767−2. 父祖の奮闘を想う



明けまして、おめでとうございます。
この壬午もよろしくお願いいたします。
 
 さて、F氏が「日本が行き詰まると、それを突破する力が出てく
る」と、759-2号にて、日本史を考察しておられた。全く同感で、
この日本列島を開拓して、世界が白人天国となった近代でも、有色
人種でただ独り、帝国を築いて白人列強に肩を並べた父祖の奮闘を
想う---
 
 帝国海軍が太平洋に沈んで、米軍に占領された時でも、主権を失
いながらも、GHQ左派から天皇制と靖国神社を守り抜いた。
 また、東西冷戦を察して、対ソ防衛を米軍の駐留に委ねて、反共
の姿勢を明らかにして米国を安心させて、早々に講和条約を結ぶ。
と、同時に安保条約も結んで、民族の力を殖産興業に集中させる。
 
 朝鮮戦争でも、「平和憲法に反するし、国民が承知しないから」
と、隣りに火がついているのに、公式には参戦せず、もっぱら特需
で稼ぐしぶとさ。GHQ右派に「掃海してくれ」と、頼まれれば、「国
民に内緒だぞ」と、掃海隊を派遣して、米軍の上陸を助ける柔軟性。
 
 そして、GHQ左派の理想論である反戦非武装の憲法はそのままに、
自衛隊を年々強化して、核ミサイルと空母、原潜などの戦略兵器は
米国に任せる現実的戦略を採り、空海陸の通常戦力は着々と拡充し
た。
 
 フランスが「核を持たなきゃ、独立国とは言えん」と、うそぶこ
うが、中国が日本の金で水爆を持ち、「そのうち日本なんて国はな
くなる」と、ほざこうが、馬の耳に念仏を決め込む。 
 
 石油危機に見舞われれば、ただちに省エネでこれに対処し、円高
になればコストダウンで対抗---常に改革を怠らず、遂にドイツやフ
ランスが束にならなければ、対抗できないほどの経済大国となって
しまった。
 その結果、日欧米の3大文明となった20世紀末であった。
 その証拠には、世界を主導する3本柱のひとつ:米欧日3極委員会
の1極に成っている。(他の2本は外交問題評議会とビルダバーグ会
議)
 
 無論、世界経済の血液である国際金融を主導するG7のNO.2であり
、ODAでも国民寿命でも世界一の平和大国でもある。
 政府の借金が巨額だろうが、銀行の貸し付けが不良だろうが、
所詮、それらは国内問題であり、失業率が5%を越えても、たかが
5%---まだ95%が働き蜂であり、1400兆円ほどの貯金がある!
 
 貯金がゼロに近く、従って消費の殆どをクレジットで賄っている
、GDPの75%が国民消費、という米国経済とは比べ物にならない健全さ。
 この膨大な貯金量に先進技術の開発力と、その生産管理能力と経
営革新力---。
 しかも、「この頃の若い者は---」男も女も欧米で、音楽にスポー
ツに大活躍だ。小学校で気違いが数人の子供を殺したり、風俗店の
火事で数十人が焼け死んだりしたが、小学生が学校で機関銃をぶっ
放し、毎年何万人も殺されている米国にくらべれば、天国のような
この社会。
 
 アフガンなどのように地雷が埋まっている訳でも、爆弾が落ちて
くる訳でもない。イギリスや中国のように、反政府独立派のテロ事
件もない。
 米国のように、イスラム過激派にテロを仕掛けられてもいない。
 フランスやパキスタンなどのように、使えもしない核兵器に巨大
な無駄ガネを使っているわけでもない。 
 ドイツのように、迂闊に難民や移民を入れて、社会不安の結果、
ネオナチなどの極右が勢力を伸ばしてもいない---なおなど、
北欧に較べれば、福祉などでまだまだの点もあるが、マスコミの
「大変だ、大変だ」の誇張に惑わされる事もないだろう。
 
 ---以上、元旦に思いつくまま書いてみたが、楽観的に過ぎるだろ
うか?
 Kenzo氏は「不況ではなく、普況なのだ」と、書いておられたが、
そのとうりではないだろうか? 
 この2月には米国の冬季五輪で、5月にはわが横浜を中心にワール
ドカップが開催され、若者たちが活躍---いまから、楽しみである。
  秋好 拝 


コラム目次に戻る
トップページに戻る