918.小泉さんに期待して



 小泉さんに期待して       秋好です。
 
 1年経って、人気が低落している小泉さんだが、それは経済学者を
中心とする反体制的なマスコミの世論づくりによる、と思われる。
「景気回復」しか頭に無いエコノミック・アニマルのままである
日本人多数には、確かに不満だろう。
 
しかし、景気のことは数年は様子を見なければ、評価できないはず。
独裁者なら、1年もあれば、反対派を牢屋にぶち込んでも、回復でき
るだろう。ヒトラーがドイツ経済を回復し、大戦に国民を引きずり
こめたのも、独裁者であらばこそだ。
民主政府の指導者である小泉さんは反対派を、「抵抗勢力」とか、
「自民党を潰す」とか、言論によってしか、改革を進めることがで
きない。
当然、3〜4年はかかる。それを「1年経っても、ちっとも景気がよく
ならない!」と、非難している。気短な国民は独裁を望むことにな
る。
 
現に、山岡さんほどの人でも、「独裁者を望む訳ではないが---」と
前置きをしながら、ヒトラーを評価する論評である。
私人としてのヒトラーは確かに教養人であったろうが、政治家とし
てはユダヤ人の財宝とドイツ人の自信回復のために、極右的な国粋
主義に走り、ユダヤ民族を豚扱いして、科学的、計画的に虐殺させ
たのは、どう考えても「異常で、狂気に」満ちている。
 参謀本部長など、冷静な軍人は開戦に反対し、やがて暗殺まで企
てたのも頷けるのである---帝国日本で、ドイツにかぶれて、主戦論
を叫ぶ陸軍部に冷静な海軍部が反対したように。
 
 小泉さんについて、「未知数で何も判らない」し、「初めから信
頼していない」と、仰るのは山岡さんらしくないように思う。
それで終れば「アイツも駄目、コイツも駄目」と、登場する首相を
並べて否定する、反体制小児病の左翼的マスコミと同じレベルに
なってしまう。中国の内政干渉を増幅して騒ぐマスコミや自民党内
の媚中派に、多少は妥協しても、靖国参拝を重ねる彼が「久しぶり
に、顔の見える、自分の言葉で話している」信念のある指導者で
あることは明白ではないだろうか?
 
 「亡命」北鮮人について
 中国の日本領事館に駆け込んだ、ブルジョアらしき北鮮人一家のこ
とで、またまた外務省を攻め立て、朝日はテレビも新聞も「亡命者
に冷たい、世界に恥ずかしい」ときた。
 どう見ても、政治的亡命ではなく、共産主義嫌いの裕福な家族の
経済難民である。中国政府が密入国として、朝鮮に追い返している
のは正しいし、蛇頭などに悩まされている日本政府が難民に冷たい
のは当たり前のことだ。 
 
韓国のNGOと連絡がとれて、あのような撮影まで手配できる一家
に私は同情の念が起きない。世界に映像をばら撒かれてしまったか
ら、中国も仕方がなく「人道的に」出国させたが、駆け込まれた
日本人領事が難民に冷たいのは、非難に当らないように思うが、
どうだろう?
 密入国を追いかけるに熱心な余り、「領事館内に入ってしまった
」中国警官---という風に見えたが、F氏の意見を聞いてみたい。
 
 もし、無断侵入なら、「日本を舐めるな、中国!」というべきな
のに、中国の言い分を真に受けて「館内へどうぞ---」と言ったよう
に、領事たちを責める。そして、外相! 首相! と、政府攻撃に
懸命になる野党---。 まったく「世界に恥ずかしい」限りだ。
小泉首相も堪りかねて「交渉中ではないか---自虐的になるな」と
野党に言うのも、痛いほど解る。
 本当に責めたてなければならないのは、多数の餓死者を出し、
国民に逃亡されていながら、独裁者の誕生祝いに現を抜かしている
非人道ぶりではないだろうか! 
 いつもなら、断固騒ぐ北鮮も、韓国NGOにしてやられて、一言
もないといった今度の事件は、ある面では痛快でもある。
 
 ついでに言えば、中華人民共和国や大韓民国のことは、中国、
韓国と略称していながら、北鮮のことは「朝鮮民主主義人民共和国
(北朝鮮)」と、フルネームと略称とを併記しているマスコミも、
どうかしている---。  
 英字紙は「ノースコリア」つまり北鮮ですましている。 そして
、韓国はサウスコリアではない。要するに、主役は韓国で「北鮮は
その北部」と暗示しているのだ。
 
 トヨタの経常1兆円!
この不況下に、トヨタが1兆円という経常利益をあげた。
これは、ひとつの痛快事である。
ホンダも日産も、5大自動車メーカーは軒並み黒字決算。
製薬会社もBIG10はみな黒字----国債がイタリアより下に評価さ
れようが、元気な企業は元気であり、貿易収支も依然として黒字を
続けている。

いまにも日本経済が破産しそうな事を言い募った経済学者の顔が見
たいものだ。また、「政府は何をしている!?」などと騒ぎたてて
いる野党も、「政府に頼らず」が本来の自由資本主義であることを
、再認識すべきだろう。小泉改革も郵政や道路、住宅などの民営化
で、民活を狙って苦戦している。車は北米市場で20%近くも売上を
伸ばした、というから大した経営能力ではないか?
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(Fのコメント)
小泉首相の功績は、国民国家の基本である世論の動向で、日本の
政治を舵取りしていることです。今までの政権は国民より一部政治
家の意向が国民の生命より重要であったり、一部国家と親交を深め
るのを優先して土下座外交したりと、現代の民主主義・国民国家と
は違う動きをしていた。これがなくなっただけで日本国家は国民国
家的になったと評価できる。これは私だけでなく、吉本隆明も言っ
ているので、多くの方が思っていることでしょうね。

日本経済が混迷しているのは、日本経済の状態を表す明確な経済理
論がないことで、ジグザクと経済的な実験をしているように感じる。
しかし、中国の台頭により、日本の空洞化は明確で、それに対する
対応策は必要であると思う。それと、バブル崩壊による需要の減退
もあり、公共事業で需要を作っていたのも事実です。しかし、無駄
な公共事業をしても、その公共事業がなくなると、景気は逆戻りす
ることも実験でわかった。

公共事業でも将来に繋がる公共事業や産業強化のための支援、大学
の産業強化のための利用など、国家を挙げて産業活性化が重要だと
知ったのが今の時点でしょうね。そして、トヨタ、ホンダ、キャノ
ンのように国家とは関係なく世界に羽ばたく企業を輩出する必要が
あるのでしょうね。

しかし、日本の労働者人口は今後益々少なくなっていくので、日本
経済が高度成長するはずがない。安定的な成長でいいのではないで
すか???今の状態が定常状態なのではないでしょうか??
誰も、高度成長を望んでいない。小泉首相の構造改革をしても、
日本が高度成長するとは思えない。今の状態をキープするために、
やっているとした方が正解のように感じる。

国債の格付けは問題ですね。格付け会社の信用が無くなる可能性が
ありますね。しかし、日本経済を明確な理論で説明できない状態で
あり、従来理論を適用すると、危ないと出てしまうということでは
ないでしょうか?
新理論の登場が望まれるのですが、日本の経済学者さんたち、小泉
首相の経済政策を非難するより、経済新理論を作ってくださいよ。

亡命事件は、冷静に対応しないと、国際社会から非難を浴びる可能
性があります。日本は政治亡命をあまり認めていません。これは、
1つの懸命な政策のような気がしますが、これだけでは国際社会の
非難がありますので、日本への移民や亡命の条件を明らかにする
必要があるのです。このため、移民条件は日本文化をある程度知っ
ていることとして見たらどうかと提案しているのです。

もう1つ、不可侵とするなら、大使館警備を日本は責任を持ってす
る必要があります。ペルー大使館事件の教訓がまだ生かされていな
いのは外務省の怠慢だと思う。警備がしっかりしていれば、地元警
察も入り込めない。もし、入れば銃殺すると言えばいいのですから。
国家を守ると言うことは、守るサイドもそれなりの準備が必要でし
ょうね。安保体制構築に日本はどうしてこう甘いのでしょうかね。

それと、民主党の中国べったりの意見は外交を知らない素人の振る
舞いですね。私も日本外交の問題点を知っているが沈黙を守った。
事件解決後、問題点の指摘をしている。このぐらいの節度を持って
もらいたいですね。


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