5956.米国西海岸到達ミサイルの実験



北朝鮮は、10月10日の朝鮮労働党70周年記念日にミサイル実験を強
行する準備をしているという。米朝戦争の緊張が高まっている。米
朝や中国、韓国、ロシアなどの周辺国も含めて検討しよう。
                         津田より

0.状況
日本では衆議院選挙で一色であり、北朝鮮や米国の行動が報道され
なくなって、株価も年初来高値となり、危機が去ったような印象を
受けているようであるが、北朝鮮は着々と長距離ミサイルの実験準
備をしている。

訪朝したロシア下院議員に対して、北朝鮮は長距離ミサイル発射実
験を計画しており、同国は米国の西海岸が射程距離に入るとの見方
を示したという。打ち上げるなら10月10日朝鮮労働党70周年記念
日の可能性が高いとみられている。

この日は丁度、衆議院議員選挙公示日であり、立憲民主党や共産党
は、安全法制を非難して、戦争反対を叫んでいることでしょうね。
しかし、日本は当事者ではないが、核ミサイルの標的にはなる。

しかし、米国は核放棄しないと北朝鮮とは話さないというし、北朝
鮮は核開発を止めないというし、どちらも妥協することはないので
、話し合いができない状態である。

日本も、既に多くの話し合いを北朝鮮としているが、すべて北朝鮮
の都合で中止になっている。また、合意事項は守られないことを何
度も経験している。それでも話し合いと立憲民主党や共産党は言う
が、それができない事態に現実としてきている。

東京が核被爆すると、200万人が死ぬと米ジョンズ・ホプキンス
大高等国際問題研究大学院の北朝鮮分析サイト「38ノース」は分析
している。

自国の安全を真剣に考えないと、ただ金正恩氏の理性を信じて、話
し合いを提案するだけでは、被害が大き過ぎる。何かの対応処置が
必要であろう。日米同盟を強固にしないなら、自衛隊の軍備を相当
に高めて、報復も考えて核ミサイルを持つことも必要ではないかと
思う。

1.韓国
韓国は米韓FTAの破棄に直面している。韓国が北朝鮮への人道援助を
言い出したことで、トランプ大統領が怒ったのが大きい。韓国はサ
ード導入で中国から制裁を受けて、中国に進出した韓国企業は売り
上げを落とし撤退になっている。中国人観光客も激減し、日本とは
慰安婦像問題でぎくしゃくした関係である。米国とも問題を起こし
て、韓国は孤立化してきた。

韓国の文大統領の政策顧問が、米韓軍事同盟破棄を提案している。
このように韓国は、米朝戦争に局外中立の立場になろうという親北
派の人たちが策動し始めた。また、この行動を見て、米国も戦争へ
の壁がなくなる可能性がある。

米朝戦争で、米国が一番心配なのが在韓米軍家族と米軍であり、ソ
ウルにいる同盟国の韓国人の死傷者数である。しかし、米韓軍事同
盟を韓国が破棄すると、米軍は韓国から撤退、米軍家族もいなくな
り、同盟国ではない韓国国民の心配をする必要もなく、戦争に踏み
出すことができる。北朝鮮が韓国に侵攻しても米軍は出動しないこ
とになる。

このように、親北政権である文大統領の韓国は、行く道をなくして
いるような感じである。

2.中国
北朝鮮との関係を見直して、北朝鮮労働者の就業を禁止したり、北
朝鮮企業の中国国内での活動を禁止し始めた。この北朝鮮への制裁
や戦争時に中国軍が北朝鮮に侵攻する代わりに、米国と交渉して、
朝鮮半島全体を中国の領土にすることの了承を取り付けたようであ
る。

このため、米トランプ大統領は、「北朝鮮で有効な手段は、申し訳
ないが1つしかない!」と言い始めている。米中での交渉が成立し
た可能性がある。韓国を中国に譲渡する可能性が高い。

後は、北朝鮮が長距離ミサイルを打ち、それへの防衛出動だけにな
っているようにも見える。

それがわかるのは、香港に米空母「ロナルド・レーガン」の寄港を
認めたことである。今までも寄港を要請しているが、南シナ海への
行動をとると中国は拒否していた。今回は北朝鮮対応であり、寄港
を認めたようである。

3.米国
トランプ米大統領は、北朝鮮情勢に関して「歴代の大統領と政権は
この25年間も北朝鮮と交渉し、合意を結び、巨額のカネを払って
きたが、うまくいかなかった」とし、対北朝鮮で有効な手段は「申
し訳ないが1つしかない!」と述べた。

この発言は、北朝鮮に対する脅しであるが、準備はすでに整ってい
るので、ミサイル実験をするなら覚悟しろということである。

ティラーソン国務長官が中国に行った目的は、1つに米朝戦争時の
中国出兵交渉であり、もう1つが北朝鮮との交渉ルートを探ること
であるが、トランプ大統領は交渉ルートについては時間の無駄と叱
責した。このため、辞任も検討したようであるが、ペンス副大統領
から慰留を受けて、辞任を思いとどまっている。

トランプ大統領は、本気で米朝戦争を行うつもりである。北朝鮮も
核ミサイル開発を放棄しないとしているので、相当に詰まった感じ
になっている。

4.ロシア
孤立している北朝鮮に対して、物資を補給しているのはロシアであ
り、中国の北朝鮮離れを一大チャンスと見なして、北朝鮮にすり寄
っている。

しかし、そのロシアでも米朝戦争を防止しないと、ロシアの北朝鮮
権益が守れないので、北朝鮮に対して自重を呼びかけるようである。

事実、北朝鮮外務省の崔善姫米州局長が、19−21日にモスクワ
で開催される核不拡散をテーマにした国際会議に出席して、米国サ
イドとの交渉を行うようである。ロシアが米朝の仲介に入ったこと
になる。

前回、ロシアを訪問した後、崔善姫米州局長は「米国に敵対行動を
しない」と言っていたので、北朝鮮も米朝戦争になることは避ける
可能性もある。

しかし、これは陽動作戦の可能性もあり、北朝鮮の行動はわからな
い。

5.日本
ミサイル実験を行う可能性がある日は、10月10日衆議院選挙の
公示日であり、自民党政権の危機対応が問題になるし、北朝鮮は米
国が行動を起こせば、核ミサイルを横須賀、沖縄などの米軍基地に
向けて発射させる可能性もある。核攻撃に日本がさらされることに
なる。

どちらにしても、選挙をやっている場合かというほどの問題だ。こ
のような時期の大義なき解散総選挙が必要であったのか、大きな疑
問を国民は持つことになると思う。安部首相の失敗となる可能性が
ある。

衆議院議員選挙は、野党分裂選挙になり、自民党と公明党が300
議席を狙える可能性が出てきた。最初吹くかと思った小池旋風は、
起きていない。報道機関も評論家も自民党批判ではなく、希望の党
批判をしたことが効果を発揮している。

しかし、10月10日ミサイル実験を北朝鮮が実施して、米朝戦争
になったら、これはわからないことになる。相当に自民党批判が出
てくる可能性も否定できないことになる。

さあ、どうなりますか?


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2017.10.8 09:40
【トランプ政権】
トランプ氏、北朝鮮で有効な手段は「申し訳ないが1つしかない!
」 またしても軍事行動に含み
 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は7日、北朝鮮情勢
に関してツイッターで「歴代の大統領と政権はこの25年間も北朝
鮮と交渉し、合意を結び、巨額のカネを払ってきたが、うまくいか
なかった」と批判し、対北朝鮮で有効な手段は「申し訳ないが1つ
しかない!」と述べた。軍事行動への含みを持たせた強硬姿勢を打
ち出すことで、北朝鮮を圧迫する狙いとみられる。
 北朝鮮は10日の朝鮮労働党創建記念日に合わせて弾道ミサイル
発射などを行う恐れが指摘されており、トランプ氏の発言は北朝鮮
が挑発行為を自制するよう牽制する意図が込められている可能性も
ある。
 トランプ氏はまた、「一連の合意はインクが乾く間もないうちに
破られ、米国の交渉担当者を笑いものにしてきた」とし、北朝鮮に
対する強い不信感を表明した。
 トランプ氏は5日夜にもホワイトハウスでの軍高官らとの夕食会
で「嵐の前の静けさだ」などと述べ、何らかの軍事行動を示唆した
可能性があるとして波紋を呼んでいた。
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北朝鮮、長距離ミサイルの発射準備 米西海岸を射程内に?
2017年10月7日(土)10時48分
今週北朝鮮を訪問したロシア下院議員は6日、北朝鮮は長距離ミサ
イル発射実験を計画しており、同国は米国の西海岸が射程距離に入
るとの見方を示していると述べた。ロシア通信(RIA)が報じた。
RIAによると、訪朝したのは下院外交委員会メンバーのアントン
・モロゾフ氏を含む議員3人。今月2日から6日まで滞在した。
モロゾフ議員はRIAに対し「北朝鮮は新たな長距離ミサイルの発
射実験の準備を進めている。北朝鮮側は、彼らがミサイルが米国の
西海岸を攻撃できることを証明すると考える数学の計算式も提示し
た」と述べた。
そのうえで「われわれの理解では、北朝鮮は近い将来にもう一度長
距離ミサイルの発射実験を実施する。北朝鮮側のムードは全般的に
好戦的だった」と語った。
RIAの報道を受け、安全資産とされる米国債に買いが入り米国債
利回りは低下。米10年債利回りは米東部時間正午頃には2.35
%と、この日の高水準である2.40%から低下した。
キャンター・フィッツジェラルド(ニューヨーク)の米国債アナリ
スト、ジャスティン・レデラー氏は「3連休を控え、リスクオフの
買いが入った」としている。
[モスクワ 6日 ロイター]
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2017年10月6日 / 14:16 / 21時間前更新
米大統領、軍幹部と北朝鮮情勢など協議 「嵐の前の静けさ」と発言
[ワシントン 5日 ロイター] - トランプ米大統領は5日、ホワ
イトハウスで米軍幹部と協議し、北朝鮮の脅威やイランの核兵器保
有阻止について語った。
協議を終え、幹部らとの写真撮影に応じた大統領は記者団に対し、
「この瞬間を何と表現するだろうか。嵐の前の静けさ、かもしれな
い」と述べた。
記者らが「嵐」の説明を求めると、「そのうち分かる」と答えた。
ホワイトハウスは大統領の発言に関する質問に応じていない。
大統領は軍幹部との協議で「北朝鮮における米国の目標は非核化だ
」と発言。「想像を絶するほどの人命の犠牲を払わせると米国やそ
の同盟国を脅迫する独裁国家の行為を許すことはできない。われわ
れは脅迫が現実とならないために必要なことをする」と語った。
イランについては「イランはテロを支援し、暴力や流血、混乱を中
東に広めている。(核)合意の精神に沿っているとは言えない」と
主張。イランが合意を順守しているかどうかの判断については「ま
もなく発表がある」と述べるにとどめた。
大統領は軍幹部に対し、必要な場合に軍事的選択肢をより迅速に提
供できる体制を整えるよう求めた。具体的な指示はしなかった。
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中国、北朝鮮人の新規雇用に罰金
丹東で1人8万円、強制送還も
2017/10/5 02:02
 【北京共同】中国と北朝鮮間の貿易の約7割が通過するとされる中
国遼寧省丹東市の地元政府が、北朝鮮労働者を雇っている企業に対
し、北朝鮮人を新規雇用した場合、1人当たり5千元(約8万5千円)
の罰金を科し、労働者も強制送還すると通知していたことが4日、分
かった。
 国連安全保障理事会の決議で、北朝鮮労働者の新規受け入れが原
則禁止されたことを受けた措置。
 また北朝鮮からの輸出禁止が決まった繊維製品について、丹東市
当局が、中国から輸出した原材料を北朝鮮で加工した場合でも、同
日以降に売買契約した繊維製品は中国の新規定によって禁輸対象と
なるとの通知を出したことも分かった。
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【北朝鮮情勢】北朝鮮の崔善姫米州局長が再び訪露か 米元高官と
接触の可能性も
2017.10.4 22:47 SB
 【モスクワ=黒川信雄】北朝鮮外務省の崔善姫米州局長が、19
−21日にモスクワで開催される核不拡散をテーマにした国際会議
に出席する方向で調整が進められていることが4日、明らかになっ
た。会議主催者が産経新聞の取材に語った。同会議には米国のシャ
ーマン元国務次官らも招待されているといい、双方が接触する可能
性もある。
 崔氏は北朝鮮外務省で対米交渉や核問題を担当する。同氏は9月
末にもロシアを訪問し、露外務省のブルミストロフ特任大使と会談
していた。
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2017.10.5 23:22sankei
【北朝鮮情勢】
「10日に挑発行為も」CIA高官が警告 金正恩氏は「非常に理
性的」とも指摘
 【ワシントン=黒瀬悦成】米中央情報局(CIA)で朝鮮半島情
勢を統括する「コリア・ミッションセンター」のヨンスク・リ副局
長代理は4日、ワシントン市内の大学で講演し、北朝鮮が朝鮮労働
党創建記念日である今月10日(米国時間9日)に挑発行為を仕掛
けてくる可能性があるとの見方を明らかにした。
 リ氏は、9日が米国の祝日である「コロンブス・デー」にあたる
と指摘。北朝鮮はこれまでも米国の祝祭日に合わせてミサイル発射
や核実験などを実施してきた。リ氏は、「電話のそばにいた方がい
い」と関係者に準備態勢に入ることを推奨。北朝鮮がどのような挑
発行為を行うかについては言及しなかった。
 リ氏は一方で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は「非常に理性
的な人物だ」と述べ、「朝鮮半島での戦争を最も望んでいないのは
金氏だ」と指摘。「金氏が望んでいるのは他の権威主義的指導者と
同様、治世を長続きさせることだ」とし、「米国や同盟国と戦うこ
とに関心はない」と強調した。
 リ氏の指摘は、金氏を「狂った男」と非難するトランプ大統領の
主張を実質的に打ち消すものだ。ただリ氏は、「米国が北朝鮮を本
気で非核化させようとしていると確信させることが、中国を対北圧
力に同調させる唯一の道だ」と述べ、トランプ政権の圧力路線を支
持する考えを示唆した。
現職のCIA幹部が北朝鮮情勢に関して公の場で発言するのは異例。
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北朝鮮が東京・ソウル核攻撃なら死者210万人も−「38ノース」が分析
Andy Sharp
2017年10月5日 17:49 JST
北朝鮮を壊滅させるとのトランプ米大統領の強硬発言に大統領補佐
官らも戦争のリスクについて警鐘を鳴らしている。米ジョンズ・ホ
プキンス大高等国際問題研究大学院の北朝鮮分析サイト「38ノース
」は、北朝鮮との武力衝突が近隣諸国にどれほどの大惨事をもたら
すかを示している。
  同サイトの新たな分析によれば、北朝鮮がソウルと東京を核攻
撃した場合、最大で210万人が死亡、770万人が負傷する恐れがある。
  データベースとコンピューターモデリング専門のコンサルタン
ト、マイケル・J・ザグレク氏の分析は、現在推測される北朝鮮の
兵器技術と爆弾の威力に基づいている。同氏は北朝鮮が20−25発の
弾頭と、それを弾道ミサイルに装着する能力を持っていると推定し
ている。
  北朝鮮の金正恩労働党委員長が米本土攻撃が可能な兵器開発計
画を追求し、トランプ大統領が先制攻撃をちらつかせる中で北アジ
アの武力衝突のリスクが高まった。北朝鮮が米国の同盟国を攻撃す
る可能性は極めて小さいものの、歴史は「合理的行動」をするリー
ダーの計算違いの例に事欠かないとザグレク氏は指摘する。
  同氏によると、北朝鮮の旧型弾頭は15−25キロトン程度の威力
で、1945年に広島と長崎に投下されたものと同程度だという。9月
3日の核実験に使われたものは108−205キロトンと推定され、被害
ははるかに大きくなる。
金正恩は「核を操る狂人」か「抜け目のない独裁者」か−人物像を
探る
原題:Nuke Strike on Kim’s Neighbors Could Kill Estimated 2.1 Million(抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ
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怒るトランプは「米韓FTA破棄」を命じた
対北人道支援が米国を逆なで
鈴置 高史
2017年10月7日(土)nikkeiBP
 北朝鮮包囲網を壊そうとする韓国。怒ったトランプ(Donald Trump
)大統領は米韓FTA(自由貿易協定)破棄を言い出した。北朝鮮に続
き、韓国に対しても「経済制裁」に乗り出したのだ。
国際社会を裏切った韓国
10月4日(米国時間)、米韓がFTAの再交渉で合意しました。
鈴置:トランプ大統領は就任前から米韓FTAを「不公正な協定」
(horrible deal)と非難し、改定に意欲を燃やしていました。
 再交渉すれば当然、韓国に不利な改定となるので、韓国政府は逃
げ回っていました。米国の中にも「北朝鮮の核武装を力を合わせ防
がねばならぬ時に、米韓の間で波風を立てるべきではない」と再交
渉に反対する声が根強かったのです。
 しかし北朝鮮への人道支援を決めるなど、韓国は国際社会の結束
を堂々と乱し始めました(「金正恩をコーナーに追い詰めたトラン
プ」参照)。裏切りにトランプ大統領は激怒し、韓国に対し強く出
るよう指示しました。
 米政府は「FTA破棄も辞さず」との姿勢に転じました。FTAを破棄
されたら経済的にも政治的にも韓国は大きな打撃を受けます。文在
寅(ムン・ジェイン)政権は再交渉に応じるほかなくなったのです。
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中朝関係が悪化している「確証」―米華字メディア
Record china配信日時:2017年10月7日(土) 6時20分
2017年10月5日、米華字メディア・多維新聞網は、中国が米軍空母の
香港寄港を認めたことで、中朝関係の悪化がより鮮明になったと報
じた。 
韓国紙・東亜日報は5日、米軍の原子力空母ロナルド・レーガンが
15日に朝鮮半島の北方限界線(NLL)付近にまで北上し、韓国海軍と
ともに北朝鮮の大陸間弾道ミサイルの追跡や破壊を想定した軍事演
習を実施する予定であり、中国がすでに同空母が寄港先の香港から
出航することを許可したと報道。 
そして、「中国は米韓が朝鮮半島付近で合同演習を実施することに
対し、朝鮮半島情勢を激化させるものだと批判し続けてきた。しか
し、今回中国が米空母の香港からの出航を認めたことは、北朝鮮が
18日に開幕する第19回中国共産党大会前後に挑発を行うと宣言する
なかで、米韓による北朝鮮への武力行使を黙認するものだ。中朝間
の亀裂はすでに拡大しつつある」と論じている。 
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは2日、ロナルド・レー
ガンが北方限界線を超える可能性が高くなっていると報じた。 
英紙フィナンシャル・タイムズによると、全国人民代表大会外事委
員会の傅瑩(フー・イン)主任委員が「平和に向けたいかなる協議
にも縛られることなく、北朝鮮は核の道をますます進んでいる。同
時に中国との関係も悪化した」とコメント。アナリストからは「米
韓合同演習に強く反対してきた中国が、米空母を香港から出航させ
、北朝鮮近海での武力威嚇を許したことは、中朝関係悪化の確たる
証拠である」という見方が出ていることを伝えた。(翻訳・編集/川尻)
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米朝戦争の落とし穴----誘導兵器不足で必要以上の死者が出る
War With North Korea Might Be Bloodier Than Expected
2017年10月4日(水)19時40分
ジョナサン・ブローダー
<北朝鮮との戦争シミュレーションを進める米軍には思わぬ弱点が
あった。イランやシリアの空爆で誘導兵器を使い過ぎ、開戦後1週
間で底を突く見通しだ>
米軍が北朝鮮と戦う場合に備えて計画を練るなか、米国防総省と米
議会は厳しい現実に直面している。もし米朝戦争が起きれば、太平
洋軍が備蓄する誘導爆弾や誘導ミサイルは1週間足らずでなくなって
しまう恐れがあるという。
匿名を条件に本誌の取材に応じた複数の関係筋によれば、米軍は誘
導爆弾や誘導ミサイルが底をつけば、精度の劣る無誘導爆弾による
攻撃に頼るしかなく、その結果、両軍ともに死者が増えるのは確実
だという。
地上から狙われる米軍パイロット
無誘導爆弾を投下するにはパイロットは低空飛行で標的に接近する
必要がある。敵の地対空ミサイルに撃墜される危険はそれだけ増す
。米軍のパイロットの大多数は、イラクやアフガニスタンで10年以
上そうした危険がないまま飛行しており、地対空ミサイルを回避し
た経験がほとんどないため、北朝鮮からの攻撃で撃墜される可能性
が高い。
無誘導爆弾は当然のことながら命中精度が低く、標的を外して誤爆
被害を引き起こす確率も高い。誘導爆弾とミサイルの補給には、最
長で1年かかるため、それだけ戦争が長引くことになる。
そうなれば、北朝鮮は韓国の首都ソウルに大砲やミサイルの一斉砲
撃を行う恐れがあると、米シンクタンク、ディフェンス・プライオ
リティーズの軍事専門家で退役軍人のダニエル・デービス中佐は言
う。ソウルと周辺地域の人口は2500万人で、朝鮮半島を南北に分断
する軍事境界線から南に約55キロしか離れていない。いくつかの推
計によれば、双方が攻撃をエスカレートさせて核戦争になれば、民
間人の死者は100万人に上るとみられている。
国防総省の作戦立案者がこの困難なシナリオと格闘する間にも、ド
ナルド・トランプ米大統領は北朝鮮の核・ミサイル開発問題をめぐ
って、金正恩国務委員長を相手に脅しや侮辱の応酬を続けている。
こうした罵り合いが、避けられたはずの戦争を引き起こすのではな
いかと、多くの米政府高官は恐れている。
トランプは10月1日、レックス・ティラーソン米国務長官が米朝間の
対立を緩和するために北朝鮮と直接対話のチャンネルはあると発言
したのに対し、北朝鮮と交渉するのは「時間の無駄だ」とツイッタ
ーで一蹴。金正恩を再び「小さいロケットマン」と呼んで侮辱した。




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