1124.自然の摂理への復帰2



今日は「自然に還える」を中心に欧米諸国の現状と日本を比較した
いと思います。      Fより

福岡さんは欧米旅行で知った欧米思想の問題点を指摘している。
欧米は人間のために自然を作り直している。このため、欧州は花が
多く、芝生もきれいであるし、雑草も人工的な美しさを持っている
。これは人工的に育てた花が野生化したのであろうと推測している
。もともとの雑草は淘汰されたようだ。このため、そこに自然らし
さを感じない。森も少ないし、有ったとしても整備されている。下
草がない。落ち葉もきれいに履かれている。

このような風景は、日本には無い美しさを醸し出している。しかし
土地の地味は確実に失われている。黒土が土の表面を覆っていない
。黒土の表土は流失している。そして、山にも木が無い。岩肌が出
ている。山の日本よりこの面できれいに感じる。どうして、こうな
っているのか??
欧州は、牛や馬の放牧で草が食われて、表土が出て、その表土が流
失して、地味がなくなっている。人間が中心で、自然は人間の僕で
あるためだ。このため、欧州全体が砂漠一歩手前にある。

米国も同様な状態になっている。穀物地帯と言われているグレート
・プレーンさえ小麦畑やライ麦畑の土の色が乾いている。どんどん
収穫量が減っているという。農家が苦しくなっている。地味が無く
なり、化学肥料を多用するため、塩分が多くなってきている。この
ため、いくら肥料を投入しても、収穫量が増えないようだ。

米国農業の限界に来ている。砂漠に人工的な農園を作るが数年でや
はり塩分障害で作物はできなくなる。このため、経営的に成り立た
なくなる。石油漬けの農業は経費がかかるため、すぐに経営的な採
算が取れなくなる。

欧米地味劣化の原因は、肉食で牛・馬の放牧と化学肥料、農薬の多
用による塩分濃度の上昇によるようだ。カリフォルニア州の米農家
はあまり減収になっていない。水が塩分を洗い流すためのようであ
る。どちらにしても、欧米農業方法は改善する必要があり、かつ、
その食生活の改善が必要になっている。

日本と同じようなダイコン、ハスなどの根を食べたり、ヒエ・アワ
・ソバなどの雑穀類やその他いろいろな食物、野菜など多様な食物
を食する必要があり、かつ肉は控えめにすることであろう。日本は
野菜の数が他国に比べて多く、その種類が多いため、自然農園全体
が適地適作になる確率が高くなる。ある程度自然化が進むと自然交
配になるため、どんどん適地適作になっていく。その分、人間の介
在は無くなる。農園を経営する経費はほとんどなくなる。自分が必
要なだけ取り、後はそのままにすると、自然が交配して、またその
時期に作物を作ってくれる。人間は何もしない。

日本の松枯れ病も西日本で騒がれているが、この原因は自然の体系
が崩れているためで、松の病理的な原因を遡ると、1つのセンチュ
ウだけが原因でないことがわかる。広範な自然の崩壊が松枯れ病の
原因を成している。自然林の周辺も含めた対策が必要なのであろう。

日本の農家も今、欧米農業を取り入れたために、欧米と同じ問題が
出てきているのです。もう1度、本来の自然農法を確立することが
必要なのであろう。福岡さんは欧米の人たちにも自然農法を教えて
いるが、素直で直ぐに実践して結果を出しているという。日本の農
家や大学の先生は、一部の人たちしか興味を示さなく、ほとんど振
り向きもしない。日本人は日本の心を忘れて、欧米の心になってい
るためダメになったと言う。欧米は自分達の科学では立ち行かない
ことを知っているために、真剣に自然農法を取り入れようとする。

ここでも日本の崩壊、欧米の変化があるのです。日本はダメになる
原因は欧米の方法への過剰な依存・期待があるようです。日本古来
の方法を見直す、江戸?ルネサンスが必要で、その自然順応農業の
方法の意味を自然の摂理という全体自然の融合的な観点から見直す
ことが課題になっているのでしょうね。
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件名:Re:福岡農法を読んで  
晩年期の入り口にいる今、真の健康(心、身体、少しの経済)が求め
られます。
大変換期の時代・世紀の渦中の今、農業回帰とそれとリンクした観
光が見直されるよう望んでいます。
但し、江戸・元禄時代の農業が最高としたら、明治・近代農業は、
チッソ・リン・カリ中心の肥料過多、そして農薬過多で作物に『微
量元素ミネラル』が不足して「栄養不足」を来している。配合飼料
・ワクチンづけの畜産物しかり、狂牛病は出るべくして出た共食い
の結果。彼らにも『微量元素ミネラル』が必要だ。生活慣習病に対
抗する為の、免疫力アップが明るく老いる決め手。政・財・官・医
者の団体の既得権打破が必要だが、この動乱期にブレイク・スルー
できるだろうか!
by 土井 敏喜 
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(Fのコメント)
農業の復権が近いように思う。エネルギー生産の根本は植物の光合
成による太陽エネルギーの定着化ですから、この部分は農業しかで
きない。そして、植物は適地適作で、それぞれの地で特産物が出来
やすい。江戸時代の藩が殖産したベースも適地適作でしたから、そ
して、そのエネルギーを開放するのが、工業になるように思う。

石油が無くなれば、石油エネルギーを使わない、これは農薬や化学
肥料を使わないことと同価ですから、そのような農業に転化する
必要があるのです。自然農法であれば、『微量元素ミネラル』も自
然と備わるようです。コガネムシなどの昆虫の死骸が微量元素ミネ
ラルを農地に与えてくれることになる。このためにも自然順応が重
要なのですね。


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