802−2.国際情勢分析



米国の一国主義が出てきている。そして、イラク攻撃。 Fより

27日にブッシュ大統領が日本、韓国、中国を訪問する。この訪問の
目的は何か??
北朝鮮の取り扱いを協議することは、予想されることである。
日本・韓国は当然、北朝鮮攻撃には反対でしょうから、米国に北朝
鮮攻撃の理由や、日本・韓国の体制を説明することになるでしょう
ね。先にイラク攻撃をすると言っているので、そちらを先行してほ
しいですね。そして、北朝鮮と米国の対話を促進して、米国を納得
するような結果にしないと大変な事態になる。

それにしても、中国の対米戦略が柔軟路線に変更されたようなので
、米国の北朝鮮への攻撃にも、あまり大きな反発を表明しない可能
性がある。北朝鮮攻撃に反対を強く表明しているのは韓国である。
日本も韓国に追従しているが、強くない。中国は反対を表明しない
ようだ。このように東アジア情勢は大きく変わろうとしている。

欧州もイラクとの戦争を反対しているが、米国は単独でもイラクを
叩くと言明している。とうとうパウエルさんまで、そのようなこと
を言い始めている。これはイラクとの戦争になる可能性がある。
サウジにある米国軍をイラクに移駐する計画もあるようだ。
しかし、イラク攻撃にサウジ・ヨルダン・シリアとトルコが反対し
ているし、イランは米国の敵としているため、地図を見ると分かる
が米軍の地上攻撃要員の駐留先はクエートのみになる。

そして、ドイツ軍の毒ガス対応部隊がクエートに派遣されたようだ
。また、クルド民族を利用しようとしているが、米国に何回も利用
され、トルコとの紛争など都合が悪いと、捨てられている。このた
め、クルドもあまり米国協力に積極的ではない。これではイラクの
攻撃は十分にできない。イラクを攻撃できる体制をどう作るかが、
今後のイラク攻撃のカギになる。

サウジには在サウジ米軍がいるが1万人以下程度で、かつサウジに
反米的な匂いがするし、そこからの攻撃は禁止になるでしょうね。
このため、クエートしか本当の親米政権がないために、その基地し
か使えないはず。地上軍はそこから進撃となるでしょうね。しかし
、このクエートはアラビア海の奥地にあるため、イランからの艦艇
攻撃になった場合は米軍も相当の被害が出る。よって、戦術の明確
化がされていない現実がある。そこを評論家は見ていない。

それに引き換え、北朝鮮攻撃は、すぐにできる。4万人の在韓米軍
がいる。そして、すでに米軍の家族は日本に待避させている。在韓
米軍の戦力の80%は韓国人になっている。韓国軍50万人も使え
る。その後方、日本には第7艦隊や沖縄の海兵隊が待機している。

このような状況を考えると、米国として今すぐに戦争可能なのは第
2次朝鮮戦争なのです。残念ながら。日本は、戦争による経済の回
復はなく、経済活動のため平和の選択しかないのです。北朝鮮との
戦争になれば、在日朝鮮の人と、北朝鮮工作兵がテロ活動するため
、日本・韓国の経済は大混乱になるのは明確ですから、やらない方
がいいのです。しかし、米国は戦争する必要があり、かつ北朝鮮攻
撃の方がイラク攻撃より、体制的にやりやすいのです。
米国が韓国経済を助けた理由も、だんだん明確化してきている。
それは、戦争になったとき、韓国軍を使うためだったのでしょうね。

米国経済は、年初めには復活すると、言っているが多くの世界の経
済評論家は、疑問符を付けている。日本経済は、まだマイナス成長
と言っている。さあ、どうなりますか???
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■「悪の枢軸」発言 欧州に戸惑いと反発
EU外相理で意見調整へ 対話外交損なう懸念

http://www.sankei.co.jp/paper/today/internat/07int001.htm

 【ブリュッセル6日=藤本欣也】ブッシュ米大統領のイラン、イ
ラク、北朝鮮に対する「悪の枢軸」発言をめぐり、欧州の同盟国で
とまどいと反発が広がっている。昨年来、これら国家との対話路線
を進めてきた欧州連合(EU)外交の否定につながりかねず、親米色
の強かったイタリアまでも米国と距離を置き始めた。八日のEU外
相理事会で緊急に意見調整される見通しだ。

 EUの現議長国であるスペインのピケ外相は五日、「EUは米政
府の意見を尊重するが、われわれはイランの改革路線などを支援す
ることも重要であると考える」と米国を牽制。フランスのベドリヌ
外相も六日、地元ラジオとのインタビューで「米国は今日、すべて
の問題を『対テロ戦争』の一語で片付けている。こうした単純で一
方的な米国の世界観は到底容認できず、世界にとって新たな脅威だ
」と厳しい調子で非難した。

 イタリアのマルティノ国防相は「テロを支援した明白な証拠がな
い限り、イタリアはアフガニスタン以外への軍事行動の拡大に反対
する」と明言した。

 昨年の米中枢同時テロで集団的自衛権を発動した北大西洋条約機
構(NATO)のロバートソン事務総長も、「NATOが軍事行動で
米国と協調できるのは、同時テロに関係するものが対象だ」と慎重
姿勢を示した。

 ブッシュ大統領は一般教書演説の中で「悪の枢軸」への武力攻撃
に直接言及したわけではない。しかし、アフガニスタンでの軍事作
戦の勝利以後、米欧間の結束はほころび始めており、拘束中のテロ
組織アルカーイダの構成員らに対する人権問題などで高まっていた
欧州側の不信と不満が「悪の枢軸」発言を機に吹き出た格好となっ
た。

 特にEUがブッシュ発言を警戒するのは、従来のEU外交路線と
相反する戦略概念を含んでいるためだ。EUは現在、対話継続こそ
が結果的に大量破壊兵器の入手防止などにつながるとして、イラン
や北朝鮮への積極関与策を推進している。

 北朝鮮に対してはEU訪朝団を昨年五月に派遣、北朝鮮側に
二〇〇三年までのミサイル発射凍結を約束させた。また、イランと
は通商協力協定の締結に向けた交渉を続けている。イラクも、高官
協議の開催をEU側に要請している。EU側には米国の強硬姿勢が
EUの外交成果を損なうのではとの懸念が強い。
         ◇
≪米国「一国主義」 国内では根強い支持≫
 ブッシュ米大統領が一般教書でイラク、イラン、北朝鮮を「悪の
枢軸」と名付け、軍事行動さえ辞さない姿勢を示したことに対し、
米国の傲慢(ごうまん)さの象徴として再び「一国主義(ユニラテラリ
ズム)」批判が欧州などで強まっているが、米中枢同時テロで反テロ
戦への決意を固める米国では、同盟国にさえ評判悪い一国主義を「
米国の自由を確保する手段だ」として支持する声の方がむしろ根強
い。

 「ユニラテラリズム」はブッシュ政権誕生とともに登場した外交
・政治用語だ。京都議定書や弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約
からの一方的離脱などがその典型的ケースとされるが、要するに「
一方的な」あるいは「片務的な」行動を示している。その身勝手さ
を強調するため「単独行動主義」と批判的に訳すこともできるが、
米伝統外交である「アメリカ第一主義」の流れを考慮すれば「一国
主義」がより実態を表現している。

 この一国主義がブッシュ政権とともに強まったのは実は冷戦終了
に深くかかわっている。もともとモンロー主義や孤立主義といった
国際不干渉を信奉する米国では第二次大戦後、ソ連と対峙する中で
東西対決に巻き込まれざるを得なかったことに強い不満を抱く知識
人が多かった。北大西洋条約機構(NATO)についても、あくまで
対抗上つくったものとの認識が根底にある。

 だが、冷戦崩壊でその箍(たが)が緩み、米国一極化が明確になる
につれてブッシュ政権の一国主義もあらわになった。例えば京都議
定書離脱を米国は「自らの利益にならない協約に束縛されない」と
説明したが、国際関係への妥協が米国の自由を束縛しているという
伝統的思考に根ざしている。

 また、アフガニスタンでの軍事行動も国連決議に基づかず、NA
TOさえ無視した格好でスタートしたことに仏国際関係研究所のモ
アシ副所長は「かつてドゴール(仏大統領)が(NATOに)ノーとい
ったが、今はラムズフェルド(米国防長官)だ。創設者が信用しない
NATOはこの先どうなるのか」と一国主義に対する不安を説明し
た。

 もちろん反テロ連合形成の過程で米国が冷戦時代のような国際協
調に戻ったとする見方も出たが、「米国は反テロ連合を政策遂行上
の道具としかみていないのに対し、他の参加者は米国に影響を与え
るメカニズムとみなした。米国はそうした束縛を恐れた」(ミラー・
ハーバード大教授)と考えられ、実際に、米国は同時テロ後、ロシア
との急接近にもかかわらずロシアが強く反対するABM離脱を宣言
している。

 こうした一国主義的傾向への不安をさらに刺激したのが「悪の枢
軸」発言だったわけだ。中露に加え欧州諸国からも反発の声が出た
のは当然だ。

 だが、米国ではこの発言で政権への国民の支持率が上昇し、保守
層を中心にした知識人の支持も高い。

 ワシントン・ポスト紙がホワイトハウスでの戦争への決断経緯を
ドキュメント風に再現した際、国家安全保障会議で反テロ連合結成
を急ぐことを決定した直後にブッシュ大統領が次のように発言した
と紹介している。

 「米国は最終的には一人で戦う覚悟が必要だ」。反テロ戦争にか
ける米国の強い決意とともに一国主義への信奉をも見事に表してい
る。(ワシントン 前田徹)
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中国ジワリ軟化「ABM」「台湾」抗議抑制や配慮
米の抑止・均衡策奏功

【ワシントン7日=古森義久】米国のブッシュ大統領の二月二十一日
からの訪中を間近に控えて米中関係の重要な変化が明白となってき
た。中国が米国に対し、安全保障の一連の懸案をめぐって軟化した
姿勢をとり始めたからだ。米側ではこの中国の軟化が基本的な政策
変更の反映か、それとも一時の戦術かを見極めようとしているが、
いずれにせよ、ブッシュ政権の「抑止と均衡」の強固な政策が中国
のこの変化をもたらしたとの見方が強い。

 米国側の対中政策関係者たちは一月から二月にかけて明白となっ
た中国の対米姿勢の軟化として、(1)米国の弾道弾迎撃ミサイル(A
BM)制限条約からの離脱やミサイル防衛の推進にも、中国は従来の
声高な抗議を抑制するようになった(2)米国のテロ撲滅作戦での中
央アジア諸国との連帯に対し、中国は穏健な協調姿勢を保っている
(3)米中が対立する台湾問題に関連して、中国当局は台湾の独立主
唱の民進党に接触を呼びかけるようになった(4)中国は「一つの中
国」への背信者として非難してきた台湾の呂秀蓮副総統が中南米訪
問の途次、米国に立ち寄り、政府関係者らと会ったことにもほとん
ど抗議しなかった(5)米国製の江沢民国家主席の専用機に盗聴装置
がすえつけられていたことが判明したが、中国当局は米側に強い抗
議をまったくせず、国内の報道も管制した−ことなどを指摘してい
る。

 とくに台湾問題に対する中国の最近の軟化は数カ月前までと比べ
ると重大な変化をみせ、米国との対決を避けるという配慮があらわ
だとされる。

 中国のこうした軟化は昨年九月十一日の同時テロ以後の米国のテ
ロ撲滅作戦に応じた対応だとする見方がある一方、米側の関係者の
多くは中国側指導者が昨年夏ごろから「中国は米国の東アジアの軍
事プレゼンス(駐留)に反対しない」というメッセージを発するよう
になったことを指摘して、テロだけが要因だとする見解を否定して
いる。

 米側関係者は最近の中国の対米軟化がクリントン政権時代の「米
中戦略パートナー」の時期よりもソフトな面をみせ、米国との関係
の緊迫や米中関係の雰囲気の悪化を避けようとする意図が明白だと
している。だが、中国の対米関係改善の意図が今後の長期の対外政
策の軟化に向けての変更なのか、それとも米国との衝突を当面は避
けるための一時の戦術なのかの断定はまだ難しいという。

 前クリントン、現ブッシュ両政権で国家情報会議の東アジア担当
官を務めた中国問題専門家のロバート・サター・ジョージタウン大
学教授は「中国の対米軟化が長期か短期かは別にしても、その変化
をもたらした要因は対テロ行動以後の国際情勢などよりも、まず第
一にブッシュ政権の力の行使を辞さない『抑止と均衡』の政策だろ
う」とする見解を語った。


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