1005.日朝交渉について



小泉首相が北朝鮮に行き、直接交渉するようであるが、その検討を
しよう。他の新聞や雑誌とは違う視点で見よう。   Fより

この日朝交渉のきっかけは、プーチン大統領と金正日委員長の会談
で、ここで、日本から金を出させて、日本からヨーロッパまでの鉄
道を整備しようということらしい。北朝鮮の鉄道はがたがたである
と、ロシアの鉄道の専門家は言っている。復旧には数十億ドルが必
要であると。

日本は拉致問題の解決があれば、1000億円程度の鉄道整備費と
して、ひも付きのODAは出せるし、日本企業としても、国内需要
が減少しているため、このODAはいいに決まっている。鉄道整備
と言っても、社会的なインフラがないため、発電所、通信・信号設
備、駅ビル、車両などの整備を多角的にする必要があり、日本の鉄
道・社会インフラ技術の移転をする必要がある。このため、日本の
各産業に金が、行き渡る可能性がある。

北朝鮮にとっても、このような社会的なインフラが整備され、かつ
産業ができるため、いいに決まっている。加工貿易もやり易くなる。
日本や韓国、中国でも、低価格の貨物輸送が日本やEUとの間にで
きるためいいに決まっている。もう1つ、日本の観光客をアジアの
中央部に誘致できれば、ロシア・中国・中央アジアに大きな社会的
インパクトを与えることができる。中央アジアには観光資源も多い
から、整備されれば日本人は行くように思う。

勿論、ロシアが仕掛けているが、中国もこの鉄道連結の国際共同体
構想に入ってくると思う。地図を見れば、北朝鮮からロシア経由で
のシベリア鉄道より、北朝鮮から中国の旧満州鉄道経由のシベリア
鉄道の方が距離が短いし、そのまま、北京に行ける。またここから、
中央アジアへも鉄道で繋いでいるので、新シルクロードの可能性も
できてくる。日本でも世界へのクルーズが老人層に受けているが、
この鉄道版も受けると思うし、老人層は時間と金を持っている。
そうすれば、豪華な個室タイプ車両ができるし、東京発ロンドン行
きやタシケント行きの列車もできる可能性がある。確実に新しい需
要が創造できる可能性を秘めている。門釜連絡船も車両ごと運べる
新しい形になる可能性があるし、それの高速船を作ると面白い。

この交渉を成功させる条件は日本人拉致問題の解決を北朝鮮が、
本気で志向するかどうかにかかっている。拉致問題が解決しないと
日本国民は「NO」でしょうから、会談には何も成果が期待できな
いと思う。もし、YESであれば、一気に進むし、これで北朝鮮の
攻撃を日本・ロシア・韓国から米国に中止させる理由が作りやすく
なる。このため米国の北朝鮮攻撃はできなくなるし、北朝鮮もミサ
イル輸出をしなくても、新産業を構築できることになるため、地域
の安定にも寄与することになる。それと、日本もロシア・中国・ア
ジアとの連携を強化できるため、世界の視点が変化する。EUとも
近くなる。シベリア鉄道の近代化も必要であるが、船便より安いし
、チャント着けば早い。今は、荷物が無くなる可能性があるとのこ
と。

ロシアにとってもシベリア開発に向けた礎ができるし、シベリアで
の鉱山、天然ガスなどの開発に弾みがつくことになる。北朝鮮に石
油が出たと言う情報は、ガセネタの可能性があるが、この鉄道で、
当面、石油と天然ガスをロシアは日本に売ってくると思う。そして
、将来はパイプライン建設でしょうね。

北朝鮮は軍備の近代化をロシアに援助をお願いした。しかし、ロシ
アは、この軍事近代化の金を日本から貰うか儲けろとアドバイスし
たようである。

それと、訪朝の発表をする直前までアーミテージが日本にいたこと
を注目する必要がある。現在の米軍では2正面作戦ができない。
特にイラク攻撃を、米国一国で行うと極東での問題には対応できな
い。北朝鮮からのミサイルや核がイラクに流れなければ、今は問題
を起こして欲しくないはず。このため、米国はプーチンに北朝鮮と
日本の仲介を頼んだ可能性があると見ている。プーチンは金正日を
脅した可能性がある。米国との戦争か、日本からの経済援助による
国家再建かと。

この機会を逃さないでほしいと北朝鮮に望む次第ですね。

この原稿から、戦略情報BBSの全文検索機能を利用して、記事を
集めた。この過去の整備をしているので、だんだん効用が増大する
はずです。皆様も気になる情報を入れておくと、後での利用が全文
絞込み検索ができるため簡単ですよ。
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件名:【日朝協議】  
微笑外交に惑わされるな
【日朝協議】
 二十五日から日本と北朝鮮の外務省局長級協議が始まる。最近、
北朝鮮が対話路線に転じたとされるが、本質は変わっていない。
表面的な“微笑外交”に惑わされず、拉致問題などの交渉に毅然と
してあたるべきである。

 北朝鮮は七月二十五日、六月末の南北交戦事件について韓国に遺
憾の意を表明し、南北閣僚級会談の実務協議開催を提案した。その
実務協議では、九月末からの釜山アジア競技大会に北朝鮮も参加す
ることが決まった。また、七月三十一日に開かれた東南アジア諸国
連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会議で、北朝鮮の
白南淳外相は米国のパウエル国務長官と非公式に会い、米国との
対話再開の考えを示した。北朝鮮の金正日総書記はロシアのプーチ
ン大統領を訪ね、対露接近も図っている。

 しかし、これらの動きを「北朝鮮の軟化」「対話路線への転換」
などと評価することは危険だ。北朝鮮が韓国に遺憾の意を表明した
通報文は事件の再発防止について「韓国も努力せねばならない」と
しており、自らの責任を認めたわけではない。ASEAN閣僚会議
でも、北朝鮮外相は米国が北朝鮮を「悪の枢軸」と呼び、テロ支援
国家に位置づけていることを非難した。

 北朝鮮の基本的な外交姿勢は少しも変わっていないのである。
北朝鮮が米国などに急接近を図ろうとしている背景には、食糧支援
を引き出そうというしたたかな狙いもある。

 北朝鮮の対日外交姿勢についても、同じことがいえる。十八日か
ら平壌で開かれた日朝赤十字会談で、北朝鮮は拉致問題について初
めて、人民保安省幹部ら実務担当者との会談を設定したが、「住民
登録をもとに調査している」と説明しただけで、何も進展はなかっ
た。日本側は「従来の姿勢からは進展があった」と一定の評価を与
えたが、甘い評価と言わざるを得ない。

 外交交渉では、相手に付け込まれないことが肝要である。今回の
外務省局長級協議で、北朝鮮は戦後補償やそのための日朝国交正常
化交渉再開を求めてくることが予想される。
日本側は北朝鮮側のペースに乗せられず、あくまで拉致事件の解決
を求め、それが解決しなければ正常化交渉には応じないという姿勢
を崩してはならない。
産経新聞から抜粋
Kenzo Yamaoka
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(Fのコメント)
外交交渉も、ギブandテイクがないと交渉ができない。こちらの与え
るものと得るものを、ある程度考えないと、外交交渉にならない。

海外に攻める軍隊を持たないと言っているのであるから、平和交渉
しか基本的には日本は交渉術を持たない。北朝鮮と戦争をできない
現状では、一方的な物の言い方は、日本もおかしいと世界からも思
われるので、もう少し、得るものと与えるもののバランスの議論を
した方がいいですよ。

日本の中にあるダダッコのような報道姿勢は、世界の知識人から、
低レベルと思われかねないので、止めるべきだ。
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日朝会談実現にプーチン政権の影
極東開発 日本の支援狙い
http://channel.goo.ne.jp/news/sankei/kokusai/20020831/KOKU-0831-02-02-31.html

 北朝鮮の金正日総書記に小泉純一郎首相との首脳会談を決断させ
た背後に、金指導部と恒常的な政治パイプを持つロシアのプーチン
政権の影がちらつく。日本政府の要請を受けてイワノフ外相が金総
書記に直接、拉致問題をただしており、G8(主要八カ国)の国際圧
力が一定程度、初の日朝首脳会談実現を後押しした可能性はある。

 金総書記と今月二十三日に極東・ウラジオストクで三年続きの首
脳会談を行ったばかりのプーチン大統領は、会談で拉致問題を提起
したか否かについては明言は避けている。しかし、モスクワの露朝
関係筋によると、イワノフ外相は七月二十九日に平壌で「拉致を含
む人道問題」という表現で金総書記に対し直接、拉致問題を取り上
げた。

 金総書記は明確な回答は避けたが、これは「拉致問題での日本の
立場を北朝鮮側に伝えてほしい」との日本政府の要請を実行したも
のだった。

 モスクワの日本大使館筋は「ロシアは人口急減と経済低迷が続く
極東・シベリア地域の再生に、いずれは日本からの本格的な経済支
援を期待している」と指摘する。

 極東の再生は同時にロシアの将来の国家分離・解体の悪夢の回避
にもつながり、そのためにプーチン政権は東アジア最大の不安定要
因である北朝鮮に「経済改革継続」と「人権」改善を促し、「極東
開発」と国際社会への引っ張り込みが不可欠とみなしている。

 ロシアにとって日朝間の関係正常化と朝鮮半島の緊張緩和を北朝
鮮に強く促すことはこの極東戦略の延長線上にある。それはロシア
にとってG8内部での地歩を強固にする道でもある。

 一方、北朝鮮にとって日本はどん詰まりの経済の浮揚に不可欠の
“金づる”だが、「人権」問題での実質的な対日譲歩は強権・独裁
国家体制自体の瓦解につながる危険性をはらんでいる。

 金総書記にとって「拉致」はロシアにとってのこれまでの「北方
領土」と同様、日本からの経済援助獲得だけを目的とした“虚構の
解決”の選択肢に満ちている。小泉首相に平壌に馳(は)せ参じさせ
るだけでも北朝鮮の独裁者には外交的得点だ。加えて日朝首脳会談
後、「拉致」解決をにおわせ続けて日朝間の全体的な友好機運だけ
を醸し出し、経済援助を引き出し続けられれば、北朝鮮の国内の
独裁体制は一段と強化されよう。(斎藤勉)
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2002年08月31日(土) 
鉄道連結、来月18日着工 南北経済推進委
韓国コメ40万トン提供
http://channel.goo.ne.jp/news/sankei/kokusai/20020831/KOKU-0831-05-02-31.html

 【ソウル30日=名村隆寛】ソウルで開催されていた韓国と北朝鮮
による南北経済協力推進委員会は三十日、朝鮮半島を南北に縦断す
る京義線や東海線の鉄道・道路の連結を九月十八日に南北同時に着
工することなどで合意した。また、韓国側がコメ四十万トンと肥料
十万トンを北朝鮮に提供することが決まった。

 合意文によると、着工後、京義線は鉄道が年末、道路が二〇〇三
年春までの完工を南北双方が目指す。また、朝鮮半島の東海岸を縦
断する東海線は、鉄道を軍事境界線をはさむ約二十七キロで一年以
内に優先的に連結し、一部道路が十一月末に臨時に開通される。

 ただ、軍事境界線の南北各二キロにわたる非武装地帯を工事する
ため、着工までに南北軍事当局者会談を開催するほか、鉄道連結を
話し合う実務協議が十三日に北朝鮮の金剛山で開かれるなど、事前
協議を複数残しており北朝鮮の着工は合意後も依然、不透明だ。

 一方、韓国側は鉄道・道路の着工に応じた見返りとして、北朝鮮
にコメと肥料を借款のかたちで早期に提供する。コメと肥料につい
ては、今月中旬の南北閣僚級会議の時点から北朝鮮側が要求してお
り、金大中大統領の在任中の京義線鉄道連結を北朝鮮側がのんだた
め、韓国側が了承した。

 しかし、借款とはいえ北朝鮮の現在の経済状況では返済が不可能
であるのは確実。鉄道・道路の連結についても北朝鮮側には二年前
の合意以来、着工した形跡が見られない。今回も、韓国側が未着工
の東海線の工事を一方的に強いられる可能性を十分に残している。
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<小泉訪朝>露、外交成果と歓迎 米に対抗、発言力確保図る

 ロシアは小泉首相の北朝鮮訪朝について、朝鮮半島和平の推進と
北朝鮮の「開放路線」を後押しするロシア外交の成果として歓迎し
ている。今後も日朝関係改善の「橋渡し役」を務める意思を示すこ
とで、朝鮮半島や北東アジア問題で、米国に対抗できる発言力を確
保しようとの思惑もみえる。(毎日新聞)
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ロシアが鉄道連結へ共同体参加の意向
http://www.sankei.co.jp/news/020831/0831kok005.htm
 タス通信によると、ロシアのファデーエフ鉄道相は30日の記者
会見で、朝鮮半島の縦断鉄道とシベリア鉄道の連結計画に必要な北
朝鮮の鉄道近代化のため、国際コンソーシアム(共同体)が実現す
れば、ロシアも参加する意向を示した。

 韓国紙、韓国日報はロシア政府筋の話として、今月23日の露朝
首脳会談でプーチン・ロシア大統領が、北朝鮮の金正日総書記に、
国際コンソーシアムをつくり、日本などから資金を確保する方法を
提案したと報じていた。北朝鮮側はこの構想について、何も明らか
にしていない。(共同) 
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鉄道連結で国際共同体構想 ロシアが北朝鮮に提案

 【ソウル25日共同】26日付の韓国紙、韓国日報(早版)によ
ると、23日のロ朝首脳会談でプーチン・ロシア大統領が朝鮮民主
主義人民共和国(北朝鮮)の金正日総書記に対し、朝鮮半島の縦断
鉄道とシベリア鉄道の連結に関連し、北朝鮮の鉄道を近代化するた
め国際コンソーシアム(共同体)をつくることを提案した。ロシア
政府筋の話として報じた。 
 同紙によると、北朝鮮の鉄道は昨年のロシア鉄道関係者による調
査の結果、「使用不能」とされ、近代化のためには数十億ドルが必
要と推定される。この資金確保のため国際コンソーシアム構想が浮
上、日本や韓国などに資金提供を呼び掛けていくとみられるという。 
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露朝首脳会談、鉄道連結構想など経済協力強化で一致
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020823-00000314-yom-int
 【ウラジオストク23日=瀬口利一、白川義和】ロシア極東を訪
問中の北朝鮮の金正日総書記は23日、ウラジオストク郊外でプー
チン露大統領と首脳会談を行い、シベリア鉄道と朝鮮半島縦断鉄道
の連結構想などの経済協力を強化する方針で一致した。会談で大統
領は、「ロシアは南北の相互協力に重大な関心を持ち、そのプロセ
スを促進していく」と述べ、半島情勢に積極関与する意向を示した。

 大統領は会談後、単独で記者会見して、金総書記が、ロシアの半
島情勢への積極関与に「肯定的な反応を示した」と語った。大統領
はまた、金総書記が示した、南北関係進展に向けた「善意」を評価
した。

 大統領は、会談で、北朝鮮と韓国、米国、日本の2国間対話促進
や北朝鮮によるミサイル発射自制の継続なども促したとみられる。
拉致(らち)問題を重視する日本の立場について触れたかどうかな
ど詳細は明らかにされていない。

 露朝首脳会談は3年連続で、金総書記の外遊は昨年9月の米同時
テロ後初めて。(読売新聞) 


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