899.日本と米国の経済が同じ状態に



景気が底入れしたという日本経済と米国経済について検討しよう。
                 Fより

永田さんや日本戦略研の人たちが、日本政治の長期的な方向を議論
しているので、私Fは、日本経済政策の方向や米国経済を議論する
ことにする。

どうも、大きな自由放任経済から秩序ある規律的な経済に世界は
シフトする可能性が高い。やはり、無条件のグローバリズムは、
貧富の差を広げていくというコンセンサスが出来てきている。秩序
あるグローバリズムを志向するべきということであろう。
5月下旬に開催されるビルダーバーグ会議でも、この話題がでてく
ると思う。

日本も政策を少しシフトする必要がある。民間への規制緩和は必要
であるが、政府はある程度の公共的な目標を掲げて、それを推進す
る必要があるということです。公共事業をしろと言っているのでは
ない事に注意をしてほしい。

日本では産業政策に対して、目標を掲げると言うようなことをして
いない。このため、国としての方向性が見えない。特に産業の創生
の方向性が明示されていないと感じる。米国もどうも、この10年
間日本が陥った不況の状況と同じ状態になったと認識され始めてい
る。

このため、軍事行動という公共事業を起こして、金をばら撒いてい
るが、その予算がなくなってきているので、長くは続けられない。
このため、どうすればこの状態から抜け出せるかを模索し始めた。
このため、ハーバード大学は日本に経済研究所を新設するようだ。
再度、15年前にやった日本研究を始めるとのこと。

米国経済は、軍事行動とその軍事産業によって、景気を守っている
ことが、日本の一時の公共事業の増加と同じ構図である。そして、
その公共事業(軍事行動)がなくなると、米国経済は失速すると考
えられている。しかし、米国政府の財政は逼迫してきた。米国の国
税の収入に占める割合の大きな株式投資売買益の課税額が、株バブ
ルが弾けたことにより急減したことで、予定税収額が激減している。

このため、国債発行を増加する必要があるが、この国債発行には
議会の承認が必要なのですが、この承認が遅れている。このように
米国の財政が急に悪化している。この状態は今の日本と同じような
状態になったと言える。

このため、日本の復興策は、同じ問題を抱える米国の復興に役立つ
ことになるのです。このため、再度日本の研究になっている。
日本の景気は長いこと低迷しているが、国民はあまり不満を言って
いない。混乱も無く、おとなしくしている。生活レベルも大きく落
ち込んでいない。どうしてか、米国の経済研究者は不思議な思いが
あるみたいだ。しかし、日本の国債の格付けはどんどん落ちていく。
今までの経済原則からすると、国債の暴落が起きる方が当たり前で
、最終的にはアルゼンチンと同じ状態になるはずであるが、どうも
日本経済の様子は違うようだと感じてきている。

この時、米国が考えるのは、湾岸戦争で米国軍事技術を駆使して、
その実験を行い、その後、その軍事技術を民間転用して、経済を
活性化する方向を模索しているが、もう1つ日本の様子がおかしい
ので、その原因を調査しようとしている。

日本はどうして、経済的にはおかしいのに、生活レベルが落ちない
かというと、日本の圧倒的に強い分野が多くあり、その分野は今で
も世界的な競争に勝っているためです。しかし、そのような商品を
持っている企業は黙っている。それと、労働分配率が高く、労働者
の生活レベルは、あまり落ちていない。このため、リストラが行わ
れているが、このリストラは、定年の前倒しと捕らえられている。
このため、悲壮感がない。

この悲壮感がないため、韓国のような外科手術ができない。そして
長期に低迷していると言われるが、もしかしたら、これが日本の定
常状態であるともいえる。日本は今後も労働人口が減少するのであ
るから、この今の経済を維持するだけでいいではないかともいえる
のです。さあ、米国の経済研究者の日本研究が楽しみですね。


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