880−2.浅井氏のパレスチナ・レポートと100人のパレスチナ村



>浅井氏のパレスチナ・レポート第2信を添付します。
 今日は今回最も激戦であったジェニンに潜入しました。一部のメ
ディアが昨日入ったこと(今日僕は目撃したのですが、CNNはな
んとイ軍の戦車にエスコートされて取材をしていました)で、簡単
に入れるかと思うかも分かりませんが、まだ外出禁止令が解かれた
わけではなく、地元の人の手引きで入るわけです。岩がごろごろし
ているところを30分近く走り続け、トラックなどを乗り継いで、
地元の人が軍隊の居所を携帯などで教えてくれますから、その度毎
にルートを変えて先を進むこと1時間半。ジェニンキャンプに入り
ました。キャンプは完全にイ軍に制圧されて、戦車や装甲車が走り
回っています。危険を承知で食べ物を求めて外に出る人たちを、追
い回す姿を見て許せない気持ちが強くなり、私もついに「人間の楯
」になってみました。

 装甲車と戦車の前に両手を広げて立ちふさがりました。装甲車は
僕の目の前まで迫って止まりました。車上の兵士に、「戦争が終わ
ってるのにまだ住民をいじめるのか。占領を止めろ。占領とテロは
何ら変わりはない!」と抗議をしたのです。「プレスなのになんて
ことをするのか」という兵士に対し、「僕はヴォランティアだ。埋
もれている住民を助けに来たのだ!」というと、装甲車は後退して
いきました。兵隊たちも自分たちのやっていることに対して引け目
があるのでしょう。その模様は何人かのジャーナリストが目撃して
いました。フランスのTVが撮影しましたが、僕のヴィデオにも一
部が録画されています。

 ジェニンキャンプはまさしく死臭の漂うキャンプと化していまし
た。多くの死体を目撃しました。そのほとんどが、なぜか黒焦げに
なっていたので住民に聞くと、イ軍兵士がガソリンをかけて燃やし
たということです。瓦礫に向かって生存者がいないかと、声をかけ
ましたが、それに答える声や物音は聞こえませんでした。私はAC
TNOWで救助隊を作り、さいたま市消防本部から救助訓練を受け
ていますので、なんとか力になりたいと思いましたが、残念ながら
力になれませんでした。建物の破壊は想像以上で、粗末な建物の
キャンプは完膚なきまでに破壊されていました。われわれがキャン
プの中にいるときも砲弾が近くに着弾しました。

 総勢30人ぐらい(ジャーナリストが3分の2)の一行でしたが
、時間が経つうちにみんな緊張がなくなりだらだら話を続けている
ので、「ピクニックじゃないんだ。それぞれが仕事を早く終えてこ
こを出よう。これは戦争だ。イ軍が来るぞ!」と僕が大声で言うと
、「大丈夫だよ。落ち着いて。イ軍は何もしないさ」という者もい
てその緊張感の無さにがっくり。帰りも戦車や装甲車があちこちに
居るという情報が入り、ルートをぐるぐる変えてもと来た道を戻っ
たが、息を切らして急坂のオリーブ畑を上り切ると、イ軍兵士が待
っていました。僕は途中で撮影済みのテープを靴の中や下着の中に
隠していましたが、全員逮捕だと言われ、携帯のバッテリーを抜か
れ、パスポートを取り上げられたときには、テープの押収を覚悟し
ました。報道陣はフィルムを抜かれたらどうしよう、とあたふたす
る連中がほとんどで、その危機意識の無さに、危機管理が出来てい
ないのは日本人だけではないな、と独り言。30人の中には2人の
日本人も含まれていましたが、彼らもフィルムの没収は覚悟してい
ました。結局は報道陣に対する嫌がらせだったようで、われわれは
約1時間後に釈放され、エルサレルムに帰ることが出来ました。
Kenzo Yamaoka
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件名:100人のパレスチナ村と和平への要求  
パート1
 もし、全世界を100人の村に縮小するとどうなるでしょう。
その村には・・・と始まる「100人の地球村」にならい、もし
現在イスラエルとの衝突で危機的な状況にあるパレスチナの状況を
描くとどうなるでしょうか。
 多くの人達が難民になっていて、その村には・・・と簡単に表現
できない現状がありますが、約840万人いるといわれるパレスチ
ナ人を100人の比率に縮小して述べると・・・

 23人がヨルダン川西岸に居住しています。
 12人がガザ地区に居住しています。
 43人が、西岸やガザ、ヨルダン等の近隣諸国で難民となってい
     ます。
失業者は、2001年春には35人に達したといわれていますが、
現在は遥かに高い比率になっていると思われます。
GDPは、一人あたり2,000ドルに大きく届かなく、貧困と将来
展望の無さは深刻な状況にあります。
また、現在のイスラエルとの衝突により多くの人が亡くなり、家
を失い、生活と経済活動が大きく損なわれています。

パート2
 そもそも今回の事態の根本的な原因としては、イスラエル側が
長期にわたって国連決議に反しヨルダン川西岸やガザ地区を占領し
入植を続けている事があります。
 アメリカは、イスラエルの立場を基本的に支持し多額の資金援助
を続けてきました。

 一方、パレスチナ側の問題としては、テロが占領に対する弱者の
抵抗であるという面がある反面、過激派が主導権を握り自分達の
地位や生活を守るためオスロ合意に基いた平和が安易に訪れないよ
うにテロを続けるという側面は否定できません。
 さらにその背景には、占領による貧困と機会の不平等があるとい
う堂堂巡りの状況があります。

パート3
 もしあなたが何らかの形でこのメッセージを読んだなら、停戦と
問題解決のために各者に対し次の要求をして行く事に賛同下されば
幸いです。
 
◆ 先ず、イスラエルのシャロン首相とパレスチナ暫定自治政府の
アラファト議長に対しては、パレスチナ自治区からのイスラエル軍
の即時撤退とパレスチナ政府による過激派テロの実効ある取締り
開始の同時進行を要求します。

◆ イスラエルに支援を続けてきたアメリカに対しては、イスラエ
ルに軍の即時撤退か援助停止かの選択を迫る事を要求します。
また、イスラエル軍の撤退の担保と治安維持のために多国籍部隊を
投入する安保理決議等で拒否権の行使をしない事を要求します。

◆ 各国の政府、政党、政財界人に対しては、イスラエル側、パレ
スチナ側のみならずアメリカへも上記の事を正式に要請する事を
要求します。

 現在は絶望的といってもよい状況ですが、個人個人の具体的な意
志表示による国際世論の圧力により、パレスチナ和平と地球規模の
発展と調和実現の理想へ向け少しでも前進して行きましょう。

                     (2002/4/21 K.S)

佐藤総研 http://www.asahi-net.or.jp/~EW7K-STU/
佐藤 鴻全
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can40970
第5次中東戦争が勃発した場合日本の安全保障、自衛隊の行動に
どのような影響をうけるでしょうか
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(Fのコメント)
現時点では、第5次中東戦争になるとは思えない。米国がイスラエ
ル寄りから、中立になったためで、イスラエルが戦争を仕掛けるこ
とができない。また、イラクを1年後に攻撃すると米国に脅されて
、イラクもパレスチナのイスラム軍攻撃より国内体制を強化が必要
で、動けない。このため、中東戦争にならないと思う。

しかし、シャロン首相が強行手段を取るとまだ分からないが、今
イスラエルはジェニンの難民キャンプ虐殺の国連調査団をどうする
かだ。もし、この調査団の調査が始まれば、虐殺の事実が隠せない
ことになる。世界から非難がイスラエルに向かうことになってしま
う。このため、中東戦争は起きないと思っている。

もし中東戦争が起きたらという仮定にすると、自衛隊は米国との
共同行動が取れない。石油戦略をアラブは取るため、日本は石油が
ないと80日でアウトになるため、日本は動けないことになる。


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