1117.北朝鮮問題について



韓国大統領選挙やロシア・中国の動きと北朝鮮動向を検討しよう。
            Fより

韓国では太陽政策の盧武鉉氏が次期大統領になることが決まり、
韓国から北朝鮮への援助・開発が継続することが確定している。
北朝鮮開城の自由市場化で、そこに工場建設を韓国の企業は予定し
ている。労働賃金が中国の10分の1程度と激安である。韓国企業
にとっても中国企業の安値攻勢に対応できるため、この計画は、推
進したいようである。もちろん、北朝鮮は経済的に苦しいため、推
進に積極的である。しかし、北朝鮮官僚の腐敗はものすごいので、
そこが心配であるが、韓国企業も今は推進している。
このように北朝鮮は今後も、韓国からの援助が期待できるようであ
る。韓国は今後も北朝鮮とは良好な関係を維持する可能性が大であ
る。

このため、米国は韓国ではなく、中国とロシアを動かし、北朝鮮の
核開発問題に北朝鮮同盟国から中止をしてもらうようにお願いして
いる。特に中国へは台湾独立を米国が反対する見返りに、北朝鮮の
体制を変えて、中国配下での民主化、経済市場化を行ってほしいと
いうことである。

ロシアもモスクワ市長を北朝鮮に送り、北朝鮮の意向を確認して、
米国に伝えるようであるが、基本的には米国の言うことを聞けでし
ょうね。ロシアと北朝鮮から韓国までの鉄道ができれば、シベリア
鉄道はその価値を大いに高める変化が起こるため、米国に北朝鮮が
逆らって、鉄道の経済的な機会損失を出すことに耐えられないので
しょうね。このため、ロシア製自動車などの援助と見返りに、核開
発を断念させる意向のようである。

もし、ロシアや中国の言うことを北朝鮮が聞かない時は、国連決議
を行い、中国国境から米国・中国・ロシア軍中心の国連軍を北朝鮮
に進入させることの了解を得ようとしている。このときは北朝鮮は
体制崩壊になり、かつ金一族は虐殺でしょうね。その前にクーデタ
ーを起こさせて、金一族を亡命させて、中国の息のかかった指導者
が出て、北朝鮮を市場経済主義にする方向で、米中は協議している。

韓国はその時、中立宣言をして、北朝鮮から直接攻撃されないよう
にする。北朝鮮国境を固めて、難民を入れない。またソウルに6万
人もの米国軍、民間人が居るため、直接攻撃を受けないように、
韓国は北朝鮮と事を構えない。

イラクとの戦争開始が来年の2月であるから、1年で解決するとし
て、それまでに北朝鮮が核開発を中止しないと、ロシア・中国軍も
参加した国連軍が北朝鮮を襲うことになる。今はロシアと中国が盛
んに北朝鮮と交渉しているが、どうなりますか??
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<モスクワ市長>北朝鮮訪問に出発へ 金総書記らと会談

 【モスクワ田中洋之】ロシアのルシコフ・モスクワ市長は21日
、北朝鮮訪問に出発する。北朝鮮の金正日総書記が昨年夏にシベリ
ア鉄道でモスクワを訪れた際に市長を招待していた。市長は24日
まで平壌に滞在し、金総書記ら北朝鮮側の要人と会談する。

 ルシコフ市長によると、モスクワと平壌両市の協力のほか、ロシ
ア製の自動車や電気製品の北朝鮮への輸出問題などが協議されると
いう。

 市長は訪朝の政治性を否定しているが、朝鮮半島情勢や金総書記
とプーチン露大統領の次回の首脳会談について意見交換するとの
情報もある。(毎日新聞)
[12月21日20時11分更新]
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尋常ではない米国の北核対策
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2002/12/19/20021219000025.html

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核危機は仮想の状況ではな
く実在する現実だ。北朝鮮が寧辺(ヨンビョン)の核団地に常住し
ている国際原子力機関(IAEA)の関係者を追放するか、監視カ
メラの機能を停止した場合、韓半島は危機に陥るしかない状態にあ
る。 

 このような脈絡で、ブッシュ政権の対外政策に大きな影響力を行
使する幕裏の実力者として知られているリチャード・パール米国防
政策委員長が朝鮮日報とのインタビューで明らかにした発言は意味
深長だ。パール委員長は「(北朝鮮の核問題を解決するために)
ブッシュ政権はすべての方案を考慮することになるだろう。軍事的
な方案も排除しない」とした。「北朝鮮が核兵器を保有している状
況を決して許さない」という断固たる意志を明らかにしたことはも
ちろん、その目標達成のためには軍事的な方案を含めたすべての
手段を動員できるという点を明らかにしたためだ。 

 もちろん、ブッシュ政権は当分の間は「外交を通した平和的解決
方針」であることをはっきりさせている。ブッシュ大統領も「現在
までの段階では外向的解決を追求する」としている。しかしこれは
北朝鮮が呼応しないにもかかわらず、「外向的手段」にだけ留まる
という意味では決してない。「現段階」という部分に注目しなけれ
ばならない。 

 万一、北朝鮮がIAEAの関係者の追放や監視カメラに手を触れ
たとすれば、これはすぐ国連安保理に引き渡される事案だ。10年前
に核危機が発生した当時、北朝鮮は「国連安保理を通した制裁を挑
発と見なす」という立場だった。従っていつであれ米国を中心にし
た国際社会と北朝鮮間の正面対峙が展開される可能性のある中、
必要な場合、「軍事的な方案」も考慮するというパール委員長の発
言は決して軽く聞き逃すことではない。このような点で新しい大統
領当選者は、他のどの事案よりも北朝鮮の核問題をめぐる状況を
正確に把握し、解法の模索に取り組まなければならない。 

 事案の危急性を勘案した場合、来年2月25日の大統領就任式以降ま
で待つ余裕はない。特に、今回の大統領選挙の過程と反米デモなど
を見守る米国政府と国際社会は、韓国政府の「北の核」解決の意志
に少なくない疑いを持っている。現実的な「北の核」解法は結局、
国際共助を通した対北圧迫しかないだけに、国際社会の信頼を回復
することが急がれる。 
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北朝鮮との衝突嫌う米大統領(共同通信)
http://newsflash.nifty.com/news/ta/ta__kyodo_20021219ta015.htm
 【ワシントン共同】AP通信は18日、ブッシュ米大統領は朝鮮民
主主義人民共和国(北朝鮮)と軍事衝突した場合、軍人、民間人合
わせて数万人の米国人が死亡するとの試算を重視、強硬姿勢を続け
る対イラクとは反対に、北朝鮮に対する軍事行動には極めて消極的
な考えだと伝えた。

[共同通信社:2002年12月19日 14時32分]
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2002年12月20日(金) 
胸なで下ろす?北朝鮮 「太陽政策」継承発展で(ASAHI)

 韓国の次期大統領に、金大中・現政権の「太陽政策」の継承発展
を訴えた盧武鉉氏が選ばれたことで、朝鮮民主主義人民共和国(北
朝鮮)は胸をなで下ろしているとみられる。

 太陽政策は、和解と協力で北朝鮮を改革開放に導き、南北の平和
共存を定着させようというものだ。「与えるだけで、北朝鮮をつけ
あがらせた」との批判もあった。

 野党ハンナラ党の李会昌氏は、その政策の象徴とされる金剛山観
光を念頭に「現金を与える支援が国民の生命を脅かす核開発になっ
て跳ね返ってきた」と非難した。

 これに対し盧氏は「南北関係を画期的に進展させた」と評価し「
継続し、さらに一歩進める」と明言。南北間で和解と協力を制度化
する一方で、周辺諸国との関係においても(1)大量破壊兵器問題
を対話で解決すべく日米と協力する(2)米朝、日朝の正常化に協
力する(3)米中日ロを含めた東北アジア平和協議体づくりを目指
す――としてきた。

 こんな中で、北朝鮮は李氏を「反統一売国逆徒」(労働新聞)と
口を極めて非難し、「李氏が政権を取れば、対決の時代に逆戻りし
、核戦争が起こるのは必至」と牽制(けんせい)。

 一方で、核問題を「民族全体にかかわる問題」とし、「南北の民
族共助」による解決を主張し、南北間の鉄道・道路の連結と、その
ルートに当たる非武装地帯での地雷の撤去、軍事境界線に近い北朝
鮮側の開城市に南北が協力して工業団地を造成する計画などを積極
的に進めてきた。

 北朝鮮は核開発疑惑で深まる国際的な孤立を、「南北」をテコに
打開しようとするだろう。

 今回の選挙結果について、ある韓国紙の記者は韓国内の事情を次
のように分析した。

 「94年の核危機の際、クリントン米政権下で、戦争の一歩手前
の状況にあったことを韓国民は後で知らされ、大きな衝撃を受けた
。今回、北朝鮮を『悪の枢軸』と名指すブッシュ政権下で『イラク
の次は北朝鮮』という声も一部でささやかれる中、米国を牽制しよ
うという意識も働いた。それが反米デモと結びつき、盧氏支持にも
回った」
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12月19日 2:59 
北朝鮮:内部にも「不満の声」経済改革の徹底求める文書裏付け 

 北朝鮮が市場経済転換政策を始めた今年7月、同国内で政策を徹
底するために職場や学校などの所属長向けに配布されたとみられる
文書を日本のNGOが入手した。文書は「最近数年間、国家が食糧
をちゃんと供給できなくなるや、多くの人々が商売で個人の利に走
った」と国内の混乱を認めるとともに、新政策に対しても「食糧も
商品もないのに経済問題が解決されるのか半信半疑の人もいる」と
既に批判が出ていることにも言及。北朝鮮国内に不満が広がってい
ることが浮き彫りになっている。

 入手したNGOは「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク
」(RENK、代表、李英和・関西大助教授)。文書は、経済調査
のため北朝鮮に再潜入した脱北者の青年(32)に、現地の協力者
が中部都市の工場の支配人に配られたものとして提供したという。

 朝鮮労働党出版社の発行、02年7月の記載がある。B5版8ペ
ージで、表紙に「講演及び解説談話資料」とあり、所属長が部下に
講演する際の資料という。「対内限定」と記され、末尾に通し番号
が振られていた。

 再生を重ねた古紙が使われ、活版で印刷されている。北朝鮮式の
つづりを用いた文体と記載内容からも、李代表は「北朝鮮の公式文
書に間違いない」と話している。

 文書は「最近数年間、我々は価格事業を正しく行えず、経済事業
全般に重大な悪い結果をもたらした」と自己批判したうえ、農民市
場(闇市)を「食料品から工業製品まで生活に必要なすべての商品
があるが、大部分は国家物資をかすめ取り、高く売っている」と分
析。白米▽大豆▽豚肉▽運動靴▽石けん▽味噌▽しょう油▽焼酎
▽ニシン▽鉄道運賃▽バス運賃――など新価格の実例を挙げたうえ
、「偉大な将軍様は最も優先的で必需的な食糧の価格から正しく定
めた」としている。

 一方で「新たな国家的措置を自分勝手に解釈して良からぬ世論を
かき立てる現象がある」と体制批判が起こっていることも明記され
ている。

 青年は10月末に文書を持って中国に戻り、ビデオレターで「相
変わらず電気もテレビもなく、情報は闇の状態だが、体制批判を口
にするのは当たり前になっていた。余りに長期間の生活苦で、もう
統制できなくなっている。体制が変われば、北朝鮮に帰りたい」と
心情を吐露している。

 李代表は「国民の不満と動揺が危険水域に近づいていることを示
す一級の資料で、民主化勢力の萌芽を裏付けてもいる。闇市場の撲
滅が狙いとみられるが、実際は新政策以降、先行き不安とインフレ
期待で国営商店は売り惜しみをして物価が暴騰し、闇市場が安売り
で猛反撃をしている」と話している。

 小此木政夫・慶応大教授(国際政治学専攻)の話 北朝鮮で進行
中の「経済改革」の実態がよく分かる文書だ。詳細な内容や記述か
らすると本物だろう。現在の北朝鮮は、ヤミ市場に商品があふれる
一方で多くの人々が職場を捨て、商売に走っている。そのために生
産現場で労働意欲が低下し、国家物資の略取・横流しが横行してい
る。単なる取締りの強化では対応できず、「改革」によって国家の
経済統制力を回復しようとしたのだろうが、食管会計の「逆ザヤ」
が深刻な財政難を引き起こしていると思われる。導入した市場原理
が後戻りできなくなっているのではないか。
[毎日新聞12月19日] ( 2002-12-19-03:01 )


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