5957.米朝戦争前夜で衆議院選挙は無謀



米国の北朝鮮への包囲網が厳しくなっている。戦争前夜の状態にな
っている。この時期、戦争にならないような外交交渉が必要なのに
、河野外相は日本国内の自民党議員の応援や自分の選挙をしている
。これでよいのであろうか?   津田より

0.状況
北朝鮮の平壌付近や平安北道(ピョンアン・プクト)など3、4カ
所で、移動式発射台が格納庫から移動するといった様子を米偵察衛
星がとらえた。大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」か、
開発中とされるICBM「火星13」、中距離弾道ミサイル「火星
12」の可能性があるという。

これに対して、米軍の北朝鮮包囲網が厳しくなっている。米原子力
空母ロナルド・レーガンは日本海上で韓国軍との演習にあり、 米
最大級の原潜ミシガンも韓国南部の釜山(プサン)に入港。最新の
攻撃型原潜、ツーソンも韓国南部の鎮海(チネ)に入港している。

米戦略爆撃機B1は、最大量の兵器の搭載が可能で、北朝鮮約40
カ所を標的にした夜間ミサイル発射のシミュレーションが実施され
たと報じられている。

米空母セオドア・ルーズベルトも朝鮮半島へ急行している。という
ようにトランプ政権は、一層の圧力を北朝鮮に掛けて、ミサイル発
射を思いとどまらせようとしているが、一触即発の事態になってい
る。

その上に、北朝鮮危機に直面する米国のホワイトハウスで、混迷が
深まっている。ドナルド・トランプ大統領を支える側の共和党の重
鎮から、「(このままでは)われわれは第3次世界大戦に向かって
いく可能性がある」という発言が飛び出している。米国の外交政策
に強い影響力を持つ米上院外交委員会の委員長であり、与党・共和
党の上院議員であるボブ・コーカー氏の言葉だ。

トランプ大統領は、圧力一辺倒であり、それに対して、軍事衝突に
至らないようにするための外交努力を、国務長官のティラーソン氏
らが行っているが、その国務長官に対して、「時間の無駄である」
と述べている。

また、トランプ氏は10月11日、ホワイトハウスの記者団に、「私は
、北朝鮮への姿勢について、ほかの人たちとは少し違う態度をとっ
ている。私は皆の意見を聞くが、最後に重要なのは私の決断である
。」としている。非常に危険が状況にあることだけは確かだ。

小野寺防衛相も、アメリカのトランプ大統領が来月中旬に圧力の効
果を見極めた上で、「厳しい対応を取る可能性がある」と述べてい
るが、早まる可能性もある。

1.安全保障の基本
安全保障は戦争を回避して、平和的な交渉を目指していくことが重
要である。圧力を掛けながら交渉の窓口を開いて、平和的な交渉の
努力が求められている。

このため、対話路線に否定的な言動を続けるトランプ氏と、「ティ
ラーソン国務長官・マティス国防長官・ケリー首席補佐官」との間
の緊張関係も伝えられている。外交・安全保障上の基本は圧力と交
渉を同時並列で行うことであり、軍事外交の専門家では当たり前の
ことである。

しかし、安倍首相はトランプ大統領の圧力一辺倒に賛成して、今は
会話の時ではないと、同調しているし、総選挙で外交のトップであ
る河野外相を自民党議員の応援、選挙で日本に戻している。

それに対して、ティラーソン国務長官は、トランプ大統領の対話路
線否定にもかかわらず、中国やロシアなどに積極的に出向いて、北
朝鮮を交渉のテーブルに着かせるべく、国連の場やASEAN、ロシア
などで、北朝鮮と秘密交渉をしている。しかし、トランプ氏が挑発
的な言動を繰り返し、北朝鮮との裏交渉も行き詰まっているようだ。

このように、米国は日本とは違う動きをしている。一方、日本は総
選挙で外交努力ができない状況にしている。これは危険である。

2.北朝鮮核ミサイルの威力
北朝鮮の核攻撃能力を考慮した米研究機関の試算で、東京とソウル
が核攻撃された場合に想定される犠牲者は40〜200万、最大で380万
に上る可能性があるという。

北朝鮮の目的は体制の維持であるので、先制攻撃を仕掛ける可能性
は現状では低い。しかし、北朝鮮の長距離ミサイル実験後の報復た
めに北朝鮮を米国が攻撃することは考えられる事態である。この時
には、北朝鮮も在日米軍基地に核ミサイルを打つ可能性がある。

北朝鮮は、軌道をロフテッドにすれば、迎撃できないことも知って
いる。ということで、日本の米軍基地への攻撃は容易にできること
になる。

北朝鮮の核ミサイルの積む核は、15キロトン(広島原爆と同レベル
)から250キロトン(9月3日に北朝鮮が実験した「水爆」と同レベル
)までの各種の可能性がある。それにより犠牲者数は大きく違うが
、300万人が死ぬと見ておくことが必要であろう。

もう1つ重要なことは、今まで核攻撃を日本は想定していないために
核シェルターの設備がない。多くの人が警報が出ても逃げる場所が
ない。

もう1つ、北朝鮮は、ミサイルと核を米国脅迫手段に変えた。トラ
ンプ政権を交渉に引き出すだけでも大きな勝利だ。孤立した貧困国
でも核とミサイルで米国を動かせることと示せれば、世界各国で核
保有熱が高まるのは間違いないし、イランは北朝鮮から核とミサイ
ルを購入して中東の環境を大きく変えることになる。核拡散の新し
い時代になる。テロ組織にも拡散する可能性がある。

3.中国の対応
北朝鮮が中国共産党の党大会が開幕する18日前後に、複数のスカッ
ドミサイルを発射する準備を進めているもようであり、このため中
国軍も北朝鮮国境に大軍を展開している。

中国軍が中朝国境に集結しているのは、トランプ政権が北朝鮮を軍
事攻撃するや否や北朝鮮に雪崩れ込み、朝鮮半島における中国の優
勢的立場を確実にするためであるが、一部に中国の先制攻撃シナリ
オを想定する軍事専門家がいるが、相当に米中が協議をしていない
と無理なことである。

中国もテロ組織や東トルキスタン独立運動組織に北朝鮮からミサイ
ルと核が流出する事態になると、大きな脅威になる。

中国は米国への北朝鮮ミサイル攻撃には、中国は中立を保つという
が、日本への核ミサイル攻撃に対して、黙認している。このため、
北朝鮮は、グアム方向ではなく、北海道方向にミサイルを打ちだし
ている。

中国の黙認があるので、日本への核ミサイル攻撃はあり得るようだ。

4.日本の立場
このように日本は難しい立場にある。圧力一辺倒の安倍首相は、ト
ランプ大統領と同じ立場を表明しているが、トランプ政権内も混乱
しているし、北朝鮮のピンポイントの攻撃場所の特定もできていな
いようである。しかし、戦争前夜の状況である。

北朝鮮への攻撃ができる状態で、交渉しても核開発の放棄を北朝鮮
が了承するかどうかもわからないが、米朝や日朝秘密交渉をやるべ
きである。

総選挙に打って出た安部首相も米朝関係がここまで緊張した事態を
想定外とは言えないはずである。

日本は、北朝鮮の核ミサイル攻撃などを想定して、対応を考えるべ
き時期に総選挙を行ったことで、核攻撃時の即応体制もできない事
態になっている。

日本が核攻撃された場合の対応を議論するべきである。それが多く
の国民の命をもまることになるとみる。

さあ、どうなりますか?


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北朝鮮が東京とソウルを核攻撃すれば、犠牲者は最大380万人
How Many People Will Die If Kim Jong Un Fires?
2017年10月6日(金)13時36分NWJ
ソフィア・ロット・ペルシオ
<北朝鮮の核攻撃能力を考慮した米研究機関の試算で、東京とソウ
ルが核攻撃された場合に想定される犠牲者は40〜200万、最大で380
万に上る可能性が>
朝鮮半島で戦争が起きた場合、人的犠牲を伴うことは、米国防総省
も長らく警告している。しかし北朝鮮が日本と韓国を核兵器で攻撃
した場合、どれだけの被害をもたらすか試算した最新リポートが公
表された。
リポートはジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院の北
朝鮮監視プロジェクト「38ノース」が、北朝鮮の最新の攻撃能力を
考慮して作成した。
執筆したのはデータ解析コンサルタントのマイケル・ザギュレクJr.
で、北朝鮮が15キロトン(広島原爆と同レベル)から250キロトン
(9月3日に北朝鮮が実験した「水爆」と同レベル)まで、25の戦略
核兵器を保有していると想定して、様々なシナリオを検証した。
リポートによると、想定される犠牲者数は、北朝鮮の核弾頭の確実
性に左右される。「ソウルと東京に複数の核兵器が使用された場合
、40〜200万人の犠牲者が想定される」
また「同数の核兵器が最大の威力を発揮した場合、犠牲者は130〜380
万人に増える可能性がある」と、分析している。
金正恩政権の目的は世界征服ではなく、体制維持にあるようなので
、北朝鮮が先制攻撃を仕掛ける可能性は現状では低い。しかし北朝
鮮の核の脅威は、外交圧力や経済制裁でどう対応するべきか考慮す
るうえで重要な要素となる。
北朝鮮の国営メディアの複数の記事によれば、北朝鮮が核兵器を開
発する目的は、アメリカからの攻撃の脅威に対抗し、国際社会でよ
り重要な存在になるためだとされている。
重要イベント続く
在韓米軍のビンセント・ブルックス司令官は、北朝鮮が国際的な影
響力の強化のために核抑止力を求めていると見ている。「金正恩政
権は、韓国、日本、アメリカ全土、その他のアジア地域内外の国々
に対して十分な攻撃力を持てば、国際的な発言力を高められると考
えている」と、今年7月に語った。
さらに北朝鮮は、兵器製造で収入も得ている。通常兵器と軍事装備
の輸出(2009年の国連安全保障理事会の決議で禁止されている)に
よって現政権が多額の収入を得ていると、米ワシントン・ポスト紙
は今月1日報じた。
金正恩体制になって以降、北朝鮮の核兵器開発は加速している。金
正恩は過去6年間で、父親と祖父の時代の合計より多い核実験を行っ
ている。ここ2カ月では、日本の上空を通過して太平洋に落下する軌
道のミサイル実験によって、明らかにこれまでより挑発レベルを上
げている。
来週は北朝鮮や周辺国で大きなイベントが続く。北朝鮮は10日に朝
鮮労働党創建70周年の記念日を迎える。その前日9日はアメリカの祝
日「コロンブス・デー」にあたり、18日には中国で共産党大会が始
まる。北朝鮮はしばしば国内外のイベントに合わせて実験などを行
うため、日本やアメリカの関係当局は、来週北朝鮮が新たな挑発行
為に出ることを警戒している。
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2017.10.14 19:29sankei
【朝鮮半島情勢】
北、ミサイル搭載の移動式発射台に動き 米空母、原潜、爆撃機…
続々集結 偶発的衝突の恐れも
 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮で最近、弾道ミサイルを積んだ移動
式発射台の動きが捕捉されたと、韓国紙が14日、報じた。米韓両
軍は17日から原子力空母を中心に40隻を超える艦艇を日本海な
どに展開し、共同演習に入る。米軍は原子力潜水艦などの戦略兵器
も朝鮮半島周辺に次々集結させており、北朝鮮がこの間にミサイル
発射に踏み切れば、偶発的衝突を引き起こす危険もはらんでいる。
 韓国紙、東亜日報によると、平壌付近や平安北道(ピョンアン・
プクト)など3、4カ所で、移動式発射台が格納庫から移動すると
いった様子を米偵察衛星がとらえた。大陸間弾道ミサイル(ICB
M)「火星14」か、開発中とされるICBM「火星13」、中距
離弾道ミサイル「火星12」の可能性があるという。
 一方、神奈川県横須賀市が拠点の米海軍第7艦隊は14日までに
、原子力空母、ロナルド・レーガンなどと韓国軍の演習を17〜20
に日本海や韓国西方の黄海で行うと明らかにした。当初、16〜26
日としていた日程を訂正した。レーガンを中心にした空母打撃群は
、中小国の海空軍力に匹敵するともいわれ、演習では、北朝鮮の特
殊戦部隊の奇襲に備えた訓練も行う。
 米最大級の原潜、ミシガンも13日に韓国南部の釜山(プサン)
に入港。シリア攻撃に使われた巡航ミサイル、トマホークを最大154
発搭載でき、このクラスの原潜2隻でレーダーなど北朝鮮の防空網
の破壊が可能だとの分析もある。最新の攻撃型原潜、ツーソンも7〜
11日に南部の鎮海(チネ)に入港した。
 米韓軍は今回の演習について「定例演習だ」としているが、最近
、軍事オプションを想定したとみられる動きも目立つ。顕著なのが
10日夜間、日本海や黄海で行われたB1戦略爆撃機2機と韓国空
軍の共同訓練だ。
 「死の白鳥」との異名を持つB1は、米戦略爆撃機中、最大量の
兵器の搭載が可能で、3、4機を展開すれば、平壌を焦土化できる
ともいわれる。10日の訓練では、北朝鮮・平壌の金正恩(キム・
ジョンウン)朝鮮労働党委員長の執務室▽平壌郊外の兵器工場▽北
東部、豊渓里(プンゲリ)の核実験場▽東部、新浦(シンポ)の潜
水艦基地−など、計約40カ所を標的にしたミサイル発射のシミュ
レーションが実施されたと報じられている。
 訓練と同時間帯、トランプ米大統領は、ホワイトハウスの危機管
理室で、北朝鮮の攻撃に対応するさまざまなオプションについて報
告を受けたという。
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平野 浩10月12日
米軍が着々と朝鮮半島に戦闘艦船を集結させている。今回は演習の
ためではない。原子力潜水艦ツーソンの韓国入港。空母ドナルド・
レーガンは日本海へ、セオドア・ルーズベルトも朝鮮半島へ。B1
爆撃の飛来。海上封鎖できる態勢が近く整うはず。次の北朝鮮の挑
発次第では何が起きても不思議はない。
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トランプ周辺が危惧する「第3次大戦」の悪夢
金正恩との挑発の応酬は衝突を招きかねない
尾形 聡彦 : 朝日新聞オピニオン編集部次長 2017年10月13日TK
日本が総選挙一色になっているなか、北朝鮮危機に直面する米国の
ホワイトハウスで、混迷が深まっている。ドナルド・トランプ大統
領を支える側の共和党の重鎮から、「(このままでは)われわれは
第3次世界大戦に向かっていく可能性がある」という発言が飛び出し
ている。
これは、米国の外交政策に強い影響力を持つ米上院外交委員会の委
員長であり、与党・共和党の上院議員であるボブ・コーカー氏の言
葉だ。
トランプ大統領が北朝鮮に対する姿勢を変えなければ、最悪の軍事
衝突になりかねない、という極めて強い警告といえる。安倍晋三首
相による突然の衆院解散で、日本で大きな政治空白が生じているな
か、米国で進行する「中枢の危機」についてリポートしたい。
「リアリティ番組に出ているようだ」
「こうした大きな外交政策課題について、大統領が話しているとき
、彼はリアリティ番組か何かに出ているかのようだと、私はしばし
ば感じる(Sometimes I feel like he’s on a reality show of 
some kind, you know, when he’s talking about these big 
foreign policy issues)」
10月9日の月曜日。米ニューヨーク・タイムズ紙のデジタル版に掲載
された、米上院外交委員長、ボブ・コーカー(Bob Corker)上院議
員(共和党)へ8日に行われたインタビュー記事は、米首都ワシント
ンのインサイダーたちにとって、大きな衝撃となって伝わった。外
交政策に精通し、与党・共和党の上院外交委員長として大きな力を
持つコーカー氏が、ホワイトハウスの内情について赤裸々に語った
からだ。
ビジネスマン出身のコーカー氏は、2007年からテネシー州選出の上
院議員を務めている。政策通であり、その気さくな人柄も相まって
、米国で有名な上院議員だ。
この話には前段がある。8日の日曜日の朝、トランプ氏が、ツイッタ
ーで、コーカー上院議員について、「再選を支持するように私に懇
願していた」「出馬するガッツがない」と批判。これに対し、コー
カー氏が「ホワイトハウスが大人の保育園(adult day care center
)になってしまったのは、恥だ」とツイッターで切り返していた。
上院議員として現在2期目のコーカー氏は、来年2018年の11月に中間
選挙を迎える。しかし、この選挙には出馬しないことを、コーカー
氏は今年9月末に発表していた。その不出馬を巡って、トランプ氏が
、コーカー氏を揶揄し、コーカー氏が反論した、というのが日曜日
の構図だった。さらに、コーカー氏は、ニューヨーク・タイムズの
オン・ザ・レコードの(オフレコではない)インタビューを受けた。
日本では、コーカー氏が、ホワイトハウスについて、「大人の保育
園」だとツイートした事実自体は報じられていたが、なぜ彼がそう
語ったのかという中身についてはほとんど報道されていないように
思う。重要なのは、コーカー氏がそう考えた中身のほうだ。
「トランプ大統領をどうやって封じ込めるか」の毎日
コーカー氏が語った内容は以下のようなものだった。
・ホワイトハウスでは、毎日が、どうやってトランプ大統領を封じ
込める(contain)するか、という状況になっている。
・幸いにして、現時点では、いい人々(※筆者注:レックス・ティ
ラーソン国務長官、ジェームズ・マティス国防長官、ジョン・ケリ
ー・ホワイトハウス首席補佐官のことを指しているとみられる)が
周囲にいて、大統領の最悪の直感を、押さえ込んでいる。大統領が
、道の真ん中から外れていかないように、周囲は大変な苦労をして
いる。
・共和党の議員の大半は、ホワイトハウスがそうした事態に陥って
いることを知っている。
こうしたコメントのあとで、記者から、「米国は(トランプ氏の言
動で)危険にさらされているのだろうか」と、聞かれたコーカー氏
は、こう答えた。
「彼自身は認識していないだろうが、彼が口にしているようなコメ
ントを続けていると、われわれは、第3次世界大戦へと向かっていく
可能性がある(And, you know, he doesn’t realize that, you know, 
that we could be heading towards World War V with the kinds 
of comments that he’s making)」
米上院の外交委員長から、「第3次世界大戦」という言葉が飛び出す
のは、非常にショッキングといえる。コーカー氏の言葉は、トラン
プ氏が金正恩氏を「ロケットマン」などと呼び、挑発的な言動を繰
り返していることが、外交的な解決の道を閉ざしていき、米国が軍
事行動へと向かいかねないことを示唆していた。
トランプ氏のこうした言動については、日本国内でも、「トランプ
氏は意図的に挑発的・攻撃的な言葉を言い、ティラーソン国務長官
は対話路線を掲げることで、トランプ政権は役割分担をしているの
だ」という見方がある。コーカー氏はこうした「よい警官と悪い警
官」論についても、「そうした見方はまったく違う」と全否定し、
役割分担などなく、トランプ政権内が単純に混乱しているだけだ、
という考えを語った。
ホワイトハウス内の混乱については、私自身、政権に近い関係者か
ら、「マティス国防長官や、ケリー首席補佐官らが、トランプ大統
領を押さえ込んでいる」という話を聞いていた。コーカー上院議員
の発言は、私が聞いていた関係者の話にも沿ったものといえる。が
、ティラーソン国務長官らと日常的に連携している究極のインサイ
ダーである共和党の重鎮、コーカー氏の危機感がここまで強いこと
に、私は驚いた。
ホワイトハウスの高官たちは、トランプ氏をどの程度コントロール
できているのか。
政権に近い関係者は私に、「50%は制御できるが、50%は制御でき
ない」とも最近語っていた。そのコントロールできていない部分で
、トランプ氏が挑発的な言動を繰り返し、北朝鮮との裏交渉も行き
詰まっているのが、最近の状況のように見える。
トランプ氏の最近の言動で印象的なのは、9月19日の国連総会での演
説で、トランプ氏が、金正恩氏を「ロケットマン」と呼び、北朝鮮
を「完全に破壊する」可能性に言及したことだった。
「ロケットマン」や「完全に破壊」は原稿になかった
この内幕について、ロサンゼルス・タイムズ紙は、「『ロケットマ
ン』や『完全に破壊』という言葉は事前の原稿にはなく、むしろ米
高官らは『金正恩氏を個人攻撃すれば、交渉が閉ざされるため、そ
うした言動は控えるように』と伝えていたにもかかわらず、トラン
プ氏がそう言ってしまった」と報じた。米メディアによると、その
大統領の発言の際、ケリー首席補佐官は頭を抱えていたという。
コーカー氏が、今回あえて、オン・ザ・レコードのインタビューで
、トランプ氏を批判したのは、こうした経緯が背景にあり、対話路
線の可能性をどんどん小さくしている米国の現状に警鐘を鳴らす狙
いがあるのだろう、と私は感じる。来年の選挙に出ないだけに、率
直なモノ言いに転じたという側面もあるだろうが、ニューヨーク・
タイムズが公開しているインタビューの詳細なやりとりや音声から
は、米国の将来を憂慮するコーカー氏の強い気持ちが伝わってくる。
拙著『乱流のホワイトハウス?トランプvs.オバマ』でも触れたが、
トランプ氏が大統領らしくない言動で、金正恩氏と挑発を繰り返す
現状は、互いの計算違いによって偶発的な軍事衝突を招きかねず、
極めて危険だと私はかねて感じている。
軍事衝突に至らないようにするための外交努力を、国務長官のティ
ラーソン氏らが行っている現状において、トランプ氏は対話路線に
否定的な言動を続けている。トランプ氏と、「ティラーソン国務長
官・マティス国防長官・ケリー首席補佐官」との間の緊張関係も伝
えられている。
トランプ氏は10月11日、ホワイトハウスの記者団に、「私は、北朝
鮮への姿勢について、ほかの人たちとは少し違う態度をとっている
。私は皆の意見を聞くが、最後に重要なのは私の姿勢だ(I think 
I have a little bit different attitude on North Korea than 
other people might have. And I listen to everybody but 
ultimately my attitude is the one that matters)」と語り、高
官たちとの意見の相違を認めるとともに、重要なのは自分の考えだ
、と強調した。
そして、トランプ氏は、イランとの核合意や対イラン戦略について
も、側近らの反対を押し切って無効にするかどうかや、戦略をどう
修正するのかを検討している最中だ。
日本では、今回の解散総選挙のタイミングについて、「年末から年
明けにかけては米国の軍事行動の可能性が高まり、解散どころでは
なくなる。小康状態のいまだからこそ、首相は解散を決断したのだ
」という官邸発とみられる情報がメディアに流布されている。
しかし、米朝間の緊張はすでに高く、偶発的な衝突はいつでも起こ
りかねない状況だ。そして現在は、韓国や日本に大きな被害が及び
かねない軍事衝突を防ぐため、外交努力を行うのに非常に重要な時
期でもある。その大切な時期に、日本は総選挙をやっている。
元高官「トランプ大統領は戦争を始めるのではないか」
オバマ政権で国家安全保障を担当していた元高官は今春、「トラン
プ大統領が、戦争を始めるのではないかと心配だ」と私に語ってい
た。元高官の懸念は、ベトナム戦争よりも長くなったアフガニスタ
ンでの戦争で米軍はすでに疲弊しており、米軍や米社会は新たな戦
争に耐えられないだろう、というものだった。
米国がいま、戦争する可能性が高いのは、北朝鮮との間であること
は明らかだ。私はもちろん、危機が高まる米朝対立のメインシナリ
オは、米朝間の直接対話による危機回避だと思う。ただ、コーカー
氏を含めた米国のインサイダーたちが、戦争に至る危険性に言及す
るなかで、万が一、戦争になった場合に、日本にどの程度の被害が
及ぶのか、といった冷静な議論が日本国内ではなされていないよう
に感じる。
そうした議論がないまま、「圧力をかける」ことばかりが語られ、
日本に被害が及ばないようにするための、対話や外交努力について
の議論が日本国内で乏しいことは、非常に気がかりだ。
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中国の「北朝鮮への電撃侵攻」は起こり得るのか?
北朝鮮との国境周辺地帯に中国人民解放軍が集結
2017.10.12(木)  北村 淳
 現在、中国と北朝鮮の国境周辺地帯に、中国人民解放軍が集結し
ていると考えられている。もし米国のトランプ政権が北朝鮮に先制
攻撃を仕掛けた場合、直ちに北朝鮮領内に進出し、北朝鮮から中国
に逃げ込もうとする北朝鮮難民をコントロールし、混乱状態に陥っ
ている北朝鮮の治安を維持するため、とみられる。
 このような中国の戦略に加えて、「より積極的に中国人民解放軍
が北朝鮮国境を踏み越えるのではないか?」という別のシナリオま
でもが、アメリカのシンクタンクの中国・東アジア研究者などの間
で取り沙汰されるようになってきた。
中国が先制侵攻する理由
 中国軍による先制侵攻の可能性を指摘する人々は、侵攻は次のよ
うな流れになるものと考えている。
「北朝鮮が弾道ミサイルに搭載する核弾頭の製造能力を獲得し、ア
メリカ西海岸には確実に届くと言われているICBMも手にすることに
なると、いよいよアメリカによる北朝鮮先制攻撃の可能性が強まる」
「アメリカによる先制攻撃が実施された場合、韓国や日本に対して
も北朝鮮は核攻撃を加えるかもしれない──少なくとも何らかの“
報復攻撃”を実施することはほぼ確実だ。そして、朝鮮半島は大混
乱に陥り、隣国である中国にも大量の難民が流入してくることは避
けられない。場合によっては隣接している中国領内も放射能汚染の
被害を受けるかもしれない。いずれにせよ朝鮮半島で戦闘が勃発す
れば、中国にも大混乱が波及することは必至である」
「そのため中国指導部が、アメリカの先制攻撃に先んじて、満州の
中朝国境地帯に集結している中国人民解放軍(以下、中国軍)部隊
を北朝鮮に侵攻させる可能性が高まってきた。先制侵攻の場合、中
国が国境を越えるタイミングを自ら決定することができ、完全な主
導権をもって侵攻作戦を実施できるからだ」
「朝鮮人民軍(以下、北朝鮮軍)は韓国との国境地帯に重点配備さ
れているので、中国国境の防衛体制は手薄である。そのため、中国
側が中朝国境から北朝鮮領内に大部隊を送り込むのは容易である。
もちろん、中国の海軍力や航空戦力に対して北朝鮮の海軍力や航空
戦力はものの数ではないため、中国軍は北朝鮮西海岸からも侵攻す
ることが可能だ」
「それ以上に侵攻作戦成功の決め手となるのは、中国が北朝鮮軍内
部に“裏切り者”を醸成する工作を進めていることだ。それらの反
体制分子を利用した『トロイの木馬』戦術によって、北朝鮮に侵攻
した中国軍部隊は着実に戦略要地を制圧していき、金正恩の核・ミ
サイル戦力を接収していく」
「このような中国軍による北朝鮮への先制電撃作戦によって、北朝
鮮軍によるアメリカ、韓国、そして日本に対する核ミサイル攻撃は
阻止される。また、中国軍が主導して金正恩一派を制圧する結果、
北朝鮮や朝鮮半島での混乱状態は極小化され、中国は“国際的調停
人”としての名声を勝ち取ることになる」
「それ以上に中国にとって重要なのは、中国軍が北朝鮮を占領して
しまうことで、朝鮮半島での軍事バランスが圧倒的に中国に有利な
状態となることだ。北朝鮮全域の占領は一時的であるものの、その
後も中国軍は「核関連施設の管理」等の名目で北朝鮮各地に進駐を
続け、米韓側を圧迫することになる」
「北朝鮮への先制攻撃は、最後の手段の1つである。しかし中国にと
っては“最悪の度合いが極小の、最も望ましい形の軍事行動”と考
えられるのだ」
多くの戦略家は懐疑的
 このような考え方に対しては、賛同しかねている米軍関係者やシ
ンクタンク関係者なども多い。賛同しかねる理由としては、下記の
ような疑問が挙げられている。
「中国軍による先制侵攻が極めてスムーズに達成されるという考え
は、北朝鮮軍の中朝国境に対する警戒反撃態勢がとられていないこ
とが大前提になっている。しかし、金正恩一派が中国に対して全く
反撃作戦や報復作戦を用意していないと考えることは困難だ(もち
ろんそのような作戦の存在が示されているわけでも、存在しないこ
とが確認されているわけではないのだが)。おそらくは、中国によ
る電撃侵攻が開始されると、北朝鮮軍による捨て身の反撃に直面し
、双方に莫大な死傷者が生ずることは避けられないであろう」
「さらに問題なのは、『トロイの木馬』戦術の成功を想定している
ことだ。中国の工作によって中国側に協力する勢力を増殖させて北
朝鮮軍を内部から崩壊させて中国軍側に寝返らせることなど、北朝
鮮そして北朝鮮軍の現状からはとうてい想定することはできない。
というよりは、そのような期待を前提とする侵攻作戦は危険極まり
ない」
「そもそも、金正恩一派だけでなく北朝鮮軍指導部は、中国に核施
設をはじめとする戦略資源を管理されてしまい、中国の完全なる軍
事的保護国となることは断固として拒否するはずだ。彼らは強固か
つ極端な超国家主義者であり、その伝統は金日成以来綿々と受け継
がれている。たとえば、朝鮮戦争の際に中国軍が北朝鮮軍を支援し
て共に戦っているときでさえ、北朝鮮指導部と中国指導部の対立は
深かった。その後も、北朝鮮では過度の親中国派や親ソ連派は排除
されている。つい最近でも、金正恩の叔父で親中国派の張成沢や、
中国に保護されていた金正男が殺害されているではないか」
 このほかにも、なぜ中国が軍事力を行使してまで、北朝鮮による
アメリカや韓国それに日本に対する報復攻撃を阻止しなければなら
ないのか? という疑問も生ずる。
「中国が放射能汚染の被害を受けるのを阻止する」と言っているも
のの、万が一にも韓国や日本が核攻撃された場合、中国よりも日本
のほうが数倍の放射能汚染を被ることになる。そして核攻撃がなさ
れなくとも、韓国や日本が北朝鮮の弾道ミサイル攻撃を受けて社会
的インフラをはじめ大打撃を受けることは、中国にとってはむしろ
望ましい状況である。それを想定すれば、少なくとも中国が軍事力
を行使してまで阻止する必要はないのである。
結局、得をするのは中国だけ
 中国共産党首脳の戦略も、金正恩政権首脳の戦略も、当然のこと
ながら現時点では明らかにされていない。しかしながら、中国によ
る北朝鮮に対する先制侵攻という想定には無理が多い。
 中国軍が中朝国境に集結しているのは、やはり、トランプ政権が
北朝鮮を軍事攻撃するや否や北朝鮮に雪崩れ込み、朝鮮半島におけ
る中国の優勢的立場を確実にするためである、と考えた方が自然で
あろう。
 いずれにしても、日本やアメリカにとっては極度のマイナス要因
だけしか生み出さない北朝鮮情勢から、なんらかの利益を得られる
かもしれないのは中国だけといえよう。
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米空軍B-1B爆撃機が夜間の巡航ミサイル発射シミュレーション 
北が最も恐れる戦略爆撃機が日本海近海で日・韓と初の夜間訓練実施
Oct 12, 2017 by Nose Nobuyuki Reporter  houdoukyoku
・米空軍B-1B爆撃機が航空自衛隊F-15戦闘機、韓国空軍F-15K戦闘攻
撃機と10日、 日本海近海で初の夜間訓練を実施
・B-1Bは空対地ミサイル発射シミュレーションを実施
・B-1Bに24発搭載可能なステルス巡航ミサイルは北の軍事境界線に
近付かなくても目標に到達できる
グアムに展開しているアメリカ空軍のB-1B爆撃機(タイトル写真)2
機が10日よる、日本海近海で航空自衛隊ならびに韓国空軍と初の夜
間訓練を実施した。
アメリカ太平洋軍は、航空自衛隊のF-15戦闘機、韓国空軍のF-15K戦
闘攻撃機とどんな訓練をしたかを具体的には明らかにしていないが
、韓国の合同参謀本部によると2機のB-1Bは韓国の防空識別圏内に入
ったあと日本海上空で対空地ミサイルをシミュレーション発射。
その後、韓国のF-15Kの援護のもと、朝鮮半島上空を軍事境界線に近
づかずに東から西に通過、洋上で再び空対地ミサイルのシミュレー
ション発射の訓練を実施したとのことだ。
さて、9月24日に軍事境界線ぎりぎりまで接近したB-1B爆撃機が今回
軍事境界線に近づかなかったのはなぜか?
B-1Bが搭載する地上攻撃用のミサイルといえば24発搭載できるステ
ルス巡航ミサイルJASSM(射程370km以上)やJASSM-ER(写真下:射
程1,000km以上)で、北朝鮮のレーダーに映ってしまうかもしれない
軍事境界線に近づかなくても発射すれば北朝鮮の内陸部に到達可能だ。
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先月のB-1B接近を受け北朝鮮の李容浩(イヨンホ)外相は翌25日に
声明を発表し、アメリカが北朝鮮近くの国際空域に飛ばしたB-1B爆
撃機を「撃墜する権利がある」と発表した。
日米韓国合同での夜間の空対地ミサイル発射のシミュレーションに
主眼を置き、今回アメリカはB-1Bを無事に飛行させたということだ
ろう。
なお、先月24日の展開について韓国政府は、その際に北朝鮮が反応
を示さず、レーダーが動きを捉えられなかったと分析している。
(文責:松島 スタッフ:能勢・北原)
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トランプ大統領が日本の衆院選を左右する?―米メディア
Record china配信日時:2017年10月12日(木) 17時40分
2017年10月12日、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は、日本で衆議院
が解散され、10月22日に総選挙が行われるが、トランプ米大統領の
言動が選挙結果を左右するかもしれないと伝えた。 
安倍首相はトランプ大統領と電話会談を行い、日米同盟を強化し、
北朝鮮問題への対応を確認。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)
政権に対して強硬姿勢を取るべきだとするトランプ大統領を積極的
に支持している。 
選挙で国民の支持を得れば、安倍政権は2020年まで続くことになる
。しかし、新たに結成された希望の党の小池百合子代表は、トラン
プ大統領の言動や政権内部での突然の人事交代など、その政治的安
定性を疑問視する発言をたびたび行っている。 
北朝鮮の脅威がエスカレートする中で日米同盟の強化を支持する人
は少なくないが、その一方で、「トランプ大統領は極端な人物」と
認識し、懸念を抱いている人も多いと、記事は伝えている。
(翻訳・編集/岡田)
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2017.9.12 19:11sankei
【北朝鮮危機・私はこう見る】
「米軍、先制攻撃に必要な情報欠如」 イスラエル国家安全保障研
究所アブネル・ゴロブ研究員
トランプ米大統領は北朝鮮に対する軍事攻撃も排除しない姿勢を示
したが、現実には米軍が先制攻撃に出るとは考えにくい。攻撃に
な情報を持っていないからだ。
 イスラエルは1981年にイラクの原子炉を爆撃。2007年に
は、北朝鮮の支援で建設したシリアの原子炉を爆撃したと報じられ
た。2つの原子炉は地上に造られ、初期段階にあったが、北朝鮮は
状況がまるで違う。すでに核兵器を完成させ、地下に分散して隠し
ている。米軍はどこにあるのか把握しておらず、ピンポイント攻撃
はできないだろう。
 米軍が先制攻撃をする場合、反撃を想定して日本や韓国に爆撃機
や兵力を増派する必要がある。現在はこうした動きもない。
 北朝鮮は東西冷戦中にソ連や中国の支援を受け、「核の闇市場」
構築したパキスタンのカーン博士から技術提供を受けて核保有に至
った。ミサイル弾頭の小型化ではイランと緊密に協力した。2期目
のオバマ前米政権は北朝鮮に関与せず、その時間を核開発に使うこ
とができた。
 金正恩政権は抑止力だった核兵器を、ミサイルと同時に開発する
ことで大国を「脅迫」する手段に変えた。トランプ政権を交渉に引
き出すだけでも大きな勝利だ。孤立した貧困国でも核とミサイルで
米国を動かせるのだと示せれば、世界各国で核保有熱が高まるのは
間違いない。特にイランへの影響は大きい。
 イランは当面ミサイル開発を進め、2015年の核合意が定めた
10〜15年の制限期間後は再び核開発を進めるだろう。日中韓が
米軍の対北攻撃に否定的なのに対し、イスラエルやアラブ諸国は米
軍のイラン攻撃を後押しする。イランは北朝鮮に対する米国の出方
をみている。北朝鮮危機が、中東危機に発展する可能性は否定でき
ない。(聞き手 三井美奈)
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北朝鮮がミサイル発射も、中国共産党大会開幕前後に−韓国紙
Kanga Kong
2017年10月11日 15:29 JST 更新日時 2017年10月11日 16:19 JST
北朝鮮が中国共産党の党大会が開幕する18日前後に、複数のスカッ
ドミサイルを発射する準備を進めているもようだと、韓国紙アジア
経済が報じた。
  同紙が事情に詳しい関係者の話として情報源の名前を示さずに
報じたところによると、韓国と米国の軍当局は最近、北朝鮮がスカ
ッドミサイル約30基を首都、平壌の南の黄州地域から西海岸の南浦
にあるミサイル整備施設に移動させているのを把握した。
  多数のスカッドミサイルを同時に発射するのは異例なものの、
2014年3月にも1週間で「FROG」ロケット約70発を発射した例
がある。北朝鮮はここ数カ月、米本土への核攻撃を可能にし得る大
陸間ミサイルの発射実験をしてきたが、短距離ミサイルの同時発射
は同国がさまざまな形での挑発行為を実行できる能力を示すことに
なる。
  同紙は、5年に1度開かれる中国の共産党大会が始まる18日の
前後にミサイルを発射するのは米韓合同演習に対する抗議となると
指摘した。
原題:North Korea May Fire Dozens of Missiles to Mark China’s Congress(抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ
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北朝鮮の金正恩「核兵器は強力な抑止力」 妹を政治局員候補に
2017年10月9日(月)19時27分
北朝鮮国営メディアが8日伝えたところによると、金正恩(キム・
ジョンウン)委員長は7日の朝鮮労働党中央委員会総会で、核兵器
は「強力な抑止力」であるとの認識を示した。
これに先立ち、トランプ米大統領は、対北朝鮮で「有効な手段は一
つしかない」と指摘。具体的な内容には触れなかったが、軍事行動
を視野に入れていることを示唆したとみられている。
金委員長は「複雑な国際情勢」に言及。「米帝国主義者の核の脅威
が長引いている」とした上で、「(北朝鮮の核兵器は)朝鮮半島と
北東アジアの平和と安全をしっかり守る強力な抑止力だ」と発言し
た。
総会では、金正恩氏の妹の金与正(キム・ヨジョン)氏が、政治局
員候補に選ばれた。
[ソウル 8日 ロイター]
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米が来月、北に厳しい対応も〜小野寺防衛相
10/10(火) 14:46配信日本テレビ系(NNN)
 核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への対応をめぐり、小野寺防衛
相は10日、アメリカのトランプ大統領が来月中旬に圧力の効果を
見極めた上で、「厳しい対応を取る可能性がある」と述べた。
 小野寺防衛相「11月の中旬には、おそらくトランプ大統領とし
て(北朝鮮への)圧力の効果が、外交努力の効果がどの程度になる
のかという判断をされると思います。それでも北朝鮮に変化がなけ
れば、厳しい対応をアメリカが取る可能性もある」
 小野寺防衛相はまた、「トランプ大統領の発言をみれば、全ての
選択肢がテーブルにある」と述べ、北朝鮮に対して軍事力を行使す
る可能性もあるとの認識を示した。その上で「どの選択肢が取られ
たとしても国民の生命・財産を守る態勢をとる」と強調した。
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対北朝鮮「圧力一辺倒」は日本だけ?
2017年10月10日(火)17時20分NWJ
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)
中露は対話路線を主張し、韓国も対話を模索。何よりもアメリカが
対話模索を公言したのは大きい。日本も水面下では模索しているか
もしれないが、表面上は圧力一辺倒。対北朝鮮関係国中、老獪な戦
術の違いが鮮明に。
極めて友好的な会談に隠れているもの
中国とロシアは今年7月に共同声明を出し、「双暫停」(北朝鮮もア
メリカも暫時、軍事行動を停止し、対話のテーブルに着け)を目標
とすることを宣言し、「対話路線」を強調した。軍事行動で問題を
解決することに反対している。
くり返しになるが、8月10日に中国共産党機関紙「人民日報」の姉妹
版「環球時報」が社説で、「もし北朝鮮がアメリカ領を先制攻撃し
、アメリカが北朝鮮に対して報復攻撃した場合、中国は北朝鮮に対
して中立を保つ(中朝軍事同盟は無視する)」という立場を鮮明に
したことを受けて、北朝鮮は米領グアム沖へのミサイル発射を断念
。だというのに、アメリカは夏の米韓軍事合同演習を断行した。そ
の直前に日本はアメリカと「2プラス2」の外交国防会議を開き、
軍事演習を支援する声明を発表。これにより北朝鮮はグアム沖への
発射を断念する代わりに、日本国上空を飛翔するミサイルを撃ち始
めた。北の(一瞬の、しかし、この段階ではあり得ない)譲歩に呼
応しなかったのはアメリカではあるものの、それを後押ししたのは
「日本だ」だ。以来、「日本帝国主義打倒!」「アメリカの犬!」「
日本を沈没させよ!」といった、「打倒日本」に関するイデオロギ
ー面までが加わったことが特徴だ。
10月4日に書いたコラム「北朝鮮はなぜ日本を狙い始めたのか」には
、この要素を加えなければならなかったが、このことは既に9月4日
のコラム<中国が切った「中朝軍事同盟カード」を読み切れなかっ
た日米の失敗>で詳述していたので、その要素は省略した。誤解を
生ぜしめたとすれば、お詫びしたい。
また、9月19日のコラム「北朝鮮暴走に対する中国の見解――環球時
報社説から」に書いたように、「北朝鮮は日本国本土に着弾させる
大胆さは持っていない」と中国は見ているものの、北朝鮮が打倒日
本を叫び始めたことに対する中国側からの批判はない。
北朝鮮を誕生させた旧ソ連(ロシア)は格別
このような複雑な様相を呈しながら、ともかく中露は「対話路線」
で一致している。
中でもロシアは飛びぬけており、プーチン大統領が「北朝鮮は草を
食んでも核・ミサイル開発は放棄しないだろう」と講演で言ってい
る通り、一応国連安保理制裁に賛成票は投じているものの、北朝鮮
を見捨てることはない。現に北朝鮮外務省のチェ・ソニ北米局長9月
29日モスクワを訪問し、ロシア外務省幹部と朝鮮半島問題に関して
意見交換をしている。アメリカへの牽制だ。
ロシアはプーチン演説にもある通り「前提条件なしで北朝鮮との対
話に向かうべき」としており、むしろ「米露が対北対話路線を競争
している」感さえにじませている。
ティラーソン、直接接触を公表
アメリカは北京を訪れたティラーソン米国務長官が、堂々と「アメ
リカは平壌と複数の独自チャンネルを持って北朝鮮と直接接触を試
みている」旨の発表をした。トランプ大統領はそれをすぐに否定し
、「私は、われわれのすばらしい国務長官に『小さなロケットマン
と交渉しようとして時間をむだにしている』と伝えた」とツイッタ
ーに書き込んだ。するとマティス米国防長官がトランプとティラー
ソンの間を取り持って「いや、アメリカは接触を試みているだけで
、直接交渉はしていない」という苦しい弁明を試みているが、「ア
メリカが北朝鮮との複数の独自の対話ルートを持っている」ことだ
けは確かだろう。
韓国は対話路線
韓国の文在寅大統領は北との対話路線を主張して当選した。戦争は
もう沢山だというのが韓国国民の本音だろう。しかし朝鮮戦争を休
戦させようとしたアメリカのトルーマン大統領に対して、「いや、
絶対に休戦したくない。韓国一国だけでも戦い続ける」とダダをこ
ねたのは、他ならぬ韓国の李承晩大統領だったことを忘れてはなら
ない。
だからトルーマンはやむなく、休戦協定を結ぶと同時に韓国と軍事
同盟を結ばざるを得なかったのだ。休戦協定では「3ヵ月以内に朝鮮
半島から全ての他国の軍隊は撤退する」と誓いながら、米韓軍事同
盟では「(米韓どちらかが嫌だと言い始めない限り)米軍は未来永
劫に韓国から撤退しない」と誓い、両方の文書に署名した。
この第一責任は韓国にある。
それに応えたアメリカにも、大国としての責任があるが、問題は休
戦協定は「国連軍代表としてのアメリカ」が署名したのであり、米
韓軍事同盟は「韓国とアメリカの二国間」の協定に過ぎないという
ことだ。
日本は?
さて、日本。安倍首相はあくまでも「圧力によって北朝鮮政権の考
え方を変えさせる」と主張し続けているが、プーチンの言っている
通り、北朝鮮が経済制裁などの圧力ごときで考え方を変えたりする
はずがない。これは夢物語に過ぎない。
軍事的手段を行使するなら別だ。アメリカか中国が軍事行動に出る
ならば、北は崩壊するか、あるいは崩壊の瀬戸際に立ち変化が起こ
り得るが、それ以外では「北朝鮮の考え方を変えさせる」などとい
う夢物語はないだろう。
また「対話のための対話」という意味不明な常套句を頻繁に使って
いるが、いったいどこの世界に、この緊迫した中で「対話のための
対話」などということがあり得ようか?北の暴走を止めさせるため
の対話であって、それ以外の対話が存在するとはあり得ない。過去
に失敗した例が数多くあるのは承知している。しかし今は中朝関係
がまるで違う。歴史上最悪の関係にあり、中国の国力が明らかに優
っている。いざとなれば、何でもやるだろう。中国はまだいくつも
のカードを使わずに持っている。
先般、日本記者クラブにおいてだったか、党首討論で会場にいた記
者から「安倍さんは圧力一辺倒を主張しているが、水面下の接触は
あるのか?」といった趣旨の質問があったように思う。すると安倍
首相は「それは水面下ですから(あったとしても...)」というニュ
アンスの回答をしていたように記憶する。
それは確かにそうだろう。水面下の話をするのは筋違いかもしれない。
しかし、北朝鮮をめぐる六ヵ国協議に参画している国の中で、日本
以外の国は全て、独自の対話チャンネルを持っていてそれを表明し
ており、今やその「独自の対話チャンネルに誰が先手を打ち、北朝
鮮を"手中"に治めるか」の競争をしているという様相を呈している
とさえ言えよう。
朝鮮戦争の国連軍の本部は今も日本にある
「国連軍」という言葉をネットで検索しても分かる通り、国連軍に
は大きく分けて2種類あり、一つはいわゆる平和維持活動(PKO)の
ための軍隊で、もう一つは朝鮮戦争の際の国連軍である。後者の朝
鮮戦争における国連軍は、1950年6月に始まった朝鮮戦争に対して、
韓国不利と見たアメリカが国連に呼びかけて急ごしらえで組織した
軍隊だ。
このとき日本はアメリカの占領下にあり、マッカーサーが日本に総
司令部を置いていたので、アメリカを中心とする朝鮮戦争の国連軍
の司令部も日本にあった。
1953年7月の朝鮮戦争休戦に伴い、本来ならこの朝鮮戦争国連軍は休
戦協定の約束通り解散しなければならなかったはずだ。しかし米韓
が軍事同盟を結んで、アメリカが休戦協定を守ろうとしなかった。
日米安保条約を既に結んでいた日本は、アメリカの意向に沿って、
休戦協定に違反した朝鮮戦争国連軍の施設を日本に置く羽目になっ
た。
そのため、現時点でもなお、休戦協定に違反した朝鮮戦争国連軍の
施設が、以下の在日米軍基地に設置して機能しているようだ。
    ●キャンプ座間 ●横須賀海軍施設 ●佐世保海軍施設
    ●横田飛行場 ●嘉手納飛行場 ●普天間飛行場
など。
このように、アメリカが休戦協定を違反し続け、それを支援し続け
てきた日本の実態を覆い隠しながら、北朝鮮問題の真の解決などあ
り得るのだろうか?
いまや北朝鮮が「正常な精神と判断力を持っているとは思いがたい
指導者」の下で動いている現状において、日本国民の安全を守るた
めに「100%、トランプとともにいる」を主張し続けているだけでい
いのだろうか?日本が安全でいられる「軍事的外科手術」があるの
なら大変結構だが......。国連安保理で北朝鮮制裁決議が一致して
採決されたと言っても、一致できる点まで中露に譲歩させた結果に
過ぎない。
実はアメリカ自身は休戦協定の冒頭に書いてある「平和条約」実現
に向かわざるを得ない現実を自覚しており、カーター元大統領が北
朝鮮を電撃訪問したい意向を表明し「米国政府は北朝鮮に平和協定
締結に向けた高位級代表団を送らなければならない」と強調してい
るとのこと。
なぜミサイル発射の可能性の高い期間を選んで解散したのか?
なお、北朝鮮は本日10日の朝鮮労働党の創建記念日前後、あるいは
10月18日の中国共産党の第19回党大会開幕の前後に合わせてミサイ
ルを発射する可能性が高いことが早くから予測されている。なぜ安
倍首相はわざわざこの期間を狙って解散総選挙に打って出たのだろ
うか?
選挙期間中にミサイル発射でもあれば、選挙に有利に働くという要
素は否めないだろう。
「偶然の一致だ」と弁明すれば、あまりに国際情勢を知らな過ぎる
と非難されるにちがいない。
そもそも北朝鮮への抗議声明に関しては、前の国会で全員一致で賛
同している。そこには争点はなかったはずだ。わざわざ解散して国
民に問うまでもなく、あらゆる方法で北朝鮮の暴走を止めなければ
ならない。このことにおいて日本の全国民は一致しているはずだ。
北朝鮮の暴走が爆発する期間と総選挙期間を一致させた理由に関し
て、安倍首相は「民主主義が北朝鮮によって影響を受けてはならな
いから」(大意)と回答しているようだが、問いと回答の間の整合
性がない。わざわざこの期間を選んで選挙を行なわなくとも、日本
の民主主義が北朝鮮の暴挙によって影響を受けることなど絶対にあ
り得ないからである。
もっと正直に、朝鮮戦争休戦協定を米韓が違反し日本もその違反を
支援しているが、金正恩政権により事態が「正常ではなくなったの
で」、日本は然るべき新たな「(攻守)体制」を模索する必要に迫
られていると言ってしまった方が納得がいく。
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北朝鮮が長距離ミサイル発射準備、米西海岸射程内=ロシア議員
10/7(土) 1:53配信 ロイター
[モスクワ 6日 ロイター] - 今週北朝鮮を訪問したロシア下院
議員は6日、北朝鮮は長距離ミサイル発射実験を計画しており、同
国は米国の西海岸が射程距離に入るとの見方を示していると述べた
。ロシア通信(RIA)が報じた。
RIAによると、訪朝したのは下院外交委員会メンバーのアントン
・モロゾフ氏を含む議員3人。今月2日から6日まで滞在した。
モロゾフ議員はRIAに対し「北朝鮮は新たな長距離ミサイルの発
射実験の準備を進めている。北朝鮮側は、彼らがミサイルが米国の
西海岸を攻撃できることを証明すると考える数学の計算式も提示し
た」と述べた。
そのうえで「われわれの理解では、北朝鮮は近い将来にもう一度長
距離ミサイルの発射実験を実施する。北朝鮮側のムードは全般的に
好戦的だった」と語った。 
RIAの報道を受け、安全資産とされる米国債に買いが入り米国債
利回りは低下。米10年債<US10YT=TWEB>利回りは米東部時間正午
頃には2.35%と、この日の高水準である2.40%から低下し
た。
キャンター・フィッツジェラルド(ニューヨーク)の米国債アナリ
スト、ジャスティン・レデラー氏は「3連休を控え、リスクオフの
買いが入った」としている。



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