加する必要がある。

第二は、「官」・<お上>からの自立である。
公共事業は、右肩上がりの時代、確かに、富の再分配をし、都市か
ら地方へ発展を広げ、有効需要の、層的拡大に寄与してきた。
しかし、あるレベルからは、再分配が、再生産力に結びついた、と
は言えなくなってきたのである。
地方は、そのため独自性をもたず、公共事業のみが収入源という歪
な経済構造になってしまった。

と同時に、市民に根強くある、お上意識が、社会に問題が起きるた
びに、行政を批判することによって、「官」の、規制という武器を
、強化すらさせてきた。
分配と規制を通じて、この国の命運は、官が握っている。
我々は、官僚という<乳母>の手を離れ、自立しなければならない。
大幅な規制を解除し、そのかわり、結果責任をきちんと取るという
ことが必要だ。
大量の国の借金がある今、経済を活気づけるにはこの方法しかない。
動かない経済を、通貨政策のみでインフレに誘導すれば、最悪の、
スグタフレーションの可能性すらあるのだ。

そして、それは、<地方の自立>でもある。
地方が、補助金づけになって、自立した政策をとる自由度が狭まっ
ている。中央以外のアイデアを殺しているのだ。
すべての流れは、中央集中から、ネットワーク社会へ移行している
。実は、この方が、より効率的で、全体の力は上がっていくのだ。

第三は、国際関係での自立である。
戦後、日本は、アメリカにべったり寄りかかることで、政治、経済
の舵とりをしてこなかった。しかし、世界の状況が、激しく揺れる
中で、自らの価値観の自立が求められている。
アメリカべったりでなく、中国の言いなりでなく。しっかりとした
大地に両方の足を据える必要がある。

一つだけ言えることは、我々の時代は、<地球>を意識せずには、
何も組み立てられないということだ。
環境・資源・経済・国や民族、宗教対立にいたるまで、我々は、小
さな地球という宇宙の島に住んでいる。世界中のどこかで起きたこ
とも、もう無視しては、生きられないのだ。それを忘れては、新し
い思想は生まれない。新しい日本の生き方も見つからない。

「自立」とは、結局は、一人一人の、心の持ちように他ならないの
かもしれない。しかし、変えられる制度があれば、変えよう。
自分自身の尊厳をかけて、みんなに働きかけよう。
結局はそれが、日本を変えるということだから。

                       まとり
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(Fのコメント)
3つの自立はいい言葉ですね。2003年も激動の世界でしょうが
、頑張りましょうね。
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ヨーロッパ在住のSです。
ここヨーロッパでも有機農法の世界ではFukuokaを知らないものはい
ません。しかし、不思議なことがあります。彼の著作の英語版は絶
版で手に入りません。アメリカにもイギリスにもありません。
カリフォルニアで専門の古本屋に行きましたが、そこの店主はその
本は手に入らないか、あれば非常に高値で取引されていると言って
いました。

福岡さん本人は、アメリカ産業会の圧力で出版ができない、といっ
てるそうです。それだけ脅威なのでしょう。
ところが、インドでは出版されています。私はそれをニュージーラ
ンドの書店経由で手に入れました。ちなみにドイツではドイツ語版
が出ており、簡単に手に入ります。
 
参考まで
shige_news
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(Fのコメント)
やはりそうですか??欧州の方が先に福岡さんの自然農法が定着し
ようですね。日本の本屋でも有名な新宿の紀の国屋には置いていな
い。福岡さんの本は池袋のジュンク堂という一番大きな書店しかな
かった。東京駅の八重洲ブックセンタでも、福岡さんの本は数種類
しか置いていない。日本の農協が脅威に感じているのでしょうね。

日本では、そもそも福岡さん自身が有名ではない。NHK以外では
取り上げていないようだし、福岡さんが海外の賞を受賞したことを
今まで知らなかった。EMの比嘉さんの方が有名であるが、今後の
農業への影響力としては、福岡さんの方が断然上であると思う。
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新春を迎えることができました。お歓び申しあげます。
国際戦略コラムさまへ、広島の土井 敏喜です。

『JA経済連』『山陽学園』と護送船団で守られてていた時代から、
高度消費資本主義の進むべき道は混沌とし、ハイパー・インフレが
来ようかという情況に、情(なさけ)の報(しらせ)が『統制』されて
、大本営発表かと思うかのごとく感じる、この頃です
いつも、国際音痴の私にメルマガをお送りいただき感謝申し上げま
す。

◆新年の言葉◆
動乱期10年の8年目を迎えましたが、今年は癸未の年。
昨年に増して混乱・カオスが予想されます。特に国内問題に、政治
が混乱し離合・集散し新たな政局が生じ、経済も銀行・生保、大企
業も破綻しそうです。中小企業もこの2年持ちこたえられたら展望が
ある、と言ったところでしょうか。
いずれにしても、ピラミッド型の組織から変化へ素早く対応できる
横型の組織同士のリンクが出来るようになるかどうか、『勝ち組』
『負け組』を決める「個」が大切になるでしょうね。
日本のリーダーたる『内閣総理大臣』が2〜3人は変わるくらいでな
いと、命をかけての改革は出来ないでしょう。
次の時代の理念『価値基準』がうまれてくる芽が生まれ、それを習
得する時代へ移行する、と思っています。
その間に、農業回帰と観光が繋がり、温故知新の日本文化がルネッ
サンスをもたらしてくれることを、期待しています。

私も56歳になります。孫娘が2歳になり、『愛と奉仕』を柄にもなく
考えるようになりました。次男がKANSASの州立大学を今年卒業して
くれたら、農業再建を考えて行きたいと再び思っています。
真の健康は、「心と身体とSome Money」があることだと思います。
いろいろ挫折を繰り返しましたが、臥薪嘗胆、精神のレベルがスピ
リチュアルなものに到達しました。これも歳ですね。
江戸・元禄時代の農業が環境破壊を守る原点です。明治・近代農業
はチッソ・リン・カリの肥料と農薬過多による「土と水」の栄養素
を奪い、それを食する人間の癌・糖尿・アトピー等の生活習慣病を
もたらし、畜産物も濃厚飼料過多とワクチンや共食いによる狂牛病
や脂肪過多により病気をもたらしています。
その結果は、『微量元素ミネラル』が不足した『土と水』の荒廃で
す。この「植物ミネラル」水がなければ、必要なビタミンも不足し
、寿命も低下することは間違いありません。日本食ブームも根本の
ところで上記の三つの健康に繋がりません。人口減少に歯止めは
かからないと思います。日本の活力維持のために、移民を受け入れ
る文化ルネッサンスが構築にも繋がることですね。

農業の現場はまさしくAgri-Cultureです。現役中に上記の農業改革
に近い農法は、分かっていましたが、最近アメリカで癌の死亡率が
下がっている本を読み、産・官・学・医師会などの圧力団体も打破
して、ミネラル・ビタミンを含んだ食料・サプリメント大国になっ
た理由が分かりました。日本は自然に任せ、既得権を打破できると
思いませんが、もうそろそろ現実が変革を迫るでしょうね。

新年のご挨拶がわりに、この本をご案内します。ご自愛され、みな
さまの真の健康を取り戻すべくご鞭撻下さい。

◆森山晃嗣『アメリカはなぜ「ガン」が減少したか』現代書林・刊
 1,200-◆

New Year Greeting!
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(Fのコメント)
もう一度、土を守るとはどういうことかを、考えることが必要な時
代になったような感じがする。石油が無くなり、石油依存の農業は
できなくなるでしょうからね。石油の値段が中東戦争になれば、大
きく値上げになるため、石油依存の農業経営ができなくなる。


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