1007.最近のロシアの動きについて



最近のロシアの動きについて。

それにしても、ロシアの外交理念は分かったような、分からないよ
うなところがある。
今日、北朝鮮のキム・ジョンイルが、またしても去年に引き続き列
車で、ウラジオストクに到着。

昨日は、ハバロフスクで、工場見学などしていたようだ。
それを追いかけるように、今日になって、プーチンがわざわざ会談
のために、ウラジオストクに出向いたら、えらく酷い天候になった
ようで、幸先の悪さを感じさせるところだ。
北朝鮮国内の、ものすごいインフレも報道されていたし、最後の手
段をロシアに求めているとしたら、一体なにがあの国から見返りと
して、得られるのか?
果たして、山師プーチンの手の内は?

が、カシヤーノフも、おととい辺りに中国入りして、上海で中国政
府と、経済の連携を強め、中国からの投資を呼ぶ目的と、石油、
ガスの供給問題、軍事関係の商談などを、行った模様。
引き続き、中国側の要人と会見を行うとかで、中国との関係を強化
する動きが見られる。

最近、急激にロシア国内で、中国人の数が増えて問題になっている
問題などには、ほとんど触れなかったようだが、噂によると、既に
モスクワだけで100万人という話まである。
まったく、陸続きの恐ろしさを、痛感させられるところだ。
(このままでは、人口減少ぎみのロシアは、食われる可能性もある
という脅威論まである)

さらに、数日前には、どういう風の吹き回しか、ロシアが国家とし
て、突然(でもないか?)、イラク支持の立場を明らかにして、
モスクワのイラク大使が、テレビ会見を行っていたが、こういう
カードも、やはり、大国ロシアには現在も必要なのか。

それでいて、北方領土問題に関しては、大衆新聞の記事によると、
川口外務大臣が来たところで、「話し合う予定なし」とおっしゃり
、それでいて、「宗男ハウスには、毎月100万円払う約束だった
じゃないか!」と脅迫する。
さすがに、ソ連が化けただけあって、見事な国だと思う。

その一方で、国内の墜落事故の大型化(?)で、チェチェンの軍人
犠牲者は100人を軽く超えたものの、彼らの慰謝料はせいぜい
数百万円といったところなのだから、人の命なんて、国内軍用機の
リニューアルより、安いと思ってるんじゃないかと考えたくもなる
。(ちなみに、軍用機での人員輸送を禁止する条項があったにもか
かわらず、守られていなかったと、プーチンが指摘していたが、
今更言っても始まらない)

それでいて、アメリカが最近、打ち上げに成功した大型ロケットの
エンジンは、ロシアが輸出したものらしく、1機100万ドル程度
の価格が受けたか、かなり需要があったとかいう話もある。
これで、なんとかロケット産業も滅亡の危機を免れるか?

まったく、これだからロシアは要注意、と思ってしまう。

CHOCO
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件名:プーチン大統領の二枚舌
プーチン大統領にはまんまとうそをつかれた、と書くのが言い過ぎ
なら、二枚舌を使われた。結局同じことだが、六月、カナダでのサ
ミットで小泉首相が拉致問題の重要性を北朝鮮に伝えるよう頼んだ
のに対し、プーチン氏は「必ず伝える」と約束した。
 
 訪露した金正日総書記がプーチン氏と大歓談した席上、拉致問題
が持ち出されたと思っていたがさにあらず。ウラジオストクの地元
記者との懇談会で、質問を受けたプーチン氏は「現時点でロシアの
仲介努力は必要ない」と答えたという(朝日)。国際会議の口約束な
んてそんなものなのだろう。

 その拉致問題をめぐる日朝外務省局長級協議は、共同発表文を出
しただけで終わったが、注目した文言があった。「政治的意思をも
って取り組むことが重要である」。事務方でなくトップで決めて下
さいということだろう。

 しかしここで確認しておかなければならぬことが二つある。一つ
は、交渉が不調に終われば日朝関係が冷えこむと心配するマスコミ
の論調がある。しかし冷えこんで困るのはあちらであって、こちら
ではない。日本は一向に困りはしない。国益のためにもしっかり確
認しておきたい。

 二つは、政治的意思をもって決断すべきトップとは、金正日総書
記であり小泉首相ではない。国民の生命と人権が侵害された拉致問
題で、日本には一歩だに引く余地がない。
 この事件を解決する誠意と決断はただ北朝鮮の側にだけある。

 確かに金氏の下す政治的決断は、一時的には北朝鮮の王朝体制を
ゆさぶることになるかもしれない。しかしその決断によって、北は
誠実な国家、あるいは人道的な国家という評価を得る。国際社会に
踏み出す歴史的な一歩になることは間違いないのである。
産経抄から (何故他紙は何も書かないのか、小泉首相との約束を
無視された、あまり気分がよくない)。
Kenzo Yamaoka


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