1010.米国のイラク攻撃迫る



また、今週も米国のイラク攻撃の動向が変化したので、検討しよう。
                  Fより

米国のブッシュ大統領は、イラク攻撃を正式に決断した。このため
、残すはどう世界の諸国を説得するかにかかっている。パウエルも
イラク攻撃には反対していない。英国もフランスもロシアもイラク
攻撃には反対していない。ここを反対していると見る日本の評論家
や新聞記者たちは間違えている。

フランスもロシアも、イラクの石油の権限を米国と英国が独占する
のに反対しているだけである。国連の安保理で協議すれば、分け前
に預かれるとして、国連での協議を主張していたのですよ。戦争を
止めようとして、国連での協議と言っていない。

これに対して、チェイニーは欧州への分け前に反対して、米国単独
のイラク攻撃を主張していたのです。パウエルは欧州に分け前をや
っても、支持を受けるべきであると言っていたたけ。そこを間違え
ないでほしい。

フランスもロシアも分け前に預かるなら、イラク攻撃に参加しない
までも、国連の安保理では拒否権を発動しないであろう。
分け前が多ければ、イラク攻撃に参加する可能性もある。特にフラ
ンスはその可能性が大いにあると思っている。

中国はもう少し、違う立場の可能性がある。中国はイラクに大量の
兵器、ミサイル、通信設備などを売っていたため、他国よりイラク
と親密な関係にある。しかし、イラクを支援すると中国のWTO加
盟を見直すとか、米国の敵になると言われれば、どうしようもない
と思うが、抵抗するでしょうね。しかし、中国に石油の分け前を上
げる気は米国にはないため、揉める可能性は高いのです。

アラブ諸国の意向などは、米国は無視です。クウェートの基地とカ
タールの軍事空港/物資集積地とトルコから物資を運べるイラクの
クルド地域さえ有れば、北部と南部から挟み撃ちできる。

まずは、海空軍の飛行機による攻撃でしょうね。英国の電子ビーム
兵器も登場するようですね。最新兵器の実地試験も兼ねるようです。
その後、陸軍が登場するのですが、ほとんど地上に人がいない状態
にして、投入する。そうしないと、被害が大きくなるため、米国国
内の世論が許さない。このため、アフガンで使った大量殺害できる
最大級の燃料気化弾BLUー82、通称「デージー・カッター」を
当初から大量に使用するでしょうね。イラクの民間人も大量に殺害
するようですよ。攻撃地域を無人地域にするのですから。

要は、世界は覇権国である米国に逆らえないのです。欧州は条件闘
争をしていただけであると見ないと、判断を間違える。イラク攻撃
用の軍事費追加が60兆円(日本の国家予算が1年で80兆円)の
使い道が問題で、食料・衣料・兵器・電子機器などの特需があるた
め、米国ダウ平均株価は戦争を前提にしているので、あまり下がら
ない。英国は電子ビーム兵器が売れるようですね。しかし、日本は
、その特需にどこまで預かれるのか不明なために、日経平均株価は
下がっている。外国人投資家も日本から逃げている。

どうも、ロシアとフランスの説得は、目処がついた可能性がある。
下打合せができたので、ブッシュとシラクが電話会話したに決まっ
ている。ロシアも同様であるが、プーチンは条件の引き上げを狙っ
て、条件が合えばといったはず。そのため、最終説得にブレアが
プーチンに会いに10月に行くことになった。またもプーチンは
高値を吹っかけるのでしょうね。ロシアは現在、イラク石油の総代
理店になっているので、その利益と同額を要求している可能性があ
る。イラク石油の原価は8ドル内外で、ロシアは10ドルから15
ドルで買って、今の石油価格は30ドルですから、それで売ると大
もうけになっているはず。

ニューヨーク・タイムズも路線を変更し始めている。全体的に欧州
と米国の調整がついたためにこのような修正をしたようだ。
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米大統領、イラク問題で仏ロ中首脳と電話協議(ASAHI)

 ブッシュ米大統領は6日午前(日本時間6日夜)、シラク仏大統
領、ロシアのプーチン大統領、中国の江沢民国家主席とイラク問題
をめぐって電話協議した。 
 協議の内容については明らかにされていないが、ブッシュ政権当
局者は協議前、AP通信に対し、イラク政府による大量破壊兵器開
発疑惑の査察受け入れ再開を期限付きで求める新たな国連安保理決
議の可能性や、イラク側が拒否した場合に取りうる懲罰行為などに
ついて、米政府の原則的な立場を説明する可能性があると述べた。
ただ、イラクの大量破壊兵器開発やテロ支援に関する未公表の証拠
などについては提示することはない、との見方を示した。 

 国連安保理で拒否権を持つ常任理事国5カ国のうち、フセイン政
権転覆を目指すブッシュ政権の方針を明確に支持しているのは英国
のブレア首相だけにとどまっており、残る3カ国に対しても、イラ
ク攻撃の必要性について説明し、拒否権の行使を避ける狙いがある
ものとみられる。 

 フランスと中国はこれまで、イラクに対するいかなる軍事攻撃も
国連によって決定されるべきだとして、国連安保理決議などの手続
きが必要との立場をとっている。ロシアもイラクに対する軍事攻撃
には反対する姿勢を示している。 

(01:28) 
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<イラク攻撃>米に安保理との協議求める 国連事務総長

 アナン国連事務総長は6日、パリでシラク仏大統領と会談した後
、ブッシュ米政権がイラク問題で国連安保理の協議に応じるよう求
めた。アナン事務総長は記者団に対して「ブッシュ大統領が国際社
会と相談すると表明したことに意を強くしたが、国際社会の中核で
ある国連安保理がその中に含まれていることを望む」と述べた。
(毎日新聞) 
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<イラク攻撃>英首相が「血の代償」払う覚悟

 【ロンドン岸本卓也】ブレア英首相は6日、英BBCの取材に対
し、イラク攻撃を決断した場合は米国との連帯関係を維持するため
に「血の代償」を払う覚悟であることを明らかにした。国内には
攻撃反対論も根強いが、首相は国民に米国への支持を改めて訴えた
。首相は7日に米国でブッシュ大統領とイラク問題について協議す
る。

 8日に放映するドキュメンタリー番組の収録中に首相が質問に答
えた。首相は「いざというときに米国民が必要としているのは英国
民の共感や同情ではなく、ともに戦場に行く覚悟だ」と述べ、「血
の代償を払うのか」という質問に「当然だ」と断言した。

 首相は「イラク攻撃について現段階で決断はしていないし、もし
攻撃が間違っていると思えば支持しない」としながらも、「今まで
間違っていると思ったことはないし、これからも間違っているとは
思わないだろう」と述べ、イラク攻撃の機が熟したときの覚悟がで
きていることを示した。(毎日新聞) 
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英、ロシア説得へ 米の“調整役”に(sankei)

 【ロンドン6日=野口裕之】ブレア英首相は六日までに、米中枢
同時テロ後、アフガニスタンにおけるタリバン政権掃討作戦などの
際、ロシアの支援が不可欠だった点を重視、「対イラク英米共闘」
でも支持を得るため十月上旬にも訪露し、プーチン大統領と会談す
る方針を固めた。
 英米情報筋や英メディアの報道などによると、七日の英米首脳会
談で、ブッシュ米大統領は首相に対し、プーチン氏から対イラク攻
撃支持を取り付けるよう依頼する可能性が高い。依頼を受け、ブレ
ア首相は攻撃への懸念が根強い一部国内世論を九月二十九日から開
かれる与党・労働党大会までにまとめ、その後、国際社会による「
対イラク英米共闘」支持・参加への重要な布石として、ロシア説得
に入るもようだ。

 背景には同時テロ後、ロシアがタジキスタン、ウズベキスタン、
キルギスなど旧ソ連・中央アジア国家における、米軍の出撃・補給
基地確保に道筋をつける一方、反タリバン勢力の北部同盟に兵器を
供給した実績がある。これに関連、英米情報筋も「米国がイラク北
方・旧ソ連カフカス地方の国々と、イラク攻撃のための出撃基地確
保に向けて積極的に交渉している」と証言している。

 さらに、中東諸国の影響の色濃い石油輸出国機構(OPEC)加盟
国ではなく、世界三位の生産量を誇り増産路線を続けるロシアは、
イラク攻撃後に懸念される原油価格高騰に対応する際の切り札とみ
られており、同筋では「英米が既に開始している石油の備蓄や生産
調整問題についても、英国と協議する」と観測している。
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NYタイムズ“偏向”認める 訂正を掲載(sankei)

「攻撃反対」実は「支持」
 【ワシントン6日=古森義久】米国の大手紙ニューヨーク・タイ
ムズがブッシュ大統領のイラク攻撃の意図に対し偏向報道を展開し
ているという批判が攻撃支持派から表明されていたが、同紙は四日
付でこの批判を一部、認めた形の訂正記事を載せた。しかしフォッ
クス・テレビは同紙が共和党の他の有力者の言明もゆがめて伝えて
いると批判し、なおこの同紙の報道姿勢をめぐる論争は続きそうだ。

 四日付のニューヨーク・タイムズは訂正欄の一角に「編集者の記
述」という題で「本紙は八月十六、十七日付の記事でヘンリー・キ
ッシンジャー元国務長官を対イラク戦争に正面から反対している共
和党員のなかに間違って含めてしまった」と記し、「キッシンジャ
ー氏は八月十二日付のワシントン・ポストなどへの寄稿で対イラク
戦争は正当化できると述べていた」と書いて、事実上の訂正をした。

 この訂正はイラク攻撃に賛成する保守派の評論家ジョージ・ウィ
ル氏や大手紙ウォールストリート・ジャーナルのポール・ジゴウ論
説委員らが「ニューヨーク・タイムズの対テロ戦争反対のための偏
向報道」の最大実例として指摘していたキッシンジャー氏の意見の
「誤報」批判に対応した形となった。

 フォックス・テレビは五日夕のニュース討論番組でキャスターの
ブリット・ヒューム記者がこのニューヨーク・タイムズの「訂正」
を報じるとともに、さらに同紙の報道について(1)「ジェームズ・
ベーカー元国務長官がイラクへの軍事攻撃に反対だ」と報じている
が、ベーカー氏は軍事力行使自体には反対していない(2)「軍事力
行使に反対すると非愛国的だと非難される」と記しているが、実際
には軍事力行使反対派を非愛国的だと公の場で断じた人はだれもい
ない−などと論評した。


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