921.大国病と孤立無援のカリニングラード



お久しぶりです。
毎回、メールマガジン楽しみに拝見しています。
今回は久しぶりにロシアの現在の状況を投稿します。

<大国病と、孤立無援のカリニングラード。>

それにしても、大国というのはどうしようもない!
そう思いたくなくても、やはり、ロシアにいると時々はそう思わず
にはいられないような出来事がある。

もちろん、ここにいるからには、できるだけ日頃は、この国の素晴
らしい面(文化・芸術など)を見るようにしているが、政治面では
それがなかなか見えてこない。どこの国でも、政治なんて綺麗事で
はないということもあるだろうが。

たとえば、大国だからこそ起こってしまう問題といえば、あの原子
力潜水艦の事故。超高層テレビ塔の火災。チェチェン戦争と絶え間
ないテロ。シベリアで起きている大森林火災。
いつまでたってもなくならない地方知事の収賄と、(それも、日本
と質も規模も違う、罪悪感はまるでない)
一般住民の悲惨な冬季に暖房も温水も止まってしまう毎年恒例の情
けない出来事。

そして、それをもみ消すためなのか、単なるソ連の延長の国家威信
をかけてか、判をついたように繰り返される軍事パレードと、軍隊
内の後始末もできないような事件、事故の連続・・・。(脱走する
だけならまだしも、地元住民を巻き込む、兵器転売や秘密情報漏洩
などは頻繁にある)挙句の果ての徴兵制改正でも、なにひとつ解決
したようには、見えない現状。

そんな多々なる困難を国内に抱えていながら、同時に、国家として
は大国主義を捨てきれない。

もちろん、自分の国に誇りを持つことが悪いとは言わない。だが、
歴史を偽って、自分たちが隣国にどれだけの犠牲を払わせた戦争を
、「偉大なる祖国防衛戦争」と位置づけるのかを考えれば、今でも
東欧諸国や他のヨーロッパ諸国でも印象は一向によくならず、ロシ
ア人が非常に嫌われているのは、当然とも思える。

結局、相手の国がポーランドだろうと、日本だろうと、ロシアから
見れば、小国にはちがいない。
そして、歴史的に自分たちの先祖やまだ生きている世代がやってき
たことを、いかに美化したところで、いまだ、どれだけ償いきって
いないものがあるかは、(償うどころか、まともな謝罪もない)
まったく国民に知らせない。さすが大国、ご立派なものである。

あるテレビ番組で、日本特集をしていた。
それにしても、よくこれだけ都合のいい内容を集めたな、と呆れて
ものが言えなくなるような、お粗末な内容。

まず、当然のことながら、彼らの態度からは第二次世界大戦でソ連
がやったことに対する反省、とか自責の念などというものは、微塵
も感じられない。
大体、歴史に対する固定的な観念が崩れ去った今、教科書の指定す
らままならないから、ロシア人自身が自分の国の歴史のとらえ方す
らまともに持っていない、ということもあるかもしれないが。

それにしても、旧日本軍の細菌研究部隊を裁いた裁判だけは、しっ
かりと強調する。見事なものである。カザフスタンの核実験どころ
か、国内の各地の原子力の後始末もできないでいるのに、他人の
過去についてはしつこく追求する。まったく、ご立派としか言いよ
うがない。
そして、判をついたように中国を侵略したのが日本で南京で虐殺し
たかの如き映像を流す。

こんな調子で、自らの国民はまるで被害者同然。
しっかりドイツからの軍事産業に携わったロシア人捕虜への賠償金
には、多い少ないとケチをつけているんだから、笑わせる。

それと同時に、一番情けなかったのが現在の日本を行き来する極東
地方のロシア人船員の傍若無人ぶり。
私がロシア人でなくても、富山の人たちから聞いていただけでも恥
ずかしく、情けない思いをしていたのに、本人たちは、ケロッとし
ているのだから、こんな調子で、他の国でも迷惑をかけているのは
、まず間違いないだろう。

日本人側でインタビューを受けた人たちも、謙虚で遠慮ぎみに被害
の実態を語っていた。しかし、その礼儀正しい(日本的な相手を
直接的に責めない)言い方を逆手に取って、反省するそぶりもない。
相手は誰に対しても遠慮も糞もない連中なのだから、もっとはっき
り言ってやらないと、まったく痛くも痒くもないだろうに。

「代金を払わずに商品を持っていく」という表現から、どうして彼
らがしていることが、「盗み」であるとはっきり言わないのか。
「あんたらの同朋は、堂々と集団で盗みをはたらいて現地の日本人
に嫌われている」くらいに言うべきだろう。

それがどこの国で行ったことであれ、犯罪行為であり、笑って済ま
せられない問題だということを、現在のロシアのマスコミ程度の
人間たちは、話題にはせよ、
教育したり、問題意識を持ったりする気は、ほとんどなさそうだ。

さらには、日本の銭湯で「外国人お断り」のところがあることを
誇張し、その原因が何かを追求せず、「銭湯は、日本人の心の拠り
所であるから、外人には、その特殊性は理解できないものだ」とい
うような曖昧な表現に終始する。
その辺も、非常に残念だった。

なにも、もし外国人でも浴場内のマナーを守って、他人の迷惑に
ならない人ばかりだったら、そんなことわざわざ書くはずもないの
だ。

どこかで起こった具体的な例によると、たしかロシア人だったと思
うが、銭湯にてあるまじき不潔な行為(放尿?)をしたり、大変周
りの客に不快感を与えることをする者があった、という前例があっ
たと聞く。

こういうことを取り上げもせずに、まるで日本人が閉鎖的で、とに
かく外人を締め出しているような誤解を与える番組の作り方に、
非常な不快感を持った。

これは、日本のどこかの新聞投書にもあった問題だが、やはりもっ
と禁止に踏み切るまでの経緯を知った上で、考えるべき問題だろう
と思う。
そうでなければ、どちらが被害者か分かったもんでない。

そんなこんなで、まだまだ日本に対する誤解も多く、またそれを
助長するものの方がはびこっているロシアだが、今回は数年後に迫
った、周辺国、旧共産圏のポーランド、リトアニアなどのEUへの
加盟によって、ついに孤立無援になりつつある地域がある。昔は
ドイツ領であった、ロシアの本国からぽつんと離れた海側の飛び地
、カリニングラードである。

EUは、要するにロシアを将来的にも仲間に入れるつもりは今の
ところないらしい。
なんせ、日本だけでなく、イタリア、ドイツともいまだに平和条
約すら結んでいない有様である。(どういうつもりか知らないが、
ロシアの現在の立場としては、別に平和条約なしでも現状に問題は
なんら見当たらないらしい)
やっとNATOの事務局が開設されたところで、関係が一気に改善
されると思っている様子も両者、どこにもない。

しかも、今回はEUの代表団が、ブッシュ大統領訪問直後にやって
きたが、会談の席でもプーチン大統領がもろに顔を歪めて、不快感
を表すほどだ。相手(EU)がこの問題で折れる様子はない。

問題になっているのは、カリニングラードに住むロシア人にEUの
ビザを与えて、ロシア本国まで列車、車などの陸上交通手段で、
EU国境を移動する自由を認めるか否か、ということなのだが。
どうやら相手は、こういったビザの発給すら渋っているらしい。

この問題では、ついにロシアも窮地に立った。小国の苦しみなど、
おおよそ理解したこともないようなこの大国の中で、既に「忘れ去
られて無用のカリニングラード」のロシア人は、このまま行くと、
まさに孤立無援になる。
ついでに、プーチン大統領の奥さんが当地の出身という噂もあるの
で、おそらくプーチン自身必死になるだけあって、他人事ではない
はずである。

話かわって、北方領土問題でも、国としては、頑固に返還を拒んだ
ところで、赤貧は留まるところを知らないようである。住民がとに
かく気の毒だ。極東地方の知事や統治者の腐敗と権力の濫用は目に
余るものがあり、改善されることはまず当分はないだろう。

対外的な問題では、非常に強気に出て、相手を敵扱いし、国民の
団結心をそそる目的に使われているのは明白だ。
例のアメリカで行われたオリンピックでも、その手段はかなり有効
に使われ、愛国心高揚に貢献していた。

そんなことなら、(つまり、日本が領土を返せというだけでまるで
、金をちらつかせる悪人よばりし、あれば自分の領土だということ
を、異常にマスコミで強調する)緊急自体で人道援助だとかいうと
きだけ、利用し、重症の患者を日本に頼って治療するのだって、
本来なら、国家の恥だと思うべきだろうに、そういうことは何も言
わない。けっこう矛盾している。

まさにこの厚かましさは、中国などとも非常に共通する。
大国の人間は、おおらかでいいところもあるが、それにしても、
集団になると手のつけようがないほど厚かましかったりする。
そして、両者、共産主義という病気からも完全に治っていない。
この病気が日本で思うよりも、ずっと根が深く国民の心理にまで
浸透しているのだ。国旗や国名を変え、民主主義だ資本主義だと騒
いだところで、根っこはそんなに簡単に変わらない気がする。

ああ、この手の病気はそう簡単に治りそうにない。
後遺症もまた、思いのほか長引いている。
以前と形こそ変わったが、なにかを利用して、純粋な国民を欺く
手段も、どこか巧妙になってきた。
さらに、自分たちの手で(というかボリシェビキだが)惨殺した
ロマノフ皇帝一家の名誉を担ぎ出して、なんとか、国内の精神面で
の権力基盤も強化しようなどという考えは、浅ましい以外のなに
ものでもない。
また、貧乏人が増えれば増えるほど、金色に燦燦と輝く教会の屋根
の十字架は、どこか不気味だ。

その点、よきにつけ、悪きにつけ、小国は悪い方向に行っても、
深刻さの度合いが全然違う。
それは、一度ロシアのような大国では、全体を統一する難しさ、
深刻な地方問題など、机の上だけでいかに解決しない問題が多いか。
しかし、資源エネルギー関連を持つ大国ロシアをどこの国も無視す
るわけにはいかない。
日本も、この国との付き合い方をもっと上手な方法に、切り替えて
いくべきだと思う。

モスクワ   CHOCO
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(Fのコメント)
日本人の今までのメンタリティーでは、外交ができない。特に中国
やロシアは本当にそう思う。交渉が非常に難しい。しかし、中国に
は日本を知っている親日家がいる。その人が両国を仲介すればいい
が、ロシア人で日本を知っている人がほとんどない。このため、
両国を仲介できる人がいない。当分、日露関係は冷却期間になりそ
うですね。

日本は、北方領土交渉をしないロシアにODAや援助をしてはいけ
ない。ただ、取られるだけになる。
==============================
中国人との付き合い方    


日本人というのはつくづく不思議な民族だと思います。
日本人は一人一人をとると、非常に弱々しく見えながら、集団とし
て見ると非常に優れた民族だと見られているのではないかと思いま
す。

日本人は何かにつけて相手を立てます。
日本人は謙虚な民族だと見られていると思います。(卑屈さを謙虚
と受け取られているだけなのかも知れませんが)

先日もある中国人に仕事の依頼をしたところ、その中国のエージェ
ントが、盛んに自分の手柄を報告しました。(この辺りは政治家一
般と似ています)。しかし私は彼らを褒めません。
仕事の依頼主である私に対する評価を高めることによって、もっと
報酬額を上げて欲しいという表現なのです。

こういうのに日本人はすぐにしてやられます。
ありがとうという言葉を私はめったに使わないようにしてます。
よくやってはくれたが、こういうところが不充分であり、それでは
報酬を引き上げることは出来ないときっぱり言います。
そしてさらなる仕事の完璧さを要求するのです。

中国人の方でも取引を停止されては困るので、さらに頑張るという
ことになります。ここで日本人と同じような対応のし方をするのは
、まずい結果を生むことになる場合が多いと思います。

日本人はとても依存心強い民俗です。
それに比べ大陸人の性格は、独立意識が強いのです。
独立意識が強いということは抜けがきや裏切りが多いということで
もあります。
そしてこちらがちょと目を抜くとすぐにサボったりします。
彼らはとても実利的な民族だと思います。

私は、民族の優劣を言っているのではありません。
私が日常感じている民族の特性について述べているのです。

計算高いのが中国人の特徴です。それが時とて日本人には強欲に見
えたりします。

西洋人についてはもう少しスマートさがあります。
そういう意味では中国人はガサツな感じがします。
しかし中国人には日本人にない逞しさも感じます。
また日本人のようにくよくよしないのも特徴です。

中国人は、一見プライドが高いように見えますが、それは自己を低
く評価されたくないというコンプレックスの裏返しでもあるような
気がします。
田舎者ほど田舎者に見られたがらないというのに似ています。

成金意識も日本人以上に強いと思います。
日本人の場合は金を持っていても持っていないような顔をしている
人が多いようですが、成金というのは金が急に入ったものだから嬉
しくてたまらず、より以上に金を持っているように見せたがるもの
です。

中国ではこれからしばらくの間は経済も発展するでしょうが、日本
人と違って強ぶりたがる民族的特徴があるので、日本人以上に足元
を掬われる可能性もまた大きいと思います。
道徳的な面でも日本人ほどの精錬潔白さはありませんから、その辺
も充分に弁えた付き合い方をする必要があると思います。

PS  中国人の方々へ、
今私が述べたことは、私が中国人の方々と身近に接してみて感じた
印象です。価値判断をしているのではありません。
日本におられる中国人の方々は、私と同じような印象を貴国民に対
してお持ちになっておられるのではないかと思います。

私は日本に来て大変勉強になったと言っている中国人を沢山知って
います。私は中国の方々がさらに沢山日本に来られて日本文化に
ついて学ばれる機会が増えますよう願っております。

遠い昔より我々日本民族は貴国から様々な文化を受け入れさせて戴
きました。今度は日本から沢山学ばれて自国にお帰り戴き、祖国発
展のために頑張って戴きたいと願っております。

日本の恥部も充分にご覧になり、日本が陥った落とし穴に入られな
いよう願うものです。

白鳥


コラム目次に戻る
トップページに戻る