840−2.北朝鮮亡命事件



北朝鮮亡命事件を考察しよう。この問題を考察するには、韓国の新
聞の情報が、参考になる。   Fより

この事件で、欧州も北朝鮮の脱北者問題を認識すると思う。しかし
、中国は今まで、脱北者を北朝鮮に強制送還してきたことを国際社
会に分かられて困ったことになると思い、決断が早かった。しかし
、この流れは加速するでしょうね。世界の人権NGOが、脱北者の
救出に手を貸すことになるはずであろうから、どんどん脱北者は増
えることになる。

これは、1989年のベルリンの壁崩壊を思い出す。まず始めに、
東ドイツ国民がチェコ経由で大量に西ドイツに亡命したことと、
その事実が東ドイツの多くの国民が知って、暴動になり、政権が崩
壊したのです。

この事実をベースに考えると、北朝鮮の国民の多くが亡命したいは
ずであり、この事実が北朝鮮国民に伝わると、中国国境に押し寄せ
る可能性もある。世界のNGOが中朝国境線にいる。その時、中国
は、北朝鮮をサポートできるのであろうか??

中国の人権問題無視の対応も分かり、再度、人権問題が中国問題と
なり、それも大きくなる可能性もあるようにも思う。国際社会での
中国の動きはますます監視がきびしいことになる。
どちらにしても、このような混乱は、北朝鮮崩壊を徐々に加速する
ように思う。米国や日本の圧力も高くなるでしょうから、どうなる
でしょうね??

昔、このようにするべきとこのコラムでは言っている。
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/kako/kitatyo.htm
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    北朝鮮について。 ありがたや   

  私思うのですが、最近アメリカは、非常に戦争をしたくてしょう
がないように見えます。
 今の所、候補に上がっているのは、イラクと北朝鮮のようです。
まあイラクについては、おそらくイラクがある程度譲歩しても、
難癖つけてたたくでしょう。(アメリカってゆうのはそういう国で
すもんね) で、問題は北朝鮮です。
 北朝鮮をたたくのは、日本の国益にとってマイナスとなるという
意見が多いようですが、はたしてそうでしょうか?たしかに、今の
経済状態で、テロ等をされて、社会不安になると、景気が更に冷え
込むのもあるでしょう。
 しかし、いいこともあります。将来の北朝鮮不安をなくすことが
出来ます。
 技術というものは、北朝鮮であっても進化します。あの国は、ほ
っておくと、かならず核兵器の開発もしくはロシアや中国からの購
入を行うと思います。
 おそらく、今であれば、北朝鮮を潰すのは簡単だと思いますが、
もしも、アメリカまで届く弾道弾を作ってしまって、なおかつ核兵
器を持ってしまうと、北朝鮮は、核兵器を輸出しない変わりに、支
援しろ!金と米よこせと言ってくるでしょう。(で、日本が払うは
めに・・。)
 で、弾道弾と、核兵器を北朝鮮が持ってしまうと、アメリカでも
容易に手が出せなくなってしまいます。
 ならず者の犯罪集団が、核を持つかもしれない。そして、それの
照準は、最初に東京に向けられる。
 そう考えると、今のうちに、アメリカがやる気があるうちに、手
を打っておくのも一考だと思います。
 あと、国家は、国民を守ることはあたりまえだと私は考えている
ので、拉致するような国から日本を守るためにも、今のうちに、先
送りにせずに、処理しておいた方が、私は良いと思います。
 ただ、拉致されて、北朝鮮に住んでいる日本の方や、マインドコ
ントロールされている北朝鮮の一般人の方々が、一時的に被害がお
よぶと思うと、なんとか平和的に解決する道はないのだろうかとも
思ってしまいます。 
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Re:北朝鮮について。 ふる@鶴川   

 ありがたやさんのご意見にあえて、反論を述べます。

 基本的には、北朝鮮の不安定な要因を排除する意味で同意見なん
ですが。ブッシュ政権の拙速的な北朝鮮潰しには乗るべきでないと
思います。現段階では、あくまでも将来への米国本土への攻撃の排
除にしか過ぎず、そのために北朝鮮への米国の圧力は、米国がもし
武力行使に至った場合、朝鮮半島の足場としての日本は、北朝鮮工
作員テロなどの被害が及ぶ虞が生じます。
 一方、現段階で北朝鮮の体制を潰すことは、朝鮮半島の統一国家
に反日派を多く生じることとなるからです。北朝鮮の現体制は、米
国・日本憎しの体制です。昨年、教科書・靖国参拝で韓国で反日問
題が強くでましたが、どちらかと言うとメディア主導の色が濃いだ
けで、現地の日本人の人たちの話では、日本のメディアが伝える程
、昔の反日派がいるわけでもないとの話でした。しかし、北朝鮮の
現体制は国民に反日感を植え付けていますので、朝鮮が一気に統一
化された場合、国民性として統一の熱気から新国家は反日系統を強
く生み出すことになる予想があります。また、北朝鮮の緩衝国が無
くなった中国としても、隣国の反日気運を強く利用して、極東外交
の牽制として日本に圧力外交を働こうとすることは目に見えていま
す。
 従って、北朝鮮外交の強気の目を奪い、従来の日本の及び腰外交
は方向転換する必要はありますが、金体制自体を現時点潰すことは
日本にとって不利益を生じかねないと考えます。
 もっと北朝鮮の金体制自体を手詰まり状態にして、中国・韓国の
お荷物にして、東欧の自壊のように体制と国民の離反による体制崩
壊、自壊後の新たな統一朝鮮に日本は積極的に援助の手をさしのべ
て、親日とはいわないまでも、中国ともある程度の距離を置く統一
朝鮮国家の支援で日本外交は進むべきと思います。

 日中安保は、中国が共産政権である限り、考えること自体が意味
を持ちません。 
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亡命求めた北朝鮮の25人 フィリピン経由で韓国へ(asahi)

 フィリピンの空軍筋は15日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮
)の住民25人が同日夜、北京から福建省アモイ経由の中国・南方
航空機でマニラに到着する見込みであることを明らかにした。一泊
し、16日に韓国へ向かう予定だという。

 昨年6月29日には、北京の国連難民高等弁務官事務所
(UNHCR)へ駆け込んだ北朝鮮の住民7人がシンガポール経由
でマニラに入り、翌日韓国へ向かった。また97年にも、黄長ヨプ
・朝鮮労働党書記(当時)に約1カ月の滞在を認めたことがある。
比は00年7月に北朝鮮との国交を樹立している。(17:35
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外交部、中朝間には「難民」問題は存在せず
  外交部の章啓月報道官は14日の記者会見で、「中国と朝鮮民主主
義人民共和国(朝鮮)の間に難民問題は存在するか」との記者の質
問に対し、次のように答えた。 

  中国と朝鮮はとても友好的な隣国で、かつては密入国の問題もわ
ずかながら発生していた。しかし、国際法や密入国の目的から見て
、彼らは「難民」ではない。中国は法律に基づき、また人道主義の
観点から、問題を適切に処理している。したがって両国間には「難
民」問題は存在しない。 

  「人民網日本語版」2002年3月15日 
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【脱北者25人】多国籍人権団体の「合作品」(朝鮮日報)
 14日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の脱北者(北朝鮮を脱
出した住民)25人が在北京のスペイン大使館に駆け込んだ事件が、
韓国をはじめ米国、日本、ドイツ、フランス、ベルギー、ハンガリ
ー、スペイン、南米諸国など、世界10カ国余りの人々が参加・支援
した“多国籍プロジェクト”であることがわかった。 
 これらの国々で活動しているNGO(非政府組織)及び人権運動
家約30人は、昨年末から今回の脱出劇を企画したが、このプロジェ
クトが外国の情報機関に捕捉される恐れが出てきたため、当初の計
画より1週早い3月14日に大使館駆け込みを断行したと伝えられた。
 これら“プロジェクトチーム”の約30人は脱北者らが到着する前
から大使館の周辺にいて、脱北者らの大使館駆け込みが失敗する最
悪の状況となった際には「人間の鎖」を作り、脱北者らを守る計画
まで立てていたという。 
 こうした事実は、中国に滞在しながら今回の事件の総指揮を取っ
た韓国人活動家から「政府と韓国マスコミの窓口役になってほしい
」と頼まれた尹汝常(ユン・ヨサン/36/嶺南(ヨンナム)大講師
)氏の証言で明らかになった。脱北者問題の研究で博士号を取得し
た後、3〜4年前から脱北者のための人権運動に力を注いできた尹氏
は、今回の事件があった直後、統一部に電話で脱北者らの大使館駆
け込みを知らせ、脱北者らの身元と事情について書かれた英文資料を
政府に渡した。 
 尹氏は、「各国の人権団体の関係者らが昨年末から中国やタイ、
ロシアなどで点組織の形で集まり、議論してきたが、詳しい内容は
脱北者らの安全と今後の活動のため、明かすことができない」と話
した。
 尹氏の話によると、韓国人活動家らは朝鮮族を介して脱北者らを
集める一方、通訳を務め、外国の人権団体は西側のマスコミやNGO
との連絡を担当した。特に、欧州諸国と知識人社会の反響を呼ぶた
め、これら人権活動家らは昨年末から欧州議会と欧州のNGOを訪
れ、脱北者らの状況を知らせる資料を渡し、積極的な呼応を訴えた。
尹氏は、「米国と韓国は中国の人権問題を取り上げられない上、
欧州社会の協力がない限り、中国を動かすことはできないと判断し
た」と述べた。 
 「難民地位を認めるよう求めたのも、外国の人権運動家らが合法
的に脱北者らを支援できるようにするためだった」という尹氏は、
「脱北者らの人権を保護するため、今後も大規模な計画は続くはず」
と話した。
鄭佑相(チョン・ウサン)記者
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脱北者と一緒に命をかける「脱北ブローカー」(朝鮮日報)
1990年代初めまで、家族単位の集団で朝鮮民主主義人民共和国(北朝
鮮)を脱出することはほとんど不可能だった。北朝鮮を脱出すること
はもちろん、中国での生活も容易なことではなかった。しかし、散
々苦労して韓国に入国した脱北者たちが北朝鮮にいる家族を脱出さ
せたり、これを助ける民間団体やブローカーが登場したことによっ
て、韓国への入国が急増した。最近は脱北者たちが自らの経験を生
かし、ブローカーとして活動することもある。
 脱北者たちが韓国に入国するためには厳しい道のりを乗り越えな
ければならない。資金を充分に準備して1カ月足らずで韓国に入国す
る人も中にはいるが、大半は最小6カ月から1年程度、中国で滞在し
なければならない。 
 ブローカーは北朝鮮と中国、中国と韓国を結ぶ2つのラインがある
。両方とも危険で厳しいことには変わりない。容易に北朝鮮を脱出
したとしても中国で公安に逮捕され、強制送還されることもある。
豆滿江(ドゥマンガン)と鴨緑江(アプロッガン)を結ぶ国境には
北朝鮮の住民たちを案内して金を受け取って生活する在中同胞のブ
ローカーたちがいる。最近は北朝鮮の家族を訪れる韓国人たちが多
く、彼らの収入はいい方だという。
 最も危険なブローカーは北朝鮮にいる人たちだ。彼らは逮捕され
る場合、収容所行きとなるか、死刑にされるなど厳重な処罰を受け
るので、命をかけて人々を運んでいる。最近は更に警戒が厳しくな
り、ブローカーの仕事もままならないという。北朝鮮側のブローカ
ーたちは仕事の内容に比べ、受け取る金はそれ程多くない。中国側
ブローカーが全てのことを陣取っているためだ。 
 北朝鮮から中国に脱出するのにかかるブローカー費用は約500〜
2000ドル。状況によっては増えることもある。自力で脱出する場合
はもちろん、費用はかからないが、脱出後、中国での生活が容易で
ない。案内者のいない状態でさ迷っていては、すぐに公安に逮捕さ
れてしまうからだ。 
 命をかけて北朝鮮を脱出しても、韓国に入国するためには新たな
方法を探さなければならない。金の多い人は100〜1200万ウォン程度
を支払ってブローカーの作ってくれる旅券で飛行機に乗ればいいの
だが、脱北者がこの程度の金をつくることはほとんど不可能だ。家
族のうち1人でも先に韓国に入国して定着している場合は、定着金を
担保に家族を連れてくることもできる。しかし、この方法も最近は
安全でない。最近、脱北者の1人がこの方法を使ったが、中国の空港
で逮捕されている。 
 金のない脱北者は遠い第3国を経由して入国しなければならない。
費用は中国から韓国に入国する場合の半分程度だが、長い道のりで
危険も多い。 
 ブローカーたちの最も大きな心配事は中国公安に発覚されること
だ。先日、脱北者の案内を受けて北朝鮮を脱出していた北朝鮮の住
民たちが中国国境を超える途中、逮捕される事件が相次いだ。この
うち一部は、脱出に成功したという。一旦逮捕されれば、釈放され
るまで少なからずの資金が必要となる。もし脱北者が北朝鮮が探し
ている主要人物である場合は金があっても解決できない。 
 散々苦労した挙句、韓国入国に成功してもブローカーたちが費用
を受け取ることは容易でない。入国ブローカー行為が法的に保障さ
れたことではないため、約束した費用を支払わなくてもこれといっ
て解決する方法がない。このため、度々摩擦も生じる。
 純粋な人権的次元で脱北者を助ける個人や団体だけでは脱北者を
助けるに限界がある。従って、“商業的”目的であってもブローカ
ーは脱北者にとって極めて貴重な存在だと、脱北者たちは口を揃え
る。
カン・チョルファン記者


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