「日本再生」 『国家戦略』 その14 (a25ksle.txt) ★△ 教育改革と人材確保 △★ 21世紀研究会 永田通 1、20世紀では、世界的交流(戦争を含む)と科学技術の進歩 により、モノ(供給能力)とカネ(金にリンクしない通貨)は、ふんだ んに存在するに至りました。21世紀は、これを如何に活用するか、 効率運用できる優秀な人材をどう確保するか、の戦いが国家間で発 生するに、相違ないと予想しております。 1-1、前世紀は、優秀・有能な人材を移民・亡命者を含め、 より多く確保できた米国が、世界の覇者となりました。今世紀の勝 者は、技術・モノ作り・情報収集力と、それを活用できる人材を多 く確保した国家がなると、確信致しております。 1-2、国内でみますと、「教育と人材育成」の問題となりま すし、世界的観点では、海外にいる優れた人材が、どれだけ日本へ の移住を希望してくれるか(日本国の魅力)、我が国が彼等を、どれ だけ多く受入れできるか(移民受入れ)の問題となります。 2、教育には、人間教育(情操・倫理モラル・集団マナー・ 風俗習慣・健康管理・奉仕活動・非常事態での行動・伝統と自然・ 意欲向上心・自己を知る等)と、実践的な智慧教育(知識・技術・金 銭感覚・応用力等)がありますが、いずれも大変重要で、家庭内・ 学校・社会と段階を追い、効率よく役割を分担して進める事が肝要 と考えております。人間教育を蔑(ナイガシ)ろにした偏差値的知識 (智慧ではない)偏重教育は、この際一掃すべきであります。 2-1、幼児及び家庭内教育は大変重要であります。夫婦のい ずれかは、子供の躾け・教育に専念すべきで、具体的支援方法、つ まり、子1人当たり毎月30万円の預託制度は、2002年4月号『国家戦 略』その13、「5〜5-4(注)」に詳しく述べておりますので、是非 ご参照願います。 2-2、親となる為の教育(育児と子供の躾け=親教育)を実施 します。妊娠(婚姻届のない人を含む)した夫婦は、男女とも3〜4ヶ 月程度の親教育を必ず受ける事を義務付けます。この親教育(無料) を受講しないと、前項の預託の恩恵を受けられません。学校の教師 になるには、教育を受け免許も必要なのに、親となるに際して、 指導・教育等全くなくてよいのは、不条理との考えであります。 2-3、小学校は5年間とし、入学が現在より1年早まります。 幼稚園の最年長組が小学1年生となります。現幼稚園は廃止し、保 育所に統合します。中学校は4年間となり、現小学5年〜中学2年が 相当します。高等学校は4年間、高校卒業時は現在と同年齢となり ます。一学校の期間は、3年間より4年間の方が充実させ易いとの配 慮であります。 2-4、学校は、民営(生徒が保護者に相談して学校を選択する 方式で、有料)が妥当でありまして、離島・僻地等で民営が事実上 存立不可能な場合は、官公営とします。現義務教育制度は廃止し、 いわゆる勉強(智慧教育)の嫌いな子供は、小中学校における集団共 同生活での人間教育(一切無料、次項の年間2ヶ月)だけ、参加すれ ばよい事とします。 2-5、人間教育を、実効あるものとするため、高校までの各 学校の生徒は、毎年2ヶ月間、集団で共同生活しながら学びます。 ここでの教師は、現在の学校から来てもらう外、自衛隊の幹部及び 元幹部(50〜65才のob)、民間の企業人(リストラで退職した中高年 等を含む)、子育て経験者等からも来てもらいます。人間教育での 評価を活用し、生徒本人の特性を良い方向へ導くと共に、記録し将 来の参考とします。集団共同生活での人間教育コースを終了しない と、上級学校への進学は認めません。万一、人間教育を正当な理由 なく全面的に拒否すれば、正常な日本成人とする事はできません。 各種資格・運転免許・旅券発行・不動産取得・選挙権等に不利益が 及ぶ事とします。 2-6、各学校の智慧教育を次のように、抜本改定します。「 ゆとり」とか「週5日」というような考えは、国際間の競争を念頭 に置きますと、全く問題にならず直ちに撤回すべきで、それに当て るべき時間は、人間教育に変更する必要があります。 2-7、「小学校」は、70%を国語教育、20%は算数教育、10 %は人間教育の学習とします。いわゆる「読み書きソロバン(算数 ・暗算)」教育となります。他の学科は、中学校からで十分であり ます。漢字の国=中国の生徒並みに、漢字は制限なくどんどん教え て、何ら障害は考えられません。沢山覚えていても、先々損をする 事は決してありません。将来どんな職業・仕事を選択するにしても 、たとえ外国に移住したとしても、日本との縁を完全に切断しない 限り、日本語の語学力が不要となる事はありません。 2-8、「中学校」では、国語に加え、世界共通語に近づいた 英語に相当の重点を置きます。全国統一共通試験(智慧教育)を、中 学2年次に1回、3年次に2回、4年次に2回、の計5回実施し、これに2 回の職業適性検査の結果、上記人間教育の特性と本人の希望を加味 して、高等学校への針路を選択させます。 2-9、「高等学校」の80%以上は、科学・語学・工業・技術 ・商業・衛生・料理・農業・林業・水産等の職能・職業教育(それ ぞれの実務者を講師に招く)となります。大部分の若者が、先ず手 に職を持てる基礎を学ぶ、という訳であります。 2-10、高校を終了した者は、実社会での収入を原則とする研 修を3年間、例えば、企業で働く・商店農業水産林業等で両親の下 で働く・大学院等研究機関で研修する(特に理数系等の飛び級の実 践版)・自衛隊へ入隊する、等々の社会経験を積みます。ここで、 職業人の道を進むか、日本社会のリーダーとなるべき大学教育を受 けるか、の選択をします。ただ何となく大学へ入学するのは、断固 排除します。大卒フリーターの予備軍は作りません。 2-11、「大学」への選抜方法は、高校1年次に1回、2年次に2 回、3年次に2回、4年次に2回、の計7回に及ぶ全国統一選択科目付 き共通試験(智慧教育)の成績に加え、専門職業への適性、実社会( 自営業の場合は地域・同業者や団体)からの人物評価を総合判断し 、必要に応じて面接を併用し、人数を搾って大学側が決定します。 1〜2回の学力テストだけで合否を判定する、現行制度は撤廃します 。 (注) 中学・高校での上記「共通試験」は、如何なる参考書でも 全て持ち込み自由とするかわりに、余り難しくない問題を、現在の 通常試験の30〜50倍と大量に出題し、現実の世の中に近づけます。 もちろん、全問解答は期待せず、絶対厳守の時間内の、速断即決処 理能力をもテストします。 解答の選択番号を7〜8個に増やし、2個ある正解(1個は読め ば分かる易しい問題)を共に同時解答して、はじめて正解とします 。更に、サカテン(誤答は罰則的マイナス点)方式を採用します。こ れでデタラメ解答は、全体として大きくマイナスとなる確率が極め て高い旨を警告し、よく分からない生徒は、当該問題の空白提出を 奨めます。 2-12、大学4年間は、一般教養的なものは一切排除し、専門 教育となりますが、現大学院修士課程以上の実力を目指します。リ ーダー・指導者としての人格形成(古典や宗教の神髄に接するよう な自己修養)と、世界的観点で国益を考える能力の育成を、特に重 視する事が絶対不可欠であります。 2-13、官公庁や大企業の幹部選抜の、いわゆる現キャリアー 制度(大学の成績や採用試験の学力を基とし、人格識見の良否を殆 ど考慮せず、エスカレータ的に昇進させるシステム)では、人間教 育が欠けていて、国家全体(国益)重視が不足し、私欲汚職等に繋が り易くなります。かかる仕組みを続けていては、日本の再生は到底 望めません。 3、海外からの人材の受入れは、大変重要であります。移民 受入れ(帰化の承認)は、良質な人物に絞るべきであります。因みに 、良質とは、智力・金力・体力・意力・徳力の少なくとも一つ以上 が優れており、しかも、他に大きな欠陥がない人、つまり才能・所 得・資産・健康・人柄・犯罪歴無し・日本への同化(反日でなく、 日本好きか)等で、平均的日本人を、かなり上回る人物を指します 。素質の不明な単純労働者や水商売関連等を目指す可能性のある者 は、絶対に入れてはなりません。風紀治安悪化の要因となり易く、 将来のコスト高を招きます。 3-1、結婚・養子縁組等で日本人となろうとする人々、更に 、政治亡命・難民として、人道上受入れを考慮せざるを得ないよう な場合は、結論を留保し、「2と2-5に記述の人間教育」と日本で の生活適応訓練を、最低でも3ヶ月、通常半年〜1年間、集団で共同 生活させながら実施した後、最終判定をします。どうしても改善見 込みがない人物は、帰化を辞退して頂く外ありません。グローバリ ズムを無制限に認めてはなりません。少子化対策と難民等の受入れ は、全く別に論ずべきであります。 3-2、優秀・良質な人材に来てもらうには、日本国の魅力が 不可欠であります。第1に、治安と環境が良く、安心して生活でき る事、第2に、規制が少なく、自由な活動(特に資金・経済・産業) が保証されている事、第3に、高額所得でも・資産が多くても、税 金が安い事、第4に、移民者を暖かく迎え、これを活用するシステ ムと人情がある事、等々となりましょう。官民合わせて大いに頑張 らないと、日本側が希望する人々は簡単に来てくれません。 3-3、日本国内の優良な人材が、海外に出て戻って来ない、 つまり「出た切り邦人」とならないようにする事も肝要であります 。この対策は、個々人で事情が異なるとはいえ、全般的には、安全 ・自由・税制等で、日本国を魅力ある国家にする事に帰着します。 (a25ksle.txt)