808−1. 軍隊無用論反対意見に対する再反論



阿部@イジャペルです。

 何だか、大反響みたいですね。順に返答して行きます。長文にな
りますので、失礼とは存じますが引用は最低限に絞らせて頂きます。
ご容赦を。


> 非武装論は空論、改憲は必要---秋好
> 1.非武装の命令と再軍備の命令と
        中略失礼
> 2..日米軍事同盟
        中略失礼

 敗戦直後から戦後までの歴史認識の解説をありがとうございます。
が、正直言って、話が噛み合っていないように思うのですが。


 多くの政治家と大半の日本人にとって憲法は建前に過ぎません。

 例えば、第1章で規定される天皇制は天皇一家が日本国民である
場合には第三章に抵触する内容を多く含んでいます。きっと天皇一
家は日本人では無いのでしょう。でも、日本人ではない人が日本の
象徴、って何か変ですよね。日本のアイディンティティが問われる
重要な問題だと思うのですが、問題にされるのは第9条ばかりです。

 このような現状は、『日本国憲法が建前でしか無いので、日本人
のアイディンティティを日本国憲法が揺るがしている様に見えても
問題にはならない』、為であると私は理解しています。


 これは村山政権でも明らかになったことですが、野党は票争いの
戦術として本音との齟齬を攻撃しているだけなので、政権が交替し
ても憲法は改正されず、自衛隊が廃棄される訳でもありません。本
音と建前の使い分けが得意な政治家の方々がやる事ですから、国際
的(主に対米・中・韓)に憲法改正は不利益である、と言うことな
のでしょう。よく考えて見ると実際そうですし(後述)。

 大体、日本が外国に対して軍隊を使う際に問題にされるのは国際
法や条約であって、国内法である日本国憲法ではありません。また、
第98条では条約と国際法を遵守するように規定されていますが、日
本国憲法に関しては第99条で尊重し擁護する義務が公務員などに対
して明示されているだけで、遵守が義務づけられている訳でもなけ
れば罰則規定がある訳でもありません。仮に日本が軍隊を持ったと
しても、『憲法違反だから何なんだ?』と開き直る事も可能な訳で
す(最高裁でその軍隊への解散命令でも出れば話は別ですが、その
軍隊が正規に運用された結果に基づく訴訟を起こしても、棄却され
るのがオチでしょう)。

 『日本国憲法(祈りを含んだ建前に過ぎない文章)を変えよう!』
と政府が大騒ぎを始める時は、何か別の、もっと真面目に考えなけ
ればいけない問題があるという事を、日本国民は消費税導入の際に
気付いても良かったと思うのですが。

…という話を、私は前のメールでしたと思うのですが。


> 3.侵略と征服
        中略失礼
> 阿部氏が2.4:795-2号で「大戦後、侵略戦争を仕掛けることは事実
> 上、不可能」というのは、大いなるカン違いである。

 主語を読み違えてますよ。日本軍というテーマで議論している段
落で、併記されている読点以前の文章の主語も『日本の軍隊』なの
ですから、『大戦後、侵略戦争を仕掛けることは事実上、不可能』
の主語は『日本の軍隊』以外には考えられない筈ですが。どう読み
違えて外国の軍隊の話になっちゃったんですか?。冷静な議論を進
める秋好さんらしくもありませんねぇ。それとも『日本軍が侵略戦
争を仕掛ける事は第2次大戦以後、不確定な未来に至るまで可能』
とでも言いたいのですか?。そんなことをすれば、米欧中露を同時
に敵に回す事と同義なんですけど。まぁ、ごく短期間で米国に再占
領されて終わりかもしれませんが(いわゆる国連の敵国条項の話)。


> 4.憲法改正の必要性
        中略失礼

 戦闘開始以前の武力による威嚇又は武力の行使が法律(いわゆる
周辺事態法)で禁止されている自衛隊が『レッキとした』軍隊です
か?。それも人件費(武器購入に関る人件費、すなわち天下り退役
自衛官を養う為のマージンも含む)が高いので、使う額は多いが費
用対効果は低いという話。銃もミサイルも戦車も戦闘機も有ります
が、運用に必要な情報伝達系統は実にお粗末。しかも、肝心の弾薬
は不足気味。国民にはバカにされ、政治家にはオモチャにされ、知
識人には軽蔑すらされている、という自衛官の方々に対しても『自
衛隊は立派な軍隊です』と言明できますか?。

 現実を知れば、ちゃんとした軍隊、もしくは、ちゃんとした自衛
隊になって欲しい、と思うんじゃないですか?。少なくとも私はそ
う思いました(私も以前は憲法改正論者でした)。

 ところがそう思っても、自衛隊法を読むと『憲法を改正しても無
駄なんじゃないか』との思いが募って来てしまうのです。自衛隊法
には、内閣総理大臣が出動を命じた後の防衛戦闘においては、必要
な限度を越えない範囲で武力を行使できる、という意味のことしか
規定されていませんし、その為に必要な武器を保持する事ができる
ことも明記されています。要するに、防衛出動に関しては自衛隊の
自由度は非常に高い訳です。

 しかし自衛隊には軍事マニアの皆さんから手厳しい批判を浴びせ
られる装備しかありません。『戦略思想なんか無い!』とまで言っ
ては言い過ぎでしょうか。また、懲戒規定や退職規定を見ると、微
に入り細を穿った記述が目につきます。それは、そういう問題を起
こした者が大量に居た、という歴史を示しているのでしょう。腐臭
が感じられませんか?。

 多分、日露戦争で優秀な軍人の遺伝子が日本社会から払底してし
まったのでしょう。

 『シビアな状況分析を行ない、それに基づく戦略・戦術を立案し、
敵の抵抗などの障害を克服して戦略を実現する実行力』を持たない
軍隊などは飾り物にしかなりません。飾り物でない軍隊を退役した
人間なら、例え裸一貫で放り出されても、自分の家族を養う位のこ
とは余裕でこなせる筈です。少なくとも、自衛隊関連企業に天下り
する人間が、ほんの一部にせよ上層部に居る現実(寄生虫の様な人
間が枢要な地位をしめている、という現実。ちなみに自衛隊法では
自浄機能たり得る隊内での司法警察権の行使も規定されていますが、
役に立っていない訳ですね)から、自衛隊が飾り物以外の何もので
もないと私は推察しています。もっとも、これは自衛隊に限らず、
日本社会全体の現実であり、問題なのかもしれませんが。

 以上の分析を踏まえれば、飾り物では無い軍隊を日本が持つ為に
は、憲法改正はあまり意味が無いという事がお判り頂けると思いま
す。というより、日本は憲法の条文に関係なく、飾り物の軍隊しか
持てないのです(制度では無く、能力の問題、ということ。現状で
も制度はかなり整備されているが、その制度の運用実績は制度運用
能力の低さを示しているので、制度の変更は無意味だと結論した)。

 この結論から導かれる有効な日本の安全保障策は、戦争が好きで
得意な国の軍隊を主力とし、日本は後方支援に専念する(武器弾薬
の輸送は危なっかしくて任せられないので除外)、となります。実
質は現状と同じです。

 ところで。未だ参政権を持たないコドモに対する説明は、参政権
を持ったオトナに対する説明とは異なるべきだと思います。もっと
も、コドモ向けの説明で満足したまま成人してしまう人が多過ぎる
ので、現実には危なっかしくて出来やしない憲法改正を叫ぶ人が多
くなっても、憲法改正が可能な(あるいは不要な)国際関係を創り
出そうとする人は少ないままなのでしょう。

 それから。解釈改憲を実行した自民党を政権党として選択し続け
ているのは国民ですよ。『俺は自民党には投票していない』などと
いうタワゴトは言わないで下さい。国民による参政権の行使(ある
いは不行使)の結果なのですから、参政権を持った全ての日本国民
には同様の責任が有ります。

 私は子供に自衛隊と憲法の関係を説明したことはありませんが、
秋好さんの説明が子供から日本に対する誇りを奪っている事は、よ
くわかります。教科書の話じゃありませんが、日本に誇りを持てな
いように育てられた子供が、日本を誇りに思う大人になる訳が無い
じゃないですか(それとも、日本を誇りに思えない大人だから、子
供から日本に対する誇りを削って行くのでしょうか)。私だったら、
必要があれば以下の様に話すことでしょう。

 憲法は変な処もあるけれど、理想を語っているんだ。その理想の
実現の為に日本人は働かなければならない。今まで生きて来た日本
の大人達は、憲法が語る理想を実現しようと努力して来たから、日
本は平和で豊かな国になったけど、世界には未だ問題が多くて、理
想に至る道すらも見えていない。だから世界中から戦争が無くなら
ないし、食べる物や住む場所に困っている人、学校に行かずに働か
なければならない子供、生涯を牛馬の様に働くだけで費やしてしま
う人が大勢いる。自衛隊は、そんな現実と憲法が示す理想との妥協
点の一つだよ。勿論、これで良い訳じゃない。現実を理想に近づけ
る事で、妥協点も理想に近づくだろ。そうやって変えて行かなくち
ゃいけない。だけど、それは簡単な話じゃないから、今の大人達も
頑張るけど、君達も、君達の子供たちも、その子供たちも、多分ず
ーっと先の人達までも、頑張らないといけないんだと思うよ。弱い
人達は神様がやってくれるから、って言って頑張るのを止めてしま
うかもしれないけど、そんなのはダメだよ。神様がやってくれたと
しても、僕らも頑張ればその分早く出来るだろ。それに出来たとし
ても、それを維持して行くのはそこに住む人達なんだから、神様に
任せて頑張らないでいた人達は、維持できないで壊してしまうだろ
うからね。そんな風な迷惑な人にならない為にも、理想を実現する
努力を続けるんだよ。

> 5.核武装は無用
        中略失礼

 核武装は宣伝だけで用が足りる(実際に核兵器を持つ必要が無い)
という点で、査察さえ拒否できれば最も安上がりな兵器であるとも
言えます(どうせ使えないので、持っても持たなくても同じ)。そ
の伝で行けば、『侵略されたら、国家的自殺の為に国内全ての原子
力発電所で災害を起こします。その影響で地球が破壊されても知っ
たこっちゃありません』という宣伝は、核兵器を用いない核抑止力
だとも言えます。まぁ、在日米軍も自衛隊も負けて占領が時間の問
題、という時でも充分役に立つ宣伝文句だと思いますが。

 閑話休題。戦争は経済の破綻を解消する手段の一つであって、全
てではありません。ソ連が米国に敗れたのは、経済ないしは社会の
システムの性能(効率といっても良い)が劣っていた為で、軍事力
の優劣とは関係ない話です。現実は、市場の奪い合いと言う戦場で
世界中の国々が戦争を続けている様なものです。そして、この戦場
で軍事力が行使される事はごく稀です。この戦争における日本の生
き残りの為には、智力・労力・経済力と言った資源を、憲法改正や
軍隊の整備にではなく、産業振興や市場の開発、日本の社会・経済
の性能向上に投資すべきではないか、と思うのですが、如何?。


> 6.平和ボケからの目覚め
        中略失礼
>  ともかくも、法の法たる憲法が平和ボケのままでは、子供の教育
> も大人の道徳もどうにもならないだろう。 史上空前の豊かさなの
> に、イジメや汚職が後を絶たないのは、カネはあっても誇りがない
> からだろう。 誇りの根源が「誇れる国家」にあることは自明の理
> だと、思われるのだが-----。         2.6

 誇りが重要であるという議論には同感です。が、憲法が『平和ボ
ケ』であることは、国家に誇りを持てない現実の影響であって、原
因では無いと思います。多くの若者が誇りを保つ為に米国人になっ
て行く(国籍では無く、文化の話です。為念)現実も、同じ内容を
示しています。安易に思考停止して憲法に原因を求めるべきではな
いと思いますが、如何?。

> ==============================
> Re.「日本に軍隊は無用かつ不要」   T・Yより
        後略失礼

 周辺有事の詳細な解説をありがとうございます。貴論に対しては
特に反論すべき点は有りません。というのも、軍隊の定義、あるい
は軍隊と自衛隊の区別をしていなかった事で混乱させてしまい、言
わずもがなの事を解説させてしまったかと思うからです。申し訳な
く思って居ます。軍隊と自衛隊に関しては、私の中では以下のよう
な区別が有ります。訂正等がありましたら、ご教示下されば幸いで
す。

軍  隊:他国に対して宣戦布告が可能な国家が保有する戦力。防衛
        戦闘の場合でも、他国領土への侵攻が可能で、他国政府を
        解体できる。

自衛隊:専守防衛のための戦力(解釈改憲用語では防衛力)。いか
        なる場合でも、交戦を目的として他国領土・領海には進入
        できない。当然、他国政府の解体は不可能。


> ==============================
> 日本に軍隊は無用かつ不要と仰る阿部@イジャペルさんへ

 論題とはズレますが。メールにおける『@』以降の名詞は地名や
所属を表すので、自称以外の場合は省略するのが礼儀ですよ。いや、
単に挑発しているだけ、というなら、それでも構いませんが。

> いくつかお尋ねしたいことと、私の考えを述べさせてください。

 全文拝見しましたが、質問事項は『日本において警察が対処し切
れないほど凶悪な犯罪や、不正規軍の対策の実務担当者は誰か?』
という事だけですね。この質問への回答は『自衛隊・警察・海上保
安庁などの既存組織』です。

 先のメールで『飾り物(自衛隊)以上の軍隊』としたので混乱さ
せてしまったようですね。『飾り物(自衛隊)を越える軍隊』と訂
正します。併せて『自衛隊以上』という表現は『自衛隊を越える』
に訂正します。


> 阿部さんは「第二次大戦のような正規軍同士のぶつかり合い」を想
> 定しているようですが、現在は対ゲリラ戦のようなものが主になり
> ます。この間の北朝鮮の船との銃撃のような。

 私は自衛隊を不要と断じたい訳ではありませんし、不正規軍への
対応が必要になる場合も想定しています(戦力的に劣位な国が優位
な国にしかける戦法としては、テロやゲリラ戦術も現実に有り得る
だろうと思っています)。何を根拠に私が『正規軍同士のぶつかり
合い』だけを想定していると勘違いされたのかは判りませんが、ゲ
リラ戦は最近マスコミに多く登場しているに過ぎないので、『それ
が主になる』と言うには当たらないと思います。


> 以前は民間人の暴力には、警察が対応し、国家の暴力には軍が対応
> するという棲み分けができていましたが、最近はそうではない。民
> 間?の暴力も凶暴、凶悪、重武装になっているので、警察には対応で
> きない。軍が対応する場面も増えるのではないか。そのためにも軍
> は必要でしょう。もちろん最低限の。

 重武装犯罪に対しては自衛隊が出動する、ということは自衛隊法
に明記されています(治安出動)。また、防衛出動の対象は、正規
軍・不正規軍を問いません。したがって、仰しゃる様な棲み分けは
結果論であって、以前から警察で鎮圧し切れない対象には自衛隊が
出動することになっていました(ただし文民統制が効いているので、
自衛隊の出動には内閣総理大臣が関与しますが)。いずれにせよ、
『軍は必要』と仰しゃられるような状況は自衛隊で対応すべきであ
り、日本に存在しない軍をアテにする必要は無いと思います。


> 阿部さんは「日本は米国と軍事同盟を結んでいるので攻められない
> 」と言いますが、これは予想と言うより「願望」でしょう。「攻め
> られないで欲しい」という。

 日本に侵略の危機が無い理由を端的に言えば日米安保条約の存在
に帰結しますが、現実はもっと複雑です。自衛隊の存在、民間有志
の方々による海上監視、海上保安庁や警察・国家公安委員会などの
日常業務、軍事的侵略によっては日本の重要な資源である人材が損
耗してしまう現実、なども、その理由になっていると思って居ます。

 また、周辺諸国で日本侵略を実施し得るのは北朝鮮だけで、その
他に可能性が有るのならご教示願いたい、と先のメールで私は述べ
ましたが、その可能性を示さず「願望」と断じるのは、どのような
分析によるものですか?(ちなみに、日本が侵略される可能性を示
さずに私の意見を「願望」と断じる貴方の態度は、むしろ貴方の方
に『日本は侵略されるべきだ』という願望が有るからだと私には思
えます)。もっとも私は貴方の心理分析をしたい訳ではなくて、日
本が置かれている侵略の可能性とその対策、あるいは日本がとるべ
き戦略を、理性的に議論したいだけなので、分析を背景に持たない
『思いつき』を示しただけだと言うのなら、議論の邪魔になるだけ
なので、今後そのような行動はお控え下さるようお願いします。


> 9.11のテロのように、世界最強の米国だって何度も攻められるので
> す。それもゲリラに。その対策は日本では誰がするのですか。現代
> は「正規軍同士の総力戦」はあり得ないでしょう。しかし、ゲリラ
> との戦いは続くでしょう。

 テロ対策としては軍事力では無く、対話や不満の解消が重要だと
思って居ます。話しても解らない国には暴力で挑むしかないでしょ
うが、日本が話しても解らないような国であると思いますか?。あ
るいは、国益の為に対話では無く軍事力を行使するような国に日本
も成るべきだと思いますか?。湾岸戦争をお忘れですか?。どれか
一つでもご自分に当て嵌まると思われるなら、歴史(20世紀以降の
世界史と有史以来の日本史)を学ばれ、静かに考察される事をお勧
めします。

 それから。戦術が悪質化して行くゲリラとの戦いが永遠に続くと
本気で思いますか?。費用対効果から言って、正規軍のコストがゲ
リラ側のそれより遥かに高いので、消耗戦になれば、先に音を上げ
るのは正規軍の筈ですよ。消耗戦でなければ、ゲリラが殲滅されて
しまうので、戦いは終わります。まぁ、次の経済破綻の際に別の敵
が指名されるんでしょうけど。


> 阿部さんの論では自衛隊と日本軍の定義も曖昧です。どうやら阿部
> さんは「自衛隊=専守防衛」で「日本軍=侵略軍」と位置づけてい
> るようです。しかし、世界中の全ての軍隊は自国の防衛のためにあ
> るのですよ。自衛隊と呼ぼうが日本軍と呼ぼうが、基本的には自国
> の防衛のためにあるものだと思います。

 定義を明確にしないで論を進めた非はこちらに有ります。申し訳
ありませんでした。

 しかし『世界中の全ての軍隊は自国の防衛のためにある』という
貴方の認識は、正に『平和ボケ』そのものです。そして、その認識
から導かれる『自衛隊=日本軍』の等式は明らかに誤りです。この
点に関しては猛省を促したい気すらします。

 軍隊は、他の国家機関と同様に、国益のために存在します。侵略
して来る敵を排除するのも国益なら、将来的な侵略の可能性を叩き
潰すのも、国際世論の制御も、意に沿わない他国の政府を叩き潰し
て傀儡政権を打ち立てるのも、領土拡大も、全て国益です(こう言
われて解らなければ、旧日本軍の行動・湾岸戦争・コソボ問題・先
般のアフガニスタンへの攻撃などでの欧米露の軍事行動の目的を考
えて下さい)。

 しかるに自衛隊は、専守防衛に縛られていて、積極的に国益を得
る為には利用できず、国益を損なう問題を回避すると言う消極的な
利用しか出来ません。装備としては軍隊に近いものがありますが、
その行動範囲や自由度は、到底、軍隊と呼ぶには値しません。

 そんな自衛隊を軍隊と同列に扱う態度は、ワクチンと病原菌を同
列に扱うようなものですよ。


それではまた。                                     阿部 靖志


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