1105.得丸コラム



再び、水俣から 支援のお願い
得丸です。

この夏に南アフリカで開かれたヨハネスブルグ環境開発サミットに
ごいっしょした水俣病センター 相思社をたずねて、再び水俣にや
ってきた。今、ホテルのインターネットコーナーのパソコンを借り
てメールを書いている。

木・金曜日に佐賀で学会があったので、ついでに立ち寄ったのだが
、サミットに参加したときの資金不足が解消したかどうかも気にな
っていた。(私があおったこともあり、責任感も感じている)

実際に訪れてみると相思社の常務理事は、やつれていて声も出ない
ほど。資金不足はまだまだ解消できておらず、あと100万円くら
い足りないそうだ。もともと資金体制が弱かった相思社に100万
円は大きい。

患者への補償金が何百億円も流れ込んだ水俣だから、支援団体にも
そのおこぼれが流れるだろうと、たかをくくっていた私はまちがっ
ていた。なんと、患者から支援団体へはまったくお金が流れないと
いうのだ。

補償金は、患者の苦しみに対して支払われたのだろうが、その苦し
みを同時代あるいは次世代の日本国民や世界の人々に伝えることに
使われてもいいのではないかと、私は思うのだが、そのようにはな
っていないのだ。

このあたりは、水俣病に限った問題ではないので、これからもっと
議論する必要があるだろう。先週(11月25日)号のアエラでは
、アメリカでスーパーマーケットで買ったマグロを食べて水俣病が
発症している事例が報告されている。世界は水俣の経験を学ばなけ
ればならないときに来ているのだから。

支援団体のほうも、患者の懐を狙ったという悪評が立つことを恐れ
て、患者へのカンパは呼びかけられないそうだ。このあたりなかな
かに厳しい関係であることが、何人もの人から教えていただき、
今回実によくわかった。

水俣市民はどう考えているのだろうと思って、夜の町にくりだして
、焼き鳥屋や酒場の人たちの声を聞いたところ、みんなものすごく
患者に対して冷たい。患者たちが補償金をもらったことに対して、
なんとも厳しい見方をしている。

慢性の症状で苦しんでいる人たちがいるということを、理解できな
いのだろう。共産党系の病院がニセ患者の証明書を出したかのよう
ないいぶりをしている。

支援者や支援団体については、まったく眼中にない。水俣市民にと
って、支援者や支援団体は、いなくなってほしいよそ者でしかない
ようだ。まったく交流がないことがわかった。安い給料で働く支援
者たちも、飲み屋で酒を飲むようなことはないから、市民との交わ
りは生まれないのだろう。飲み屋の主人たちですら、支援者たちの
苦労をまったく理解していない。

相思社を支援できるのは、患者でもなく、水俣市民でもないとする
と、外部の人しかいないようだ。

今回の南ア訪問を契機にして、水俣では水俣・南アフリカ交流の会
というものまで生まれ、これから南アと水俣で相互に理解を深めよ
うとしている。

この芽がうまく伸びるように、そしてそれらの動きを見守れるよう
に、できるだけ多くの人が、相思社の賛助会員(1万円)となって
くれることをお願いしたい。

さっそく次号の会報「ごんずい」は、ヨハネスブルクサミット特集
号だそうです。

−1− カンパの振込先
郵便振替:01990−8−25341 口座名「水俣病センター相思社」
郵振用紙に「ヨハネスブルグ・カンパ」とご記入下さい。

−2− 途中報告
緊急カンパのお願いに対しまして、たくさんの方々からカンパをい
ただきました。厚くお礼申し上げます。
なお、2002年9月19日現在でカンパの総額は614,005
円となりました。ご報告しておきます。
なお、カンパは引き続き募集しておりますので、よろしくお願いい
たします。

−3− 最新号のごんずい表紙
http://www.fsinet.or.jp/~soshisha/gonzui/72gou/gonzui_72.htm

表紙の写真は南アフリカヨハネスブルグのソウェトで行われた水俣
病犠牲者鎮魂の集い
写真提供 毎日新聞社

−4− 水俣・南アフリカ交流の会
http://www.fsinet.or.jp/~soshisha/soushisha/Minamata_South_Afrika_Kouryuu_no_kai.htm

「水俣・南アフリカ交流の会」事務局 弘津敏男
〒867-0034 熊本県水俣市袋34番地 水俣病センター相思社内
電話0966-63-5800/FAX0966-63-5808/E-mail: soshisha@fsinet.or.jp
振込先:郵便振替 口座番号01730−3−102261
口座名 水俣・南アフリカ交流の会
※通信欄に賛助会費と寄付の別をご記入下さい。
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異文化交流

銭湯での異文化交流の話は今後の日本の生活、社会を変える要因と
して大きな問題となることを示唆している点で興味深く読ませて頂
きました。

私じゃ米国に30年以上生活しているので、本人は日本人と思って
いても日本人ではなくなって来ているかもしれませんので、その点
はご容赦ください。衆知のとおり米国は訴訟の国です。その善悪の
判断は各個人にまかせるとして、何故そうなったかを考えると米国
という社会の生い立ちから、必要悪として発展してしまったと考え
ています。

銭湯でのロシア人による狼藉は、ロシア人特有のものではなく、異
文化に接する場合たとえ日本人でもその文化から判断すると狼藉と
見られる例は数多く存在します。

風呂の話からすると、米国のホテルで風呂の外で体を洗い、お湯を
風呂から汲んで体を流し、ホテルの部屋(自分の部屋ばかりでなく
、階下の部屋まで)を水びたしにした日本人観光客の話は枚挙にい
とまがありません。小樽の銭湯と米国のホテルの違いは、かたや外
国人を一切お断りするのに対して、被害を蒙った米国のホテルは日
本語でしてはいけない注意事項を部屋の風呂場に掲示していると言
うことです。この注意にもかかわらずホテルに被害、損害をかけた
場合は、その程度によっては、損害賠償を請求される場合がありま
す。

同一民族、同一価値観、同一作法に馴染んできた日本人とそもそも
異文化人のよりあつまりで国が成り立ってきた米国と比較すること
は無理ですが、同じ日本人でも作法や価値観の異なる人間が現れは
じめた日本でも、してほしくないことは明記する方向で考えていか
ないといたずらに摩擦を増加させることになると思います。得丸さ
んもお書きになったように、私の米国の友人と日本へ行く場合、
DoとDon’tの最小限は教えており、狼藉にいたった友人は幸いにも
おりません。但し、日本人の知人で教える人のいない外国人は今後
も増えると考えられるので、決まりの明文化、特定の外国人が多い
地域では、その外国人の言語で明確に書くことも考える必要がある
と思います。ただ日本におけるこういった禁止事項にかかわる掲示
があっても、それを守らない、あるいは守っていなくても黙認する
日本人もあり、よほど徹底しないと外国人には不明瞭な注意事項と
なることも考えるべきです。もっとも風呂屋のはなしは、多分日本
人で守らない人は少ないので安心かもしれませんが。日本の風呂の
ように肩まで湯に浸かり、体は外で洗う生活をもう何年もしていな
いものには、温泉旅行で疲れをいやしておられる方がことのほか羨
ましいですが、

体を湯船で洗い、汚れた湯を排水してシャワーで体の石鹸を落とし
、改めて湯をいれてあったまる方法をとっていますので、ロシア人
が石鹸のまま湯船に入る気持ちはよくわかります。肝心なことは、
いかにして日本の作法、文化を外国人に知らしめるかであって、
外国人を排除する文化は、今後受け入れられない文化となると思い
ます。外国人に日本の文化、作法を教えて日本に馴染ませることが
日本文化崩壊を防ぐ道と思います。このことは、外国人に限らず
日本人にも必要なことではないでしょうか。生活しているだけで受
け継ぐことのできた文化も、この情報洪水の世の中、日本人に対し
てもDo とDon’tを明確に示す必要が出てきているように思います。

その意味でも今回の訴訟事件はよい教科書となるよう期待しています。

在 米国ミシガン州 水田 幸直
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> ganntetsu
> 異文化交流術 23 聖地としての銭湯を拝読いたしました。
> 小樽に住むものです。
> 外国人の入浴問題の発端は、港のそばの温泉にロシア人が毛じらみ
> を持ち込んで大騒ぎになったことが発端です。当時、かにの不正輸
> 入や自動車の不正輸出問題と絡み市民の共感を得ていましたが、
> 極左新聞の北海道新聞をはじめメデアが騒ぎ出したものです。当時
> 名古屋に行きまして、小樽の外国人排斥問題はひどいと言われ反論
> したことがあります。背景を抜きに問題を創るのは彼らの常套手段
> ですが、・・・小樽は決して排他的なところではありません。いい
> ところです是非お立ち寄り下さい。
>
> でも、リゾート温泉で中国人(台湾人?)が脱衣場でポタポタ滴を
> 垂らしているのに出会ったことがあります。注意しそこなった自分
> を今でも恥じています。

得丸です。

毛じらみですか。言葉としてはなんとなくババッチイものだと理解で
きますが、本物は見たことがないので、想像できません。

銭湯にいって、そんなものを見たり、もらったりしては、大変ですね
。入浴法以前の問題ですね。

極左メディアによる偏向報道に触発されて、啓蒙意識でこりかたまっ
たガイジンが調子にのってとった軽はずみな行為ということでしょう
か。

実に残念なことですね。

どうすれば、もっと世間一般の理解を得られたのでしょうね。遠くに
住んでいると、なかなか事件の真相に触れることができません。ぜひ
とももっと具体的な小樽市民の声をお聞かせください。

インターネット空間であれば、検閲もないし、発言の責任も問われな
いので、自由に発言していいのですから。小樽に住んでいない読者も
、自分の問題として考えやすい、国際相互理解を考えるうえで実にい
い教材だと思います。

そのうち小樽でシンポジウムでもやりましょう。


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