906.印パ戦争の行方



アジアで軍事大国インドとパキスタンが戦争する可能性がある。
                  Fより

バジャイ・インド首相は戦争も辞さないと戦争を本気で行う可能性
がある。対するムシャラフ・パキスタン大統領は平和の努力をする
が、戦争の準備はすると言っている。そして、インドのミサイル艦
隊がパキスタンの沖合いに向かっている。このことからも本気だと
分かる。カシミールにはインド軍、パキスタン軍が100万人展開
して緊張状態にある。

この問題は、下記のコラムで既に述べているが、インドはパキスタ
ンがイスラム過激派を支援して、テロをインドのカシミールで行っ
ているという。この構図は、イスラエルとパレスチナ紛争の構図に
似ている。このため、米国はイスラエルを擁護したため、それに似
た状況のインドを非難できない。

一方、米国はパキスタンとはアフガン統治支援を合同で行っている
ため非難できない。このため、米国は介入しようとしていない。
やむなく英国のストロー外相やパッテン委員が両国の調整をしてい
る。欧州のソラナ理事は、この件でも米国を非難している。このた
め、アーミテッジを急遽派遣したが、米国は本気ではないようだ。

この紛争の恐ろしいのは、イスラエルとパレスチナの紛争では、
イスラエル軍が攻めても、パレスチナサイドに軍事組織も近代的な
兵器もないため、イスラエル侵攻に無抵抗で、大きな軍事衝突は起
こらなかった。しかし、このインド・パキスタン紛争では両国とも
に核兵器を持っている。そして、パキスタンは中距離ミサイルの実
験を行うというように、核とそれを運搬するミサイルを両国とも持
っているのだ。

もう1つ、通常兵器の充実度ではインドがパキスタンよりダントツ
に優れている。インドは空母もミサイル艦隊も戦闘機も戦車もロシ
ア製であるが、最新鋭の兵器である。このため、通常戦ではインド
が勝つ可能性が大であるが、負けるパキスタンが核を使用する可能
性がある。もちろん、一度、核戦争になれば、両国ともに止まらな
いため、パキスタンとインドの全地域からは避難した方がいいと思
う。それと、偏西風の関係から、ミャンマー、ネパール、チベット
も危ない。この地域にいる方も一時退避をお勧めする。

解決としては、やはりパキスタンのイスラム過激派をパキスタン政
府は本気で逮捕する必要がある。この地域にオサマビン・ラディン
もいる可能性があり、世界的にパキスタンの対応を見られているの
は確かですから。

その後、カシミール問題を協議で解決する必要がある。紛争をテロ
活動の理由にはしない方がいい。そうすると、イスラムテロ集団の
育成場所にされる可能性がある。イスラムテロリストが世界にテロ
を行っているというのが、このテロ戦争であるから、その一角を
構成しているカシミール問題もテロ戦争になるのですから。

しかし、このカシミール問題で米国の影が薄いですね。テロの育成
場所潰しをテロとの戦争と騒ぐのに、米国は本気でやる気があるの
かと疑われることになっているように感じる。

627−1.カシミール紛争について
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/KAK3/1308201.htm
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欧州、印パ仲介姿勢強める(日経) 

 【ロンドン=加藤秀央】インド北部ジャム・カシミール州を巡り
緊迫するインド、パキスタン両国に対し、欧州諸国が仲介姿勢を強
めている。双方に自制が働かず「核戦争」に発展するという最悪の
事態を懸念し、特にパキスタン側への働きかけを強めて情勢悪化を
防ごうと懸命だ。 

 英政府は28日にローマで開く北大西洋条約機構(NATO)・
ロシア首脳会議で印パ情勢を取り上げ、両国に自制を求めるメッセ
ージを打ち出す考えを表明。ブレア英首相は米欧ロの首脳と連絡を
取り合い、事前の調整を進めている。 

 欧州連合(EU)はパッテン欧州委員会委員(対外担当)を印パ
両国に派遣。同委員は24日、現地で英BBCに「両国関係はここの
気温と同じぐらい熱い。インド政府の我慢にも限度がある」と発言
。パキスタンに対し、テロ支援というインドの批判を否定するだけ
でなく、具体的な行動を起こすよう求めた。 
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米ロ、インド・パキスタン仲介に乗り出す構え(ASAHI)

 パキスタンの中距離弾道ミサイル発射実験で緊迫するインド・
パキスタン情勢で、米国とロシアが本格的な仲介に乗り出す構えを
見せている。米国が近く国務副長官を印パに派遣する考えを示す一
方、ロシアのプーチン大統領は25日、来月初めにカザフスタンで
開かれる会議に印パ両首脳を招き、会談の場を提供する意向を示し
た。米ロ双方とも、仲介により南アジアへの影響力を確保する狙い
があるとみられる。

 ロシアのプーチン大統領は25日、インドのバジパイ首相とパキ
スタンのムシャラフ大統領の両首脳を来月3日からカザフスタンの
アルマトイで開かれる中央アジア地域の首脳会議に招き、両首脳の
会談実現に向けて仲介に乗り出す意向を示した。

 訪ロ中のブッシュ米大統領とともに訪れたサンクトペテルブルク
市のエルミタージュ美術館で記者団に話した。

 プーチン大統領は25日のパキスタンのミサイル実験について「
緊張がエスカレートしているおりに、状況をさらに悪化させる」と
懸念を表明した。

 また、イワノフ外相は同市での記者会見で「米ロ、欧州連合
(EU)などによる中東の4者会議と同じく、緊張緩和のため国際
社会が政治対話に向けて動くことが必要。予測は難しいが、両首脳
が出席すればそのチャンスが開ける」と話した。(01:04)  


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