5973.2017年を振り返る



2017年初めに、予測したことを検証したいと思う。そして、
2017年に起きた出来事を見ようと思う。  津田より

p0431で見通した2017年予測を検証する
ことしも、いろいろなことがありました。世界的に格差が拡大して
その反動が出た年でしたし、世界的な金融緩和でバブル的な様相を
示した年でもありました。この中で、2017年予測として年初め
に述べたことがどれほど当たっているのが検証したい。

T:トランプ大統領は、アメリカ・ファーストにするためには
  1.トランプ氏を大統領にした製造業の従業員を助けるために
    製造業を復興することを目指し、雇用を作る。
  2.税金を安くして、米国企業を国内に戻すことと、海外企業
    の工場を誘致する。
  3.製造業の輸出のためにドル安にする。輸入には関税を掛け
    るか、貿易均衡化させるために、輸入した分を輸出させる
    取り決めの2国間FTAを結ぶ。
  4.もう1つが、インフラ投資と減税、規制緩和である。イン
    フラ投資には財政出動が必要であり、国債の増発になる。
    金利上昇とドル高になる。これは製造業の輸出を阻害する。

  中国に対しては、関税45%かスーパー301条のような強制
  的な貿易均衡を要求することになる。米ロ協調を行うとした。
  と予測しましたが、どうでしょうか?

F:中国へのスーパー301条は、北朝鮮問題があり、中国の協力
  が必要で、今のところ、貿易戦争は起きていない。ロシアゲー
  ト事件で、ロシアとの協力もできていない。あとは、トランプ
  大統領が公約した通りを行っていますね。議会を通らずに減税
  以外はまだできていないが、する方向でしょうね。

  中国は、貿易戦争にならず、一帯一路の政策で経済成長を持続
  させて、習近平独裁体制を強固にした。しかし、経済原則を無
  視した経済成長で、成長の限界にきている。今後が心配な様相
  になっている。

T:ロシアがトルコと組み、欧米抜きでシリア和平を実現した。ロ
  シアの中東支配が確立し始めている。そして、イスラエルは、
  レバノンのヒズボラを攻撃しているので、イスラエルはシーア
  派の敵である。ロシアはシーア派の味方。両者は敵同士である。
  いつかシーア派とスンニ派の戦いが起きるはず
  と予測しましたが、どうでしょうか?

F:これは、今年、米国がエルサレムをイスラエルの首都と承認し
  たことで、中東戦争が現実に近づいているように感じる。黙示
  録の世界に確実に向かっている。サウジの宮廷革命も気がかり
  な状況であり、中東紛争が起きても不思議ではない様な感じで
  ある。

  核戦争は、北朝鮮のICBM完成で米朝間でも現実問題化して
  いる。米国は先制攻撃も辞さない可能性が高い。来年は動乱の
  可能性がある。いやな感じの一年になりそうであるが、来年に
  起こらなくても、再来年に起こることになるかもしれない。
  黙示録的な世界に向かっていることだけは確かでしょうね。

T:2017年は無風である。自民党政権はびくともしない。小池
  新党が一番面白いことになる。自民党政権はいつかダメになる。
  2019年バーゼル3が発効すると、日本は苦しくなる。
  と予測しましたが、どうでしょうか?

F:これは予測通りですね。バーゼル3が完全合意しましたので、
  2019年完全適用が確定しました。このため、政府は増税す
  るしか方法がないことになっている。今年、このコラムでは、
  移民政策を早急に立案して、国民の理解を得ることが必要であ
  るとした。

  しかし、効果的な政策提案はなく、産業育成のための規制緩和
  もなく、金融緩和に頼った政策のみで、かつ規制緩和を悪用し
  たお友達優遇で、必要な規制緩和もできなくなってしまった。
  非常に悲しい状態に日本はなってしまったように感じる。

  2019年以降は景気後退が見通せる状態になっている。片岡
  日銀理事も、2019年には景気後退になると言っている。

  ここ数年、悲観論を述べてきたが、聞く耳を持たない安倍首相
  は、無策に終始した。安倍首相のお友達の評論家は、金融緩和
  だけで景気回復すると言っていたが、それでは将来の日本は持
  たないと述べてきたが、それが現実化する局面になってきた。

T:今後の話は、「2018年以降をを予測する」で検討したいの
  ですが、どうすればよいのですか?

F:移民を認めないなら、人口減少を前提とした日本の将来を描く
  必要がある。日本の再建には、選択と集中しかない。生産性を
  上げて、少ない人口で高生産性を維持できる産業に集中するし
  かないはず。

  若年層が少なく高齢者が増加して、負担が増して国民全体が貧
  しくなるので、平等に貧しくなることを考えることである。再
  分配策を再度構築することである。江戸の日本のような皆が貧
  しくても皆が楽しく暮らせる社会を築くことである。

  もしくは、先進国と国民の豊かさを維持するために移民政策を
  するかの選択を国民に提示するしかない。この場合は今の欧米
  に近い多民族国家になる。人口の10%程度を文化的に近い民
  族に移民してもらい、規則などは明文化した社会を作ることに
  することである。

  相撲の事件でも議論になった日本の風格になじまない横綱など
  という議論はダメで、明文化することである。

  どちらにしても。政権政党は、真摯に急速な人口減少の問題に
  取り組まないといけなくなる。

  今までの延長上には、日本の破綻があるのみだ。

  この議論は、「2018年以降をを予測する」で再度行いたい。


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