951.世界の中での日本の針路



ヘキサゴンです.

しばらく投稿しないうちに、いろいろなことが起こっているようで
す.また、Fさんの投稿を中心にコメントします.私は、心情的
かつ政策的にもFさんのご意見と方向性には同調している立場と思
っています.ですので、Fさんのご意見をフォローしつつ、それの
対立意見の方々の主張などを織り交ぜてそれらに対するコメントを
入れてみます.正確を期するため、伏せ字などは使いません.それ
らに対する個人攻撃の意図があるわけではありませんので、実名で
記載します.

>940.世界大恐慌前夜
>
>米国の株バブルは企業利益の水増しで起こったことが、明確化して
> いる。この影響は甚大である。この検討をしよう。 Fより

>日本が土地・株バブル崩壊したときは、米国景気は非常に良くて、
>日本企業は米国の輸出や米国市場の利益で、凌いだが、米国がバブ
>ル崩壊すると、世界景気の機関車はない。日本も欧州も低迷してい

これは、やはり2期続いたクリントン政権の政策の過ちが、今にな
って出てきているのでしょう.80年台後半の日本のバブル期に日
本にあった資金をアメリカに集中させようとしたのはクリントンで
したから.

日本のバブル期、不動産価値が変わらないだろうというもくろみで
、自民党橋本派に同調して、資金を出していた日本の、いわゆる「
成金」たちも、海外のタックスヘブンへ逃げ出し、公共事業乱発で
、日本もバブル崩壊が起こったわけです.

増田俊男氏とリチャード・クー氏は、ほぼ同じ考え方(立場)の人
で、Fさんと対局にある考えの人です.いわゆる「クリントン派、
橋本派」です.

だから、今のアメリカの景気低迷を理由に、資金をまたアメリカか
ら持ち出して日本へ向かわせようとしています.もちろん彼らだけ
がやっているわけではないはずですが、問題は、資金が日本にくる
ことにより、それらをいったい何に振り向けるのか、が一番重要な
のですが、リチャード・クー一派は、その点について全く論点を持
っていません.
(それを言ってしまうと、彼らは、人を騙せなくなってしまうから
、本来、彼らがやりたいことができなくなるからです.その昔、
ロスチャイルドが、「イギリスが負けたと言って、実際は、ナポレ
オンの方が負けていた、こと」..を金貸し屋は、常に言いますか
ら、だまされてはいけません)

日本に再び、土地成金を集め、もう一度「箱物」や「無駄な公共事
業」に振り向けるような愚かなことは絶対してはならないはずです.
それこそ、土地成金の「ぼんくら」のやることです.
その点、F氏は、常に日本の産業界での得意分野と、本当に日本が
自分で生産(有形無形を問わず)し、その結果利益を得られるもの
を考慮された上での政策を考えられています.第二次大戦後、日本
を本当に豊かにしてくれたのは、日本の、いわゆる「理工系」の人
の努力があったからです.

商社マンでも、医者でも、官僚でも、不動産屋でも、労働組合でも
、日教組や教育委員会でもありません.
電子レンジをはじめてアメリカに売ったシャープ、トランジスタラ
ジオをアメリカに売り込むために、血のにじむような苦労をしてき
たソニー、その他いろいろありますが、一言で言うなら、NHKの
「プロジェクト−Xを見ればわかる」です.「プロジェクト−X」
に、土地成金の成功話なんて出てきませんから.

このような、「産業界の動向と同調した、意味のある投資」をして
きたのが、1960年代から80年代にかけてのアメリカ共和党政
権でした.確かに、戦争需要という意味合いからも、インターネッ
トも生まれたわけですが、当時からずっと今まで続いているハイテ
ク産業は、90年代、「ぼんくら投資家」が「ぼんくらIT産業」に
投資して失敗した状況とは大きな違いがあります.

ソニーで「AIBO」をやっている土居さんは、1980年代に、
News というUNIXのワークステーションを送り出した人です.昔、
優秀だった人が今でも活躍しているので.当時のノウハウが今の 
PlayStation の成功につながっているはずです.それとは全く反対
で、TRONの坂村さんや ASCII の MSX は、立案者が自らの手で最初
から製品にしようとしなかったため、ダメなのです.

(そういう、自社ブランド(自分の手で作った著作物)をもてない
ASCIIは、2000年だったか?会社更生法を適応された.)
1960年代から70年代にかけて、アメリカでマルティクスとい
うOS開発プロジェクトが行き詰まって、そこから「ばかばかしい
、やってられない..」と言って抜けた人が、AT&TでUNIXを「自分
で使いたいがために、自分の手で作って」成功し、今も第一線で使
われている.こういう事実が重要なのです.

ロックフェラー系の共和党、保守本流派は、第二次産業(エネルギ
ー、製造業など)までは強いが、「個人プレーの能力」で左右され
る、いわゆる著作権ビジネスのメディア産業は、アシュケナージ系
ユダヤが、圧倒的に強い.
だからレーガン政権は、ユダヤと組んで「ネオコン」を作り、大い
に成功した.

TRONの坂村さんや ASCIIというのは、典型的な、日本の官僚主義と
既得権益を利用しようとした、やり方です.もし、彼ら自身が本当
に優秀だったのなら、アメリカが放っておいたわけがないです.
CIAでも何でも使って、彼らをヘッドハンターしようとして、
アメリカの国益になるようにし向けようとしたはずです.

(たとえば、1970年台、TDKが開発していた「誘電吸収塗料
」に目をつけたアメリカ国防省が、ステルス機の塗料にして成功し
た.などの事例のように)

日本に資金が戻るのなら、日本にも「日本版のネオコン勢力」を作
らないとだめでしょう.今までは、日本で才能を発揮できずにアメ
リカへ流出していた人を日本にとどめておいて、「ネオコン勢力」
にしないとだめです.

日本の財界は、流入する資金を使って、ネオコンを育てないといけ
ない.「ぼんくら成金投資家」になってはダメです.

こういう状況のために、私はここに「知的所有権の問題」や「なぜ
、ノーベル賞受賞者が、アメリカへ行ってしまうのか」といったこ
とを投稿してきたのです.
再び日本に資金が着たとき、それを活用できるものが日本にまだ育
っていませんし、法整備や、商習慣、その他もろもろのことがまだ
いっぱいあります.だから、早く構造改革をやらないといけないの
です.

さもないと、日本に戻った資金が、再びぼんくら投資家の既得権益
のある人のところへしか行かなくなってしまいます.

私は、グローバリストです.グローバリズムは究極の個人主義です.

>イラク攻撃のため、米国軍事産業がフル回転して、弾薬やミサイル
>の増産をしている。
>これに伴い日本の電子部品業界も一部活況であるが、イラク攻撃用
>であり、イラク崩壊後の世界景気先導役をどう作るかを考える必要
>にあると思う。日本は勿論のこと中国も先導役にはなれない可能性
>が高い。本当にどうするか、世界の指導者は考えるべきだと思うが。

もはや、ロスチャイルド対ロックフェラーという構図はなくなって
います.やはり、「1998年体制」を考慮しないといけない.
J.P.Morgan と Chase は今同じで、むしろ資本比率が、1:3.5
ですからほとんど、J.P.Morgan は、ロックフェラーの物です.
J.P.Morgan は、アシュケナージ系ユダヤでスファラッド系のロスチ
ャイルドは、Schroders のはずですから、「ロスチャイルドとロッ
クフェラーが組んでいる」わけではないばすですが、Fさんはどう
見られていますか?

そういう意味では、新生銀行の関係者は、Morgan Chaseの関係者ば
かりで、ロスチャイルド系(Schroders)とはとても思えませんが
、日本は(イギリスも)ほぼロックフェラー系化(ネオコン化)し
たといえますが、そのような中で、ドイツ・フランスを中心の、
ロスチャイルド本家のEUとどう関係を持っていくのか、Fさんの
お考えをお聞きしたい.
やはり、Chase に買収された Morgan のオランダが接点か?

それと、「右翼=資本家、支配層」「左翼=労働者」という2局構
造も19世紀終わりの経済学が根拠になっているので、共産主義が
崩壊した今日、この経済学理論も役に立たない.グローバリズムの
なかった時代の日米関係は、貿易摩擦などのように、産業的には
対立していたため、アメリカの保守本流派が日本の左翼を使って、
日本の主流派勢力を落とそうとしたが、今の時代、グローバル経済
が発展して、この方式が使えなくなった.

自民党橋本派の野中は、労働組合系(旧国鉄労組に支えられた、
革マル派系)の左翼のはずなのに、自民党にいるのは、かつてアメ
リカに利用されていた側だったから、のはず.しかし、その後グロ
ーバリズムが進み、外資が日本に進出しようとしたとき、「自民党
にいる左翼」が「官僚という抵抗勢力」になっている.

これを解決しないと、日本は指導者側にはなれないはずです.

ヘキサゴン
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(Fのコメント)
日本と世界の見え方がヘキサゴンさんとは違いますが、結果は同じ
ようです。

日本の弱い部分は、建築業界や銀行など既存の政治的な規制業界で
政治家が政治資金を得るために、政治的に保護していた業界です。
しかし、グローバリズムが日本にも押し寄せて、そのような規制を
されている業界をも世界的な競争に巻き込まれざるを得ない状況に
なっているのです。

結果的に銀行が弱いため、日本が世界的に強い金型「オギハラ」の
ような製造業界まで資金がなく、外国の資金を導入せざるを得ない
状況になっているのです。これが大きな問題です。

このため、一刻の猶予も許されない状況なのですが、その危機感が
国民にも、政治家にもないのが現状です。いくら、小泉さんがガン
バッテも、政治家は抵抗しているだけです。国民もわかりません。
特にひどいのが、ヘキサゴンさんのいう自民党にいる左翼ですね。

日本の問題点はハッキリしているのですから、もうそろそろ改革を
したらどうなんでしょうかね。

ロスチャイルド家は衰退したが、まだ一族でメイン企業を維持して
いる。もちろん、モルガン銀行のように人の手に渡った企業もある
が、米国のロックフェラー家は、ほとんどの企業が一族から独立し
ていて、米国的な売らんかなの経営方針になっている。もとモルガ
ン系の企業は、まだ倫理観があるような感じがするが、いつまで持
つかですね。

ロスチャイルドがスファラッド系とは、初めて聞いたような気がす
るが、そうするとこの頃のロスチャイルドの動きが分からなくなる。
モルガン商会は相当多くの株をロスチャイルドが持ていたはずであ
るが。このあたりはYSさんが専門家ですので、ご意見を伺いたい
ですね。


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