1056.読者の声



件名:社会主義キューバにおける宗教
 
no.1039において、キューバでは原則宗教は自由とのデータ
が載っていましたが、社会主義は宗教はアヘンだとして禁止されて
いるとばかり思っていたので驚きでした。寡聞にして知りませんで
した。
私は、社会主義がダメなところの一つとして人間の営みには必要不
可欠な信仰の自由を禁じたことだと考えています。
 
アメリカと社会主義が相容れないのは、アメリカは大変宗教の盛ん
な国であるからです。大統領の就任の時も、聖書(宗派は問わない
)に手を置いて宣誓をしますし、教会には多くの人々が熱心に通っ
ています。
アメリカは自国が神に守られていると信じており、湾岸戦争の時も
、パパ・ブッシュは牧師に開戦するか否かを、相談しました。
 
太平洋戦争後、アメリカ占領軍は日本国憲法において『政教分離』
の原則を書き入れ、それを日本も崇めていますが、この『政教分離
』の『教』とは宗教の教ではなく、教会の教つまり特定の教会が政
治に関与することを禁じているのであって、信仰の自由は憲法でも
保障されています。
 
キューバが社会主義国として、辛うじて生き残っているのは信仰の
自由を保障しているところかもしれません。
 
恵谷 恒一
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件名: グロバリズムについての私見  
グロバリズムについての私見を申し上げたい。
私は四世代も日本で生活している中国人です。
専業の損保代理業を営んできました。この業界もグロバリズムの荒
波に翻弄され、長い間培われてきた日本的な、或意味では確かに
保守的な慣習の中で温室的な環境が温存されてきました。よく大蔵
省の護送船団方式と批判的な見方も有りました。

業界に対して大蔵省の役人根性丸出しの業界を指導してやる式のぬ
るま湯式保護策は役人風を吹かせるには好都合でありました。根底
には自己保存の意識が働いていたのかも知れません。もし、現状固
定でなく、漸進的な適者生存の原則、つまり、積極的に生きようと
する企業努力をする会社と、何とかやってきた会社と同等に扱って
来た役人の、使命感の欠如がありました。これが日本の官僚の欠陥
であり、自己満足の結果であり、変化を嫌う役人根性でありました。

然し、そのことを除けば、日本社会の古来からの伝統的な良さが活
きずいていました。
その様な良い面が、グロバリゼーションの冷酷なメカニズムによっ
て、例えば私が属していた損保業界に水分のない、緑のない、まる
で月世界の茫漠とした人間の心の温かささえ無惨にも凍結させてし
まうよな世界が出現してしまったのです。
社員同士の友情、上司と部下の間の血の通ったやりとり、信賞必罰
と共に敗者にも復活させるチャンスを与える人事を行う余裕など、
私は過去において常にこのような精神を以て運営されて来た会社が
存在し、会社と社員が和を以て生存してきた会社、更には、会社と
代理店の相互信頼の関係、会社の社員と代理店主の血のかよった関
係など・・・・、もうこのようなものはグロバリゼーションの荒波
によって総て破壊され尽くされてしまいました。

残ったものは冷たい数字だけの関係。部下と上司の関係、会社と代
理店との関系など、今、日本の実業界にはこんな木枯らしの吹く、
寒々とした寒風が吹きすさんでいます。
強いものだけが生き残る弱肉強食だけの世界でなく、棲み分けが可
能な自然界のような社会を取り戻すために、グローバリゼーション
の道から引き返し、かつて孫文が提唱した様な、東洋の王道に向け
て歩むべきでは無かろうかと考えるのです。  王 柏林 
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(Fのコメント)
グローバリゼーションは止められない。ジェット機で1日で世界の
どこにも行けるし、インターネットの発達で世界と連絡がいつでも
できる。このため、ビジネスも世界的な広がりになっている。この
ためビジネスのフォームの基本的なことは世界的に統一的になると
思いますね。

しかし、その世界で米国流価値観が主流になるかどうかは、日本人
や世界の人が、その米国流をどう思うかで決まることであろう。
この頃、欧州と米国の考え方に大きな違いを感じるし、王さんのよ
うなことを思う人も日本で増えているように感じる。

ということは、米国流のビジネススタイルにならない可能性が高い
し、米国自身がそのビジネススタイルではダメと気がついてきてい
る。そして、その方向が問題なのでしょう。
この日本的、東洋的なスタイルを世界に分かるように説明する必要
があるし、日本自身を変化させることも必要になると思う。
今後、この変化について、日本再設計で議論したと思いますね。


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