5943.北朝鮮問題とその解決方法



北朝鮮が、水爆実験を行い、世界は再度、制裁決議案を検討してい
るが、当分実験を続ける意向のようである。それ解決方法を検討し
よう。                    津田より

0.金正恩委員長の意図は?
北朝鮮の意図は何かを読まないと、止めることも対応策も取れない。
意図は何か?
金正恩委員長の権力維持のためであるとみている。国内の恐怖政治
と世代交代の政治体制整備を行っているが、国民から軽んじられて
いることは、金正恩委員長自身も気が付いているはず。

このため、国内安定のために、米国と張り合い、核ミサイルを開発
して、米国を屈服させる必要があるのだ。これに反対している中国
の習近平国家主席とは会談もできないでいる。このため、ますます
米国と張り合うことで金正恩委員長の権威を高めたいのだ。

よって、金正恩委員長になってから、ミサイル発射と核実験が増え
ている。開発資金として外貨獲得のために、手段を選ばずとなって
きている。

このため、本当の戦争を米国と行うことを目指していない。それよ
り、重要なことは国際社会の反対にも屈しずに、核ミサイルを完成
させることである。

このため、中距離ミサイルをグアム方向には打たずに、北海道方向
に発射させたし、核実験も事前の通告をせずに行い、軍事的な報復
を避けた。

北朝鮮は、米国と対話を重ねているが、核開発を放棄しないと米国
に通知しているという。それは、国内にまだ気がかりな抵抗勢力が
いるためであり、このため米韓の金正恩暗殺作戦にも恐れを抱いて
いるようである。

このように、国内権力確立を目指しているので、核ミサイルの開発
が終わるまで、6ケ国協議にも参加しないし、中国が対話を呼びか
けても、拒否することが確実である。

1.ロシアと中国の思惑
中国は、ある程度、北朝鮮と対話をしているので、今、核ミサイル
開発を止めて、会話をしないとみている。

しかし、ロシアは、北朝鮮の意図を知っているが、ロシアの米国内
の領事館閉鎖など米国から制裁を受けているので、対米関係上、い
やがらせ外交の局面にあり、米国を困らせることを優先している。

このため、中ロ統一的な対応すると思われたが、王外相は石油輸出
禁止を含む追加制裁を容認した。

それでも、ロシアは安保理で拒否権を発動する可能性もある。日ロ
首脳会談で安倍首相は、安保理での拒否権発動をしないでほしいと
要請したが、プーチン大統領は、色よい返事をしなかったようであ
る。ロシアは単独でも安保理で反対するようである。

それが記者会見での両首脳の顔に出ていた。無表情な顔は、意見が
大きく違うことを表している。

このため、国連安保理での追加制裁はできないことが明確化してき
た。米中を中心とした制裁賛成諸国での制裁はあり得ることになる
が、石油などをロシアが北朝鮮に提供することになる。

米国は北朝鮮と貿易する国との輸出入を禁止するというので、中国
は米国を取り、ロシアは制裁を受けているので、北朝鮮と交易して
も大きな追加の被害がない。

ということで、北朝鮮への追加制裁の効果も限定的になる。

2.戦争になるか?
韓国の文大統領は、朝鮮半島で戦争を起こさないというし、トラン
プ大統領との首脳会談で、米韓合同演習を止めて、北朝鮮と対話し
たら、北朝鮮も核ミサイル開発を止めると言っていたが、その後、
北朝鮮と米国が直接対話したが、核ミサイル開発は完成まで続ける
と述べて、トランプ大統領も「対話できる状態ではなく、圧力を増
す状況である」と述べている。

また、韓国の文大統領を非難していることでも、文大統領のリベラ
ル的な対応では無理とみていることがわかる。

しかし、安倍首相との日韓首脳会談で、安倍首相が米朝会談の状況
を伝えたことで、やっと対話が無理であること知ったようである。
このため、圧力を加える方向に賛成したのだ。

韓国は、戦争になれば最低でも100万人は死ぬと思われている。
この被害を少なくすることが戦争突入への関門となることは、マテ
ィス国防長官の演説でも明らかである。

被害の少ない戦争とは何かというと、核戦争を最初から行うことで
ある。主要な軍事攻撃の拠点を先制攻撃して潰すことが必要になる。

戦争になれば、「北朝鮮はひどいことになる」とトランプ大統領が
言うことは、米国は最初から戦術核兵器を使うということを意味し
ているとみる。

どうも、ソウルに大量のCIA要員が張り付き、米軍家族の避難の
準備をしているというし、日本政府も在韓日本人の避難の準備をし
始めているようである。しかし、空母3隻を持ってこないというこ
とは、短期決戦になるということのようである。

トランプ大統領が戦争をしない選択をする時、北朝鮮が対話に応じ
てきたとしても核放棄はしないので、核兵器を配備できることにな
る。長距離弾道ミサイルの開発を止めるだけである。

3.日本の備えは
このため、日本は普通の大国になるしかない。米国の核兵器を日本
の米軍基地に配備する非核2原則にして、核を持ち込ませずを止め
ることを石破氏は言うが、米国の国内情勢を見ると、米国第一主義
になり、それでは、日本が核攻撃されたときに核使用を決断できる
か、非常に難しいことになる。

今、トランプ大統領は、日本とともにあるというが、北朝鮮との本
格的な対話が始まれば、北朝鮮の核配備を認めていくことになると
みる。日本は北朝鮮が核ミサイルを日本に打ち込む可能性を考えた
対応策を練ることが必要になる。

1つが、無人機に迎撃ミサイルを積んで、核ミサイルがブースト段
階で、撃ち落とすことである。北朝鮮戦闘機は少ないので、無人機
を撃墜することが難しいはず。

もう1つが、核ミサイルを米国から買い、自衛隊に配備することで
ある。核の報復ができる状態にして、外交をおこなうことである。

核ミサイルを日本で開発する時間的な余裕はないので、米国と北朝
鮮が対話を開始したら、日米交渉で協議する必要がある。NPTか
ら離脱でも日米同盟堅持して、世界の国への根回しが必要になる。

そして、2つともに、憲法9条の改正が必要になる。

北朝鮮の金正恩委員長が生き残りを掛けて核開発している。これに
対して、日本政府も国民を守るための最善の方法を実施していくこ
とである。

政府の仕事で一番大きな仕事は、国民の健康と財産、文化を守るこ
とである。中朝などのような核の論理を実施している国が近くにあ
る時は、両国に対して性善説的な政策をとることはできない。性悪
説的に、どのような状況になっても、日本が生き残る方法を模索す
ることである。

安部首相は経済最優先というが、国民の命を守ることが最優先であ
るはずだ。

さあ、どうなりますか?


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