1098.日本の再設計(7)



環境技術で企業家精神を発揮してほしいですね。  Fより

幕張メッセで開催された環境展を見てきたのと、石油鉱業連盟の反
論にコメントしたい。
石油鉱業連盟は、石油があと72年枯渇しないと声明を出したが、
価格について何も言わない。それは石油が高騰して、石油消費が減
少するために72年枯渇しないということですよね。高騰のことを
言及しないのは片手落ちであるが、大衆はそれで誤魔化されると思
っている。このように大本営発表が今の日本に蔓延している。もう
少しマトモな論拠を発表して欲しいものである。よって、ガス・ア
ンド・ジャーナルの予測の否定にもなっていない。ガス・アンド・
ジャーナルの裏資料は、実に米国政府の発表資料ですよ。この資料
には米国はどうするかも検討されている。それに比較して、今回の
発表には高騰したときの備えをどうするのかが言及されていない。

政府と石油鉱業連盟が考えているから、大丈夫で民衆よ安心しろと
いうのか??
もし、そう言いたいなら、どのくらいの高騰になり、その対応策は
どうかも言うべきだと全貌を明らかにするべきでしょうね。
日本の経済の安全保障に直結している石油エネルギーは無視できな
い。この石油がなくなるのであるというのであれば、代替エネルギ
ーの準備を早くするべきである。国家の将来を犠牲にしてはいけな
い。

もう1つの環境展ですが、注目するべきものが何種類出ていました。
1つが、生ゴミを菌??で消滅させる機械ができていた。このよう
な発想は日本しかないように思う。そして、導入実績の多くあるよ
うです。装置の大きさも小さい。ビル内における大きさであり、
これは売れそうと思った。

もう1つが、嫌気性菌と好気性菌の組み合わせで生ゴミをメタンガ
スにする装置が出ていた。こちらは大掛かりである。しかし、エネ
ルギーとして取り出す所がいい。しかし、ビル内では無理で、農家
や工場などの広いスペースが必要である。
今後、このようなEM法と同じ構造の嫌気性菌と好気性菌の組み合
わせによる有機物分解装置が大きな価値を生み出すようである。
そのような実感を得た。日本で有望であるのはこのような発酵菌の
組み合わせで期待する成分を取り出す技術がどんどん出てくること
でしょうね。また、生ゴミということで成分が一定でないために、
メタンガスしかできない感じがする。品質を一定にするためには、
ゴミの種類を限定してはどうかと思う。また、この2つに共通して
いるが、グリシンなどの硬い木質が分解出来ない。ここが課題でし
ょうね。

この環境展には海外からも多くの企業が出展していた。この中で
バイオディーゼル燃料(メチルエステル)を製造するドイツ機器
メーカがあったので見てみた。植物油をエステル変換すればメチル
エステルができる。欧州では20年前からディーゼル車にこのよう
なメチルエステル燃料を許可している。米国も数年前に許可されて
いる。しかし、日本はまだ許可されていない。ガソリンに比べても
無公害で、燃やすと香ばしい匂いがする。イオウ分が無い。なぜ
日本ではなぜ禁止か分からないですね。

化学式は
3価グリセリン+メチルアルコール
           ー>グリセリン+メチルエステル(BD)
グリセリンは化学原料として再利用できし、絞りかすは家畜飼料に
なる。

1ヘクタールの菜種畑から、1000リッターのメチルエステル/
1900kgの絞りかす/112kgのグリセリンが精製できるよ
うです。

日本も公害防止技術では最先端にいたが、有機物分解、代替エネル
ギーではまだ最先端ではないようですね。しかし、発酵菌の使い方
が日本企業は上手い可能性がある。この部分に着目したいですね。
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石油はあと79年枯渇せず 石油鉱業連盟がまとめ  経済34
共同

 「石油は七十九年、天然ガスは百六年枯渇しません」。石油鉱業
連盟は二十六日、エネルギー資源について米国など各国の調査機関
が出したデータをベースに、こんな評価をまとめた。探鉱技術が進
歩して既存の油田から採取できる原油やガスの量が増えていること
に加え、世界にはまだ探鉱すらしていない有望な地域が多数あると
いうのが理由。                       
 石鉱連は「国の支援を含め、石油開発会社などが不断の投資と技
術革新に取り組むことが前提」と説明しているが、業界関係者は「
仮定を積み上げた数字とはいえ、石油から天然ガス、水素へと主力
燃料の転換が進むことを考えれば、使い切れないほどの量だ」とし
ている。                          
 評価は五年ごとに実施しており、二○○○年のデータに基づく今
回は四回目。確認埋蔵量を年産量で割った原油の可採年数は前回は
四十一年だったが、今回は三十三年と八年短くなった。しかし、油
田を途中から水平に掘り進む「水平堀り」などの技術が発達した結
果、既存の油田からさらに十七年分の原油を採取できると推計した
。天然ガスも可採年数が四十五年から六十一年に延びる。    
 これらにまだ探鉱していない地域の未確認埋蔵量を加えると、石
油の枯渇までは七十九年、天然ガスは百六年になるという。   
(了)  021126 1853              


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