6394.米国の金融危機が迫っている



月曜日有料版0章途中までをお送りします。

米国は、減税法案を下院で可決したが、米国債金利が上昇して、シ
ャドーバンクの危機が迫っているようだ。その状況と今後を検討し
たい。   津田より

0.米国と世界の状況
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、
2024年12月4日45,014ドルの史上最高値更新、2025年5月16日は
42,654ドルで、19日は137ドル高の42,792ドル、20日は114ドル安の
42,677ドル、21日は816ドル安の41,860ドル、22日は1ドル安の41,859
ドル、23日は256ドル安の41,603ドル。

先週、株価は1000ドルの下落。21日に再度トリプル安(株安、債券
安、ドル安)になり、816ドル安になった。この時点でドル円は、
143円台まで円高になった。しかし、米PMIは上昇となり、関税一時
停止による景気維持のようである。そして、23日にEUへの50%関税と
トランプ氏が発言して、256ドル安であるが、下落幅が小さくなって
いる。

しかし、トリプル安の方が株価に影響し、その原因は、トランプ氏
の減税・歳出法案が米下院議会で可決されたことであり、米30年債
金利は5.08%、米10年債金4.59% となり、入札が不調のため、20年債
入札の最高落札利回りは5%を上回った。

そして、この法案の内容は、ゴールデン・ドーム計画の防衛費増大
、トランプ減税、チップ・残業代の非課税化などの赤字拡大とメデ
ィケイドの削減、温暖化対策費の削減の赤字縮小の内容ようであり
、赤字が増える要素の方が大きいので、上院共和党保守強硬派が法
案成立を阻止するという。

ということで、財政赤字が膨張するかどうかが分からなくて、安全
な投資先としての米国の地位を脅かされたようだ。

DOGEの歳出削減が十分できずに、その原因が議会の抵抗であり、こ
の状況が解消されないと、財政膨張が止まらないことになる。

この米長期国債の金利上昇により、日本と英国の30年債利回りも上
昇して、日本30年債金利が3.178%、40年債金利3.635%まで上昇して
いる。

超長期国債を買うのは、生保損保であり、ソニー生保は日米超長期
国債を売却する検討をして、これ以上の金利上昇による減損を避け
るようだ。

世界の生保損保が有利な金利と安全性で超長期国債を物色し、財政
赤字や金利上昇による国債価格の値下がりに機敏に対応するようで
あり、日本から世界に向けられた流動性供給が巻き戻しになってい
る可能性があり、それが米国売りの様相になっている。

日本の貯蓄した資金が米国から日本に戻ると、米国の金融危機になる
と騒いでいる。

そして、この米国債を一番持っているのは、米国内の地方銀行やシ
ャドーバンクなどの金融機関である。この損失が大きく、このため
、FRBは破綻しないように、大手銀行を通じてシャドーバンクに貸出
すを増やしているようだ。FRBはQEを行っているということになる。

このため、株価は大きく落ちないが、潜在的に金融危機が迫ってい
るように見える。地方銀行はFRBの監視下であり、国債にレバレッジ
を大きくは掛けていないが、シャドーバンクでは、高レバレッジを
かけているので、破綻リスクが出ている。

逆に、米国債危機でベッセント財務長官は、米国債取引に関わる銀
行規制の緩和をFRBに求めている。地方銀行の安全を重視するか、米
国債買取先の確保を重視するかの違いが出ている。

このような米国内の状況を見て、日欧などの投資家は、米国から逃
げている。米国の金融危機を嗅ぎつけているからだ。

以後は有料版を見てください。

0.米国と世界の状況
1.日本の状況
2.ウクライナ戦争推移とその他地域の情勢


コラム目次に戻る
トップページに戻る