5914.都民ファースト圧勝後の政局は?



安倍政権は、国民の世論に抗しきれずに、文科省文書再調査で、前
川前次官の発言の方が正しいことになり、強引な友達優遇があった
ことを暗に認めたようなことになってしまった。このまま、都議選
を戦うと、自民党批判の風が吹き荒れて、大苦戦になる。そして、
その後の政局にも大きな影響を受けることが確実である。
                  津田より

0.加計学園問題と都議選
安倍首相のお友達優遇は、NHK会長に籾井 勝人氏を入れたところか
ら始まり、森友学園問題、そして加計学園問題と数度も起こしてい
る。しかし、前2つは、首相の任命や官僚の忖度ということで逃げ
た。だが、今回は違っていた。加計学園問題も菅官房長官が前川前
次官が言う省内にある首相の御意向の文書を怪文書としたことで、
問題のありかが変化した。

怪文書でないことを証明すれば、首相の意向であったことになると
攻撃したことで陥落、官邸の負けになり、国民の印象は、安倍首相
のごり押しで加計学園の獣医医学部はでき、土地も無償になったと
見ることになった。

また、前川前次官を不貞の輩と官邸は工作したが、それが裏目に出
てきた。官邸の汚さ、狡さが証明されてしまったのである。これは
一大事である。

そして、都議選が実質始まっている。その時に安倍首相のごり押し
と、安倍政権は汚いとなったことで、都民ファーストの候補者たち
は、自民党非難をすれば当選できる状態になってしまった。自民党
の候補者たちは大変なことになった。それも公明党の支援は期待で
きない。公明党も都民ファースト支持である。

連合も都民ファースト支援になり、民進党候補者たちは、急きょ都
民ファースト公認になるか東京改革議員団という民進党隠しをする
ことになる。

フランスのマクロン大統領と同じような現象が日本でも起きている
ように感じる、左翼も右翼もイヤという都民が多いようである。今
までは、左翼より安倍首相の方が良いと思っていたが、あまりにも
依怙贔屓な安倍さんもイヤとなったようである。

小池知事の問題点で、築地を豊洲に移転するかどうかの判断が遅い
と自民党は批判していたがその問題点は解決し、その前に東京オリ
ンピックの費用負担問題も解決している。それで、都議選に望むこ
とになり、小池知事の欠点がなくなっている。

都民ファーストが圧勝すると、自民党内には次の2018年12月
までに行う衆議院選挙に勝てるのかの疑問が出てくることになる。
後、1年6ケ月であるが、この問題がなければ、都議選の後、そう
時間を空けずに衆議院選挙のはずであったが、なるべく遅くした方
が良いことになってしまった。2018年12月の可能性が高くな
ったとみる。

ということで、久しぶりに政治の季節が始まる。政局が報道の前面
に出てくることになる。

1.自民党総裁選挙
自民党総裁は2018年9月2期目が終了して総裁選挙になるが、
今までは、安倍首相が3期目の21年9月まで続投という可能性が
高かったが、12月に迫る衆議院選挙に誰をトップに戦うのかとい
う自民党内部の抗争が激化する可能性が高まることになる。

このため、麻生副総理の派閥吸収や石破氏など反安倍陣営の勉強会
が動き始めた。そして、石破、麻生、岸田氏など、次期総裁候補が
今後、自己の政策を構築し始めることになる。

安倍首相の支持率が落ちて30%台になると、戦えないので交代の
候補が必要になる。その時、アベノミクスをどうするのかの議論も
必要になってくる。

金融政策だけでは、デフレが脱却できないことは4年も量的緩和を
してもできなかったことで明らかである。日本経済の潜在能力を上
げないと達成できない。もう1つが、バーゼル3の対応を考え財政
均衡を考え始めないといけなくなっている。

安倍政権は縮小の可能性があった日本経済を小康状態に保てたが、
日本の次の生き残りのための構造改革は不十分である。この部分で
の改革をしないと中国経済に後れを取り、経済力の差が拡大して、
それにより軍事費の差も拡大して、日本の安全保障上の懸念は増す
ことになる。

このため、ポスト・アベノミクスが必要である。

2.ポスト・アベノミクスを誰が行うのか?
次期政権は、安倍首相の続投、自民党での交代、野党の政権奪取の
3つであるが、誰になってもポスト・アベノミクス政策が必要にな
る。

金融政策だけでは、日本経済の復活はできずに、構造改革を早急に
行う必要があるからだ。労働人口の減少と少子高齢化は日本経済に
大きな負担でのしかかっているためで、移民政策を実質拒否してい
る日本会議をバックにした右翼政権では、この問題を解決できない
ことは、明白である。

移民を受け入れる方向で、日本語や日本文化教育、テロなどの危険
がない民族の選択、次世代の子供たちが日本人として育つ環境はど
うしたらよいかなど、多くの移民受け入れを行うための政策選択が
必要になる。この議論を国民にも公開して早く始める必要になって
いる。

財政均衡化も議論することが必要である。バーゼル3では、AA以下
の国債はリスク資産となり、銀行が持てなくなるからである。財政
均衡を図らないと国債格付けは、AA以下になる可能性が高い。

ということで、日本の針路を大改革する必要になっている。

しかし、野党で第一党の民進党は、共産党と共闘するので、左翼入
りしてしまったが、国民はただ反対するだけの左翼を信用していな
い。そして、右翼で依怙贔屓の安倍首相もイヤになっている。

このため、左翼でも右翼でもない中道での改革という政党を国民は
渇望している。それに近いのが、日本維新の会と都民ファースト党
の2つになる。

ということで、政権は安倍首相続投、自民党石破、岸田、麻生のい
ずれかと野党の日本維新の会、都民ファースト党のだれかであろう。

しかし、橋下さんが安倍改造内閣で法務大臣になると、日本維新の
会は準政権党になり、自民党が崩壊したときに影響を受けることに
なりそうである。

そう考えると、一番可能性があるのは、自民党の誰か、安倍首相続
投になると思う。

この政局の混乱が起きると当分続き、日本経済にも影響が起きるこ
とになる。海外投資家は、安倍安定政権であるので、日本への投資
をしているが、混乱の長期化と見ると日本投資の規模を縮小してく
ることになる。日経平均株価は下がることになる。

さあ、どうなりますか?

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内閣改造、8月後半にも…菅、麻生氏留任へ
2017年06月17日 06時00分
 安倍首相は、8月後半にも内閣改造・自民党役員人事に踏み切る
意向を固めた。
 第193通常国会は16日、会期末である18日を前に事実上閉
会した。野党は学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡る問題な
どで引き続き攻勢を強める構えを見せており、秋以降の憲法改正案
の具体化や「働き方改革」実現に向け、新体制で臨む必要があると
判断した。政権の骨格である菅官房長官、麻生副総理兼財務相が留
任し、自民党の二階幹事長も続投するとの見方が強い。
 複数の政府・自民党関係者が明らかにした。内閣改造は参院選後
の昨年8月に行われて以来。政府は秋の臨時国会を9月下旬に召集
する方向で調整しており、内閣改造から国会召集まで準備期間を確
保し、野党との国会論戦に備えたい考えだ。通常9月に行われる党
役員人事も、内閣改造に合わせて前倒しする。
(ここまで357文字 / 残り507文字)
2017年06月17日 06時00分 Copyright c The Yomiuri Shimbun
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豊洲移転を週明け表明 小池都知事、周辺に伝える 
無害化達成「守れていない」築地市場で陳謝
2017/6/17 14:06日本経済新聞 電子版
 東京都の小池百合子知事は築地市場を豊洲市場に移転する方針を
固め、週明けに臨時の記者会見を開いて表明する。17日までに知事
周辺の複数の関係者に伝えた。築地の跡地は売却せずに民間企業に
賃貸し、築地ブランドを生かした観光やにぎわいの拠点として活用
する考えも示す。23日の東京都議選告示を前に、都政最大の課題が
動き出す見通しになった。
 記者会見は19日か20日を検討。安倍晋三首相が19日夕に通常国会
閉会を…
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自民党が日銀の金融政策で勉強会、石破氏「日本は極めて危機的」
日高正裕
2017年6月15日 18:56 JST
自民党の有志議員でつくる「財政・金融・社会保障制度に関する勉
強会」が2回目の会合を開き、金融政策に関して意見交換した。初
めて出席した石破茂元幹事長は会合後、「日本が迎える状況は極め
て危機的」であり、「侃々諤々(かんかんがくがく)の議論が行わ
れるのは当たり前だ」と記者団に語った。
  15日に開かれた会合では会長を務める野田毅前党税制調査会長
のほか、村上誠一郎元行革担当相が務めるなど安倍晋三政権と距離
を置くメンバーを中心に発足。5月16日に第1回勉強会を行った。
今回は日銀批判の急先鋒(せんぽう)である元日銀理事の早川英男
・富士通総研エグゼクティブフェローが講師を務めた。
  同勉強会が「反アベノミクス勉強会」と呼ばれていることに対
し、石破氏は「そういう政局的な言い方は間違いだ」と言明。「政
局ではなく政策で論じるべき」と強調した。
  安倍政権の経済政策については「アベノミクスなるもので企業
収益は最高になり、税収も伸びたが、企業の生産性が上がったのか
、収益力が上がったのか、検証は必要だ」と指摘。必要なのは企業
がもっと稼ぐ力を持つことで、「原油安や円安だけに頼る経済政策
であってはならない」と述べた。
金融政策
  日銀は15日から2日間の日程で金融政策決定会合を開いている
。黒田東彦総裁の任期満了まで1年を切ったが、物価上昇の足取り
は重い。一方で、日銀の資産規模は前月末に初めて500兆円台に達し
、2013年4月に量的・質的金融緩和を導入して以降3倍に膨らんで
いる。資産の膨張に不安の声も強まっており、国会でも出口戦略に
関する説明を求める声が出ている。
  早川氏は勉強会で、日銀は異次元緩和の出口において「年間数
兆円の赤字がしばらく続くという試算が出ており、今後もどんどん
続けばロスもどんどん拡大する」と述べた。石破氏は「早川先生の
議論は、ずっと前から勉強させていただいているので、再確認させ
ていただいた」と語った。
  村上事務所によると、出席したのは国会議員が37人、代理が40
人。野田毅、村上、石破の各氏以外では、中谷元、野田聖子、衛藤
征士郎、額賀福志郎衆院議員などが出席した。1回目の出席者は国
会議員が61人、代理が19人が出席した。
最新の情報は、ブルームバーグ
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首相「率直に反省」 加計問題、再調査で文書確認 
2017/6/16 13:59nikkei
 安倍晋三首相は16日の参院予算委員会で、学校法人「加計学園」
の獣医学部新設をめぐり、内閣府が文部科学省に「総理のご意向」
などとして手続きを促した19文書のうち、同省の再調査で14文書の
存在を確認したことについて「対応に時間がかかったことは、率直
に反省したい」と述べた。
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加計問題、官僚に責任押しつけ 「出向者が陰でご注進」
2017年6月17日00時22分asahi
 加計(かけ)学園の獣医学部新設計画で、「総理のご意向」など
と書かれた文書をめぐり、内閣府が文部科学省と食い違う調査結果
を出した16日。この日の国会審議で浮かんだのは、責任を役人に
押しつける政権側の姿だった。疑問を残したまま、国会は事実上閉
会した。
 16日午後の参院予算委員会の集中審議。「最短のスケジュール
を作成してほしいと文部科学省に言ったのか」。民進党の福山哲郎
氏が内閣府の藤原豊審議官にただすと、山本幸三・地方創生相が突
如、答弁席に向かった。「私に聞いていただきたい」
 語り出したのは、前日の文科省の発表で明らかになった内閣府か
らのメールについてだった。実質的に加計学園しか獣医学部新設に
応募できなくなる要件を萩生田光一・内閣官房副長官が指示したと
うかがえる内容が記されたものだ。
 「(メールを)つくった方はですね、直接の担当者でもありませ
ん。文科省から出向してきた方で」
 山本氏が切り出すと、一斉にヤジが飛ぶ。それでも表情を変えず
に「陰で隠れて本省の方にご注進したというようなメールでありま
す。そういう意味では事実を確認して出したメールではありません
」と続け、一時は答弁がかき消されるほど場内は騒然とした。
 この答弁は、この日の国会でもメール内容を否定した萩生田氏を
後押しした。「安倍政権は何か問題が起こると必ず役人のせいにす
る」。福山氏は森友学園への国有地売却問題を挙げ、「森友の時の
財務省も気の毒だった。内閣府も本当に皆さん気の毒だと思う」と
述べた。
 国家戦略特区の担当大臣として集中審議に臨んだ山本氏。その答
弁で目立ったのは、官僚をやり玉にあげる姿勢だ。
 共産党の小池晃氏が「『加計学園に合わせて岩盤規制に穴を開け
たのでは』という疑念に説明ができるのか」と問うと、山本氏は「
行政がゆがめられた」と告発した当時の事務方トップ、前川喜平・
前文科事務次官の名前を持ちだした。
 「前川さんはゆがめられたなんて言ってますけど、逆」と前置き
し、「本当にそうだったら、抵抗して、その証拠を示さなきゃいけ
なかった。(前川氏は)やらなかった」と強調。突然の前川氏批判
に、小池氏は「そこまで言うんだったら、何で(前川氏の)証人喚
問をやらないのか。個人攻撃まがいのことまでして」と声を荒らげ
た。
 内閣府側は、「総理のご意向」などと藤原氏が発言したことを繰
り返し否定した。さらに、当時のやり取りを記した記録を確認でき
なかった、と説明した。
 「文科省とのやりとりは文書に残っていないのか」と問われた山
本氏は「調査したところ、そういう文書は残っていない」と答弁。
藤原氏も「当時の出席者に私なりに確認をしたが記録がない」と続
けると、質問した民進の福山氏はこう批判した。
 「森友学園の財務省にそっくりになってきました。都合の悪いこ
とは、捨てる、なくす、ありません」
 集中審議には安倍晋三首相も出席したが、答弁は山本氏や藤原氏
に集中。安倍首相は「私の意思で決めるということは全くあり得な
い」と強調したが、野党への挑発や批判を繰り返してきたこれまで
の答弁の姿とは打って変わって、手元の紙を見ながら答弁する姿が
目立った。
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