秋好です。 ブッシュ大統領の極東来訪を機に、米国の世界戦略について、 考察して見ました。 同大統領は共和党の大先輩のセオドア・ルーズベルト大統領の伝 記を読んで、新たな感銘を受けたらしい。 セ・ルーズベルトは新渡戸稲造の”武士道”を読んで感動された 武人元首で、大国ロシアと戦う小国日本の肩を持ってくれて、ポー ツマスで講和の段取りをしてくれた武士道精神の持ち主だった。 帝国日本を追い詰め、自国の太平洋艦隊を生贄にして、米国民を 第2次世界大戦に引きずり込んだ民主党のフ・ルーズベルトとは器が 違うのだ。 ソ連を「悪の帝国」と決め付けて、軍拡競争に引きずり込み、核 大戦を避けながら、この帝国を破産させたレーガンの「よき後継者 」であるテキサス男のブッシュ---ヨコスカの小泉と同様、サムライ のようで、目が離せない。 2月17日 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 米国の世界戦略(秋好) 世界戦略: 米国は世界政府の建設を視野に入れて、世界戦略を次のように構 想しているようだ。 1.ロシアの共産主義は倒したから、次は中国共産主義だ。 2.国際共産主義に代わって反抗的な国際イスラム原理主義を討伐す る。 3.アメリカン・デモクラシー(3権分立、文民統制、政教分離、自由 競争)の世界化。 4.インターネットなどで、文化(言語)をキリスト教(英語)で統 一し、米国的世界化を推進して、米国主導の世界連邦建設に向かう。 -----要するに、当面の主敵はイラク(そして、イラン、国際イスラ ム)、副敵は北鮮(そして、中国)なのだ。 そこで、イラク、イラ ン、北鮮を「悪の枢軸」として、規定した。 戦略予算: その為に、2003年の国家予算は軍事に重点をおき、一挙に15%UP する。 従って、ブッシュ政権は日本の税収47兆円を上回る、50兆円という 膨大な国防予算を見込んだ。 財政赤字を10兆円見込んだ国家予算 280兆円の20%に達する。 これは日本の国防予算の10倍である! (ちなみに、日本では対 国家予算比は6%) アジア戦略: 1.北鮮がミサイルを日本の頭上に飛ばしたり、スパイ船を寄越した りするのは----- (1)日本の平和ボケを治すのには、好都合だ。 (2)北鮮の凶悪さ、侵略性が明らかになり、敵視できる。 (3)韓国の「太陽政策」は宥和政策であり、無効。 2.中国がチベットを「武力解放」したことは黙認するが、台湾の「 解放」は許さない。 3.親米的な日本、フィリピンなどとは合同軍事演習をさらに重ねて 、独裁国の暴発や極左、イスラムのテロに備える。 4.極東では、日本の軍事力を活用する方向で政策を推進する。 5.南アジアの緊張には、インドの軍事力を当てにする。 6.中央アジアの石油、ガスなどの利権は確保する。 7.西アジアの石油利権確保のため、アラビア、パキスタンの親米政 権を支持。 8.イスラエルの自衛自存の戦いは支持し続ける。 その他の地域 1.ユーロで通貨統一した欧州が、次に欧州連邦を目指すことは、黙 認する。 2.アフリカの反米が明確になったら、その国は「悪」に組み込み、 征伐する。 3.南米諸国の反米勢力は足元なので、空爆せずに謀略を以って征伐 する。 世界連邦 日本はアフガンのタリバン征伐で、既に小艦隊を派遣して、軍事支 援の実をあげたので、アフガン復興の主導権を取らせてやった。 これで「口ばかりの」仏独と違い、日本は英国同様に同盟国として 、信頼できることが判明した。そこで、小泉政権を支持し、次のイ ラク再征にも日本の支援を取り付ける。米英日の3国同盟スタイル で進めれば世界に「敵はない」から、アングロサクソンとヤマトで 、反米:反世界化の抵抗勢力(共産主義、原理主義、その他の反自 由主義)を次々と撲滅・征伐してゆく。20年後あたりに、中国がア ジアの覇権をめざして立てば、日本とインドを前面に立ててこれを 挟撃する----そして、2050年頃に国連本部を世界連邦政庁へ改造す る。 このときには、列強に国軍を供出させて、地球総軍を常設する。 アジアでは日本、中東ではイラク、欧州ではドイツに総軍非核部隊 をおいて、即応体制を採る。 無論、30年後には、日本は改憲後、 イラクは民主化後であり、ドイツはEUの中核となっているだろう。 (最新鋭のF-16戦闘団は今後とも、日独に駐留させる) 宇宙軍 核装備はこれを総軍宇宙軍の管理下におく。 核拡散は今後とも、 封じてゆく。 また、異星人の侵攻に備えて、核武装はこれをさらに開発、発展さ せる。 このために、臨界実験や宇宙ステーションなどを推進する。 同時に火星探査、開発を推進する。 外惑星に前進基地があれば、 心強いことだ。 すでに月に星条旗を立てた。 この次は火星に立てるだろう。 50年先を読む ------米国の科学、軍事、政治の奥の方では、以上のように構想して いるように思われる。 だから、ミサイル防衛構想は日伊の外相が反対しても止めないのだ。 反対した2人の外相が辞めたのは、裏で米国が糸を引いた、とも思 えないが。 また、現有のF-15イーグルでも無敵なのに、さらに次世代機の開発を 進める。 向こう50年間で3000機、米国の陸海空、海兵4軍の他に、 日本、英国その他の同盟国への輸出3000機を見込めば、向こう50年で 100兆円をこえる超ビッグビジネスとなるらしい。 開発に5年かけ た受注合戦で、ロッキードマーチンがボーイングを振り切った、と いう。 これほどの国家プロジェクトでも、競争原理を失わないの だ!そして、その生産工場はブッシュの国:テキサスにあるのだ。 海兵隊と空母戦闘群による「海から(FROM-the SEA)戦略」を維持 して、世界秩序を偵察衛星で睨み、「世界の保安官」であることを 全人類に知らしめ続ける。 なお、異性人の宇宙侵略軍の来襲には、「全人類の守護神」として 立つつもりだろう。 これらの宣伝のために、ハリウッドにはアメリカ魂を高揚させる映 画を作らせる。 このため、2度と孤立主義(モンロー主義)は採らないだろうし、 「アメリカ帝国主義」だろうが、「単独行動主義」だろうが、批判 は甘受して、無視するだろう。 20世紀初め、日本海軍がロシア艦隊を打ち破ったとき、「次はわが 海軍との決戦になるな」と、予測した米国である。 予測どうり、 40年あとに日米両海軍は太平洋で雌雄を決することとなった-----結 果はご承知のとうり、帝国海軍を太平洋に沈めて終った。 我々もいたずらに、拝米と反米の間を行ったり来たりするのはもう やめて、同盟国アメリカの長々期計画を睨みながら、「国家50年の 計」(百年の計では、空論になってしまう!) を策定したいもの。 その第1段が改憲(自衛隊の合憲化、首相公選 など)にあり、これを10年以内には達成する------というあたりか ら、と思われるがいかがでしょうか? 02.2.16 記 ============================== YSです。 野上義二事務次官の後任として、本日付けで正式に決まった竹内行 夫インドネシア大使は、ヴェロキラプトル (ポール・ウルフォウィ ッツ国防副長官)ととっても仲がいいようです。 気を付けないといけませんね〜。 ▼詳しくは拙稿コラムを参考に 「810−2. ダボスを喰らうヴェロキラプトル」 http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/1402192.htm ウルフォウィッツはとっても過激なネオコンの親分です。 (引用開始) ■2月19日 9:58 人事:竹内外務次官を閣議で正式決定 野上氏の後任 http://www.mainichi.co.jp/news/flash/jinji/20020219k0000e060015000c.html 政府は19日午前の閣議で、田中真紀子前外相とともに更迭され た外務省の野上義二事務次官の後任に、竹内行夫インドネシア大使 (58)をあてる人事を正式に決めた。野上氏は、次官退任後とし ては異例の官房付となる。同省は川口順子外相―竹内氏のラインで 、不祥事で揺れた同省の立て直しを図り、外交官の意識改革や民間 との人事交流などの省改革に着手する。 竹内氏は67年入省。野上氏の1期下にあたる。 [毎日新聞2月19日] ( 2002-02-19-10:01 ) ■外務次官後任に竹内行夫・駐インドネシア大使 http://www.nikkei.co.jp/news/zinzi/20020207DIII116707.html 政府は7日、アフガニスタン復興支援国際会議への非政府組織 (NGO)参加拒否問題をめぐって更迭する野上義二外務事務次官 の後任に、竹内行夫駐インドネシア大使を起用する人事を内定した 。川口順子外相が同日夕、小泉純一郎首相に報告し、了承を得た。 19日にも閣議で決定、発令する。 外相は7日、竹内氏を起用した理由について「改革マインドがあ って実際に(外務省の)中を説得し、信念を持って実行できる人だ 。年次にとらわれず考えた」と説明。 そのうえで「外務省改革をやらないと国民の支持は得られない」と 強調した。外務審議官や局長級の人事異動は「予算委員会のある大 事な時期であり、最小限にとどめる」とし、通常国会終了後に実施 する意向を示した。 竹内 行夫氏(たけうち・ゆきお=外務次官)67年(昭42年)京 大院中退、外務省へ。総合外交政策局長、01年1月インドネシア大 使。東京都出身、58歳。 ■Help from RI's friends: Takeuchi and Wolfowitz Opinion and Editorial - February 18, 2002 Kornelius Purba, Staff Writer, The Jakarta Post, Jakarta http://www.thejakartapost.com/yesterdaydetail.asp?fileid=20020218.C02