982.米国のイラク戦争について



このコラムでは、米国の動きを追っているが、ブッシュが8月中に
イラク攻撃の決断をするという。この動きを追おう。 Fより

英国ブレヤはEUのシュレイダーとシラクと米国ブッシュに挟まれ
ている。このため、パレスチナ紛争の解決に向けた米国の行動が
イラク攻撃には必要だとブッシュに要求している。英国ではストロ
ー外相や英国国教会の司教トップはイラク攻撃反対である。
フランスのシラクはこの件で米国支持、不支持などの発言をしてい
ない。その代わりに、ソラナEU外交上級委員に米国不支持を言わ
している。最後のキャッチング・ボードをフランスが持とうとして
いるように感じる。

ブッシュは11月の中間選挙でユダヤ人の票が欲しいため、イスラ
エルのパレスチナ人への無謀を支持しているように思う。しかし、
イスラエルのベンエリエゼル国防相は、イスラエルを本当に心配し
ている。このためパレスチナ自治政府との交渉をしようとしている
。しかし、これは米国職業軍人と繋がっているためでもある。

米国制服組は、イラクとの戦争をするためには、周辺のアラブ諸国
の支持が不可欠であると明言している。このため、年末に戦争を
開始する前に、米国はアラブ諸国や欧州の支持を得る必要がある。
この条件がパレスチナ問題の解決に米国が行動することである。

しかし、現時点では米国の行動は逆向きで、中東の親米国家を窮地
に追いやっている。サウジは敵であると、米国政府が思っていると
伝わり、アラブ社会の盟主でもある一カ国を敵にしてしまった。

どんどん、イラク攻撃をやりにくくしているのが。今の米国のタカ
派(ネオコン)である。どうして、現実的な対応をしないのか中立
的な観察者の私Fも不安になるような状態であるが、米国は今、何
でもできる幻想が米国軍事専門家でない米国政治学者に蔓延してい
るように思う。これは米国帝国主義ではないかと思うし、そのよう
な対応では世界から反発を食らうように確信する。

このため、周辺諸国の支持がない。よって20万人を動員できる基
地がない。だから5万人規模の作戦にするようである。もうこの時
点で、万全の体制ではない。しかし、市街戦でかつ周辺国家がイラ
ク軍の待機基地化すると、ベトナム戦争と同じ様相になってしまう
。今でもイランはイラク空軍の退避を許可しているのに、どんどん
退避許可国家を増やている可能性がある。どんどん敵を増やし、
味方を減らせると、米国の国家経済は疲弊する。これを見ているの
が中国のような感じがする。中国は現時点でもイランとの関係は
緊密である。反米の最後の砦は中国になる可能性がある。

このような情勢のため、11月の中間選挙後、もしユダヤ人が共和
党への得票をあまりしないと、ブッシュは劇的にイスラエルへの対
応を変える可能性がある。パウエル、テネット、ライサなどの穏健
派を残している意味はこの当たりにある。イスラエルのベンエリエ
ゼル・ペレスが気にしているのも、米国の国内世論動向であり中東
のことではない。それも、米国軍制服組の動向を気にしている。

この状態とニューヨーク自体がテロの危険にさらせれているため、
ユダヤ系米国人が日本に移動しているとの情報もある。東京都心に
できる10億円マンションが完売で、今後もどんどん建てるようで
あるが、今の所、いい成績を残している。これは、ユダヤ人が買っ
ているためのようだ。

米国はイラク攻撃の方法まで公開するため、イラクは十分に米国の
動向を読める。このため、イラクは市街戦に持ち込むようですね。
こうなると、米国は市民の犠牲を考えないと、いけなくなる。もし
、市民の犠牲が大きいと、アラブ諸国の反対が増える可能性が高い。

また、イラクはチェチェンで市街戦を経験しているアラブゲリラを
招き入れているようである。RMAでの市街戦がどういうものか、
バクダッドで見ることができるのかもしれない。

RMA:インターネットを中心とした情報型の軍事装備の革命の
ために、戦争のやり方が変化している。通常戦争は湾岸戦争ですで
に経験している。しかし、市街戦、ゲリラ戦の経験がない。
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国際戦略コラム御中
 
アメリカ,アメリカ,アメリカ。それは唯一の超大国であり,自由
と民主主義の象徴。アメリカを嫌いな人の数と同じだけ好きな人も
いる。サラダボウル。世界秩序の番人。ソ連をぶっ潰した冷戦の勝
者。その厚かましさと押し付けがましさも世界一。

自らが神に守られていると信じている国。モノ・カネの栄える文化
。テロ。戦争。底抜けの陽気さ。何をするにしても極端。
人種差別。JAZZ。WASP。貧富の差。
 
恵谷 恒一 大学院生
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message=976.動乱の中東情勢2002.08.04Yamaoka&F

を拝見して又々詰らない話をしたいと思いますご不満でしょうが、
お聞き下さい。

アメリカのイラク攻撃はブッシユ一人の考えと思っていましたが
米国民主党の実力者まで同意するとか困った物ですね。

勿論イラク.イラン.もとの事.アメリカの取る行動は先ず相手を
口撃し「いらいら」させ「動乱の中東情勢」に有る様にアメリカの
敵を追いつめ相手が自分で妄想のすえ自ら敵対の攻撃にでるのを待
つ。

先のニュ−ヨ−クの惨劇と同じ世界にアメリカ国民にアメリカは悪
くないのだとこんな攻撃を受けて国民が犠牲になったと証拠付け相
手の悪さをただし国民と世界の理解を得て力限りの戦闘をし相手国
を粉砕したいのがアメリカだ。

これは1940年代の日本「ABCライン」と言って当時の日本を
包囲して「いらつかせ」馬鹿な日本はその手に乗り開戦のはづみで
未だに日本はアメリカの属国になっている政府はアメリカのお陰で
現在の日本が存在すると歴代の総理は思っているはず。
戦争をした日本は絶対悪い確かに悪いだが・・・??

今回のイラク.イラン.等はアメリカの行動には載らない様に
アメリカは先に攻撃の手は出さないのは確かで有る何を言われても
我慢する事「テロ」はアメリカに口実を与える事になる.

とつ拍子もない考えだがアメリカ.イスラエル.イギリス.は
軍需産業を「爆弾.飛行機.宇宙産業.原爆産業」等を切らす
事は自国の消滅との考えが有るのでは.自国の経済問題と?

しかるに各産業を推し進めるのに相手が必要で全ての物を消費する
必要になる国の軍需産業は衰退させられない.

もし戦闘がなければ軍需産業品は余るばかりでこれでは国の産業が
なりたたないのでは.

ちょつと考えすぎでアメリカさんが聞いたら何と言うかないや
日本の政府が何と言うか見て見たい物だ76歳の「壮老人」だから
言えることかも??    kiyo4
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件名:: アラブの爆弾!  
酒井さんからのメールを転送します。
----------ここから原文----------
ご訪問のシシリー島などの南部イタリアは、先祖は中東〜アラブ系
の人が確か多いと記憶しています。
ついでにアラブの将来について。

アラブの抱えるもう一つの爆弾が人口爆発だそうです。
アラブ=22ヶ国の人口は、現在2億8千万人。
このまま推移すると、2020年には最大で、4億6千万人に膨張
する可能性があるそうです。

今でも若者の失業が顕著で、職への不安から若者の半数は、欧州、
北米などへの外国移住を希望している。母国の未来に希望が持てな
いと言うこと。
・識字率=読み書き出来ない成人は 65百万人(内3分の2が女
性)。人口の60%が成人として、その40%が読み書き出来ない
と言うことになる。
・6歳〜15歳の間で、学校へ行っていな子供が、10百万人。

アラブ自身の奮起も必要であるが、国際社会が懐手で見過ごすのも
危険すぎる?
欧州各国は、極右勢力の台頭で、移民受け入れに厳しい環境になっ
てきている。そうは言っても、経済支援は、更なる人口爆発に直結
する可能性もある。

矢張り、先進国の目線で良かれと思って支援することが、果たして
相手を本当に幸福にするものであるかどうかは、別の問題になる
可能性も高い?
難しいですね。それではまた。
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Kenzo Yamaoka
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件名:イスラム人口ベスト3  
イスラム教といえば、アラブ をイメージしてしまうが、実は
全信徒の80%が、非アラブ世界の人々である、と聞いておどろい
た。
イスラム人口ベスト3.
@インドネシア     1億8100万人
Aパキスタン      1億4100万人
Bインド        1億1100万人
インドネシアは、全人口の90%が、イスラムだそうだから1位は
うなづける。しかし、一国の90%の人々が同一宗教ということは
、ほかに例がないのではないでしょうか。

もうひとつ意外なのは、インド。
インド、といえば ヒンドウー教、をイメージしてしまうが、イス
ラム人口・世界3位、ということは 圧倒的に ヒンドウー人口が
多いものの、総人口があまりにも多いため、その一部がイスラムで
あっても、世界3位になってしまう、ということでしょうか。

ちなみに、世界最大人口を抱えている宗教は、キリスト教。
ーーキリスト教といっても、さまざまな分派の合計ですがーー
@キリスト教      20億人
Aイスラム教      13億人
Bヒンドウー教      9億人
C仏教         3.6億人 
以上、出典 「ナショナル・ジオグラフィック」
Kenzo Yamaoka
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イラクが市街戦作戦か 米紙報道  外信133

 【ワシントン8日共同】八日付のロサンゼルス・タイムズによる
と、米軍がイラクを攻撃した場合、フセイン大統領は兵器や兵士を
バグダッドなどの主要都市に集中させ、米軍を市街戦に引き込む戦
術を練っている。米情報筋の話として報じた。         
 砂漠など開けた場所での戦闘で、多国籍軍の圧倒的な空爆力によ
って戦車隊などが壊滅した湾岸戦争を教訓に、市民を盾に市街地に
立てこもる作戦。                      
 大統領が最近、各地の当局者との会合で戦略の概要を説明。会合
の内容はイラク反体制派から米情報当局に伝えられたという。  
 米軍はイラク攻撃のさまざまなシナリオを想定しているが、市街
戦は米兵が最も危険にさらされる戦闘形態とみている。また、フセ
イン大統領が生物、化学兵器を使用する恐れから、防護服を着るこ
とが予想されるため、米兵が極めて不利になるとされている。  
(了)  020808 2349              
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米がパレスチナ優先策拒否、英紙が報道(nikkei) 

 【ロンドン4日共同】4日付の英日曜紙サンデー・テレグラフが
政府高官の話として伝えたところによると、英国のブレア首相が
イラク攻撃に先立ちパレスチナ和平の進展に努めるべきだと非公式
な形で促しているのに対し、米国のブッシュ政権はこれを拒んでい
るという。 

 同高官は「米国はイラク問題を(パレスチナ問題と)切り離して
考えるべきだとしているが、英国の立場は違う。米国はパレスチナ
問題を解決する力があるのにそれをしようとしない」と批判してい
る。 (11:21) 
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<イラク攻撃>米中東軍司令官が作戦計画を大統領に提出

 【ワシントン布施広】フランクス米中東軍司令官は5日、イラク
を攻撃する場合の作戦計画をブッシュ大統領に提出した。これが
最終的な作戦かどうかは不明だが、米軍は既に攻撃計画の大筋を固
めた模様で、攻撃に踏み切る時期や条件などは大統領の決断に委ね
られたとの見方が強い。

 イラク攻撃について国防総省は当初、91年の湾岸戦争に準じた
20万〜25万人の兵力が必要と見ていたが、兵力蓄積の時間を2
週間程度に短縮するため、5万〜7万5000人の地上兵力を動員
する「中規模」攻撃案が検討されているとの報道もある。

 また、海兵隊や特殊部隊、中央情報局(CIA)工作員らを動員
して、イラクの北、南、西の3方向から攻撃するとの見方もあるが
、国防総省は作戦計画を一切明かしていない。米軍単独の攻撃とす
るか、英国など一部同盟国との共同作戦とするかどうかも不明だ。

 英紙などは「10月攻撃説」を流しているが、ブッシュ大統領は
6日から長期休暇に入るほか、攻撃の拠点となる周辺アラブ諸国と
の協力内容も固まっていない。また、11月の米中間選挙を控え、
ブッシュ政権は政治的冒険は避けるとの見方が強く、米軍が年内に
何らかの行動を起こすかどうかは微妙な情勢だ。(毎日新聞)
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イラクがテロ訓練実施か  外信94 

 【カイロ5日共同】五日付のクウェート紙アッライ・アルアーム
は、複数のクルド人筋の情報として、イラクがバグダッド近郊の「
サルマン・ベク」と呼ばれる訓練キャンプで国際テロ組織アルカイ
ダのメンバーにテロ訓練を施していると報じた。        
 訓練の責任者はフセイン・イラク大統領の二男クサイ氏で、中東
地域の米施設などに対する攻撃を想定し、レーザーや消音装置をつ
けた兵器を使った暗殺のほか化学・生物兵器を弾頭に装着したミサ
イル攻撃の訓練などが続けられている。            
 訓練を受けているのはシリア人、ヨルダン人、エジプト人、イエ
メン人のほかパキスタンのイスラム原理主義組織のメンバーら計百
八十―二百人に上るという。                 
(了)  020805 2328              
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<対テロ戦争>米国と共同歩調の対イラク軍事行動に慎重論 英国

 【ロンドン笠原敏彦】米国の対イラク軍事行動に関し、対テロ戦
争で米国と共同歩調を取るブレア英首相に対し、慎重な対応を求め
る国内圧力が強まっている。欧州ではドイツのシュレーダー政権が
すでにイラク攻撃とは距離を置く姿勢を打ち出しており、米国と欧
州の「橋渡し役」を任じるブレア首相の立場は一層厳しくなりそう
だ。

 英メディアのイラク攻撃関連報道が加速している。4日付の日曜
紙オブザーバーは「ブッシュ大統領は8月中に戦争の開始時期を最
終決定する」と報道。夕刊紙イブニング・スタンダードは5日、英
空母アーク・ロイヤルが来月地中海に向け出航すると公表されたこ
とを受け、「英国のイラク攻撃参加への最も強いシグナル」と指摘
した。

 ブレア首相は攻撃参加を示唆しながらも、「まだ決定はしていな
い」との姿勢で、反対派の危惧(きぐ)は強まる一方だ。与党・労
働党内での反発も強く、下院最古参のタム・ダリル議員は5日首相
に公開書簡を送り、「首相は国会の夏休み休会を9月に切り上げ、
問題を論議する道徳的な義務がある」と、国会に発言権を与えるよ
う求めた。

 また、ブラマル元英軍参謀総長は4日BBCとのインタビューで
「潜在的に非常に危険な状況だ。英国がイラク攻撃に参加すれば、
中東での長い戦争に巻き込まれるだろう」と警告している。

 ブレア首相がイラク攻撃参加を決めれば、有力閣僚が抗議辞職す
る可能性も強く、党内亀裂が深まるのは必至の情勢。影響力の強化
を目指す欧州連合(EU)でも反対論は根強く、現在夏休み中のブ
レア首相は休暇明け後、イラク問題で「内憂外患」に陥りそうだ。
(毎日新聞)

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「サウジは最も危険な敵」 専門家の極秘報告が波紋(ASAHI)

 サウジアラビアは米国の「敵」か、それとも「味方」か。ひとり
の専門家による米国防総省への極秘報告が6日、ラムズフェルド国
防長官をはじめ両国の閣僚を巻き込んだ騒ぎを引き起こした。同時
多発テロ後に米社会で高まった反サウジ感情と、対イラク攻撃には
同国の軍事協力が欠かせないという米政権の抱えるジレンマが、は
からずも露呈した。 
 保守系シンクタンクのランド研究所の中東専門家が7月、国防総
省が専門家や元高官らを集めた非公開の国防政策諮問委員会で、「
テロの計画者として、また財政面での支援者として、幹部から末端
の兵卒まで、サウジ出身者はテロ活動で暗躍している」と指摘。
サウジを「中東における米国の最も危険な敵」と位置づけたという
。6日付のワシントン・ポスト紙が報じた。 

 対イラク強硬派の筆頭格リチャード・パール元国防次官補が委員
長の同委員会は、米政権の政策に影響力を持つ。 

 ラムズフェルド国防長官は同日、ブッシュ政権の考えではないこ
とを強調。パウエル国務長官も同日、サウジのサウド外相に電話を
かけて「米国の対サウジ政策に変更はない」と釈明した。 

 しかし、同紙によるとブッシュ政権内では、とくにチェイニー副
大統領の周辺などでサウジへの批判的な見方が広がっている、とい
う。 

 サウジは湾岸戦争時の協力に限らず、主要なエネルギー供給源と
して米国が重視。中東の有力な親米国家と位置づけられてきた。
しかし、同時多発テロの実行犯の多くがサウジ出身だったことから
、米国内で反サウジ感情が高まった。 

 サウジもイラク攻撃のため自国の基地を米軍に提供した湾岸戦争
時とは違い、同時多発テロ後は米国が対テロ戦の延長線上にイラク
攻撃を視野に入れていることを批判。基地提供に否定的な態度をと
っている。 

 米軍は、サウジのプリンス・スルタン空軍基地を中東地域の航空
作戦の拠点として使い、兵士1万人近くが駐留しているといわれる
。 

 しかし、イスラム教の聖地を抱える同国が異教徒の軍隊を招き入
れたことを、イスラム過激派は激しく非難している。とりわけパレ
スチナ紛争でイスラエル寄りの姿勢が鮮明なブッシュ政権への視線
は厳しく、4月には異例の反米デモが国内の数カ所で起きた。 

 こうした情勢から、米軍は同基地の機能をカタールに移すことを
検討しているとの観測も流れている。カタールは95年、米軍の武
器・弾薬・装備の事前集積を認める協定を結んでいる。 
(08:31) 
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米国のイラク戦略オプション(世界週報)
──言うはやすく、行うは難し

米空軍中佐
マイケル・W・イシャウッド
 米国のイラク政策の三つのオプションーー忍耐強いアプローチ、
穏健なアプローチ、大胆な戦略ーーを検証すると、イラクに対して
新たな政策アプローチが必要であるのは明らかだ。ここではそれぞ
れのオプションに伴うコスト、利益、リスクを説明し、ブッシュと
その国家安全保障チームに決定的な問題を提示する。その問題とは
、この政権の対イラク政策が目標とする最終的な状況はどのような
ものかということである。大統領とそのチームはこれまでよりもイ
ラクの脅威を受けない地域を想定しているのだろうか。あるいは彼
らは「それとなく望遠鏡越しに」イラクを眺め、米国の社会と価値
観が映っていることを求めているのか。提示したオプションの焦点
は米国のイラク政策にある。どんな政策を追求しようと、ブッシュ
政権はより幅広い米国の中東戦略にイラク政策を組み込まなければ
ならない。その戦略とは、イラン、イスラエル、パレスチナ領土を
含むものである。

 米国のイラク政策は次の諸点に留意すれば、成功しよう。
 ▼イラクに関する米国の利益の性質を明確にする。米国の利益は
死活的なものか、重要なものか、人道的なものか、それともその組
み合わせなのか。どの程度までブッシュ政権は米国の軍事要員を危
険にさらす気があるのか。
 ▼目的に応じた資源を用意する。クリントン政権は魅力的な目標
ーーイラクが法律を守り、民主的に支持された政権を持つことーー
を設定したが、この願望に見合うだけの資源をコミットしなかった。
 ▼国内、国際両面で自国の政策に支持を得るだけの政治的資本を
支出する。
 ▼米国と中東の同盟国との間でコンセンサスを再構築する。シリ
アやトルコといった国は、目先の国益ーー対イラク制裁をうまくか
わした闇取引で得る利益ーーを守るために、1991年のペルシャ湾岸
戦争時の国際同盟から離れた。これまでにも、口ばかりで行動が伴
わなかったために、同盟が空中分解した例があったが、96年もイル
ビルでクルド愛国同盟(PUK)部隊を制圧したサダムの行動を
米国が見て見ぬ振りをした。米国はこれに対し防空目標を中心に
巡航ミサイル44発を発射したが、これはサダムが戦車でPUK軍と
クルド族を制圧したことと比べると、あまりにもつつましく弱いも
のに見えた。一貫性のない行動は同盟国の懐疑心を募らせ、同地域
における米国の威信をむしばむ。米国の目的達成には、欧州とアジ
アの同盟国に加えイラクの近隣諸国の支援が不可欠だ。米国は自国
の利益と同盟国の利益が一致していることを明確にして、これら諸
国の支持を獲得しなければならない。同盟国との関係を再活性化す
れば、米国が新たにどんなイラク政策を取っても、支持を期待でき
る。同盟関係を強化しなければ、どんな新しい政策も必ず失敗する。
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イラク北部にトルコ兵か  外信102 

 【カイロ8日共同】八日付のトルコ左派系紙サバハによると、イ
ラクの反体制組織であるクルド愛国同盟(PUK)のタラバニ議長
は、同紙に対しイラク北部バメルナにある空港がトルコ軍兵士の管
轄下にあると述べ、イラクのクルド人地区にトルコ兵が入っている
ことを初めて認めた。                    
 七日付のロンドン発行のアラビア語紙アルハヤトはアンカラ発の
記事で「トラック運転手らの目撃情報」として、米軍がクルド地区
の空港の改修を終え、レーダー施設などを設置したと報じていた。
しかしタラバニ議長は、米軍が直接空港を管轄しているとの報道は
否定した。                         
 一方、八日付トルコ紙ヒュリエトは消息筋の話として、トルコ政
府がイラク北部の空港を改修するため専門家らを派遣したと報じた
。                             
(了)  020808 1932              
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<クルド人組織>米国のイラク攻撃に無条件協力せず 

 ロンドン発行のアラビア語紙「アッシャルク・アルアウサト」に
よると、トルコを訪問中のイラク反体制クルド人組織「クルド愛国
同盟(PUK)」のタルバニ議長は7日、「無条件に米国のイラク
攻撃に加勢するつもりはない」と述べ、軍事協力のためには、米国
の真意を確認する必要があるとの認識を示した。(毎日新聞)
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米大統領、単独でもイラクを攻撃する用意=米専門家
[ロンドン 9日 ロイター] ブッシュ米大統領は、必要な場合
は米国のみでイラク攻撃を実行する用意がある一方、ブレア英首相
の支援も期待している。
 米国防政策委員会のリチャード・パール委員長が、9日付の英紙
デーリー・テレグラフに寄稿した記事のなかで明らかにした。英国
の専門家の間では、米国のイラク攻撃を英国が支援するとの見方が
強く、パール氏の指摘はそうした見方と一致する。
 パール氏は、イラクのフセイン大統領が先週、国連の武器査察官
を受け入れる意向を表明したことについて、「ブッシュ大統領も
ブレア首相も、サダム(フセイン大統領)の外交的甘言には惑わさ
れない」として、フセイン大統領の姿勢がイラク攻撃計画に影響す
ることはないと指摘した。
 国防政策委員会は有力シンクタンクで、今週、サウジアラビアが
テロリズム撲滅にさらなる取り組みを見せなければ、同国の油田を
攻撃して同国経済に損害を与えることを提言する報告を発表した。
 米国防総省は後に、同報告には同意しない姿勢を示した。
(ロイター)


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