5941.地産地消経済の思想とは



地産地消経済は植生文明であり、侵略や支配を正当化する今までの
西欧文明の思想とは違うことになるはずで、それを検討しよう。 
                        津田より

0.西洋思想の問題点とは
西洋文明は、キリスト教の影響を強く受けているので、どうしても
正義と悪との2分的に区別して、例えば北朝鮮の核ミサイル開発は
悪と規定して、それを止めることや対応処置は正義とすることにな
る。

仏教では、相手の立場を自分に置き換えて考えるということが重要
と教えている。自分だけの利益を重視すると、それには報いがある
と教える。

欧米は、相手の立場を見て、その中で考えるという仏教的な立場を
取らないし、ルールを自分たちに都合の良いように変更して、それ
を正義としてしまう。

日本がスキージャンプで優勝すると、スキージャンプのルールを変
更して、日本人が優勝できないようにしている。西洋諸国は18世
紀から20世紀にかけて多くの非白人を殺したが、自分たちの殺戮
は正当化して、非白人を解放しようとした日本の行為だけを問題化
している。それを世界的に広めたことで、日本は今でも悪者という
印象である。このように西洋は自分のことだけを正当化してきた。

一神教は、自分の神のみ正義であり、それ以外は悪魔として、その
悪魔は殺してよいということになる。その戦いの現場がイラクやシ
リアであり、中東地域であることで平和が来ない理由でもある。キ
リスト教もイスラム教も一神教のために大変なことになっている。

このようなことを3世紀にも渡りおこなったことで、仏教の縁起の
理論により因果応報の定めが作用して、欧米の文明は衰退すると、
思っていた。

そして、とうとう英国から米国に覇権が第2次大戦後移動して75
年が過ぎて米国の覇権も揺らぎ始めている。トランプ大統領もバノ
ン氏もそれを止めるために登場したが、止めることは至難の業であ
る。

中国は、米国以上の速さで軍事力を強化して、米海軍の東南アジア
での活動を制限し始めた。米海軍の艦船は、4つの大きな事故を起
こして、東南アジアの任務遂行が難しくなっている。

しかし、中国が覇権を取るかというと、中国の思想は昔のままの独
裁政治と中華思想であり、地産地消経済という新しい経済社会に適
合できないようである。世界が中国の思想を受け入れることもない
と思う。

ということで、新時代の思想を日本が中心となって作り、それを世
界に波及させることが必要になっている。

1.地産地消経済は自立的
地産地消は、略奪経済ではなくなる。他者から資源や食料を略奪す
る必要がない。このため、資本主義の原料を安く仕入れて、工業製
品を高く売り、そのような仕組みで発展途上国から富を奪うことを
する必要がない。富裕層がそれ以外の人を搾取して、お金持ちにな
る必要もない。

日本人はお金持ちになることを重要視していないことで、富裕層が
尊敬の対象でもない。

やっと、今までの資本主義のような理論を作り、正当化して略奪し
ていた経済体制でなくなることで、自律的な経済が世界で同時並列
的に行うことができるようになる。

もちろん、努力や創意工夫などは価値を生むことになるが、工業製
品の方が農産品より付加価値が高いということはなくなる。

重要なのは、汎用品や基礎農産物、エネルギーなどの生活必需品は
安くてどこでも作り、嗜好品だけが世界的な貿易品となることだ。
このため、どれだけユニークな製品ができるかが付加価値を上げる
ことになる。

どこでも、自然エネルギーがあることで、エネルギーを他国から持
ってくることがなくなり、このエネルギーを使って農産物も自国で
作れることになる。

もちろん、日本も多数の人間がいるので、エネルギーが不足する可
能性が高いが、自然エネルギーは偏在していない。どこでもあるこ
とで価格的には安いことになる。近くの砂漠地域から輸送してくる
だけである。交換市場が立つかもしれないが、非常に安価になる。

エネルギーがあると、気候が寒い地域でも植物工場を立てて植物を
栽培すればよいだけである。魚も養殖になるだろうし、肉は植物代
替肉になり、カロリーなどの調整もしやすくなる。嗜好品としての
肉はあるかもしれないが、嗜好品としてである。

日本の輸入に占めるエネルギー、食糧、材料資源の金額が大きいが
、これがなくなると、輸出をすることも必要なくなる。もう1つが
、労働力不足もAIやロボットがあるので代替できることになる。

このような環境では、略奪ではなく、助け合い社会になるしかない。
皆がお互いを思いやる社会を構築することに、人間としての意義を
見出すことが必要になる。

労働ではなく意志を働かせて、皆が幸福な社会を築くことである。

2.幸福とは何か?
個人個人の幸福を高める方法が重要になる。ドーパミンが多く出る
のはどのような時かというような脳科学の時代であり、その基礎で
ある仏教思想の時代が来ることになる。

日本仏教では、インド仏教の思想面を重要視しないで、もっぱら実
践的な瞑想の方法に重きを置いてきたが、もう1度、仏教思想の面
を確かめる必要があるようだ。

基本は、人間は個人の自由度を高め、自由な発想できる環境を社会
にビルドアップしてきたし、目指してきたのである。学校のいじめ
で抑制された子供を解放しようとしているし、母子家庭の子供の自
由度を大きくするために、制度を作ろうとしている。

その根本は、皆が他者を気遣い、そして助け合うことで、人間を高
めることができると感じているからである。これは、縁起の思想で
ある。因果応報なども縁起から出た考え方であるが、その思想は仏
教思想である。

このように仏教思想がもう1度、見直される時代が来るとみる。

人間が尊厳を持ち、他者の尊厳を気遣い、それにより他者からの尊
敬を集める人が成功者となるような社会になると思う。

さあ、どうなりますか?



コラム目次に戻る
トップページに戻る