856.中東紛争の行方について



中東の紛争が続いています。この今後を予測する。  Fより

アラブとイスラエル・米国の対立が明らかになっている。
今までは、米国との対決するのは損と、アラブ諸国、特にエジプト
は静観していたが、イスラエルの軍事行動が拡大したために、国民
不満も爆発寸前になり、イスラエルとの外交停止に踏み切った。

アラブの盟主アブドラ皇太子が米国のブッシュ大統領と会談するが
、この結果はどうであろうか??次の注目点である。この準備とし
て、ブッシュはイスラエルの軍事行動の停止を要求したが、本音は
まだ、イスラエル寄りになっている。それがわかるのはネオコンの
論客はイスラエルの味方で、パレスチナを再占領してしまえという
ようだ。米国一国主義のブキャナンは逆にパレスチナの味方になっ
ている。米国の右派が割れ始めた。

中間選挙が近いため、右派を基盤にするブッシュも世論の動向を見
ながら、イスラエル・パレスチナに対応するようである。しかし、
クリントン政権の政策に戻ることは今の時点ではできない。民主党
が優位になってしまう。このネックですんなり、平和協定の締結に
は行かないようである。
どの国も、政権党の政策は選挙が絡むために難しい。

欧州のソラナ委員長もイスラエルに行き、かつ米国のパウエル国務
長官もイスラエル入りする。この2人の要請でシャロンが軍事活動
を停止するかだ。もし、イスラエルが強行な手段を続けると、中東
戦争の方向に行ってしまう。

心配はイスラエルの強気である。過去の中東戦争に負けたことが無
いため、紛争の拡大を引き起こしかねない。この心理は戦前の日本
が中国戦線で戦線拡大した心理と同じで、敵をバカにしているため
、周りのアラブから攻撃されると反撃して紛争を拡大してしまう。

これを狙い、ビスボラはイスラエル軍に攻撃することになる。敵が
負けかつ戦線が拡大すると、日本が中国戦線で経験したゲリラとの
戦いになり、今でも米国はアフガンでゲリラとの戦いを行っている
ようだが、この戦線が拡大する。やがて、ロシアや欧州を招き入れ
てしまう可能性がある。

なぜ、欧州やロシアの介入を招くかと言うと、キリスト教の聖地で
ある聖誕教会を壊し、かつロシア正教会系聖堂占拠をするため、
宗教的な対立を起こしてしまうことによる。それと、アラブからの
石油輸入とアラブへの武器供給のため、欧州とロシアはアラブを敵
にできない。アラブの要請にある程度反応するしかない。米国との
直接戦争で無いなら、可能性はある。

もう1つ、徐々に危機が高まると、ゆでがえるではないが戦争にな
るカタストロフィー点を見過ごす可能性が出てくる。この戦争にな
る点をシャロンは、意識的に到達しようとさえしているように感じ
る。イスラエル国民の反発を招かないようしてではあるが。予言を
知っているため、この予言を達成する使命を感じているかもしれな
い。これは米国のキリスト教右派にも感じる。

しかし、現状ではイスラエルの軍事活動を止められるのは米国しか
ない。米国の停止要求を拒否すると、国連安保決議はよりイスラエ
ルに厳しい内容の決議案が可決されるでしょうね。米国も反対がで
きないでしょうから。
==============================
イスラエル、米の撤退要請を拒絶(ASAHI)

 時事AFP通信によると、ブッシュ米大統領が呼びかけたイスラ
エル軍の西岸からの撤退要請について、イスラエルのシルバン・シ
ャロム副首相兼財務相は4日、「停戦が実現するまでは撤退しない
」と語った。(02:20) 
==============================
米大統領、国務長官を中東に派遣へ(ASAHI)

 ブッシュ米大統領は4日午前(日本時間5日未明)、ホワイトハ
ウスで声明を発表し、泥沼の中東情勢を打開するため、イスラエル
に対し、パレスチナ自治区からの軍の撤退を呼びかけ、来週中にパ
ウエル国務長官を現地へ派遣する方針を明らかにした。イスラエル
軍がパレスチナ自治政府のアラファト議長を監禁状態に置いてから
、4日で1週間。イスラエル寄りの消極姿勢が暴力と報復の連鎖を
助長しているという国際社会の非難の高まりに、ブッシュ政権は従
来の立場を転換してみせた。ただし、治安協議だけでなく、パレス
チナ国家の建設を視野に入れた政治協議も含めた幅広い交渉権がパ
ウエル長官に与えられるかどうかは、なお不透明だ。

 ブッシュ大統領は声明で、中東の暴力の拡大を強く批判し、「イ
スラエル、パレスチナ双方の未来が死んでいこうとしている」と懸
念を表明し、双方に和平交渉の席につくよう求めた。

 アラファト・パレスチナ自治政府議長に対しては、テロ組織取り
締まりの「約束を果たしていない。パレスチナの人々の希望を裏切
った」と非難。同時に、イスラエルに対しても「将来の和平基盤を
築くためにイスラエルはパレスチナ自治区への侵攻を停止し、占拠
した都市から撤退を始めるよう求める」と述べた。

 大統領はまた、国際社会が団結して中東情勢の改善に努めるよう
要請。イラン、シリアについては、テロ組織を支援しているとして
、「さがっていろ」と非難した。

 ブッシュ政権の中東政策をめぐっては、それまで自身の仲介に否
定的だったパウエル長官が3日、一転してイスラエルとパレスチナ
の仲介に意欲を示し、ホワイトハウスも停戦実現後としていた政治
協議に応じる構えを示唆していた。

 こうした方針の転換の背景には、自爆テロへの「自衛」に理解を
示すなど、イスラエル寄りの姿勢が目立つブッシュ政権に内外の批
判が高まったことがある。

 米国内では3日、連邦議会の下院議員2人が連名で、大統領経験
者でつくる訪問団を中東に派遣すべきだとの書簡を発表した。スペ
クター上院議員も同日、「失敗しても現地に入るべきだ」とパウエ
ル国務長官の中東訪問を強く促した。

 同日、中東では穏健派のエジプトがイスラエルとの接触停止を決
定。欧州では連日のデモで米国批判が噴出している。対テロ戦でイ
ラク攻撃を視野に入れている米国にとって、国際社会の理解と協力
が不可欠だ。中東情勢の混迷は、イラク攻撃どころかアフガニスタ
ンでの対テロ戦をも揺るがしかねなかった。

 ただし、たとえパウエル長官を現地に送り出しても、いま現地で
仲介にあたっているジニ中東特使のように、治安協議のみを前提と
した工作には限界がある。政権内部では穏健派とされ、湾岸戦争を
通じて中東に信頼が厚いパウエル長官がどこまで思い切った交渉に
のぞめるかに仲介の成否はかかっている。(01:36) 
==============================
ソラナはアラファトと面会できるかな?
EU、中東へ代表団
http://www.yomiuri.co.jp/05/20020404id01.htm
 【ブリュッセル4日=鶴原徹也】欧州連合(EU)は3日夜、緊
急外相会議をルクセンブルクで開き、中東にEU代表団を急派する
ことで一致した。パレスチナ自治区からのイスラエル軍の即時撤退
、暴力行為の即時停止などを求めた、先の国連安保理決議の即時履
行をイスラエル政府とパレスチナ自治政府に要求するのが狙いだ。 

 会議後、記者会見したEU議長国・スペインのジョセップ・ピケ
外相は「4日、イスラエル入りする」と述べた。EUはスペインの
アスナール首相を団長とし、ハビエル・ソラナEU共通外交・安保
上級代表、ピケ外相らを派遣し、イスラエルのシャロン首相、同国
軍に幽閉されているアラファト自治政府議長らと会談したい意向だ
。ただ、イスラエル政府からは3日深夜時点で回答がないため、
EUは代表団の構成、派遣日時を最終決定できていない。 

 EUには、米国が安保理決議に賛成しながら、イスラエルの軍事
侵攻を容認していることへのいらだちがある。代表団急派決定は、
米国に対し積極介入への政策転換を促す狙いもある。 
(4月4日12:21)
==============================
イスラエル軍がベツレヘムにあるロシア正教会系聖堂を占拠 
[ロシアRTRニュース] 
昨日(4・3)午前NHK衛星1で放送されたロシア「RTRニュ
ース」は、ベツレヘムに侵攻したイスラエル軍がロシア正教会の聖
堂を占拠したことで、ロシア正教会モスクワ大主教がイスラエルに
抗議文書を送りつけたと報じた。
==============================
イスラエル軍、聖誕教会の門を爆破
 【カイロ=松尾博文】イスラエル軍は4日ベツレヘムで、パレスチ
ナ人200人が立てこもるキリスト教の聖地、聖誕教会の門を爆破した
。投降に向けた交渉を続けてきたが合意できず、実力行使にでた。
イスラエル軍は西岸最大の都市ナブルスに続いて周辺の難民キャン
プにも侵入した。 
 教会への攻撃規模は明らかではないが、周辺では機関銃による銃
撃戦が起きている。同教会はキリストが誕生したとされる神聖な場
所で、イスラエル軍は発砲を控えてきた。教会内にはパレスチナ人
のほか、修道僧も多数残っているもようで、教会への攻撃はキリス
ト教世界から批判が強まりそうだ。ナブルスには武装ヘリコプター
の支援を受けて戦車100台以上が突入。市の西側から中心部に向けて
進撃中だ。パレスチナ側はイスラム原理主義勢力ハマスが開発した
小型ロケット「カッサム」で応戦を続けている。 
==============================
<レバノン情勢>ヒズボラがイスラエルへの攻勢を強める

 レバノンのイスラム教シーア派民兵組織「ヒズボラ」がイスラエ
ルへの攻勢を強めている。2、3日はイスラエル軍が駐留するゴラ
ン高原のシェバ農場に対戦車砲攻撃を行った。イスラエルのパレス
チナ自治区への攻撃中、イスラエル軍をレバノン南部から撤退させ
たヒズボラが対イスラエル戦第2幕に踏み出したともみられる。
(毎日新聞)


コラム目次に戻る
トップページに戻る