801−2.資本主義の行方



資本主義の行方について、検討しよう。   Fより

「小室直樹の資本主義原論」と船井幸雄「断末魔の資本主義」の観
点から、この問題を見ることが必要である。

小室先生の論点は、インターネットが発達すると完全競争市場にな
る。このため、資本主義が本当に実現する。この時、淘汰の時代が
くる。いつも新しい商品を出すことをしないと、同一商品は、どん
どん競争者が増えて、値下げをせざると得ない。
そして、その経済を規制や法律で縛ろうとしてもムリである。

船井先生の論点は、資本主義は人の欲(エゴ)で動いている。お金
を儲けるということ、億万長者になりたいという欲望によって、動
いている。それと、会社はいつも、MORE AND MOREの
原則がある。増収増益を続ける必要があるのです。しかし、世の中
のすべての会社がそうなるはずがないため、どこかで限界がある。

お金の原理は、集中する方向にある。資本が集中する。これは貧富
の差が広がる。中産階級の没落として、米国やアルゼンチンでは、
現実的になっている。ケインズ経済学も通用しない。ケインズが
通用するのは、社会全体の経済規模が大きくない時には政府の公共
投資は大きいために有効であるが、経済規模が大きくかつ、知的労
働が大きな比重を占めているときには、有効化させるためには、そ
の国家投資を大きくしないといけないために、国家の税収が続かな
いことになる。続けると国家の財政破綻になる。これは1970年
代の米国の不況で明らかになる。2001年には日本も同じ状況に
なるのです。米国の失敗を日本もすることになったのです。

このため、1981年レーガン大統領が「小さい政府」と標榜して
、財政支出の削減、民間投資優遇、規制緩和、マネーサプライの4
つ施策を打つのです。経済再建プログラムです。1999年にクリ
ントン大統領が産業支援政策と金融政策を打ち、米国は立ち直るの
です。金融政策とは金利を高くして、主に日本から資金を米国に投
資させて、株高にして米国の産業を立ち上げることであった。

それと、インターネットの普及により、純粋な競争市場が構築され
、企業淘汰が激しくなった。世界的な競争になっている。こうなる
と、価格的に安く出来る中国が断然有利になっている。このため、
日本経済がおかしくなった。

それと、米国の政策の反動が来ている。日本の金利と米国の金利は
ほとんど同じ、かつ日本の円が大幅に安い。そして、日本の銀行が
苦しい。
こうなると、米国に投資した資金の回収になるため、資金が米国か
ら逃げることになる。この資金の埋め合わせとして、再度米国は、
政府が資金を市場に出す必要があるのです。

それと、これ以上日本経済がおかしくなると、日本資金の回収が
本格化するため、それを阻止せざるを得ない。このように米国の経
済と日本の経済のどちらもおかしいことになるのです。2大経済圏
がおかしくなると、これは資本主義の崩壊が起きる可能性があると
思う。

次の経済はどうあるべきなのであろうか??
船井さんは、キューバのような有機農業を主体とした自給自足経済
がいいと言っている。私も、ある程度エゴを抑えた社会制約がある
ことは必要であろうと思う。資本の制約がある資本主義でかつ、
貧富の差を抑える必要がある。結果の平等(セーフティ・ネット)
もある程度必要であろう。企業のデリバティブのような簿外取引は
おかしい。これには制約が必要であるが、無用な無意味な規制は止
めるべきである。特に一部の既得権利者が得をするものは、国民平
等の観点からもおかしい。自由化するべきである。機会の平等は
最大限確保するべきである。

しかし、相続税の軽減化は企業存続の例外事項以外には認めるべき
ではない。規制緩和も個々の議論で論じる必要にあるのであろう。
倫理観の崩壊が起こっているため、企業犯罪に対しても厳罰で臨む
必要があると思う。簿外取引は論外である。デリバティブ取引を規
制するか、帳簿上に記載して、会社の危険度を明確化する必要があ
る。

また、東証の個人投資家に情報を提供する機会の均等化に反対した
証券会社も、おかしい。資本主義には機会の平等化がないかぎり、
個人株主は損をする可能性が大きい。このような不平等はおかしい。
証券会社のエゴはどうしようもない。一般投資家も怒れ!!!
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国債と減税について M   2002/02/03 22:23 
   
 初めまして、ここのサイトは本当に勉強になります、毎日みてお
ります。
ところで一つ質問をしたいのですが、なぜ日本は景気対策として減
税をする代わりに国債を発行するのでしょうか。アメリカなどは
10年で1兆ドルの減税を行うというし、中国も減税を中心とした
経済政策らしいのですが… 
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(Fのコメント)
日本も減税を今までしてきている。年収450万円以下の4人家族
の場合、所得税は0である。この減税が10年程度続いているため
減税ということにならなくなっている。常態化している。
日本は経済政策が失敗である。そして、この失敗は1970年代の
米国を研究していれば、分かる事であったのです。


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