780−1. イスラムとの対決近し



いやーな雰囲気を感じる。イスラエルとパレスチナの関係が悪化し
て、この悪化でサウジアラビアが米国との関係見直しを言い始めた。
                    Fより

イスラム社会と非イスラム社会との軋轢が、徐々に明確化してきて
いる。この状況は、イスラムオンラインやアラブニュースを見ると
明確である。パレスチナ問題はイスラム社会では、イスラエルが
パレスチナ民衆を圧迫しているために起こると見ている。このイス
ラエルを支援する米国に対しても、イスラム社会では悪者との印象
が出てきている。

そして、この雰囲気を冗長させるように、ラマラにイスラエル軍は
侵攻し、アラファット議長を包囲し、かつ放送局を爆破するという
無謀を行う。その結果がまた自爆テロを引き起こすことになる。
暴力の連鎖が起きている。このコラムでは昔からパレスチナとイス
ラエルを完全分離して、国境を閉鎖するべきであると言っているが
、イスラエルのシャロン首相は、あくまでもパレスチナを手放さな
いようだ。米国もイスラエルの行動を支持している。

そうすると、イスラムの盟主サウジアラビアは米国離れを起こすこ
とになる。ワハーフ派というイスラム原理主義が国是であるから、
イスラエルの無謀は、サウジ国内のイスラム教徒を怒らせ、国王が
イスラエルの支持する米国の味方であると、怒りが国王に向く可能
性がある。すでにアフガン紛争でも米国支持のファハド国王とスル
タン国防相は危険な状態になり、サウジ国内に居られなかった。

反米のアブドラ皇太子がサウジの実権を握った。
そして、在サウジ米軍撤退要求が出てきている。この真の原因は、
オスロ宣言の破産、中東和平の破産によるのです。無間地獄にイス
ラエルは進行し始めた。この進行を止められるのは米国しかない。

しかし、その米国は戦争による景気の回復を目指しているために、
そのイスラエルを止めようとしない。イラクとイランは同盟関係に
なっている。サウジもイランやイラクと連携を取る可能性がある。
中国もイランやヨルダンやサウジと協議している。裏には中国が
いつもいる。そして、その中国の江沢民専用機に盗聴用マイクをし
かけたことを暴露する。米国は黒幕の中国をけし掛けている。戦争
になる方向に持っていくことを願っているとしか思えない。本当に
非常にいやな感じになってきている。

何かが、中東で起こる。それも、近々のような気がするが。アラブ
諸国内での協議が頻繁に行われているのです。勿論、イラクをも含
めてですよ。
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アメリカの次に興隆する文明は 一言居士   
私が思うには、ローマ文明とペルシャ文明の間にあり、歴史上それ
まで大きな活躍をしていなかった。アラブ人がイスラームともに登
場しペルシャ帝国を滅ぼし、ローマ帝国の旧領をほとんど手に入れ
た例や、大陸のはずれのやせた土地しかもっていなくて、馬鹿にさ
れていたヨーロッパ人が世界のほとんどを占領したことを考えると。

長期的に見ればアメリカの栄華もいつかは終わり、これまで注目さ
れていなかった地域に新たな文明が起こると思うのだが。
 中国、イスラーム世界、インド世界といった。古くからの文明で
はなく、全く別の所から生じる可能性もあるのではないだろうか。

 話が変わるが、グローバリズム対ムスリムという構図を持ち出す
人もいるが、そうなのか。近年のイスラーム主義の高まりは、情報
の伝達が容易になったことに象徴されるグローバリズムによるので
はないか。
 イスラームは、かつてなかったほど、急速に拡大している。これ
は、テレビ・ラジオ・インターネットといったものに支えられてい
るのではないか。かつて、鉄道の発達がメッカに巡礼する人の数を
莫大に増やした時期もあった、グローバリズムにこういう側面があ
ることは見逃してはいけないと思う。
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サウジアラビア:駐留米軍撤退問題、表面化の可能性
[毎日新聞1月19日] 
【ワシントン布施広】
18日付のワシントン・ポスト紙が、複数の関係筋の話を基に、サ
ウジアラビアが近く駐留米軍の撤退を求める可能性が強いと報じた
のに対し、フライシャー米大統領報道官は同日、サウジ側に撤退を
求める動きはないと語った。しかし米・サウジ関係は悪化の一途を
たどっており、米軍撤退問題が今後、表面化する可能性は捨て切れ
ない。
同紙によると、サウジではファハド国王の後継者となるアブドラ皇
太子を中心に米軍撤退要求が強まっている。その背景には、米国に
よるイラク封じ込めへの反発や、パレスチナ問題への米国の対応の
不満があるようだ。サウジのサウド外相は昨年11月、米紙を通し
て、アラファト・パレスチナ自治政府議長に会おうとしないブッシ
ュ大統領を批判した。
一方、米議会にはアフガニスタン攻撃への基地提供を渋ったサウジ
への反発が強く、レビン上院軍事委員長は最近、サウジ駐留米軍を
撤収させるべきだと主張した。アフガンのタリバン政権下での「女
性抑圧」を非難してきた米国は、サウジが極めて保守的なイスラム
的規制を敷いていることにも反発している。
だが、サウジのプリンス・スルタン空軍基地は、中東での米軍の拠
点であり、米軍のサウジ撤退は、今後のイラク攻撃のシナリオにも
影響する。サウジが米軍撤退を求める動きを見せたとすれば、アフ
ガン後のイラク攻撃をちらつかせる米国へのけん制という意味合い
が濃厚だ。
91年の湾岸戦争中、イラクは「イスラムの聖地を米軍が占領して
いる」として、米軍駐留を許すサウジを批判。聖地のメッカとメジ
ナを擁するサウジは、対応に窮した経緯がある。親米のファハド国
王に対し、国政の実権を握るアブドラ皇太子は「民族派」とされる
だけに、皇太子の力が強まるにつれて、米軍撤退を求める動きがサ
ウジ国内で強まる可能性もある。 
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米、サウジとの関係良好を強調
 米政府がサウジアラビアとの関係悪化説の打ち消しに躍起になっ
ている。サウジが同国からの米軍撤退を近く要請する可能性がある
との米紙報道に、米高官は18日、相次いで両国関係は良好と強調。
対サウジ関係の行方は中東全域の安全保障に大きく影響するだけに
、神経をとがらせている。 
 同日付のワシントン・ポスト紙によると、複数のサウジ高官が湾
岸戦争以来の米軍駐留に国内で不満が高まっていると指摘。アフガ
ニスタンでの軍事作戦に区切りがついた段階で、米国との軍事協力
のあり方を再考する必要があるとの認識を示した。フランクス中東
軍司令官は同日の記者会見で「そのような提案を受けたことはない
。サウジは対テロ作戦でも必要な支援を提供してくれている」と表
明。AP通信によると、ネパール訪問中のパウエル国務長官も「サ
ウジ高官とそんな協議をしたことはなく、報道に注意を払うつもり
はない」と一蹴した。(ワシントン=池内新太郎) 
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サウジが米軍撤退要求も イラク攻撃に支障と米困惑

 【ワシントン18日共同】十八日付米紙ワシントン・ポストは、
複数のサウジアラビア政府筋の話として、同国が湾岸戦争以来、約
十年駐留を続けている米軍に対し、近い時期に撤退を要求する可能
性が高いと報じた。                     
 サウジ側は撤退を求める理由について「安全保障上の必要性が薄
れた」(政府当局者)としているが、米国にとってサウジの空軍基
地を失うことは、「対テロ戦争」の一環として可能性が取りざたさ
れている対イラク軍事攻撃に重大な支障をきたすことを意味するだ
けに、米国防関係者の間では不満が高まっている。米国はテロとの
戦いでサウジ政府の協力姿勢に疑問を抱いており、両国の関係悪化
が表面化する可能性もありそうだ。              
 同紙によると、サウジで「米軍不要論」を主導しているのは、親
米のファハド国王に代わり国政の実権を握るアブドラ皇太子。  
 米軍撤退を求める理由について、サウジ側は(1)もはや米国の
軍事力に頼る必要がなくなったことをアラブ世界にアピールしたい
(2)イラクはサウジにとって脅威ではなく、米国がイラクのフセ
イン政権封じ込めを続けることに同意できない(3)ウサマ・ビン
ラディン氏に共感し、反米感情を強める一方のイスラム諸国やサウ
ジ国民の感情に配慮する必要がある―などを挙げている。    
 一方米国では、サウジ撤退は「イラク空爆に重大な支障をきたす
」(シンクタンク研究員)「米国の中東での安保政策を根本から見
直す必要に迫られる」(スローコム元国防次官)などと懸念の声が
高まっているが、サウジから撤退した場合の適当な代替地も見当た
らず、困惑しているのが実情のようだ。            
(了)  020118 1605              


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