1083.微生物、細菌、バイオへの期待



北里大学の田口さんが作るHP(環境と微生物)から今回は、考察
http://tag.ahs.kitasato-u.ac.jp/tag-wada/noframe/index-je.htm
したいと思います。    Fより

このHPを見ると、今後の細菌や微生物への期待が大きくなる。
石油は太古のCO2と太陽エネルギーを光合成したものであり、
そのため、石油を燃やすとCO2とエネルギーが出てくることにな
る。しかし、人間はその液状の石油の便利さから大量消費をしてし
まい、太古の高温な環境と同じ環境に現代の地球をしようとしてい
る。

しかし、太古にはないものがある。植物、微生物の進化発達があり
、その進化した細菌を見つけて、利用促進すればいいのです。
この細菌・微生物の研究を北里大の田口さんは公開していただいて
いるため、私のような門外漢にも知ることができるのです。インタ
ーネットの素晴らしさですね。このようにバイオ研究からもジャパ
ン・エポックの準備は整っているのです。あとはどう量産化や工業
化するかなのでしょうね。それと有能な研究者を増員して、細菌を
探すこと、量産化の方法を見つけること、特に酸素が無い状態での
み増殖する嫌気性菌の簡単な培養ができる装置の開発が必要なので
しょうね。

プラスチックを作る微生物や二酸化炭素を固定する微生物について
も研究しているようで、今後、このような菌も報告していただける
ようですので、期待したいですね。
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5.水素を作る細菌 
http://tag.ahs.kitasato-u.ac.jp/tag-wada/noframe/e005.htm
水素を作る微生物は、1940年代より色々見付けられ、藻類と細菌に
分類される。糸状性ラン藻や緑藻(例えばクロレラ)は、非常に面白
い生き物で、二酸化炭素と光を利用して水を分解して水素を作れま
す。しかし、反応速度が非常に遅い短所がある。水素を作る細菌は
、光合成細菌と通常の細菌に分けられ、後者は更に大腸菌のような
酸素があっても無くても増殖する通性嫌気性菌と酸素が無い状態で
のみ増殖する嫌気性菌(例えばガス壊疽菌)に分けられます。 

 光合成性細菌は、酢酸のような有機物と光を用いて水素を発生さ
せます。光合成性細菌の水素生成反応は、効率が高く生成速度も藻
類より大きい。条件をそろえれば、太陽電池と近い能力を有してい
ます。 

 嫌気性水素生成菌は、主にクロストリジウム属の細菌に多い。
この種類の細菌は、糖等を有機酸と水素に変換します。私共研究室
でシロアリより分離したクロストリジウム属の細菌は、非常に優秀
で1グラムの砂糖から半日で牛乳ビン1本程度の水素を作ります。
この水素生成速度は、光合成菌のおおよそ千倍であります。 

 将来は、嫌気性水素生成菌で植物を水素と有機酸に分解し、有機
酸を光合成菌で水素に変換する研究が進むと、廃棄物の処理とエネ
ルギー問題が解決できる可能性があります。 
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その4.麦ワラを水素に変換する. 
http://tag.ahs.kitasato-u.ac.jp/tag-wada/noframe/e016.htm
私達がシロアリから分離した菌株には、セルロースやヘミセルロー
スを水素に変換する株もあります。その1株がClostridium sp. X53
という名前の菌株で、キシロースの多糖体である大麦由来のキシラ
ンを直接水素に変換できる世界で最初の珍しい菌です。 

pH6.0で 40℃に保温すると、培養開始2時間後よりキシラナーゼ活
性が検出されるようになり、培養開始後8時間で最高値に達する。
水素の産生も全く同じ条件で進行し、上に記載したSP2株とほぼ同
じ速さで水素を発生できます。しかし、キシランからの水素総生成
量は、残念ながらキシロースからの水素量の80%程度で止まってしま
います。原因はよく判りませんが、市販品のキシランは糖以外の不
純物を多く含んでいるならば、水素生成効率はそれほど悪くないも
のと考えられます。 

 ヘミセルロースは、農産物の残さに多くふくまれる成分ですから
、地球上には莫大な量が毎年作られると同時に廃棄されていること
になります。このような状況を考慮すると、ヘミセルロースを加水
分解できる菌並びにその加水分解物を水素や有機溶媒などに変換で
きる菌は、今後とも重要且つ貴重な宝物となりましょう。 

 私達もClostridium sp. X53よりももっと優れた菌株の入手に力
を入れてがんばっています。水素生成菌とメタン菌とは、かなり性
質が異なります。水素生成菌は、メタン菌ほど取り扱いが難しくあ
りません。細菌の取り扱いについて、訓練を少しでも受けた経験者
であれば、誰でも簡単に取り扱えます。 

この応用として、コピー用紙を水素に変換することも研究されてい
ます。17.コピー用紙を水素に変換する細菌
http://tag.ahs.kitasato-u.ac.jp/tag-wada/noframe/e017.htm


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