967.日本空洞化防止について



件名:最新鋭生産工場  
昨日テレビで見た事だが、三重県が工場誘致に約70億だして工場
を誘致した。

シャープに問い合わせたら以下のメールが来た。
海外に工場を考えたが、技術が流れる事を考え、日本に工場を創る
事にした。最新鋭の工場を三重県が協力した。
最近は日本企業が海外に工場を造るが、人件費を考えても、日本に
工場を造っても採算が合うと判断した。最新鋭の技術なので、海外
で創るより技術流出を考えると日本生産がよいと判断した。
地方自治体の協力で実現した事だが、不透明な海外援助を最先端の
工場建設に援助したらどうか?雇用にも繋がり、日本の活性化にも
なる。以下はシャープから送られてきた、資料です。

三重県亀山市に液晶テレビの新しい生産拠点大型液晶テレビを一貫
生産する最新鋭生産工場<亀山工場>を建設“デバイス”と“商品
”のスパイラルが市場を開拓 

シャープは、液晶テレビの更なる市場拡大に向け、現在の栃木工場
に続き、三重県亀山市に大型液晶テレビの最新鋭生産工場<亀山工
場>を新しく建設いたします。
2002年9月着工、2003年5月完工、2004年5月に生産
開始予定です。

 本工場は、液晶ディスプレイの生産から、液晶テレビの完成品組
み立てまでを一貫して行なう、画期的な最新鋭工場です。従来は
三重工場で生産した液晶ディスプレイを栃木工場まで運搬していま
したが、画面サイズの大型化に伴い、物流面でのロスの発生が見込
まれるため、一貫生産ラインの構築により、ロスの削減やリードタ
イムの短縮など、徹底した省力化を進め、より一層の高効率化を図
ります。
 また、圧倒的に優位性の高い独自の液晶技術と、過去から培った
テレビ映像技術を単一の工場にインテグレートすることにより、
開発リソースの共有化が図れ、当社が得意とする、“デバイス”と
“商品”のスパイラル効果をさらに高めることが可能です。

 現在、液晶テレビAQUOSは、10型から30型まで全23機
種をラインアップ展開し、21世紀の新しいライフスタイルを実現
する”わが家のテレビ/私のテレビ”として、ご提案しています。
今後、液晶のリーディングカンパニーとして、世界最高水準の生産
拠点を構築し、「豊かなAVライフの実現」に相応しい液晶テレビ
の開発・生産に積極的に取り組んでまいります。

<三重・亀山工場の概要>
・ 所在地:三重県亀山市 
・ 敷地面積:330,000m2(10万坪) 
・ 投資額:280億円(生産設備除く) 
・ 建屋着工:2002年9月 
・ 建屋完成:2003年5月 
・ 稼動開始:2004年5月 
・ 生産品目:25型以上の大型液晶テレビ 
・ 人 員:約700名 
<国内の液晶テレビ生産拠点>
・栃木工場 所在地 : 栃木県矢板市早川町174番地 
生産品目 : 映像機器全般(液晶カラーTV、液晶ビューカム、
プロジェクター、DVD 等) 
※ ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日時点の情
報です。ご覧になった時点で、内容が変更になっている可能性があ
りますので、あらかじめご了承下さい。
<報道関係のお問い合わせ先>
  シャープ(株) 広 報 室  大 阪 TEL 06(6625)3006
                 東 京 TEL 03(3260)1870
Kenzo Yamaoka
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(Fのコメント)
T君と話していて、いつも思うのが、知的産業としてのソフトウエ
ア産業やSI業の危うさ。アイデアがソフトや文書という形では
すぐに真似される危険がある。特に中国でそのソフトを生産すると
なると、なおさら、そうなる。米国のソフトのほとんどはインドで
生産されているが、ここでも同様なことが起きている。

この問題を考えるとやはり、差別化されたハードの生産を日本で行
い、そのハードを多様化するソフトをハードと共に日本で生産する
しかない。もちろん、汎用的な、一般的な、事務処理のようなソフ
トは中国などの海外生産でいいが、日本固有、その企業固有な技術
をベースにしたハード・ソフトを持たないと、中国製品や中国ソフ
トと差別化できないため、どんどん安くなり、利益を生まないよう
な気がする。

シャープは、さすがに気が付いている。日本の空洞化を抑えるため
には、日本固有な製品は日本で作る。この精神しか日本を助ける方
法はないと思う。松下の中国生産とシャープの日本固有製品の日本
生産を2つともに行う必要があるのでしょうね。

LINUXやI−TRONなどのような汎用的なソフトと特殊なソ
フトとハードの結びつきが、日本企業に求められていることでしょ
うね。そうしないと、汎用的な製品だけを使うと、小企業や個人企
業が優位になっていく。LINUXやその上で動くアパッチ、マナ
ズなどほとんどのソフトは無料である。LINUXを動かすボード
は5万円で十分だし、中古マシンでは1万円買える。ファイヤーウ
オールなどのLAN機器も3万円以下がほとんど。それと、月3万
円も出すと100MBの光ファイバーが家まで引ける。ここにサー
バを置いてシステムを構築しても、100万円も出せば、大規模シ
ステムができてしまう。このため、投資額が小さくてすむし、回収
も個人企業のレベルであれば、十分可能になっている。

これは私の友人がやっていることであるので、確かだ。
そして、どう儲けるかが重要で、インターネットの世界は、音楽な
どのコンテンツ、写真・動画掲示などのファイルサ−ビスもほとん
ど無料の世界になっている。ここに大企業が入ることは難しい。

インターネットを広告として使うことはできても、それをビジネス
にするのは難しいため、孫さんもADSLサービスなどのハードの
方に移行したような気がする。しかし、その分野も価格が安いため
苦戦している。米国企業も同様な状態になっている。儲けが出ない
のがインターネットサービスの宿命か??どんどん機器が安くなる
ため、この傾向は持続すると思ってかからないと、企業運営できな
い。

そうすると、最初に戻るが、ITや家電の大企業は特殊分野や固有
技術を持って、その技術で高価格になるものを持たないと儲けがで
ない。

そして、そのような企業を日本は多く輩出しないと、日本の豊かさ
は持続しない。ベンチャー企業、外国企業が汎用的な分野、大企業
が特殊分野や商業分野に特化していくことになるようですね。今ま
でと逆になる。日本企業の皆様、特殊固有技術の創造でがんばって
ください。


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