1074.イラク攻撃回避とイスラエル



イラク攻撃関連の情報が出てきたので、その検討とイスラエル政権
の検討をしよう。 Fより

米国の対テロ戦争に連動して、世界の国々の政権や政治体制が主に
米国の意向で変更させられている。このいい例が、イスラエルであ
ろう。今までは、キャンプ・デービット合意を実行する労働党が主
流の政権で、リクード党がトップになっても、労働党は政権の中に
いて、この合意を目指すとしていた。しかし、その労働党が政権内
部に居なくなって、この合意は無効化した。どうも、米国ネオコン
とイスラエルが、労働党を追い出したような感じである。

YSさんが、イラク査察における国連決議のいろいろな情報をBB
Sに公開していただいた。これによると、逆に米国ではパウエルが
政権内での権力を取り戻したようだ。今回のブッシュ政権でのイラ
ク攻撃アピールは共和党が経済から国民の目を逸らさせるために仕
組んだという可能性が出てきている。ネオコンを利用したというこ
とのようだ。

どうして分かるかというと、パウエルとソラナEU外交委員、イワ
ノフ露外相、ストロー英外相、ドビルパン仏外相などと、ここ数週
間、頻繁に会合や電話会議を持って、イラクでの権益を調整したよ
うなのである。
このため、イラク国連決議がアラブの安保理理事のシリアを含めて
全員賛成で可決した。

米国と仏露中がイラクでの石油権益を分割したのです。このため、
イラクのフセインは排除させる。戦争ではなく、クーデターか暗殺
でのようだ。そして、仏はフセインの脱出先を世話する可能性があ
る。米国というか仏露中独も含めた国連軍がイラク進駐する無血占
領になるようですね。どうも。戦争は回避して、米欧の妥協的政権
ができることになった。勿論、権益も妥協的な線で落ち着いたよう
である。日本も、この国連軍の一翼を担ったほうがいい。おこぼれ
がもらえる可能性がある。それは言い過ぎとしても日本の世界貢献
を宣伝できる。

しかし、ここで面白くないのは、イスラエルである。相当の出費で
共和党の中間選挙とネオコンを支えてきた。しかし、イスラエルの
望んだイラクとの戦争にならない。欧米の裏取引が出来てしまった
。これには納得がいかない。そして、ネオコンという米国内での大
きな味方がいる。この連中を使って、イラク戦を戦うキャンペーン
をするようである。

しかし、ネオコンと共闘していたチェイニーなど政権内タカ派が
この戦線を離脱するようなのです。パウエルなどの政権内国際協調
派に同調するようだ。
モルガン系の企業幹部とグリーンスパンなどから意見されて、チェ
イニーは方針を転換した。このために、2年後もブッシュは副大統
領にチェイニーと言いはじめている。中間選挙での選挙資金集めで
チェイニーは、米国単独でのイラク攻撃が欧州とのビジネス連携が
大きい米国企業に大きな負担になることを知ったようだ。

しかし、国防省および軍内部では、イラク戦の戦争準備をしていた
ために、イスラエルと共闘しようとする不平分子が出てくる可能性
はある。このガス抜きが必要だ。

このため、米国はイラク戦争を回避して、北朝鮮戦争に軍の主力を
シフトする可能性がある。こちらは国連決議の議決がイラクより
簡単で、中国を説得すれば、悪の大国であるという認識は世界が共
通しているため、全員OKでしょう。

中国が北朝鮮の核開発中止、核査察の説得ができないと、攻撃は
GOになる。中国を含めて世界各国の利権もない。
韓国への攻撃、特に首都ソウルへの攻撃をどう防止するかだけであ
る。核ミサイル攻撃を防止しないと危ないので、国連決議もなく
米国の先制攻撃になる可能性もある。しかし、大きなリスクがあり
、日本・韓国は反対するべきでしょうね。しかし、反対に北朝鮮か
らの先制攻撃もあると考えると油断はできないことになる。

日本の国家安全保障の観点が見直しを迫られているようである。
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あうんの呼吸で米ロが合意 ロシアが拒否権使わぬ保証

http://www.asahi.com/international/update/1109/004.html

 米政府側「ハラショー(これでいいか)?」 

 イワノフ・ロシア外相「ダー(大丈夫だ)」 

 米政府高官は8日、対イラク国連安保理決議の大詰め協議で、
米側がロシアに対して拒否権を使わないよう働きかけ、8日朝、
ロシア語の簡単なやりとりで、拒否権を使わないとの保証を得てい
たことを明らかにした。米側の電話の主はパウエル国務長官とみら
れる。 

 ロシア側がこだわっていたのは、武力行使に至る前に安保理が再
び協議の場を持つこと。米側はそれを保証したうえで、ブッシュ大
統領は独自に武力行使の判断の権限を持つ、と説明して了解を得た
という。これに先だって米政府高官は7日、イワノフ外相に、フラ
ンスとの間で合意した文言の変更を伝えたところ、イワノフ外相は
「プーチン大統領にすぐ伝える」と応じた。この時点で、米側はロ
シア側も妥協するとの感触を得たという。翌朝、イワノフ外相から
電話があり、冒頭のやりとりになったという。 

(11:36) 
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対イラク決議採択を評価=米の単独行動にクギも−仏大統領 
2002 年 11月 9日 
http://news.msn.co.jp/articles/snews.asp?w=269487
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【パリ8日時事】フランスのシラク大統領は8日、国連安保理が対
イラク決議を全会一致で採択したのを受けて声明を発表し、「イラ
クの大量破壊兵器を平和裏に除去する機会を与えた」と評価した。

大統領は、「この方向はフランスが当初から求めていたものだ」と
指摘。イラクに対し、「国際社会のメッセージは明確である。今後
国連に全面的な協力をしなければならない」と決議の履行を要求し
た。

また、今回の決議で「平和と安全保障における安保理の中心的役割
が再確認された」と述べ、米国の単独行動主義にクギを刺した。

一方、仏外務省によると、ドビルパン外相は決議採択後、パリ駐在
のアラブ各国大使を前に演説し、「メッセージは極めて確固たるも
のだ」と強調、イラク指導部に伝えるよう要請した。(了)
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イラク、受諾以外の選択は困難=アラブ連盟は「決議を尊重」 
2002 年 11月 9日 
http://news.msn.co.jp/articles/snews.asp?w=269491
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【カイロ8日時事】イラクのサブリ外相は8日夜、訪問先のカイロ
でアラブ連盟のムーサ事務局長と会談し、国連安保理で同日採択さ
れた対イラク決議の受諾の可否などについて協議した。フセイン政
権はアラブ諸国とも相談した上で態度を表明するとみられるが、
同連盟高官は時事通信に「受諾以外に選択肢はほとんどない」と語
った。

同高官は「アラブ連盟は決議を尊重する」と強調。9、10の両日
カイロで開かれるアラブ緊急外相会議で、イラクに受諾を強く促す
方針を明らかにした。ただ、決議を受諾した後、「イラクが決議内
容をどう履行していくか、また米国がどう動くかなど懸念材料は多
い」と語った。

アラブ諸国はもともと、イラク攻撃回避のためにはイラクの国連決
議履行しか道はないとの認識で一致していた。安保理理事国では現
在、シリアがアラブ諸国唯一のメンバー国だが、普段は強硬派で知
られる同国が決議賛成に回った。

シリア国営通信は賛成の理由について「決議違反があった場合でも
自動的に武力行使に進むわけではないと米英両国がシリアに確約し
た」などと説明している。(了)


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