1033.世界秩序体系の変更



どうも、欧州・ロシア・日本や米国パウエルに米国政権中核のチェ
イニーなどのタカ派とネオコンが追い込まれている。この検討
        Fより

YSさんと毎週日曜日に話しているが、米国が分裂しているし、
チェイニーが世界的に孤立しているように感じる。もがけばもがく
ほど、墓穴を掘っているようだ。まず、イラク攻撃を米国の単独で
行うという目はすでにない。パウエルとストロー英国外相により、
ブッシュにブレアを着けて、英国は米国と共に戦うと言わせておい
て、ロシアにはイラクの査察受け入れを交渉させる。日朝交渉も、
イワノフとパウエルが仕掛けたのです。これは交渉で国際政治を行
うという原則を打ち立てる必要があるためです。もちろん、イラク
攻撃は行う可能性が高いが。

これに対して、米国ネオコンはイスラエルの意向を受けて、世界
(特に欧州)は信用ならないという考えで、米国単独行動を志向す
る。このため、米国対世界の構図になってしまった。日本は米国
ネオコンの味方であると思ったが日朝交渉の動向を見ると、日本も
ネオコンの方向とは違うことに気がついたようだ。アーミテージは
パウエル派であるため、国際協調派であり北朝鮮との交渉は賛成で
ある。しかし、アジアに緊張を作り出したいネオコンは、日本の
軍事費をシーレーン防衛拡張に使わさせるために、台湾を使って
中国脅威論を宣伝する。台湾は孤立から米国ネオコンと連携できる
ことになったため、願ってもいないチャンスが到来している。

今まで、中国は日本のODAが欲しくて、靖国や慰安婦など日本の
戦中の行為を今も執拗に指摘するが、これは米国のネオコンを利す
ることになる。日本国民はネオコンの中国脅威論に組することにな
る。しかし、このようなことをせずに日本との友好関係を構築した
ほうがいいはずで、そうしないと、日本は中国よりロシアへの投資
を優先させるように感じる。石油の輸送と言う防衛根幹の問題を
ロシアに委託するのですからで、世界の秩序体系が変化するように
考えられる。

米国はテロとの戦いで、アラブ諸国を長期的に敵にするようだ。
ブッシュがテロに対する30年戦争といった意味は、アラブ諸国を
民主化するということであるが、米国がアラブの王制や独裁者を
第2次世界大戦後助けて、民主化を共産主義として弾圧してきた
歴史がある。イスラムでも、アジア諸国は石油がないため、民主化
している。米国の介入がないのと、日本が政権の安定を工場進出の
条件にしたため、アジアでは早くから民主化した。このように民主
化を妨害したのは米国である。

しかし、米国は今まで支援したアラブ王制と独裁者に民主化を強制
するようだ。そうすると当分、この地域は混乱する可能性が高い。
石油の輸送ルートは、なるべく混乱地域をさけたいため、ロシアへ
中東石油をパイプラインで一度運び、ロシアから欧州と日本に送る
方が、不安定で危険なアラブやイスラム諸国のシーレーンをタンカ
ーで通るより、安全でかつ効率がいい。米国はこのシーレーンを守
るために世界的な海軍を構築している。このシーレーン防衛は、
米国石油会社の権益防衛でもある。これが崩れようとしている。

最大の客である日本がロシアのランドレーンの鉄道やパイプライン
を利用するというと、米国の海軍では権益防衛をすることができな
いため、海軍維持の費用対効果がでないことになる。ロシアのラン
ドレーンの防衛はロシア陸軍が当たるが、近くに敵がないために、
米国海軍より安価で維持可能である。強いて近くの敵をあげれば
中国ぐらいであるが、中国の最新鋭の軍備はほとんどロシア製であ
る。このためロシアに中国は攻めることができない。このため欧州
は今でもエネルギー供給をロシアのパイプラインに頼っている。
ロシアも欧州に石油・天然ガスを売って、事業的にも大成功してい
る。

このため、欧州とロシアは経済的な結びつきをすでに確立している
。この結びつきを政治にも反映させている。どうも、シラクとプー
チンは意見交換を頻繁にしているようだ。このシラクは日本との結
びつきも強い。中曽根さんも、シラクとイラク攻撃や日朝交渉で議
論している。そして、米国流武力外交より日本も欧州と同じように
協調外交の方が、馴染みやすい。

もう1つ、米国の欠点は米国の資本が底を着いてきていることであ
る。今までは欧州の資本が米国を助けていたが、一斉に、米国から
この欧州資本が引き上げている。このため、米国の株価はどんどん
、下落している。欧州は米国の帝国主義を拒否しているためですね。

しかし、米国は欧州を脅す材料がない。昔はソ連の攻撃や石油を供
給しないぞと言えた。米国の軍事力は最強であるが経済関係は、昔
に比べて弱くなっているためにこのようなこともできない。欧州を
脅かす敵もいない。

欧州指導者も、コソボの紛争の時のような米国の強引さも必要と認
めているが、今回のような欧州とも相談しない強引なイラク攻撃を
認めることはないし、そのような米国をパッシングしようと米国以
外の世界の指導者と相談し始める。

これが日朝交渉の裏にある。勿論、それだからと言って、拉致問題
を棚上げして、国交交渉を優先させようとは言いません。どうして
か言えば、ロシアとの連絡はもう1つ方法がある。稚内と樺太とト
ンネルで結び、樺太とシベリアの間を橋で結ぶ計画もあるし、
それまでは稚内から連絡船で最も近いシベリアの都市と結べばいい
からです。朝鮮に固守する必要はない。

日本の指導者もこのように地球的な視野で物を見る必要がある。
国民も大きく視野を広げる必要があるようですね。
==============================
http://holycow.sandiego.edu:8080/isota/forums/japanese/1033088043/index_html
日本経済の問題はバブルだけではない、構造問題でもない、真の問
題は中国の出現と為替ルートにある

Posted by 作者 台湾総統府国策顧問 黄天麟 
on Thursday September 26, @05:54PM

「月刊日本」2002年10月号掲載
(1)バブルだけではない

 最近とくにここ十年間、日本では金融・経済問題に対してあまり
にも多くの間違った俗説がまかり通ってきた。これが日本が2002
年に入る、今も立ち直ることが出来ない原因となっていると私は思
う。九〇年代の始め日本当局も学界のマスコミもこぞって問題をバ
ブルの崩壊と決め付けていた。確かに問題の初期はバブルの崩壊か
ら始まった。資産価格の暴落は多くの株価、地価を数分の一、ゴル
フ会員権は十分の一に落としてしまった。バランスシートに表れて
くる資産は減るけれど負債はそのままであるから、すべての企業は
債務超過に落ち入ってしまった。

しかしバブルだけであれば、その調整は二、三年、遅くて四、五年
で終わる筈である。香港も地価のバブルがあったが二、三年で調整
されている。ところが日本では何年経っても企業の業務、収益が一
向振はない、株価がどうしても戻らない、土地価格も回復しない。
それにしてもその原因に対しては餘り解明されていないままである
。それはバブルによる資産価格下落と債務超過のスパイラルと一言
で片づける人が多いが、果たして原因はそんなに単純であろうか?
政府はバブルに追討ちを掛けたBIS(自己資本比率)と円為替ル
ートにはあまり気をつけていないようである。

(2)構造問題ではない
 アメリカを始めとする経済学者はよく日本経済問題を構造問題と
なしつける傾向がある、構造改革を進めない限り日本経済の再生は
ありえないと言う。日本のマスコミもこれに同調しているようだ。
しかし構造問題は長い社会の制度の蓄積である。構造に問題があれ
ば、七〇年、八〇年代の日本の発展がなかった筈だ。唯わづか十年
前、日本を始め世界の人々は日本経済の構造こそ最高だと思ってい
た。その良きものが一瞬にして悪物になる筋道はロヂックに合はな
い言い方である。世界の流れに従って経済・社会構造は徐々に改革
しべき事は誰も分かることであるが、今日経済が極度に低迷してし
まったことは構造改革のそれ以外に理由があると見るべきだと思う。

(3)九五年以降の問題は中国問題である。
 九〇年代の日本を揺るがせたものにアメリカのIT革命がある。
ハイテックによる経済力の向上は凄まじいものがあった。しかしそ
れも中国問題に比べれば小さい脅威に過ぎない。八〇年代の初、
共産と企画経済を投げ棄てた中国は人民元を大幅に切り下げた。
一九八〇年に一ドルに対し一・五三人民元だったルートは一九九〇
年に五・二二人民元になり、更に一九九五年に八・三一人民元にな
った。

中国の物価はドル建てで一挙に五分の一になったのである。その反
面、日本円は一九八五年プラザ合意の時一ドル=240円から
一九九五年四月の一ドル=80円にまで切り上がってしまった。
日本の物価はドル建てで三倍にはね上がったのですから日本と中国
のコスト差が正に十五倍となり、中国製品は超低価格で世界市場を
席捲する態勢に入ったのである。

この時台湾の貨幣も切り上げがあり台湾企業はなだれを打って中国
に馳せつけた。八〇年代の台湾は既に衣服、靴、繊維製品、傘、自
転車、家電、玩具などの分野で世界的生産基地になっていたが、
これらの産業は四、五年の内に殆ど中国に移転された。台湾政府が
餘りにも指導に欠け、企業の言うがままになったことも悪かったが
、中国人民元の大幅な切下げと台湾元の切上げが大きくこの波を促
進したことに間違いはない。台湾の資本、技術と市場を吸収した
中国は、これによって外貨を稼ぎ、対日貿易黒字も九九年には
二百二十一億ドルとなり、日本の内需拡大と消費刺激策も国内生産
に繋がらず、最大の受益者は中国になってしまったのである。

(4)東南アジアの金融危机の最大の被害者は日本
 台湾の資本と技術、そして大陸十二億人の安い労働力を結合した
中国製品は迅やかに東南亜諸国製品を世界の市場から追い出してし
まった。東南亜諸国の輸出は不振となり、国際収支も徐々に悪化し
てしまった。その上東南アジアの各国政府は必要な調整を怠り、遂
に九七年に世界を震駭させた東南亜金融危机を巻き起こしたのであ
る。金融危机はタイ、マレーシヤ、フィリピン、インドネシアにか
なりの損失を与えた。

日本は対した衝*を受けていないように見えたが実際は日本が一番
深出を受けた国であることに日本は気付いていない。事実上、日本
は東南亜諸国への最大の債権者であり、その債権は大幅に目減りし
、銀行、商社に与える痛手は大きく、日本の国力も著しく低下し
回復の力を失ってしまったのである。一方、中国は最大の受益者に
なり、これを機会に中国は経済的にも日本に替わる存在としてアジ
アに君臨してきたのである。

(5)この儘では日本の復帰はむずかしい
 以上述べた如くアジア経済問題の核心は中国の元が過去一ドル対
一・五人民元から一ドル対八・三人民元に引き下げられた為替レー
トの不均衝にある。しかも中国はまた為替管理をしているのでその
調整は一方でしか出来ない様になっている。これが為、過去三、四
年間各国の為替レートは色々な方式でこの不均衝を反映して調整さ
れている。

東南亜金融危机による各国の貨幣の切り下げもその一つであった。
ユーロもこの二年間で三十五%近く下落している。ポンドも近日十
餘年ぶりに最低を切った。日本がもし引き続き市場にまかせ、強い
円を維持すれば、やがて企業はとても日本で生産活動は続けられな
い状況に追い込まれるに間違いはない。

 輸出ドライブのため各国が為替レートの切り下げ競争に落ちこむ
ことは芳しいことではないが、中国人が人民元を切り上げない限り
、日本はみすみす自滅の道を歩くわけにはいかないでしょう。当分
、日本当局はすみやかに1ドル140円に切り下げ、以上の円高を
絶対に避けるべきだと私は思う。勿論黒字縮小の為にも日本は輸入
を促進する自由化に何かと手を入れるべきではあるが。 

 次に日本がやるべきことは台湾と東南亜諸国を自己の経済圏に抱
き込み、積極的に技術提供や建設に手助けをすることである。さも
なければ日本といえどもアジアの中国への一極集中によって周辺化
されることは免れないことであろう。
==============================
<米仏電話協議>イラク問題で米国の立場に反対を表明 仏大統領

 【パリ福島良典】フランスのシラク大統領は27日、ブッシュ米
大統領とイラク情勢を電話で協議し、国連安保理で採択が予定され
る新決議に武力行使容認の内容を盛り込みたい米国の立場に反対を
表明した。シラク大統領が提案した国連査察優先の「2段階方式」
は中国、ロシアの支持を得ており新決議の文言をめぐり米英と仏中
露の間で調整が本格化している。

 仏大統領府報道官によると、シラク大統領は電話協議で「国際社
会の大多数と同様にフランスは2段階方式に賛成だ」と強調した。
「2段階方式」はシラク大統領が米紙とのインタビューで提案した
もので、イラクでの大量破壊兵器の査察再開を優先し、イラクが査
察受け入れを拒んだ場合にのみ、武力行使を含む対応を安保理で協
議するという2段構えの構想だ。

 フランスを訪問した中国の朱鎔基首相は26日、シラク大統領と
の会談で「2段階方式」に賛意を示し、プーチン露大統領も同日、
シラク大統領に電話で「イラク問題への取り組み姿勢は同じだ」と
同調する姿勢を示した。

 シラク大統領は電話協議で「米英案は今後、細かく検討され、
さまざまなレベルで討議対象になる」と述べ、決議案の文言の調整
には応じる姿勢を示した。(毎日新聞)
==============================
件名:超大国の運命  
ドイツ紙「フランクフルター・アルゲマイネ」
 九月十一日はソ連帝国と世界の二極体制の崩壊という世界史の
最後の転換点以来、国際社会が経験した変化の頂点であり、同時に
触媒でもあった。米国に対する攻撃はこの展開を雷鳴のように明る
くし、加速した。しかし、九月十一日はその始まりでも、終わりで
もなかった。
 米国は欧州よりも早く、また直接的に質的に新たな脅威、すなわ
ち(国際法から核の威嚇という)古い防御メカニズムが効力を失っ
た超国家的なテロと遭遇した。新しい敵が大使館や軍艦だけでなく
、米国の心臓部を直撃し、イスラム世界からの追い出しを図ってい
ることが明確になって以来、ワシントンはかつてのファシズム、
共産主義以来という脅威を受けることになった。

 ブッシュ政権は自国民に対し、国家が彼らを守ってくれるという
信念を取り戻す課題を背負っているだけでない。経済的にも、軍事
的にも世界的な規模での介入できる手段を持っている唯一の国とし
て、国際的な危機管理の任を果たすことも求められている。米国は
東欧から東アジアまで影響力を行使しており、秩序維持の決意に疑
いが持たれたら、西側とその指導的な国の弱さと受け取られるのは
イラクだけではない。

 ワシントンから見た欧州との関係は、新たな紛争で対決した場合
、助けてくれるか、邪魔をするか、である。

 欧州が国際的に独自の重みを持てなければ、米国は英国との「特
別の関係」を利用し、さらにはロシアや中国に目を向けるだろう。

 十年前、ドイツの政治家は「われわれも米国人だ」と述べたが、
超大国の運命にかかわる問題になると、そうもいかないのが現実で
ある。
Kenzo Yamaoka


コラム目次に戻る
トップページに戻る