1034.地球環境問題と生命記憶



地球環境問題と生命記憶 − いつまで環境危機から目をそらし続
けるのだろう

 つい最近、南アフリカのヨハネスブルグで環境開発サミットが開
かれたことは知ってますか?
 日本でどれだけサミットの報道がなされたか、皆さんが報道に
どれだけ接したか、そもそも皆さんがどれだけ環境問題に関心があ
るか、という問題があります。地球環境とひとりひとりの生活は、
なかなか結びつけて考えられないですから。
 だから、知らなくたって恥ずかしいことではありません。でも、
よかったら、ヨハネスブルグに行った私の話を聞いてください。

 この地球上に六〇億人の人間がいて、その結果、どんどん森林を
伐採して野生生物の住むところはなくなり、バンバン化石燃料を燃
やして、自然界に存在しない汚染物質を環境中に撒き散らしている。
それと、ひとりひとりの生活は、どう関係するのか。私たちはどう
生きていけばいいのか。誰も教えてくれない。

 国連と加盟国首脳が、人間と環境の間で起きる問題の解決を考え
るために、一九七二年にストックホルムで会議を開いた。それから
三〇年、人間は相変わらず物質的な豊かさを求めて、工業文明と
消費社会を生きている。

 実は、今回の会議でも、工業文明や消費社会について、なにも
反省が行われてはいない。だから、人類はこれからも、化石燃料を
燃やして、化学物質を環境中に撒き散らして、温暖化や環境汚染を
深刻化させていくのだろう。

 このところ、世界中で、クジラが不自然な上陸死(ストランディン
グ)をとげている。なぜクジラが死ぬのか、誰も調べないからわから
ないけど、おそらく海洋汚染が影響している。PCBやダイオキシン、
水銀などの汚染物質が、人間によって、海の中に放出され、それが
クジラの体を蝕んでいるのだ。

 水俣病の発生が、まず魚の死、ついで猫の死、海鳥の死、それから
人間の死へと発展したように、クジラの死は、他の生物たちの死の
予兆である。「風の谷のナウシカ」のような海になることの予兆だ。
 
 おそらくあと一〇年もすれば、もっと深刻なことが起きる。それ
まで私たちは何もしないでいるのか。水俣の教訓を生かすことはで
きないのか。
 なぜ、私たちは水俣の教訓を生かせないのか。どうして、私たち
は歴史に学ぶことができないのか。悲しいことだ。

 サミットが終わって、生命記憶ということを考えている。三木成
夫「胎児の世界」、西原克成「生物は重力が進化させた」、「内臓
がつくりだす心」といった本を読んでいる。
 何億年かの生命の進化を経て、人間だけが自然の法則に逆らった
生き方をしている。環境を破壊しながら生きている。どうして、
それを不思議に思わないのだろう。
どうして自然の中で生かされようとしないのだろうか。
 豊かさや利便性を追求しつづける私たちは、間違っているという
ことを、実感できないか。自分たちの深層心理、遺伝子情報の中に
、それが含まれていないだろうか。
 進化や遺伝子情報の中に、人間の悪行を改めさせる契機が含まれ
ていないかと思うのだ。
(得丸 2002.09.23)
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件名:生ゴミ対策 台所つりひも  
国際戦略コラム 様           山崎と申します。

「地球を救う大変革・世界に広がるEM技術」比嘉照夫著 第3巻
を読んでいてふと思いついたので投稿します。

提言 以前にも台所の天井からつりひもを垂らし生ゴミを一晩ない
し二晩そのままにしておけば、随分軽くなるとの提言は当コラムに
投稿しました。しかし、実行者数を考えると少ないと思われます。
となれば、流し台メーカー、住宅メーカーに最初から作っていただ
く方法がベストです。横にスライドでき長さ調整ができ、簡便なフ
ック器具が先端にあれば後は、重力にまかせるのみです。

 野菜作りをして5ヶ月になります。関心が道路を走行していても
畑に目をみやるようになってきました。そんなおり「EM農法・EM技
術」という言葉をしりました。最近は、比嘉照夫氏の本や他のかた
のEM本を一生懸命読んでおります。また、ネット検索にて多くのEM
関連のHPも尋ねております。具体的にはそれぞれ検索を是非お勧め
します。

「持続可能な開発」方法の one of them と確信しつつあります。

冒頭掲げた本の第1巻の小見出しに「やがて産業革命いらいの大革
命がおこる」とあります。これに関心をもたずにおられようか。

 とりあえず、蛇口付きバケツを仕入れEMぼかしを振りかけ処理し
たところです。Tさん、副次的産業構造の行方等の観点から解説をお
ねがいします。などと生意気なことを申しました。当コラムは推敲
なしでも掲載されてしまうので、うれしはずかしです。普段は、
産業構造などに関心はありませんが。。。
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(Tのコメント)
人本主義対資本主義
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/kako/jinhon.htm
で、比嘉先生のEM法をご紹介しています。

今後、このような自然に根ざした技術が普及するはずです。しかし
この影響を受けるのが、石油から生成する化学肥料や農薬でしょう
ね。しかし、日本は中国の低価格農薬野菜問題から分かるとおり、
自然に根ざした有機農業にシフトせざるを得ない。

この動向を支援するのが、このEM法などの自然の微生物たちの
発酵技術であろうと思う。日本は昔から味噌・醤油などと、麹菌の
発酵技術を利用していた。日本は高温多湿であるため、発酵に適し
た土地であり、より一層の研究が必要でしょうね。
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理想の環境とは 仕事と生活、矛盾超えて
養老孟司・解剖学者
 日本は明瞭(めいりょう)な四季のある、自然に恵まれた国であ
る。そんなことを、現代の都会に住む人たちが、どこまで本気で思
っているだろうか。たとえば東京に四季などない。というより、都
会人は四季のない生活をしている。暑ければクーラーだし、寒けれ
ば暖房である。四季折々の草花を日常見るわけでなし、忙しい人な
ら、満開のサクラすら見ている暇もないであろう。 

 田舎に住む人たちも、自分が自然に恵まれた環境に住んでいるし
、それで幸せなのだと、どこまで本気で思っているだろうか。若い
人たちがそう思っているなら、地方に過疎が生じるはずがない。 

 それならどういう環境に住むことが、われわれの理想なのか。
あなたは本当はどういう環境に住みたいのですか。あらたまってそ
う訊(き)かれたとき、多くの人は思わず口ごもるのではないか。
ひょっとするとわれわれは、理想の生活や理想の環境を頭の中から
喪失してしまったらしい。 

 環境のことをいうなら、環境省がその担当であろう。環境省自体
の置かれている「環境」をご存じだろうか。 

 官庁の建物は、できるだけ工費を安くあげるように作られている
という。どの省庁にせよ、中身も外見も世界に誇る立派な建物には
むろん見えない。私も用事があって環境省に行くことがあるが、
よくこんなところで仕事をしているなと思う。窓を一日中閉め切っ
たビルのなかの大勢が雑居する部屋で、「よい環境」について、
どれだけ本気で考えられるのだろうか。 

 もちろん都内の一等地で働き、国家の官僚として身分を保障され
ているのだから、そんなことは問題ではない。そういう反論もある
かもしれない。しかし仕事と実生活の間のこうした矛盾を、われわ
れはあまりにも長い間、当然として放置してきたのではないか。
 おかげで理想的な環境などというものは、頭から行方不明になっ
た。そんなことは考えもしなくなってしまったのである。 

 かつて夜遅く、個人タクシーに乗ったことがある。運転手さんは
話し好きで、霞が関の官庁街で主に仕事をしているということだっ
た。その人がいう。ある日、午前二時頃(ごろ)お客を乗せた。
いままでお仕事ですかと尋ねると、そうだという。大変ですね、
 お客さんはどの省庁ですか。すると客は、労働省だという。当時
週休二日が問題になっていた時期だったので、運転手が尋ねた。
労働省といえば、休みを増やすといっている、あのお役所じゃない
んですか。客はそうだという。そのお役所の人がこんな遅い時間ま
で働いていていいんですか。客はしばらく答えなかったが、やがて
いった。国民の皆さんが安心して休めるように、こうして私たちは
夜遅くまで働いているんです、と。 
Kenzo Yamaoka


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