1088.日本の外交カード



北朝鮮問題が新聞をにぎわしている。その検討。 Fより

北朝鮮がミサイルを日本に向かって発射すると言っても日本は反応
をしない。これは、日本の報道機関や外務省は日本には北朝鮮への
外交カードがないと見ているためではないかと疑う。また、北朝鮮
からのミサイル発射との信号には日本としても回答の信号を送るべ
きである。それが日朝交渉のトリガーになる。

そして、その反対に石原知事が首相になった時は即戦争を北朝鮮と
するように感じる。勿論、石原知事がそうような意図で言っている
訳ではない。日本の外務省が反応しないために、その代わりをした
のであるが、即戦争と思う人がいるのは確かだ。しかし、戦争の前
に外交的にするべき手順がある。北朝鮮と戦争するのが目的ではな
く、日本人拉致被害者の救出が目的であるはず。このためには冷静
な対応が必要である。このためには、まずは北朝鮮の金日正が経済
的に嫌がることをすればいいのです。

北朝鮮がミサイルや武器を製造する時には日本の工作機器やLSI
が必要で、日本で仕入れた機械や資材を万景号で北朝鮮に輸送して
いる。この万景号の日本寄港停止をまずやるべきでしょうね。今ま
で交渉上でこのことを触れたことも無いのではないですか。

次は日本からの旅行者の通行禁止を行い、資金の流入を抑える。
韓国も日本と同様な処置をお願いする。勿論、米などもいかなる支
援もしない。いくら、国連食料援助機関が北朝鮮の飢餓を宣伝をし
ても、ほとんどの支援食料は軍に流れるのであるから、一般市民に
は渡らない。このため、最近の国連北朝鮮事務所は北朝鮮の金一家
や軍の代弁をしているだけになっている。

最後に送金停止や日本の北朝鮮・朝鮮総連資産の凍結、朝鮮総連幹
部・朝鮮籍の人の北朝鮮追放などで、北朝鮮との戦争一歩手前の状
態を演出する必要がある。北朝鮮がミサイルを発射したら、どうな
るかを警告するような信号、たとえば万景号の寄港禁止などの信号
を日本も出す必要がある。朝鮮総連を潰せば、北朝鮮の財政は成り
立たないのであるから、日本の方が北朝鮮より強いポジションにあ
る。脅しには脅しで回答することが必要でしょうね。

日本国内での北朝鮮シンパは皆無であるから、日本世論は北朝鮮に
対して強い方向にまとめられる。このため、反対に戦争ということ
も軽率に言うことは今の段階では止めるべきであると思う。

そして目的である拉致問題については、たとえば5人の家族を釈放
したら、米を1人に対して1万トンというように北朝鮮の食料援助と
引き換えにするのも手である。交渉であるから、ギブ・アンド・テ
イクでないと交渉はできない。ここが分からない日本の大衆にも困
ったものである。そのぐらいの理性が国民にも必要であるのだろう。
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日本側「事前協議」を打診 日朝交渉(ASAHI)

 日朝国交正常化交渉の行き詰まり状態を打開するため、日本政府
は外務省幹部を北京などに派遣し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝
鮮)側と事前協議をする方向で調整に入った。拉致問題などに関す
る北朝鮮側の考え方を見極めるのが目的で、交渉の余地があると判
断すれば、12月上旬の次回交渉開催を目指す。しかし、日朝双方
の立場は大きく隔たっており、事前協議が実現しても交渉自体の進
展は難しいという見方がある。 
 10月末の正常化交渉では、北朝鮮が「11月末」の次回交渉を
提案。安全保障協議の今月中の開催では双方同意している。しかし
、拉致被害者5人の扱いなどで11月中の開催はいずれも困難な状
況だ。 

 こうしたなかで外務省は、前回交渉に出席した薮中三十二アジア
大洋州局審議官を派遣し、次回交渉に関する北朝鮮側の意思を聞き
たい考えだ。既に北朝鮮側にも打診しており、同意が得られれば、
月内にも北京などで協議したい意向だ。 

 この問題に関連して、川口外相は22日の記者会見で「(北朝鮮
との協議は)いろいろ検討している。対話のチャンネルを維持し、
(交渉を)前に動かすことが必要だ」との認識を表明。安倍晋三官
房副長官は同日、民放テレビの収録で「(事前の)交渉はやらなけ
ればならないと思う。具体的な(交渉)レベルを決めているわけで
はないが、物事がそこで決定されるということでなければならない
」と語った。 

 日本側には、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)の次回理
事会が開かれる12月11日の前に正常化交渉を開き、北朝鮮側に
譲歩を迫りたいとの考えもある。この理事会まで日朝交渉が進展し
ない場合、北朝鮮への重油供給が停止され、米国から軽水炉建設計
画の見直しが提案される可能性がある。一方、12月19日には韓
国大統領選も控えており、朝鮮半島情勢がより複雑化することが予
想されるため、北朝鮮側が日朝交渉を動かし始めるのではないかと
期待しているのだ。 

 ただ、外務省などには「こちらが先に動くと、それだけで国内世
論に批判されるのではないか」(交渉筋)との思いが強く、事前協
議についても「どうやったら交渉のカギが開くのか、向こうの考え
を聞く場だ」(同)と位置づけている。今のところ、日本側から新
たな提案をする考えはなく、北朝鮮側の意向は「すべて持ち帰る」
(幹部)考えだ。 

 双方が従来の主張を繰り返すだけで終わる可能性も高く、「日本
政府のアリバイ作り」(別の交渉筋)に過ぎないとの見方もある。 
(07:42) 


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