786−2.中東問題について



秋好です。
 
 アフガン復興会議が東京で開かれたので、中東問題について
諸兄の意見を伺いたい、と思います。 雷鳴轟く1月21日,夕---
 
 ♪:まず、日本政府の中東外交。
 多くの石油を中東から輸入しているので、「中東の米英:石油利
権を守る」ことで、米英に協調する。従って、イラクのクエート侵
攻では、カネも掃海隊も出したのは当然のことでした。 
 
 ♪:イラク対策---アラビア問題。
 フセインを征伐できなかったので、イラクを経済封鎖して、その
見張り役の軍隊をアラビアに駐留させている米国は正しいだろうか?
 1.20付:780-1号で、「毎日やWポストなどが反米のアブドラ皇太
子が王国の実権を握り、米軍駐留が難しくなっている」とのこと。
 米議会の軍事委員長が撤退させる、と言ったとか。
 
 私は撤退すべき、だと思う。
 「独裁王制を否認すべき」人権外交の米国はアラビアなどに居る
べきではないからだ。イラクを射程距離においておかなければなら
ないのなら、トルコがあるではないか、と思うのだが。
 「クエートから遠い」というのであれば、ペルシャ湾に空母をは
りつけておけばいい。陸上基地より、経費がかかるが---。
 
 ♪:アフガン対策---和平外交第2段
 カンボジア和平で成果を挙げた日本外交の第2段が、アフガン復
興である。
 だから、復興支援会議を東京に誘致したのだ---
  「ロシアが侵攻し、アメリカが見捨てた」といわれるアフガン
なら、米パウエル外相も呼んで、わがライオン首相が主催するのは
米露に次ぐ第3の大国のように見えて、気分がいい。
 
 ♪:復興援助---諸国の提示額(初年度)
 まず、主催国の我が国:2.5 億ドル
 つぎに米国:     2.96
 欧州連合:      5.0
 アラビア王国:    0.7
 ---以上の4ヵ国が復興会議の共同議長国。
 それにしてもアラビアのなんとケチなことよ!
 同じイスラムであり、最寄であり、「25歳の王子が3億ドルで
宮殿を建てたり」しているのに---こんな、サウド家独裁の腐敗王制
だから、米軍は引き揚げるべきだ、と考えるのですが。
 もし、ファハドなり、アブドラなりがアラブ・イスラムの盟主た
らん、とするなら、30億出してもいいはず---要するに、アラビアと
いう国はサウド一族が私腹を肥やしているだけなのだ。
 そんな同族に愛想をつかしてウサマ・ビンラデンは出奔して、
パレスチナ独立戦争に身を投じたのだろうか。
 
 ♪:パレスチナ問題---エジプトの獅子
 英帝国主義から祖国エジプトを独立させたナセルもライオンと、
 呼ばれ、アラブ世界を熱狂させた---その戦略は明快だった。
  1.民族自決
  2.社会主義
  3.アラブの団結
 ---を唱えて、アラブの盟主に見えた。 しかし、「団結して」
イスラエルと何度も戦ったが、その度に負けた!
 団結より国益、国益より一族の私益が優先するアラブは数億いて
も、1千万に満たないユダヤ人に勝てないのだ。
 
 ♪:無知なる驕り---神州思想のままに!
  泰、台、韓などの東亜諸国が経済と社会とを自由化できたのに
、エジプト,イラン,アラビアなどの中東諸国が自由化できないのは
、前記の独裁や腐敗だけではなく、「アラブ人は偉大なイスラム文
明の継承者なのだ」といい、「東亜はアメリカの安っぽいコピーに
過ぎない」という、中華思想か神州思想まがいの驕りがあるからだ
ろう。
  同じイスラム教でも、インドネシア、バングラ、パキスタンな
どは独裁もなく、自由化に向かっているのに。
 ---結局、彼らはイスラムの名において、「自由化はアメリカ化だ
」とし、「グローバリズムは資本主義化だ」といい、中世的な旧体
制にしがみ付いているのではないか---実際には、宗教など関係なく
独裁の維持に汲々としているから、分裂したままで、小国イスラエ
ル にやられっ放しなのではないか?
  真に「偉大なイスラム」なら、新サラセン帝国:アラブ連邦を
結成して、イスラエルを地中海に追い落としているはずではないの
か?
 
 ♪:無益な自爆テロ---アフリカにも遅れる
  ユダヤ人が独立するため、駐留英軍にテロをしかけたし、アイ
ルランド人も独立のため反英テロを続けている。アルジェリア人も
反仏テロから解放戦争へ突き進んで行った。 ベトナム人も---。
  しかし、パレスチナ人はテロが昂じて自爆テロに陥っただけで
、解放戦争に発展しないのは何故だろう?
  しまいには、イスラエルを支援する「アメリカ憎し」で、航空
テロだ!それも、同時多発だったが、継続性も発展性もなく、匿っ
てくれたアフガン人を空爆にさらしただけ!しかも、狂気の特攻を
命じたウマサやオマールなどの首領株は遁走する始末---。
  この調子では、自由化、グローバル化で、アフリカ諸国にも後
れを見せることになるだろう。 
  
  エジプトのムスリム同胞団
  パレスチナのハマス
  レバノンのヒズボラなど
 ---彼ら、アラブ極左には未来はあるだろうか? カンボジアのポ
ルポトのように、国家社会主義労働者党(ナチス)のように、アフ
ガンの神学党(タリバーン)のように、自由陣営(グローバリズム
)から駆逐されるのではないだろうか? 
 
神といひ 仏といふも 世の中の
 人のこころの 他のものかは  ----と、源の実朝は歌っている。
  若者にアッラー神を拝ませて、自爆させているような指導者た
ちでは、とても、未来があるとは思えないが、どうだろうか?
                       1月21日 秋好
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(Fのコメント)
秋好さんの意見は反イスラム、親米に寄っているように思います。
しかし、事実はイスラエルの力の前にアラブ諸国は何もできないで
いる。このため、民衆の不満が爆発する可能性が出てきたようです
ね。特にサウジが危ないと思うが。
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01/25 16:12 沈黙続けるアラブ諸国 パレスチナ危機に無力感  

 【カイロ25日共同】イスラエルとパレスチナ過激派との間で報
復合戦が続く中、アラブ諸国が危機から目をそらすかのように沈黙
を続けている。三月末にはレバノンでアラブ首脳会議が予定されて
いるが、パレスチナ自治政府の危機をアラブの手で打開しようとい
う気概はまったくと言っていいほどない。           
 米国訪問中のカタールのハマド外相は二十四日、ワシントンでチ
ェイニー副大統領と会談後、記者団に「アラブ諸国にはパレスチナ
を助ける力がない。米国に介入を請うほかない。残念だがこれは事
実だ」と発言した。                     
 同日のカタールの衛星テレビ、アルジャジーラは「なぜアラブは
沈黙するのか」とのテーマでインタビュー番組を放映した。   
 サウジアラビアの開明派王族とされるタラル・ビンアブドルアジ
ズ王子は「イスラエル軍によるアラファト(パレスチナ自治政府議
長)の事実上の軟禁はアラブへの侮辱ではないか」との問いに、「
アラブが何も言えないのは恥ずかしいが、強い国が勝つ。イスラエ
ルには全アラブが束になっても勝てない」と回答。アラブ首脳会議
については「従来と同じ。何も変えられないだろう」と投げやりと
もとれる姿勢に終始した。                  
 二十三日にはパレスチナ自治区ガザで、アラブ諸国政府の沈黙に
抗議して、住民がアラブ指導者たちの「模擬葬儀」を出そうとする
動きがあった。アラファト議長はこれを阻止したが、住民には「米
国とイスラエルのしもべとして生きたアラブ指導者たちの死亡宣告
」が配られたという。                    
 孤立するアラファト議長は二十三日、イラクのフセイン大統領に
メッセージを送った。国営イラク通信によると「イスラエルによる
パレスチナ人民への野蛮極まりない圧制を止めるため、介入を要請
する」との内容だったという。                
(了)  020125 1611              


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