1129.イラク戦は国際法違反



イラク戦争はない可能性が高くなった。その検討。  Fより

1122.イラク戦回避にロシアが関与で述べたようにロシアの戦争
回避の仕掛けが図に当たっている状況になっている。

米国国民からもイラク戦争反対が叫ばれ、米国外交政策の論理が
滅茶苦茶だという記事「Foreign Policy Loses Its Logic」がロサ
ンゼルス・タイムズから出され、米国が帝国主義的な状態になって
いるというコメントがシアトル・タイムズで出て、このままでは
ブッシュ政権は2年後にはないと言われ始めた。この記事は
MSNBCである。このため、民主党のゴアが次期大統領候補から
降りたためにゲパート、エドワード・ケネディ、ヒラリー・クリン
トンなどが、ここはチャンスと民主党で次期大統領候補に名乗りを
上げている。

このように、とうとう米国の報道機関も北朝鮮が核兵器開発を始め
るという明白な脅しがあるのに平和交渉といい、一方でイラクでは
国連の査察に全面協力してかつ、大量破壊兵器開発の証拠も出てい
ないというのに戦争をするというブッシュ政権の外交政策に大きな
疑問と論理の崩壊を感じ始めたのです。

このような政策では、米国が覇権国家としての威厳を保てる論理の
一貫性を感じないと、米国の国民もマスコミも感じているようだ。
やっと、ブッシュ政権がMORRONな戦争屋・石油屋政権である
ことを米国国民が知ったのです。私は、カナダの政府要人とは違い
ブッシュ大統領本人がMORRONと言っているわけではなく、チ
ェイニーやラムズフェルドの裏にいて、実質イラク戦争のストーリ
ーを書いているランド研究所の能力が低いと言っているのです。
この応援団のネオコンも同様に能力が低いと思っている。

そして、パウエルの裏でストーリーを書いているのがCSISであ
るが、こちらの方がストーリーとして、欧州や世界との全体整合性
があるため、米国外交戦略としてはいいと思う。しかし、前回のイ
ラク戦で、途中で戦争を止める案を作ったために、ブッシュパパは
使ったが小ブッシュは使わないようだ。しかし、パウエルは自分の
知恵袋として愛用している。この差が大きい。このように研究所間
で国際政治政策論争をしている。パウエルの応援団は欧州などで、
ストーリー全体を調整している。

そして、ロシアのプーチンの裏で誰がストーリーを書いているのか
、この研究所・個人は凄い国際政治を見通す能力・センスを持って
いるように感じる。一撃で米国の思惑を潰している。一度、会いた
いものである。日本には、このようなセンスを持っているYSさん
グループや増田さん以上の人・機関を見たことがない。層が薄過ぎ
。横に逸れた。

だけど、なぜイラク戦争に拘るのであろうか??
米国経済はITバブル崩壊が激しく、20分1以下に主要銘柄がな
り、かつUNATED・AIR、エンロン、ワールドコムの倒産の
ため、投資信託中心の米国銀行は大きく傷ついているのです。
米国銀行が日本以上の不良債権を抱えているようです。このため、
公共事業としての戦争が必要になっているためなのでしょう。この
ため、負けそうな・被害の大きな面倒な戦争はしたくない。米国が
絶対勝つ戦争をしたいのです。

そうしないと北朝鮮の核問題には平和主義で、国連の査察で問題が
出ないのにイラクには懲罰戦争をするという論理を押し通すことは
ない。しかし、それでは余りにもは目茶目茶過ぎると世界は思うで
しょうね。

そして、もう1つ悪いことに、1月からイラク戦争反対派のドイツ
が議長国として安保理事会に入ったのです。このため、イラク戦争
は米国がどう足掻こうとできない。国連安保理事会ではイラクでの
査察結果から、イラクの白という判断がでてくる。もし、それでも
米国が一国覇権主義で戦争を仕掛けるとなると、米国が国際法違反
になり、国連安保理事会では米国のイラク侵略戦争反対決議をする
ことになる。勿論、米国は拒否権を発動するでしょうが、米国の世
界的な威信はずたずたになるでしょうね。

このため、米国の代わりに欧州(フランス・ドイツ)・ロシアが
世界的な取りまとめのリーダになるような気がする。イスラム諸国
の要請で、国連とは違う機構が出来て、そこでイラク戦争で米国の
国際法違反の審議がされる可能性がある。その機構がイラク戦争を
中止させようとするでしょうね。しかし、それでも米国がイラク戦
争を中止しないと、イスラム諸国とロシア・欧州連合軍がイラク救
援のために、英米軍・イスラエル軍と戦うことになる。

英国は直ぐに撤退すると思うが、米国はイスラエル軍と一緒に最後
まで抵抗する可能性がある。ここで核戦争になり、米軍とイスラエ
ル軍は崩壊する。このようにハルマゲドン(黙示録)予言・ノスト
ラダムスの予言ではなっているが、どうであろうか???

日本・韓国・中国にとって、いやなのはイラク戦争が中止になって
その代わりに北朝鮮と米国の核戦争になることです。

しかし、現時点では米国は北朝鮮との戦争ができないと発言してい
る。それなら、北朝鮮の言うような相互不可侵条約を結べばいいの
でないかと世界は思う。戦争より交渉をして、核開発を中止の変わ
りに1994年の米朝合意に戻るしかないと。ノ韓国次期大統領の
言う通りである。

米国が弱腰であれば、北朝鮮の要求を飲むしかない。強腰なら、イ
ラク以上の強腰で、戦争も辞さずという態度でいくしかない。米国
の論理が両者間で違いすぎるため、世界はブーイングしているので
すから。

しかし、国内情勢で米国はそうならないと思うし、日本も戦争にな
らないように米国にお願いするしかないですね。
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対イラク戦に反対 ドイツの安保理理事国入りの影響は[CNN]
2003.01.02
Web posted at: 07:02 JST

- CNN
ロンドン――ドイツが1日から、国連安全保障理事会の非常任理事
国になった。2月には議長国にもなる。イラクに対する安保理の議
論の中で、対イラク武力行使に明確に反対しているドイツはどんな
役割を果たすのか。

安保理は米国、英国、フランス、ロシア、中国の常任理事国5カ国
と、任期2年の非常任理事国10カ国から構成されており、今回ド
イツと一緒にスペイン、パキスタン、アンゴラ、チリが非常任理事
国に加わった。

ドイツの理事国入りで、安保理が全会一致で対イラク武力行使を承
認するとは考えにくい状況となった。

しかもドイツは2月、安保理議長国になる。1月27日には、イラ
クの大量破壊兵器申告書や査察への協力状況に関する最初の報告が
予定されており、2月は武力行使が安保理の議論の焦点になるとみ
られる時期だけに、議長国ドイツの動きから目が離せなくなる。

トーマス・マツセック駐英ドイツ大使は「ドイツは、理事国の立場
を戦争反対のために使うことはない。ドイツは、世界の平和と安定
化のための『協力的な』解決策に集中することになるだろう」と話
す。

同大使はまた「ドイツは世界情勢を慎重に見極め、そして武力行使
に関する投票をどうするかを決める。現時点では、何ともいえない
」といい、「ドイツが対イラク武力行使に参加することはない」と
話している。
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イラクの協力にもかかわらず、米国は「侵略戦争」の準備を進めて
いる=イラク副首相が非難 
2003 年 1月 2日 

【バグダッド2日】イラクのアジズ副首相(写真)は2日、同国が
国連の大量破壊兵器査察団に協力しているにもかかわらず、米国は
戦争の準備を続けていると米国を非難した。米国は31日に、
約1万7000人の1個歩兵師団に湾岸への配備命令を出したこと
を明らかにした。米国は湾岸地域とトルコに既に6万5000人の
兵力を配備している。

アジズ副大統領は、イラクが国連の査察団に希望するあらゆる設備
の査察を許しているにもかかわらず、米国は湾岸への軍の配備を続
け、侵略戦争の準備を進めていると非難した。

同副首相はまた「米国が作り出した大騒ぎの背後には、帝国主義者
の意図、イラクに侵攻し、占領し、イラクの国家資源を米国の産軍
共同体、資本主義政権のために使おうとする意図がある」と指摘し
、イラクに対するこのような意図は国際法に違反し、人類のモラル
にも反すると強調した。〔AFP=時事〕
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◎これまでの成果「ゼロ」=イラクの国連査察−米紙 
2003 年 1月 1日 

12月31日付の米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)は、イラ
クで活動する国連査察官の話として、これまでにイラク側の安保理
決議違反と考えられ得る事案が2件認められたものの、査察団は大
量破壊兵器開発の証拠を発見できていないと報じた。

査察官が匿名を条件に同紙に語ったところによると、イラク側はウ
ラン濃縮用の遠心分離装置の部品となるアルミニウム管を国連に通
告せずに転用したほか、交換用の管を購入するためダミー企業を使
っていた。

この2件は決議違反と考えられる事案だが、いずれも武力行使を正
当化できるほどではなく、放射能や化学・生物剤の痕跡も全く見つ
かっていないという。

同査察官は「われわれは隠されたものについてまだ、何も発見して
いない。(査察結果の)報告を今、発表することになれば、記載す
ることは何もないと言わざるを得ない」と語った。(時事)
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「フセイン後」おののくアラブ
米流民主化は“両刃の剣”
http://www.sankei.co.jp/news/morning/31int002.htm

 【カイロ30日=村上大介】米国の対イラク攻撃がいよいよ現実味
を帯びる中、アラブ世界はフセイン政権崩壊後に訪れる激変の予兆
におののいている。ブッシュ米政権が描く「フセイン後」のイラク
統治の青写真は依然明確ではないが、アラブ為政者にとっては、米
国が唱える「中東の民主化」がイラクにとどまらず、自らの足元を
脅かす既存秩序の崩壊につながる危険なスローガンと映っている。
イラク攻撃はその序章に過ぎない。
 パウエル米国務長官は今月十二日、中東の民主化推進と市場経済
化を目指す「中東と米国のパートナーシップ構想」を発表し、
二千九百万ドル(約三十六億六千万円)を投じ、中東地域の経済改革
、投資促進、女性の教育向上などを進める考えを示した。長官は、
イラク攻撃をめぐるアラブ世界の根強い反発と懸念を意識してか、
「この構想は米国と中東を結ぶ懸け橋となる」と強調した。

 だが、この演説に対し、アラブ世界は冷淡だった。政府レベルで
の公式な反応は皆無で、各国メディアは「米国がアラブ世界の民主
化を呼びかける本当の狙いは何か」(レバノン紙アンナハール)など
と、懐疑的な論調に終始した。

 批判的な論調は、ブッシュ政権が、確実に核兵器を保有している
とみられているイスラエルのシャロン政権が圧倒的な軍事力でパレ
スチナ再占領に踏み切ったことには触れず、「パレスチナの民主化
」ばかりを求めているといった指摘に始まり、「中東地図を都合よ
く書き換えようとしている」という“帝国主義批判”までさまざま
だ。

 しかし、中東世界にとってもっとも本質的なのは「演説はアラブ
側にパートナーシップへの参加を呼びかける形をとっているが、現
存のアラブ為政者たちには、存在意義がないと宣告しているように
聞こえる」(汎アラブ紙アルクドゥス・アルアラビー)という指摘に
違いない。

 そもそも、イスラム勢力の台頭を“独裁体制”で封じてきたエジ
プトやシリア、親米的な外交政策をとることで、原理主義的な社会
風土が国外に拡散するのを防ぐ、一定の重しとなってきたサウジな
どの王政が文字通り民主化されれば、問題をはらみつつも一定の安
定を実現してきた従来の中東構造が維持できなくなることは明らか
だ。

 エジプトのムバラク政権が完全に公正な選挙を実施すれば、たち
どころに非合法の穏健イスラム原理主義勢力「ムスリム同胞団」が
政権の座につくと多くの専門家は指摘している。サウジで自由選挙
を行えば、米軍の駐留は不可能になるのも目にみえている。

 米国の構想が「民主化」をお題目としながらも、経済支援を中心
とした既存型の開発プロジェクトの域にとどまるなら、独裁と王政
に二分される中東の「非民主的体制」にとっても許容可能なものだ
ろう。

 しかし、フセイン体制打倒にかけるブッシュ政権の動きをみれば
、そうした楽観的な見方は通用しないとの雰囲気が広がっている。
親米的なアラブ指導者からみれば、これまで中東における親米の要
となることで国内での独裁的体制には干渉を受けないという“暗黙
の了解”が根底から崩れることになる。

 アラブ世界では「イラク攻撃は不可避」との見方がすでに定着し
ているが、各国はいま、打つ手もなく息をひそめている。


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