791−2.不況の意見(山岡)



件名:不況の実態  
知人の親の葬儀で八戸という町にいってきました。
朝、早起きをして、漁港や市場などを見学。こんな所でも不況は深
刻で、置きっぱなしの廃船がいたる所にありました。東南アジアに
二束三文で売られていくのだそうです。一度の遠洋航海に出ると
数千万の赤字になるので,廃業する船主が続出、惨憺たる状況だそ
うです。かつては家庭の主婦まで総出で海の幸を全国に配送してい
た町も、今では出稼ぎを考えるまでに落ち込み、都会に仕事を求め
るのですが、なかなか仕事先が見つからないということでした。
地方に行くと不況の実態が直接肌に感じられます。それにしても
日本人は忍耐強い民族であるな、と自分を含めてそう思います。

木枯しや秋刀魚に残る海の色  芥川龍之介
☆ ホームページ    http://www.fitness.ne.jp/      ☆
Kenzo Yamaoka
==============================
件名:「円が日本を見棄てる」  
友人から話題の新刊書の紹介があった。
キャピタル・フライト 「円が日本を見棄てる」 ー実業之日本社
1600円 著者は、木村 剛 (日銀OB)
ーー迫り来る日本経済 最悪のシナリオーー
その話から、話題は オカネ の話になり、K くんから1兆円 とい
う額が どれほどの額か、想像もつかないでしょうが、1日、百万円
ずつ毎日使って、1兆円使い切るのに何年かかると思うか?
ーーとても想像もつかない。
結論を先に言うと 「神武天皇が 現在まで生きていたとしても、ま
だ使いきれていない。 それだけ 莫大な額である」
ーー冷静に計算してみると、
1兆円は、百万(円)X百万(日)
百万日÷365日=2739年 かかる計算になる。
紀元2600年が、昭和15年 (1940年) であるから、今年は、 
紀元2662年ですから、神武天皇さま まだまだお金が だいぶ残って
おります、ということ。
次に、日本国民の金融資産、1400兆円と言われているが、
国民ひとりあたり 平均すると、いくらか?
これも、すぐには出て来ない。
ーー平均資産、ひとり当たり 約1000万円。
これは、赤ちゃんから、寝たきり老人までの 平均値であり、実際は
、8割がた 60才以上の老人が持っているそうです。
日本の老人は、投資にも 消費にも消極的であるため、1400兆円
という 膨大な資金の大部分が眠ってしまっている。
従って、消費拡大、、、景気回復、、、のシナリオが進まない。
例えば、この資産を当て込んで 日本上陸を図った「メリルリンチ」
などは、日本人の投資意欲の無さが ようやく分かり、 早くも店舗
縮小・撤退が始まっている。
ーー景気回復の道 遠し、、、、、といったところでしょうか。
☆ ホームページ    http://www.fitness.ne.jp/      ☆
Kenzo Yamaoka
==============================
件名:不況ではなく普況  
さて、迫り来る日本経済の最悪のシナリオですが、
少し古い話ですが、アメリカのコロンビア大学の教授の話をします。
「日本は失業率も5%台、経済成長率もゼロ成長である。しかし、
社会にバイタリティーがあるし、勤勉な人が多く、国際競争力もあ
る。教育水準も高い、企業家は新事業をやろうと一生懸命だ。確か
に課題も多く、改革も必要だろうが、日本は沈没するような国では
ない。日本で1番危険なのは危機の話が強すぎることだ」この最後
の言葉が同感なのです。日本の識者やマスコミの1部に最悪の状態
を誇張するきらいがあると思っています。
例えば、最近、マスコミは日本の失業率を「過去最悪」と表現して
います。これは表現がおかしいと思います。正しくは「過去最高」
です。
日本の拡大成長期の「完全雇用時代」「働かざるもの食うべからず
」の時代と現在の成熟経済時代と失業率は単純比較は出来ません。
500兆円の大規模経済の成熟安定期における「ゼロ成長」は不況
ではありません。「普況」です。
今年度はマイナス見込みですからやや心配な状況です。
経済的に恵まれない弱者も日本にはいますからこういう持論を述べ
る政治家や経済学者は嫌われますので余りいません。
☆ ホームページ    http://www.fitness.ne.jp/      ☆
Kenzo Yamaoka


コラム目次に戻る
トップページに戻る