明けまして、おめでとうございます。 この壬午もよろしくお願いいたします。 さて、F氏が「日本が行き詰まると、それを突破する力が出てく る」と、759-2号にて、日本史を考察しておられた。全く同感で、 この日本列島を開拓して、世界が白人天国となった近代でも、有色 人種でただ独り、帝国を築いて白人列強に肩を並べた父祖の奮闘を 想う--- 帝国海軍が太平洋に沈んで、米軍に占領された時でも、主権を失 いながらも、GHQ左派から天皇制と靖国神社を守り抜いた。 また、東西冷戦を察して、対ソ防衛を米軍の駐留に委ねて、反共 の姿勢を明らかにして米国を安心させて、早々に講和条約を結ぶ。 と、同時に安保条約も結んで、民族の力を殖産興業に集中させる。 朝鮮戦争でも、「平和憲法に反するし、国民が承知しないから」 と、隣りに火がついているのに、公式には参戦せず、もっぱら特需 で稼ぐしぶとさ。GHQ右派に「掃海してくれ」と、頼まれれば、「国 民に内緒だぞ」と、掃海隊を派遣して、米軍の上陸を助ける柔軟性。 そして、GHQ左派の理想論である反戦非武装の憲法はそのままに、 自衛隊を年々強化して、核ミサイルと空母、原潜などの戦略兵器は 米国に任せる現実的戦略を採り、空海陸の通常戦力は着々と拡充し た。 フランスが「核を持たなきゃ、独立国とは言えん」と、うそぶこ うが、中国が日本の金で水爆を持ち、「そのうち日本なんて国はな くなる」と、ほざこうが、馬の耳に念仏を決め込む。 石油危機に見舞われれば、ただちに省エネでこれに対処し、円高 になればコストダウンで対抗---常に改革を怠らず、遂にドイツやフ ランスが束にならなければ、対抗できないほどの経済大国となって しまった。 その結果、日欧米の3大文明となった20世紀末であった。 その証拠には、世界を主導する3本柱のひとつ:米欧日3極委員会 の1極に成っている。(他の2本は外交問題評議会とビルダバーグ会 議) 無論、世界経済の血液である国際金融を主導するG7のNO.2であり 、ODAでも国民寿命でも世界一の平和大国でもある。 政府の借金が巨額だろうが、銀行の貸し付けが不良だろうが、 所詮、それらは国内問題であり、失業率が5%を越えても、たかが 5%---まだ95%が働き蜂であり、1400兆円ほどの貯金がある! 貯金がゼロに近く、従って消費の殆どをクレジットで賄っている 、GDPの75%が国民消費、という米国経済とは比べ物にならない健全さ。 この膨大な貯金量に先進技術の開発力と、その生産管理能力と経 営革新力---。 しかも、「この頃の若い者は---」男も女も欧米で、音楽にスポー ツに大活躍だ。小学校で気違いが数人の子供を殺したり、風俗店の 火事で数十人が焼け死んだりしたが、小学生が学校で機関銃をぶっ 放し、毎年何万人も殺されている米国にくらべれば、天国のような この社会。 アフガンなどのように地雷が埋まっている訳でも、爆弾が落ちて くる訳でもない。イギリスや中国のように、反政府独立派のテロ事 件もない。 米国のように、イスラム過激派にテロを仕掛けられてもいない。 フランスやパキスタンなどのように、使えもしない核兵器に巨大 な無駄ガネを使っているわけでもない。 ドイツのように、迂闊に難民や移民を入れて、社会不安の結果、 ネオナチなどの極右が勢力を伸ばしてもいない---なおなど、 北欧に較べれば、福祉などでまだまだの点もあるが、マスコミの 「大変だ、大変だ」の誇張に惑わされる事もないだろう。 ---以上、元旦に思いつくまま書いてみたが、楽観的に過ぎるだろ うか? Kenzo氏は「不況ではなく、普況なのだ」と、書いておられたが、 そのとうりではないだろうか? この2月には米国の冬季五輪で、5月にはわが横浜を中心にワール ドカップが開催され、若者たちが活躍---いまから、楽しみである。 秋好 拝