845.中東・アフガン情勢について



イラク戦も絡む中東の情勢を検討しよう。   Fより

米国のチェイニー副大統領の中東諸国訪問は、イラク攻撃に対する
アラブ諸国の反対に会い、特にクウートの反対は堪えたようですね。
前回、イラクはクウート侵攻して、湾岸戦争後、クウートはイラク
排除で米国に感謝したので、まさか、反対になるとは思っていなか
った。

このため、ウルフォウィッツ米国防副長官まで、米軍による対イラ
ク武力行使の可能性について「まだ何の決定も下していない」と述
べ、近い将来の軍事行動を改めて否定した。同副長官はブッシュ米
政権で対イラク「最強硬派」とされるが、イラクによる大量破壊兵
器の開発疑惑に関し「外交手段で問題を解決できるなら、それが望
ましい」と言明した。という事態になる。

そして、やっと、このコラムが主張するテロの温床となりうる貧困
の撲滅という課題が遡上に上がってきたのです。まだ、イラク攻撃
が無くなったといいうのは早いような気がするが、当分ないでしょ
うね。

そうすると、もう一つのパレスチナ問題を見る必要がある。
チェイニー副大統領とジニ特使がイスラエルとパレスチナの和平工
作をして、一定の成果が上げたが、パレスチナの自爆テロが続く状
態では、イスラエルとしても停戦や協議はできないでしょうね。
シャロン首相は強硬派であるから、西岸地域の入植地構築を止める
はずがないので、停戦はしても、パレスチナ問題解決にはならない
でしょうね。
よって、シャロンのような強硬派では、和平は不可能でしょうから
この事態の打開には、もう少しの時間とイスラエル国民の犠牲が必
要ですね。もう1つ、アラファットとイラクの秘密関係が問題にな
っている。イラクから3000名の特殊部隊がパレスチナに派遣さ
れているが、それが問題になってきた。こちらも、そうそう簡単に
引き下がれない。もう少し、お互い、犠牲者が必要なのでしょうね。

それより、アナコンダ作戦後の米国・アフガン戦争の行方が、きな
臭くなっている。アフガン戦争がが終了したというのは、間違いで
、これから米国軍とタリバンやアルカイダのゲリラとの闘いが始ま
るようです。その1つはコースト空港の連合軍キャンプ攻撃であろ
う。

まだまだ、目をアフガンから離せない。米国や英国はまだまだ、ア
フガン戦争があるため、イラク戦争を起こせない可能性がある。
こちらの見方のほうが正しいように思う。それをカモフラージする
ため、副大統領が中東訪問をして、イラク戦争反対をアラブ諸国に
言わせて、イラク攻撃を延期するように見せかけた可能性がある。

もう1つ、パキスタンとインドの軍事衝突も起こる可能性があり、
米国のパキスタン大使館要員が退去するようである。これは、米国
としてもインド・パキスタン軍事衝突の可能性ありと見ているため
でしょうね。
全体的に軍事的衝突が世界各地で起こっている。米国・ロシアの
軍事産業の思う壺ですね。売れるのは米国・ロシアの兵器ですから。
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ムジャヒディン、コーストで攻撃開始
http://www.azzam.com Daily news
コースト(ラジオ報道):
水曜日の夜、ムジャヒディンによる2つの大規模攻撃があった。
その1つはコースト空港の連合軍キャンプ攻撃である。
ロケット、マシンガンを使った最初の攻撃(この地方で3番目に大き
い攻撃としてBBCが報道)は数時間続いた。
このミリタリー・キャンプは、パクティアとコースト地方のパトロ
ールとその地方での作戦のための主要な部隊集結所だった。
犠牲者数と損害の報告はないが、目撃者はキャンプとその周辺は大
変な破壊ぶりだと説明した。
通常通り、アメリカ当局は即座に犠牲者が出たことを否定し、攻撃
のスケールを軽く扱った。
BBCの防衛アナリスト ラヒーム・ウッラー・ユースフ・ザイは、未
だにこの地域には米主導の軍隊に対する強い抵抗が存在すると言った。
BBCはまた、アメリカ人が「作戦の終了と無条件の成功」というとき
は常に、彼等が激しい攻撃と損失に直面しているということに言及
した。
コースト地域での攻撃の第二波は空港に対する攻撃で、水曜日の午
後11時頃始まり、3時間程続いた。
ムジャヒディンは、MB-12ミサイル、ロケットと大型機関銃を使って
攻撃した。
目撃者は、攻撃直後にこの地域で少なくとも5体のアメリカ人の死
体を見たと報告してきた。
しかし、軍は(そのエリアが綺麗に片付けられるまで、)素早く市
民や国際的メディアの通信員がそのエリアに侵入するのを遮断した。
情報筋は、全てのムジャヒディンが闇に紛れてうまく脱出出来ただ
ろうと明かした。
地元民によれば、アメリカ人は攻撃の直後に無実の市民に爆弾を落
とし始めた。
そして、コーストの暫定政権司令官ザキーム・カーンはこの攻撃が
あったことでバチャ・カーンを非難した。
彼はまたアメリカに、バチャ・カーンは反米であると訴え、この地
域からバチャ・カーンを追い出すよう要求した。
これらの最近の地上作戦を開始して以来ずっと、アメリカは緊急に
援軍(特に他国からの援軍)を必要としていた。
現在、およそ5300人のアメリカ兵がアフガニスタン各地で様々な任
務に就いている。
カブールにはおよそ4500人の平和維持軍がいる。しかし、その人数
では何をするにも不十分なことは明白で、最近アメリカは英国政府
に作戦援助も為に1700人のコマンドの増員を要求した。
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「このままでは兵隊足りない」=米太平洋・欧州両司令官が“悲鳴
”   時事通信 
【ワシントン21日時事】米太平洋軍のブレア司令官と欧州軍のラ
ルストン司令官は20日、下院軍事委員会の公聴会で証言し、米中
東軍が管轄するアフガニスタンでの軍事作戦がこのまま続き、イラ
クでも軍事行動が始まった場合、アジア・太平洋や欧州で米軍の態
勢が手薄になると窮状を訴えた。  
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米がODA大幅増額、対テロ戦争意識し方針転換

 【モンテレイ(メキシコ)21日=河野博子】ポール・オニール
米財務長官は20日、メキシコ・モンテレイで開催中の国連開発資
金国際会議で記者会見し、米国の政府開発援助(ODA)の拠出額
を2004年から4年間で計約150億ドル増額する、と発表した。
米国はこれまでODAの増額には消極的で、拠出額はここ数年、年
約100億ドルで推移しており、大幅の増額は過去20年間で初め
て。テロの温床となりうる貧困の撲滅という課題を掲げ、安全戦略
上、また対テロ戦争を進めるうえでの環境づくりという観点から打
ち出された方針転換といえる。

 同長官によると、増額分は、2004年に16億6000万ドル
、2005年に33億3000万ドル、2006年には50億ドル
、「2007年及びそれ以降」に50億ドル。従来のODAとは別
に「新ミレニアム基金」として運用され、経済政策がしっかりして
おり、汚職防止に力を入れている国などに対象を絞って実施する。
生活水準向上などにどれだけ効果があったか評価したうえ、その後
継続するかどうか決める。

 経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)によ
ると、2000年のODAの対GNP比は、加盟先進国22か国の
平均で、0・22%。日本の場合、0・28%、米国は0・1%。
拠出額ベースでみると、日本が約135億ドルで第1位、米国が
99億ドルでこれに続いている。(読売新聞) 
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米副大統領の対イラク軍事行動への支持獲得は失敗に終わる=INA
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020321-00000661-reu-int

 3月20日、国営イラク通信(INA)は、チェイニー米副大統
領が中東各国を歴訪し、イラクに対する軍事行動に支持を得ようと
した試みは失敗に終わったと述べた。   
[バグダッド 20日 ロイター] 国営イラク通信(INA)は
論評を発表し、チェイニー米副大統領が中東各国を歴訪し、イラク
に対する軍事行動に支持を得ようとした試みは失敗に終わったと述
べた。 
 このなかで、「米国の邪悪な政権で副大統領を務めるディック・
チェイニー氏は、苦い失望感とともにアラブ地域を離れた。イラク
を標的とした敵対的な行動に対する支持を得ることを目指した歴訪
は、完全に拒否されて失敗に終わった」と述べた。 
 チェイニー副大統領は20日、10日間の日程で英国と中東の計
12カ国を歴訪したあと、帰国の途についた。(ロイター)
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エルサレムで自爆テロ、停戦協議取りやめ(日経)
 【カイロ=松尾博文】イスラエルからの情報によると、エルサレ
ム中心部で21日午後、自爆テロがあり、犯人を含めて少なくとも3人
が死亡、60人以上が負傷した。20日もイスラエル北部で自爆テロが
起きており、2日連続のテロを受け、イスラエル放送は、同国政府が
21日に予定された停戦を目指すパレスチナ自治政府との治安協議を
取りやめたと報じた。 
 イスラエル放送はまた、同国政府高官が、27日からベイルートで
開催されるアラブ首脳会議へのアラファト・パレスチナ自治政府議
長の出席を認めない方針を示唆したと伝えた。この日、自爆テロが
あったのはエルサレムの目抜き通りであるキング・ジョージ通り。
買い物客でにぎわっていた中で起きた惨事の犠牲者はさらに増える
可能性がある。イスラエルとパレスチナ自治政府の治安責任者は20
日夜、米国のジニ特使を交えて会談したが、停戦で合意できなかっ
た。停戦履行の手順や期間をめぐって意見が対立したもようだ。
イスラエルのシャロン首相は停戦の条件としてパレスチナ自治政府
によるテロの抑止を求めている。双方は21日に再協議する予定だっ
た。 


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