850−1.知的社会インフラ5



知的環境と知的とは何かについて、もう少し検討しよう。Fより

会社でも社会でも、推進力のエンジン系とエンジンをコントロール
する制御系でできている。コントロールというのは、人間でいう神
経系であり、エンジンというのは、人間の手とか足の筋肉です。
この2つ系のコンビネーションがいい車で、かつ、それをよく操縦
すると、最大のエネルギー効率と快適なドライブができるのでしょ
うね。

今の日本の政治を見ていると、制御系の基礎である計測システムの
数値がおかしいため、コントロール装置がガタが来ていて、かつ、
経済のエンジンである企業の業績もよくない。それを操縦する政府
も今までは、企業の力を殺ぐことしかしていない。3拍子揃って、
日本のシステムはおかしく、かつ政府はそれを壊していたような感
じになっているのです。やっと、小泉首相は、気がついてくれたと
思う。このコラムを読んで分かっていただいたはずですよ。

同じように企業もこのエンジン系と制御系の2つのシステムと見る
必要があるのです。神経系はITにより、現場の数値を集めること
であり、流通業ではPOSデータであり、在庫情報であり、納入デ
ータでしょうね。このデータを集めてきて、データマイニングする
ことによって、新しい発見ができる。この方法をイトーヨーカ堂の
鈴木社長は、仮説と実証と言っていますが、それによりフィードバ
ックするべきルールを新しく発見するのです。そして、これが新し
い付加価値となって、商品開発にも生かせるのでしょうね。よって、
自社ブランドの商品開発力にもなるのです。

このように、知的発見には、経験と実績データの積み重ねが重要な
のです。発想法をいくらやっても、それだけでは企業に有効な発見
はできないのです。世の中に発想法という本があり、それを読めば
、発想できると思っている人がいるが、トンでもない誤解ですね。

経験と実績データが必要なのです。このため、発想したかったら、
初めにやることは、計測なのですよ。実に!!
田口メソッドとは、実験計画法ですから、TQCでも、初めに計測
なのです。余談!!

エンジンとは商品力でしょうから、神経系から上がってきた情報で
顧客ニーズにあった商品が開発できれば、これはエンジン力のUP
にもなったことになる。しかし、この神経系の構築を失敗すると、
Kマートのように倒産したり、西友のようにM&Aにより他社に買
い取られることになる。成功するとイトーヨーカ堂のように、セブ
ン・イレブン本社も再建して、世界企業にもなることができる。
勿論、ウオルマートのように世界最大の売り上げを誇る会社にもな
るのです。

いかにITの神経系が重要であるかですね。しかし、ITはその
ITだけでは価値を生み出さないのです。神経系ですから、神経は
それだけでは価値がないのです。考えても、それを反映するエンジ
ン系がないと、力にならないのです。

ここを、今まで世界の学者は、言わないので、皆さんや経営者も気
がつかないのです。学者はニューエコノミーと言って、ITだけで
新しいことができるとしてしまったのがいけないのです。学者の
皆様はここを反省する必要があると思いますね。エンジンがあって
、初めてITは力を発揮すると宣言し直してほしいですね。今まで
の言い方ではバーチャルとリアルの統合でしょうかね。

そして、このIT系はオープンかつグローバルになっているため、
その上に乗せるソフトやハードはオープン・ブランドであると、数
が出るために低価格に供給できるのです。そのため、このITとい
う神経系は基本的にオープンにならざるを得ないのです。そして、
この神経系は全ての産業のエンジンに必要なものです。このため、
全ての産業の神経系だけはオープンにならざるを得ないのです。

オープン・グローバルな戦略はこの神経系がオープンでかつグロー
バルなため、日本が強い電子系は基本的にITという神経系の物で
すから、日本の戦略はオープンかつグローバルとせざるを得ないは
ずです。勿論、日本発のオープン・グローバルでもいいのですが?

合理的な思考を日本人は、拒否や学者の物であるという意識がある
ため、深く物事を考えない。これがいかに日本をダメにしているか
わかってほしいですね。そして、その学者も実践的な思考をしない
ようですよ。どうも、自分で全てのことを真剣に考える習慣が日本
人には、必要ではないかと思いますね。


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