954.米国の世界戦略における石油について



どうも、チェイニーは中東。中央アジアの石油支配をどうするかを
考えているように感じる。これを検討しよう。   Fより

米国のブッシュ大統領は盛んに「イラク攻撃をする。」と言ってい
る。しかし、その攻撃の裏を読む必要がある。イスラム系の周辺諸
国(クエート、ヨルダン、シリア、サウジアラビヤ、トルコ)と
米国の敵でもあるイランとはイラク攻撃を反対であると表明してい
る。
このため、攻め込む地面がない。しかし、短期に攻撃できると米国
ブッシュ大統領は言う。これはどうしてか??

この回答は、クルド族地域に英米の特殊軍事顧問団が3000名以
上が入り、クルド族を訓練して軍隊として使うということのようで
ある。そのクルド族支配地域に英米国の戦車や人員を空輸している
はず。数十万の軍を派遣していると思う。年末までイラク攻撃可能
となるとブッシュは言っている。このため、その時期にはクルド族
軍は、中東で一番強い軍隊になっている可能性がある。周辺のトル
コ、イランは今後クルド族の地域独立運動が起きると思うべきであ
る。

トルコは米国に反対したため、大きな代償を支払うことになる。
トルコは国内クルド族を弾圧したが、米国は沈黙を守ったのに、
その見返りとしてのイラク攻撃の出撃拠点として基地を提供しなか
った。米国としての敵にトルコはなってしまった。イスラム諸国と
同様な位置付けになった。テロ戦争において、ブッシュは敵か味方
かしかないと言っている。

しかし、対テロ戦争でなぜイラクなのであろうか??アルカイダと
イラクは反目している。アルカイダはサウジからの金で運営されて
いるため、金銭的にもイラクとは繋がっていない。イランはレバノ
ンのビスボラを通じて、パレスチナ・ゲリラを支援しているため、
アルカイダと繋がっている可能性が高い。なぜ、イランではなくイ
ラクかを表面的な理由だけではわからない。核開発ではイラクより
イランの方が進んでいる。ミサイルも両国共に北朝鮮製や中国製で
あり、あまり差がない。

米国政権は石油政権とも言える人的構成になっている。ブッシュや
チェイニーは石油会社のオーナーや重役であり、石油ビジネスを知
っている。石油は出れば、言い換えると石油が出る地面を取れば、
大もうけできることも知っている。そして、チェイニーはバリバー
トンのCEO、ブッシュはハーケン社のCEOであったが、両者と
もに不正取引の疑いをかけられている。

そして、世界の石油の60%以上が中東にある。イラクは埋蔵量第
2位の石油大国である。イランはイラクに比べると石油があまり出
ない。積出港としては重要であるが、大戦争してまでほしいところ
ではない。また、イラクに親米政権ができれば、地政学的にも重要
なポイントになる。中東の十字路にバクダッドがあり、昔からアラ
ブの中心地であった。そこがほしいのでしょうね。サウジに変わる
米国の拠点になる。

もう1つ、どうも、米国はイスラエルの嗾けて、パレスチナ紛争を
大きくして、サウジを含めたイスラム陣営を一本化させて、それと
の戦いをしたいのかもしれない。そうすると、中東全体を米国は支
配下に置ける。世界の石油の60%を支配下に置ける事になる。
サウジをも含めたイスラムとの戦いと見ると、中東諸国に民主化を
要求するのもわかる。しかし、これにより、中東諸国の石油戦略発
動もあると見た方がいいだろう。このため、ロシアや中国と当面、
米国は休戦する意向である。ロシアも中国も米国とテロ戦争を共同
で行うと言っている。イスラム対全世界の構図を米国としては構築
した積もりであろう。そして、当面、中東の石油の変わりにロシア
やカスピ海の石油を活用する方向である。

もし、このような米国戦略であると、結果的にハンチントンの言っ
たイスラムと米国の戦いが現実的になる。
もう1つ、気になるのがキリスト教原理主義者で、彼らはハルマゲ
ドンを起こすことを使命としている可能性がある。日本のオウム真
理教でさえハルマゲドンを実行しようとしたのであるから、当然、
キリスト原理主義者は実行を思うはずです。この2者の思いの複合
形が現状の米国戦略を作っているような気がする。

これに対して、米国真正保守派とリベラル派や欧州が反対している。
しかし、どうも欧州は、石油の利権を米国に独占されるのを嫌って
いるため、反対しているようだ。それと反対に、ロシアはこのチャ
ンスに石油や天然ガスを欧州に売り込む方向で、米国を支持してい
るようなのです。

この戦いに日本は残念ながら参加していない。日本は石油戦略さえ
ないのであるから、その構築から始める必要がありそうですね。
中東諸国が石油制限を武器にしたとき、日本も禁輸の可能性があり
ます。日本から米国軍は出動しているのですから。このとき、どう
するかですね。昔からその準備をする必要があると、このコラムで
は提言しているが、だれも本気で取り上げない。それにより日本は
今後、苦難に会う可能性がありますよ。
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イラク越境攻撃に反対=クウェート国務相(時事)

 【カイロ12日時事】クウェートからの報道によると、同国の
モハメド外務担当国務相は12日付クウェート紙アッライアッラア
ムとのインタビューで、「クウェート領からのいかなるイラク攻撃
も認めない」と強調した。
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米英工作員がイラクで活動 年末にも地上侵攻と報道 外信40

 【ロンドン12日共同】十二日付の英紙デーリー・テレグラフは
、米政府高官の話として、イラクのフセイン政権を転覆するため米
英両国の秘密工作員がイラク領内で既に活動を開始していると報じ
た。                            
 同紙によると、米中央情報局(CIA)と英秘密情報部(MI6
)の合同作戦。ただし、米高官は地上部隊による侵攻作戦を並行し
て進めなければ転覆工作が成功する公算が小さいことを認め、大規
模侵攻を来年一月か二月、場合によっては今年末にも開始すると述
べたという。                        
 また、同日付の英紙タイムズによると、米国防総省から漏れ伝わ
る情報として、侵攻作戦には歩兵・装甲部隊五個師団、海兵隊二個
師団が参加する見込み。                   
 米英軍合わせて二十五万人、うち英軍は二万五千人を投入すると
の情報が有力で、少なくとも英軍はクウェートから越境する方針と
いう。                           
(了)  020712 1139              
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電撃侵攻のシナリオも 米軍、1週間で準備可  外信51 
共同
 イラク攻撃で米政府が練っている作戦の一つに、米軍展開がイラ
ク側に察知されてからわずか一週間で五万人の米兵がイラクに侵攻
する電撃攻撃のシナリオがある。AP通信が十日、軍事専門家の見
方として伝えた。                      
 電撃攻撃はイラク軍に応戦準備の時間を与えないという大きなメ
リットの半面、戦力が不十分で肝心のフセイン政権打倒を達成でき
ないまま、多数の米軍部隊の増派が必要となる可能性もある。  
 米軍侵攻では兵力二十万―二十五万人を動員した大規模作戦で首
都を攻略、政権転覆というシナリオが想定され、そのために部隊派
遣など準備に半年近くかかるといわれる。その間、イラク側は防戦
体制を強化できる。                     
 電撃作戦では通常の駐留兵力としてクウェートに展開する一万五
千人に加え、空輸と海上輸送で三万五千―四万人を急派。輸送艦や
空母がペルシャ湾のホルムズ海峡を通過する際、イラク側に察知さ
れるが、一週間後にはクウェートとイラクの国境に五万人以上が展
開できる。                         
 そしてインド洋のディエゴガルシアやトルコ、カタールの基地、
あるいは空母から飛来する爆撃機などの空爆と同時に侵攻を開始す
る。                            
 反米感情が高まるサウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地
や、イラクに同情的なヨルダンの基地を使わずに攻撃できる利点が
ある。米軍はプリンス・スルタン空軍基地の中枢機能をカタールの
首都ドーハの南約三十キロにあるウデイド空軍基地に移し始めた。
 米軍の最大の懸念はイラクの生物・化学(BC)兵器使用だ。電
撃作戦で不意打ちを受けたイラクが生物・化学兵器の使用に踏み切
る恐れがある。                       
 ルービン前国務省報道官は「(フセイン大統領は)湾岸戦争の際
はBC兵器を使用すれば米軍に殺されると考えたから控えたが、今
度は政権転覆にやってくる米軍に抵抗しBC兵器を使うのは確実」
と語っている。                       
(了)  020711 1749              
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<中東和平>イスラエル首相とサウジ皇太子に電話協議 米大統領

 【ワシントン中島哲夫】ブッシュ米大統領は9日朝、イスラエル
のシャロン首相とサウジアラビアのアブドラ皇太子にそれぞれ電話
し、中東情勢について協議した。フライシャー大統領報道官が明ら
かにした。

 報道官は、大統領が二人との電話会談で「平和への道」を求める
ことの重要性と各関係当事者の「責任」について話し合ったと説明
しただけで、詳細は公表しなかった。

 しかし、15日にはニューヨークで4者協議が開かれ、16日に
はエジプト、ヨルダン、サウジアラビアの外相が加わって話し合い
が続くため、大統領の電話会談は、この連続会議に向けたものだっ
た可能性が高い。

 ブッシュ大統領は先月24日、パレスチナ自治政府指導部の刷新
などを条件に暫定的なパレスチナ国家の樹立を支援するという中東
和平構想を発表。アラファト自治政府議長を排除しようという方針
にはアラブ諸国を中心に反発が強いが、大統領は8日の記者会見で
、パレスチナ側の対応が「いくらか前進している」と評価している
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ヨルダン、米軍駐留など拒否と 米のイラク攻撃で(CNN)
2002.07.09
ヨルダン・アンマン――ヨルダン政府は8日、隣国であるイラクに
対し米国が攻撃に踏み切った場合、米軍兵士を自国領土に駐留させ
たり、ヨルダン内の地点を攻撃起点として提供する考えはないこと
を強調した。モハマド・アルアドワン情報相が会見で述べたもので
、兄弟国(イラク)の内政に干渉するような真似はしない、と述べ
た。
情報相の発言は、イラクへの秘密攻撃に備え、米軍の一部兵士が既
にヨルダン内の基地に到着しているとの一部報道を念頭に置いたも
の。また、ブッシュ米大統領は8日、イラクのフセイン政権につい
て、政権交代のため「あらゆる使用可能な手段を使う」と、軍事攻
撃も排除しない考えを明確に示していた。 


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