885.日本人とグローバリゼーション



「日本人とグローバリゼーション」河合隼雄、石井米雄著 講談社α新書
「日本人とグローバリゼーション」河合隼雄、石井米雄著 講談社
α新書を読んで、その紹介とその検討をしよう。  Fより

日本の中空均衡型社会と欧米・中国の中心統合型社会は、大きく違
う。日本の神話は中心人物は名前しかない。天皇制の天皇も象徴で
あり、中心が空になっている。これに対して、欧米のキリスト教は
中心に唯一絶対の神が存在している。神は1つで、これは厳然たる
パワー(力)とプリンシプル(根本原則)を持っている。

日本の真中は空であり、プリンシプルを持っていない。中心にプリ
ンシプルをも持っていないため、何でも受け入れることができる。
そして、取り入れたものの根幹(プリンシプル)を骨抜きにする。

どうして、そのようなことが出来るかと言うと、全員がバランス感
覚を持ってるため、中心に原則がなくても、うまくいくのです。
このバランス感覚は日本には宗教教育とか道徳教育がないのですが
、普段の生活で身につけるようなのです。そして、「お察しする」
ということができなければ、日常的な社会生活は送れないようにな
っている。この察しが全体のバランスを取っていることになるので
しょうね。

このため、欧米から来た人には、日本人が難しいようです。意見を
言っても、「あなたの意見はいいですね。」と日本人は全員で言う
のですが、絶対に実行しないのです。意見を言った時に「日本人は
、違う。」と言ってくれれば、それに従うのに、「いい考えだ。」
と言って、「前向きに考えましょう。」と言う。しかし、いつまで
経っても実行しない。これにはイライラするようです。このため、
外国人は疎外されていると感じる。そろそろ、日本人も察しができ
ない外国人と対応する方法を心がけないと、欧米人は日本人を誤解
するだけです。特に、日本もグローバリズムの中にいるのですから
、ほんとうに欧米人と積極的接触しなければならないようです。
この摩擦が起こる多くの原因は、日本の国内論理の察しに原因があ
ると思うのです。

欧米の一神教に対して、日本人は多神教とかアニミズムとかの言い
方はあるが、要は実際の生きざま中に信仰心があり、宗教と思わず
に生活の隅々まで宗教的な要素が入り込んでいる。生活=宗教にな
っているように思う。

これからの日本人は、それなら西洋の考え方をするのかと言うと、
そうではなく、洋魂で和魂を磨くことが必要であろうということで
す。ここは河合隼雄さんの意見です。私Fは回答を持っていません
が、欧米人と話す時には、善悪、良否などの自分意見を明確にする
ようにしています。理由も明確化するように心がけている。
このため、お前は日本人ではないと言われる。それはそうだ。日本
人的な感覚を殺しているのですから。

下のような記事の日本の対応は、ロマ人に期待を与えることになり
、本当に亡命を求められた時、どう対応する気なのでしょうね??
外務省のセンスを疑う。いままでの日本は難民をほとんど認めてい
ない。いいか悪いかをここでは議論しないが、日本人が難民を認め
るような世論に現状ではならない。世論が難民を認めるためには
まだ、多くの時間が掛かると思う。

このため、認めると誤解される安易な対応は止めるべきで、現状で
は基本的に難民は受け付けないと対応するしかない。誤解されても
、そうするしかない。なぜ、難民を認めないかの論理を外務省、
日本人は構築するべきであろう。日本はルベンさんに影響されてい
る。
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プラハ大使館職員「日本は難民も受け入れない」と発言?
 チェコ通信は2日、チェコに住むロマ人の日本での難民申請の可
能性について、プラハの日本大使館の職員が「日本は亡命も難民申
請も一切認めない」と回答した、と報じた。

 同通信の問い合わせに対し、この職員は「チャンスは全くなく、
日本へ行っても多額の航空運賃を使うだけで、失望するだけだ。投
獄される可能性もある」と答えたという。日本では、難民認定申請
は、法務大臣が個別に判断することになっており、在外公館に判断
の権限はない。

 同国のロマ人の団体によると、東部オストラバ地方に住むロマ人
が、現地での差別的な待遇に反発して、西欧諸国に出国、難民申請
する例が増えている。だがこれらの諸国が難民規制の動きを強めて
いるため、ロマ人の間では、ビザなし渡航が可能な日本への出国が
検討されているという。

 報道に対し、日本大使館は「現在、現地職員も含め、そのような
回答をした者がいたのかどうか調査中だ。日本政府が、ロマ人に対
して差別的な政策をとっていることはない」と話している。
(23:38) 


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