1103.世界と米国の動向



世界の目が2つの地域に釘付けされている。イラクと北朝鮮の2つ
。それと米国の財務省人事。   Fより

イラクの大量破壊兵器の申告書が7日に国連に届いている。この
申告書を検討する安保理が開催されるが、米国はそのイラクから
の申告書が虚偽であると認定されるように行動するようである。
このため、イラク戦争を想定した準備をしている。

しかし、一方では、米国の経済界、特に石油業界から中東地域の不
安定さを増すような戦争への反発が出てきている。
CSISもイラク戦争が長引けば、1バーレル今28ドルである石
油が80ドルまで高騰すると予測している。この予測値は経済を混
乱させるために戦争になれば、NYダウは下降する。

しかし、今までこの市場関係者の意見が十分、ブッシュ政権に反映
されていない。このため、ブッシュパパやグリーンスパンなど政権
と市場の両方に関係している人たちは非常に心配していた。このた
め、オニール米財務長官とリンゼー米大統領補佐官(経済担当)は
ブッシュ大統領に対して辞意を伝えたというが実質解任でしょうね。

この心配が無いのが北朝鮮との戦いで、石油地域とは遠く離れてい
るため、経済的な制約が無い。問題は北朝鮮の核が韓国のソウルに
打ち込まれたとき、米国軍人も多く死ぬことになるため、米国とし
ては、そう簡単に戦争が出来ない。しかし、中国とロシアまでが、
北朝鮮と距離を置いたために、北朝鮮は孤立化した。北朝鮮が中国
訪問を打診しても、中国はOKと言えない。米国の意向(核廃棄)
に沿った行動を北朝鮮が行うという確証がない限り会えない。
北朝鮮はそれはできないため、中国は拒否でしょうね。勿論、より
米国との同盟関係にあるロシアも拒否になる。

世界は北朝鮮こそ、悪の大国であることを知った。イラクより悪は
北朝鮮である。この北朝鮮を保護する国家もない。韓国と北朝鮮の
前線にいる米国軍の安全が確認できれば、戦争を行えると見ている。
先制攻撃を米国が北朝鮮にしても、世界はクレームを付けない。

ミサイルに水素を注入しているため、その施設を爆撃したという理
由にすれば、可能であるからだ。そして、北朝鮮のどこに核と化学
兵器があるか分かれば、安全に戦争が可能になる。そこまで来てい
る。イラクを脅しながら北朝鮮との戦争に向かう可能性も高い。

予備役の招集もイラクというより北朝鮮との戦争を行うためであり
、ミサイルの部品や核開発に必要な装置を日本から持ち出している
万景峰号の積荷の検査と日本が言い出したのは米国の意向を反映し
た処置であろう。もう1つが日本でオウム教がやった化学兵器テロ
と同じことを北朝鮮が行う心配があるためだ。

米国を怒らせるとどうなるかという世界への見せ示めをしないと、
このまま、反米の北朝鮮を生き残らせることは米国の世界覇権も維
持できない状態にする。経済的な弱小国家の1つも処分できないと
いうでは、イスラム教過激派も米国を過小評価することになる。

アルカイダがイスラエルに宣戦布告したが、このようなことは米国
の威信が崩れているために起こるのでしょうね。また、アフガンで
もタリバンが動き始めた。イラクに関わるより、アフガンのタリバ
ンや北朝鮮などの明確な敵に対応しないと、敵の数がどんどん増え
てきて、収拾が着かないことになる。世界覇権を握る米国の正念場
であろう。
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北朝鮮総書記、訪中を模索=非核化声明で孤立(JIJI)
2002 年 12月 6日 

【北京6日時事】中国とロシアは先の首脳会談で、朝鮮民主主義人
民共和国(北朝鮮)の核開発中止を求めることで一致したが、友好
関係にある両大国が「反北朝鮮」色を強めたことで、北朝鮮の国際
的孤立がさらに深まった。北京の外交筋によると、金正日労働党総
書記は孤立の打開や友好関係の再確認を狙って中国訪問を模索、
江沢民国家主席や胡錦涛総書記らとの会談を要請しているもようだ。

金総書記は8月、ウラジオストクでロシアのプーチン大統領と会談
し、ロ朝間の友好関係を確認した。一方、中国は北朝鮮の核開発を
「知らなかった」と突き放したほか、北朝鮮が中朝国境の新義州特
別行政区の長官に任命した楊斌容疑者を逮捕するなど、関係がぎく
しゃくしていた。

そこにきて江主席とプーチン大統領が2日、北朝鮮に非核化を求め
る共同声明に署名。外交筋は「韓国との関係進展や、米国、日本と
の関係正常化が程遠い中、北朝鮮は中ロまでが距離を置いたことに
衝撃を受けている」と指摘する。

別の外交筋によれば、北朝鮮は中国側に金総書記の訪中を打診した
可能性が高い。北朝鮮首脳は中国に新指導部が発足した際、時間を
置かずに訪中してきた経緯があるほか、国際的孤立から脱却するた
めにも、早期の訪中を望んでいるという。

さらに、北朝鮮は来年1月に新義州特区の新長官を任命する方針で
あり、楊容疑者の失敗を繰り返さないようにするため、「事前に中
国側に仁義を切りたい意向がある」(外交筋)とされる。

一方の中国指導部にも金総書記と会談し、核開発問題打開に道を開
けば、国際社会での影響力が高まるメリットがある。逆に、国際社
会から北朝鮮の立場を支持したと受け止められれば、逆効果になる
との難しい判断もあるとみられる。(了)
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万景峰号の積み荷検査を検討へ 官房長官表明(ASAHI)

 福田官房長官は6日午前の記者会見で、鹿児島県・奄美大島沖か
ら引き揚げた北朝鮮の工作船が覚せい剤取引に関与していた疑いが
ある問題に関連し、日朝間を往来する貨客船「万景峰(マン・ギョ
ン・ボン)号」について「犯罪などの可能性のある船舶について取
り扱いをどうするか。政府として考えてみることになった」と述べ
た。積み荷検査実施などの対応を今後、政府として検討する方針を
明らかにした。 
 同日の閣僚懇談会で扇国交相が覚せい剤問題について報告した後
、「(万景峰号が)25回も(新潟に)入港していて納得できない
という声がある」との意見が出た。扇国交相は「新潟は開港扱い。
法律上は関税法に基づくしかない」と説明、塩川財務相は「申告制
だから中は調べられない。積み荷検査は特別なことだ」と難色を示
したため、福田長官が対応の検討を引き受けた。 

 万景峰号は、国交のない北朝鮮との間で物と人を運ぶ数少ない
ルートの一つで年20〜30回、往来している。在日朝鮮人の祖国
訪問や物資輸送に使われているが、対日・対南工作や現金の送金に
使われたとの疑いも指摘されている。北朝鮮による拉致事件などで
入港への反発が強まっており、政府としても対応の検討を迫られた
形だ。 (15:05) 
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米、対「北」軍事計画も検討(nikkei)

 【ワシントン5日=菱沼隆雄】ラムズフェルド米国防長官は5日
、韓国の李俊・国防相と会談した。長官は会談後の記者会見で、
北朝鮮情勢について「非常に深刻」との認識を示すとともに、不測
の事態に備えた軍事計画についても検討していることを明らかにし
た。

 国防長官は北朝鮮が国際原子力機関(IAEA)の核開発放棄な
どを求める決議の受け入れを拒否したことなどを念頭に、「(北朝
鮮情勢は)危険なコースをたどっている」とも述べた。軍事計画の
内容については、「李国防相との議題にもなったが公にはできない
」と語った。

 李国防相も「北朝鮮の核問題は朝鮮半島や北東アジア、世界の平
和に深刻な問題」と述べ、脅威認識では同一歩調をとったが、「北
朝鮮との間で進められている様々な交流協力事業については、対話
のチャンネルを維持するためにも継続する必要がある」と語った。

 ラムズフェルド国防長官は、6月に発生した在韓米軍装甲車によ
る女子中学生死亡事故に関し、改めて遺憾の意を表明。韓国で、在
韓米軍の地位を定めた米韓地位協定の見直しを求める声が高まって
いることについては「協定は2年前に改定したばかり。双方に有益
であり、変更しても事故を回避できるとは限らない」と述べ、協定
改正に否定的な見解を示した。(読売新聞)
[12月6日21時11分更新]
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イラク大量破壊兵器申告書7日提出 米、決議違反通告へ協議

 【ワシントン6日平山孝治】イラクが大量破壊兵器保有・開発に
ついて国連に報告する申告期限の八日を前に、米政府は五日午後(
日本時間六日午前)イラクの国連決議違反を同国に文書で通告する
ための協議に入った。ワシントン・ポスト紙(六日付)が伝えた。
協議にはチェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官、パウエル
国務長官らブッシュ政権の外交・安保担当幹部が集結したという。

 ホワイトハウス当局は五日、フライシャー大統領補佐官が「イラ
クが大量破壊兵器を保有している確固たる証拠をつかんだ」と発言
するなど、一斉に決議違反を言い立てており、通告への伏線とみら
れる。イラクは保有など否定しており、事実なら決議違反になるが
、米政府高官らは詳細は明らかにしていない。

 五日の協議では、イラクの決議違反を国連の安全保障理事会常任
理事国に限定して正式に申し立てるかなども話し合った。国防長官
も同日の会見で「国連の安保理はイラクが決議を守っているのかど
うか判断を下さねばならない」と述べ、申し立てを示唆している。

 政府高官は、決議違反申し立てについて「国連の査察態勢の強化
」「同時に二カ所以上の査察を実施させる」のが狙いで、即武力行
使という事態はないとしている。

 一方、国防長官が五日の会見で民主化などの条件付きでフセイン
政権の延命を容認するかのような発言をしたのは、フセイン大統領
に「自ら決議違反を認めろ」と迫ったものとみられる。
(西日本新聞)
[12月7日2時23分更新]
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2002年12月06日(金) 
トルコ加盟交渉容認へ EU拡大(SANKEI)

イラク攻撃控え米圧力
 【ブリュッセル5日=藤本欣也】欧州連合(EU)拡大を決める
十二日のEU首脳会議を前に、トルコの加盟交渉開始を条件付きで
容認する動きが英、イタリア、スペインなど欧州の親米国で広がっ
ている。イラク攻撃時の協力をトルコから取り付けたい米国が圧力
をかけているためだ。EUの将来を左右するトルコの加盟問題は
イラク攻撃とも絡んできた。

 トルコはEU加盟候補国だが、まだ加盟交渉は始まっていない。
トルコ側は「早期加盟は経済発展に不可欠」と交渉開始を求めてい
るが、EUは「トルコの政治・社会状況は非民主的でEU基準に
合致していない」との見方を崩していない。

 このため、十一月の総選挙で政権に就いた公正発展党(AKP)の
エルドアン党首はEU各国を歴訪。表現の自由や司法改革、政治の
民主化の拡大を定めた法案の早期成立を確約し、加盟交渉開始への
支持を訴えた。

 そもそも、EU内にはトルコの加盟に抵抗がある。地理的にも欧
州から離れたイスラム文化圏への違和感のほか、加盟すれば軍事・
人口的に域内大国となる脅威も大きい。

 しかし、イラク攻撃が現実味を増す中で状況が変わり始めた。
米国の強い要望を受け、英国など親米国だけでなく、対米関係改善
を急ぐドイツもトルコ支持に回った。態度を明確にしていなかった
シラク仏大統領も四日、ドイツと共同歩調を取る方針を表明した。

 現在、議長国デンマークが首脳会議での合意を目指し、(1)人権
改善の継続などを条件に二〇〇四年までに交渉を開始する(2)〇四
年の交渉開始を来年最終判断する−などの妥協案をもとに、慎重派
のオランダなどと土壇場の調整を進めている。
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大量破壊兵器所有に「確たる根拠」=米報道官 
2002 年 12月 6日(JIJI) 

【ワシントン5日時事】フライシャー米大統領報道官は5日の記者
会見で、イラクの大量破壊兵器所有を裏付ける「確たる根拠がある
」と強調した。同報道官は、「ブッシュ大統領とラムズフェルド国
防長官は、確たる根拠もなしに、イラクが大量破壊兵器を所有して
いると明確に断言することはない」と述べた。

同報道官の発言は、イラクが大量破壊兵器の存在を否定し、国連査
察団も兵器の存在を裏付ける証拠を得られないという現状に、米政
府がいら立ちを募らせていることを示すものだ。(了)
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2002年12月05日(木) 
米が予備役招集を準備 対イラク戦でと米紙

【ニューヨーク5日共同】米紙ニューヨーク・タイムズは5日、米
国防総省が対イラク開戦の場合に備えて、新たに州兵・予備役の大
規模な招集を準備していると報じた。同省当局者が明らかにしたと
いう。それによると、同省は第一段階として、数日内に約1万人の
予備役を招集する見通し。この大半は内外で警備任務に就く憲兵と
いう。開戦の場合は、全体で1991年の湾岸戦争中に招集した約
26万5000人とほぼ同規模の招集を計画しているが、まだ第一
段階以降は最終決定に至っていない。招集の全体的な規模と時期は
、大量破壊兵器の武装解除を命じた国連安全保障理事会決議に対す
るイラクの対応と、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)の
作業ペースに大きく左右されるという。米国は昨年9月の同時テロ
の後、国内防衛とアフガニスタン侵攻のため、5万755人の予備
役を招集している。 
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アル・カーイダ、対イスラエルテロ開始宣言
 【ワシントン支局6日】6日付の米紙ワシントン・ポスト(電子
版)は、国際テロ組織アル・カーイダの広報機能を担うと見られる
アラビア語のインターネットサイトが、イスラエルを標的にした
自爆テロの開始を宣言したと伝えた。イスラエル国家の破壊を最終
的な目標に据えているという。

 同紙によると、ウサマ・ビンラーディンの新たなテロ組織「パレ
スチナのイスラム・アル・カーイダ機構」が設立された。同機構は
、イスラエルとパレスチナ自治政府間のあらゆる当局者間の交渉を
妨害し、「パレスチナの地の完全な解放」を目指すことなどを主張
しているという。

 専門家は、イスラエルとパレスチナの紛争にアル・カーイダが関
われば、新たな暴力を引き起こす可能性が高いと警告している。米
情報当局は、このサイトがアル・カーイダの主張を代弁していると
みて内容を注視してきた。(読売新聞)
[12月6日22時10分更新]
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米財務長官と大統領補佐官が辞意伝える
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20021206AT2MI02P606122002.html
 【ワシントン=吉田透】オニール米財務長官とリンゼー米大統領
補佐官(経済担当)は6日、ブッシュ大統領に対して辞意を伝えた。
後任は未定。両氏の辞任を受け、ブッシュ大統領は景気を本格的な
回復軌道に導くため経済チームの大幅な再編・強化に取り組む見通
しだ。 
 両氏は昨年1月のブッシュ政権発足と同時に現在のポストに就任し
、経済政策で重要な役割を担ってきた。しかしオニール氏は金融市
場への配慮に欠いた失言が多く、「市場との対話ができていない」
という批判も多かった。リンゼー補佐官もイラク問題への対応など
を巡りホワイトハウス内で孤立が目立っていたとされる。 (00:20) 


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